有価証券報告書-第60期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/22 16:15
【資料】
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【項目】
119項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度の売上高は131,543百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益は8,418百万円(前年同期比18.9%減)、経常利益は8,631百万円(前年同期比21.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,650百万円(前年同期比28.2%減)となりました。
報告セグメントの業績は次のとおりであります。
(日本)
日本での売上高は57,382百万円(前年同期比0.6%増)、セグメント利益は2,459百万円(前年同期比36.1%増)となりました。アスレチックウェアにおいては「デサント」は好調に推移いたしましたが、「ルコックスポルティフ」と「アンブロ」は苦戦いたしました。ゴルフウェアにおいては、「スリクソン」は好調に、「ルコックスポルティフ」は堅調に推移いたしましたが、「マンシングウェア」は苦戦いたしました。アウトドアウェアでは若干苦戦いたしましたが、全体としては売上高は前年実績を上回りました。損益面では売価率の改善により前年を上回りました。
(アジア)
アジアでの売上高は70,551百万円(前年同期比7.2%減)、セグメント利益は6,372百万円(前年同期比27.5%減)となりました。韓国においては「ルコックスポルティフ」と「マンシングウェア」は苦戦しましたが、「デサント」が堅調に推移いたしました。中国においては「アリーナ」、香港とシンガポールにおいては「ルコックスポルティフ」を中心に概ね堅調に推移いたしました。邦貨ベースでは、為替における円高基調が大きく影響し、売上高、利益ともに前年を下回りました。
(欧米)
欧米での売上高は3,609百万円(前年同期比31.1%増)、セグメント損失は485百万円(前年同期は234百万円のセグメント損失)となりました。前第3四半期連結会計期間よりイノヴェイトグループを連結の範囲に含めたことに伴い、売上高は増加いたしましたが、のれん償却に伴う販管費が増加したため損失は拡大いたしました。
取扱商品の品目別売上高の状況は次のとおりであります。
(アスレチックウェア及びその関連商品)
アスレチックウェア及びその関連商品の売上高は83,710百万円(前年同期比4.3%減)となりました。
「デサント」では、当社の関連会社である「デサントチャイナ有限公司」が中国一号店である「DESCENTE Shop Changchun Charter Shopping Center(デサント ショップ チャンチュン チャーター ショッピング センター)」を2016年8月に中国・長春市にオープンいたしました。また12月末までに計6店舗をオープンさせ、アジアでの事業拡大を進めております。また2017年2月にドイツ(ミュンヘン)で開催されたスポーツ用品の国際総合見本市「ISPOミュンヘン2017」において「オルテライン」コレクションで2商品がISPOアワード金賞、1商品がISPOアワードをそれぞれ受賞いたしました。国内においては、プロ野球球団「オリックス・バファローズ」と2017年シーズンからオフィシャルサプライヤー契約を締結いたしました。レプリカウエアなどの販売に加え、京セラドーム内にブランドショップを展開し、ブランド価値向上と野球事業の拡大を図っております。
「ルコックスポルティフ」では、世界三大スポーツイベントの1つでサイクルレースの最高峰である「ツール・ド・フランス」について、2017年からの5年間に渡るオフィシャルスポンサー契約を更新いたしました。本契約に基づき、毎年6~7月に行われるツール・ド・フランスで「ルコックスポルティフ」ブランドのリーダージャージを提供するほか、大会役員やスタッフも同ブランドのウエアを着用します。また国内では、直営新業態「le coq sportif avant(ルコックスポルティフ アヴァン)」を立ち上げました。2017年3月原宿路面店のリニューアルオープンを皮切りに東京・丸の内、横浜・みなとみらいに計3店舗をオープンしました。「le coq sportif avant」を通じ、スポーツブランドならではの機能性と、高いファッション性を活かし、都市生活者に向けたアーバンライフスタイルを発信しております。
「アリーナ」ではシンクロナイズドスイミング日本代表の井村雅代ヘッドコーチと共同開発した水着をシンクロナイズドスイミング日本代表へサプライし、ブランド価値向上を図りました。また直営店「アリーナショップ 原宿店」をリニューアルし、旗艦店「アリーナショップ 東京」を2017年3月に東京・原宿にオープンいたしました。「アリーナショップ 東京」はウォータースポーツを楽しむ方々に向けて、ブランドの世界観を表現・発信しております。また中国においては、香港Symphony Holdings Ltd.の在中国子会社と、当社の在中国子会社である上海デサント有限公司との間で、合弁会社「アリーナ上海実業有限公司」を2016年12月に設立し、2020年までに、店舗数を倍増させ、中国スイムウェア市場でのシェアNo.1を達成する計画を推進してまいります。
「アンブロ」では展開商品のジュニア用シンガードが「第10回キッズデザイン賞」(主催:キッズデザイン協議会)において、キッズデザイン賞を受賞した作品の中からさらに優秀作品に授与される「キッズデザイン協議会会長賞」を受賞いたしました。
(ゴルフウェア及びその関連商品)
ゴルフウェア及びその関連商品の売上高は35,393百万円(前年同期比0.4%減)となりました。
「マンシングウェア」では、少量でも暖かい高品質のダウンを使用することで軽さと暖かさを両立させたダウンベスト「デュアル・エア・ダウン」の販売を開始しました。また韓国では「デサントコリア マンシングウェア マッチプレイ」を開催するなどブランド価値の向上に努めております。
「ルコックスポルティフ」では契約選手であるイ ボミプロが日本国内女子ツアーにおいて2年連続の賞金女王となるなど引き続き好調でブランド価値の向上に貢献しております。
「デサント」では世界4大メジャー大会である「マスターズ・トーナメント」において優勝経験のあるダニー・ウィレットプロとウエア着用契約を締結し、一層のブランド認知度向上を図っております。また発熱する電熱シートを内蔵し、温度調節が可能な「モバイルサーモ中わたジャケット」の売上が、2016年12月上旬の販売開始以降、好調に推移いたしました。
(アウトドアウェア及びその関連商品)
アウトドアウェア及びその関連商品の売上高は12,440百万円(前年同期比2.6%減)となりました。
「デサント」では売上は前年並みに推移いたしましたが、営業利益は前年を上回りました。また、子供が快適で安全にスキーや雪遊びができるように袖口からの雪の侵入を防ぐための機能「かふっく」を開発し、実用新案に登録されました(実用新案登録第3205312号)。
その他のトピックスとして、当社は2017年2月15日開催の臨時株主総会において、2017年4月1日を効力発生日とする会社分割によるグループ組織再編が承認されました。本グループ組織再編は①グローバルでのブランド価値向上②「現地適応型」のグローバル化推進③日本事業の再構築と強化を目的としています。詳細については2016年12月26日に「当社子会社との会社分割(吸収分割)契約締結および定款の一部変更(事業目的の一部変更等)に関するお知らせ」にて公表しております。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ3,221百万円減少し、21,907百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、5,520百万円の収入超過(前連結会計年度は9,883百万円の収入超過)となりました。これは主な減少要因として法人税等の支払額3,448百万円、たな卸資産の増加額2,666百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益8,533百万円、減価償却費2,707百万円の計上、仕入債務の増加額185百万円などの増加要因があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、6,165百万円の支出超過(前連結会計年度は5,245百万円の支出超過)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出4,116百万円、無形固定資産の取得による支出438百万円に、関係会社出資金の払込による支出1,295百万円などによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロ-は、1,643百万円の支出超過(前連結会計年度は925百万円の支出超過)となりました。これは主に配当金の支払額1,280百万円によるものです。