有価証券報告書-第57期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/19 11:52
【資料】
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【項目】
115項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、米国経済が回復軌道を辿り、欧州経済も一時期の景気後退から消費や企業業況は回復傾向にありますが、一部地域の紛争・緊迫化による景気への影響が新たに懸念されています。また、アジア経済は中国景気の減速、新興国の外需牽引力の弱さなどから、成長は鈍化傾向にあります。
日本経済は、円安や株価上昇など経済政策効果が企業収益を改善させ、消費拡大など景気回復基調が見られましたが、消費税率引上げに伴う反動や海外経済の動向による影響が懸念されます。
当スポーツ業界においては、9月に2020年のオリンピック・パラリンピックの東京開催が決定し、2月に「第22回オリンピック冬季競技大会(2014/ソチ)」が開催されて大きく盛り上がりました。2014年6月には「FIFA ワールドカップ20回記念大会(2014/ブラジル)」の開催が予定されるなど、今後も引き続きスポーツへの注目は高まっております。
このような状況の中、当社グループは当期を初年度とする中期3ヶ年計画「Compass 2015」の達成に向けて、各種政策を推し進めております。
商品政策では、2015年よりデサントコリア株式会社を通じて韓国における「アンブロ」の展開を開始するため、「アンブロ」ブランドの韓国における商標権を新たに獲得いたしました。また、「アリーナ」ではフィギアスケートの浅田真央選手がプロデュースする「MaoMao」ブランドとの取り組みによりフィットネスウェア「MaoMao by arena」の販売を開始しました。戦略機能素材としては、春夏シーズンの太陽光遮蔽素材「サンスクリーン」、秋冬シーズンの蓄熱保温素材「ヒートナビ」を使用した商品を各ブランドで展開してまいりました。さらに、ドイツ(ミュンヘン)で開催されたスポーツ用品の国際総合見本市「ISPOミュンヘン2014」において、「デサント」ブランドの2商品が「スキー部門」と「パフォーマンス部門」でコンセプト、デザイン、技術および環境への配慮などの優れた商品に贈られるISPOアワード金賞を昨年に引き続き受賞いたしました。なお、この商品は今秋より販売を予定しております。
販売活動では、国内においては、リテール事業強化のため、コーポレートブランド「デサント」のフラッグシップショップ「DESCENTE SHOP TOKYO(デサント ショップ 東京)」を原宿にオープンいたしました。その他にも「マーモット」のコンセプトショップ「マーモット 西宮ガーデンズ店」のオープンなどショップインショップの展開も進めてまいりました。海外においては、韓国で「デサント」の展開店舗を拡大し、香港でも直営店をオープンするなど引き続き展開店舗拡大を進めております。
広告宣伝・販売促進活動では、「第22回オリンピック冬季競技大会(2014/ソチ)」において、日本代表選手団及びスイス代表選手団にオフィシャルスポーツウェアを提供したほか、日本代表のボブスレーやリュージュ、スイスやスペイン、韓国代表のアルペンスキーをはじめ、各国代表に競技用ウェアなどもサプライいたしました。国内においては、野球で、「デサント」のオフィシャルスポンサー契約を締結していた「東北楽天ゴールデンイーグルス」が、日本シリーズを制しました。ゴルフでは、当社契約の横峯さくらプロ(ルコックスポルティフ)が「第44回マンシングウェアレディース東海クラシック」で優勝するなど多くの契約選手が活躍いたしました。海外においても、韓国でデサントコリア株式会社が契約する「ルコックスポルティフ」着用のFCソウルがアジアチャンピオンズリーグで準優勝し、ゴルフでも「マンシングウェア」着用の裵 相文(ベ・サンムン)プロが、アメリカPGAツアーや韓国PGAツアーで優勝するなど、国内と同様にイベントや大会への協賛等を通じて各国で展開ブランドのイメージ向上に努めました。
社会貢献活動では、「特定非営利活動法人東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会」のオフィシャルパートナーとして協賛し、招致活動をサポートしてまいりました。また、福島県双葉郡(楢葉町、広野町)、福島県富岡町において、デサントヘルスマネジメント研究所で培ったノウハウを活用し、健康増進プログラム「東北元気アップ教室2013」を開催、引き続き被災地の方々の心と体の健康維持向上のための支援活動を続けてまいります。スポーツ振興事業推進においては、8年目を迎えた「すこやかキッズスポーツ塾」を、小学生を対象に開催いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は109,944百万円(前年同期比19.6%増)、営業利益は6,271百万円(前年同期比15.7%増)、経常利益は6,643百万円(前年同期比17.8%増)、当期純利益は4,470百万円(前年同期比25.5%増)となりました。
