有価証券報告書-第156期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、個々の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって、重要な見積りや計画の策定は、過去の実績や現状を勘案して合理的に行なっておりますが、これらは不確実性を伴うため、実際の結果は異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産について減損の兆候がある場合、減損損失の認識の判定は、当該資産グループの来年度計画及び将来の事業計画に基づく割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって行なっております。判定の結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回り、減損損失の認識が必要とされた場合、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額又は使用価値のいずれか高い方の金額)まで減額し、当該帳簿価額の減少額は減損損失として認識します。将来キャッシュ・フローの算定は一定の見積り・前提により行っておりますので、将来キャッシュ・フローが想定より減少した場合は、将来の連結財務諸表において、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、将来の課税所得について合理的な仮定に基づく見積りを行い、繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得に関する仮定について変動が生じた場合などは、将来の連結財務諸表の繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、主要セグメントについて以下の前提にて、会計上の見積りを行なっております。
紙・パルプ事業においては、需要は前期に比べて緩やかに回復するものの、テレワークの定着などにより企業のペーパーレス化が進むなどの事業環境の変化もあり、感染拡大前の水準には戻らないと仮定しております。
イメージング事業においては、世界的にイベントや旅行が元の水準に戻るには時間がかかりますが、イベント等の開催制限の緩和も見られますので、2022年3月期は需要の回復途上にあると仮定しております。
機能材事業においては、建築用途などで影響を受けた化学紙の需要は2022年3月期に概ね回復すると仮定しております。その他の機能材料については、大きな影響を受けておりません。
新型コロナウイルス感染症の影響が仮定と異なった場合、将来の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
② 経営成績に関する説明
当期は、新型コロナウイルス感染症の影響により日本経済および世界経済は厳しい状況で推移いたしました。経済活動は一部に持ち直しの動きが見られたものの、コロナ禍の収束時期が見通せないなかで、先行きは依然として不透明な状況が続いています。
紙パルプ産業においては、情報メディアの電子化による構造的な需要減退があるなかで、テレワーク増加やイベント中止などによる印刷・情報用紙の需要減退が加速いたしました。
このような状況下、需要動向に合わせた生産体制の整備を実施するなど、急変する状況に応じて柔軟に対応を行ってまいりました。
2年目に入った「新中期経営計画」(2019年4月~2022年3月)につきましては、3つの重点戦略、
① 王子グループとのアライアンスによる強固な経営基盤の確立
② 既存事業の再構築と充実
③ 新たな収益の柱の育成による事業基盤の多様化
に精力的に取組み、基本方針である「新しいステージに立った事業基盤の強化と多様化」を進めています。
王子グループとのアライアンスでは、「2020年7月にノーカーボン事業の当社高砂工場移管」、「2021年10月(予定)に当社白河事業所のプレスボード事業の王子エフテックス㈱への事業譲渡」などの施策により、資本業務提携効果によって事業ポートフォリオの変革と経営基盤の強化を進めています。
当期は、各事業ともコロナ禍の影響による需要減少の影響が大きく、連結売上高は1,623億2千5百万円(前期比16.6%減)となりました。
損益面では、工場固定費削減などのコストダウンや原燃料価格安の効果はありましたが、生産販売数量の減少の影響が大きく、連結営業損失は17億7千万円(前期は営業利益19億7千6百万円)、連結経常損失は6億3千6百万円(前期は経常利益26億9千6百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、つくばR&Dセンター閉鎖に伴う減損損失を計上したことなどにより、25億3千2百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益8億1百万円)となりました。
当社単体では、売上高は866億1千9百万円、営業損失は30億9千5百万円、経常損失は7億3千5百万円、当期純損失は関係会社株式評価損、関係会社出資金評価損などを計上したことにより、58億1千8百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(紙・パルプ事業)
国内市場につきましては、製品価格水準は維持しましたが、コロナ禍の影響により上期を中心に需要の減退が大きく、販売数量、金額ともに減少しました。輸出につきましても販売数量、金額ともに減少しました。かかる状況下、需給引き締めを図るため減産を継続し、さらに今後の需要減少を見据えた生産体制の確立に取り組んでまいりました。
欧州子会社につきましては、コロナ禍により各主力製品の需給関係が悪化し、販売数量の減少とともに価格が低下、為替の影響も加わり、販売金額は減少しました。
市販パルプにつきましては、コロナ禍の影響等で国際市況が低迷し、販売数量、金額ともに減少しました。
以上の結果、紙・パルプ事業全体の売上高は1,253億4千万円と、前期比14.4%減となりました。営業損益は、前期の11億4千万円の利益から24億4千万円減少し、12億9千9百万円の損失となりました。
原燃料価格安やコストダウン効果はありましたが、生産販売数量減少のマイナスをカバーするには至りませんでした。
コロナ禍の影