報告セグメントの業績は次のとおりであります。
(日本)
アウトドア事業は好調に推移し、ゴルフ事業及びアスレチック事業は堅調に推移いたしました。結果、売上高は59,336百万円(前年同期比2.5%増)となりましたが、仕入コストの増加と在庫の適正化に向けた消化促進策による粗利減などで、セグメント利益は823百万円(前年同期比56.2%減)となりました。
(アジア)
韓国では事業全般にわたり好調に推移し大幅な増収となり、香港でも同様に好調に推移いたしました。中国も一時期の低迷を脱し、順調に推移いたしました。なお、為替変動は業績に好影響をもたらしました。結果、売上高は49,720百万円(前年同期比50.0%増)、セグメント利益は5,603百万円(前年同期比57.0%増)となりました。
(北米)
北米ではスキーウェアを中心としたアウトドア事業を行っております。売上高は887百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント損失は162百万円(前年同期は73百万円のセグメント損失)となりました。
取扱商品の品目別売上高の状況は次のとおりであります。
(アスレチックウェア及びその関連商品)
国内市場においては、「ルコックスポルティフ」はレディースアイテムが販売を牽引して好調に推移し、「アリーナ」は堅調に「アンブロ」は横ばいとなりました。「デサント」は野球アイテムが契約チームや契約選手の活躍により販売を伸ばしました。アジア市場では、韓国において「デサント」の現地企画が好評を博し、ダウンジャケットやシューズが好評だった「ルコックスポルティフ」も好調に推移いたしました。上海では、「アリーナ」が水着の販売を伸ばし、オンラインショップの売上も大幅に伸長したことで、好調に推移いたしました。結果、売上高は65,621百万円(前年同期比 20.6%増)となりました。
(ゴルフウェア及びその関連商品)
国内市場においては、高級素材を用いた「ランバン スポール」は順調に推移し、「カルバン・クライン ゴルフ」は展開店舗の増加により売上を大幅に伸長しました。「マンシングウェア」はパンツアイテムの販売が伸び、「ルコックスポルティフ」も冬場のブルゾンやパンツの販売が伸びたことにより堅調に推移いたしました。アジア市場においては、韓国では「マンシングウェア」は長袖シャツやダウンジャケットが販売を牽引し好調に推移し、「ルコックスポルティフ」はレディースアイテムのデザインが好評を博し、好調に推移いたしました。上海では「マンシングウェア」は、百貨店の低迷などの悪条件が重なったものの、ダウンジャケットなどが販売を伸ばし、好調に推移いたしました。結果、売上高は33,683百万円(前年同期比12.4%増)となりました。
(アウトドアウェア及びその関連商品)
国内市場においては、「マーモット」は高機能ダウンアイテムが好評を博し、専門店での売上伸長に繋がり好調に推移いたしました。アジア市場においては、韓国において「デサント」は、アウトドアと共にスキーウェアの売上が大幅に伸長したことから、好調に推移いたしました。北米においては、売上は横ばいとなりました。結果、売上高は10,639百万円(前年同期比40.8%増)となりました。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ1,120百万円(6.4%)減少し、16,266百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益6,643百万円、減価償却費1,713百万円の計上がありましたが、売上債権の増加額2,105百万円、法人税等の支払額1,939百万円などにより、3,976百万円の収入超過(前連結会計年度は1,528百万円の収入超過)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、韓国での物流倉庫の建設や、商標権の取得などにより、4,767百万円の支出超過(前連結会計年度は2,005百万円の支出超過)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロ-は、長期借入れによる収入976百万円、長期借入金の返済による支出1,500百万円、配当金の支払額602百万円などにより、1,228百万円の支出超過(前連結会計年度は725百万円の支出超過)となりました。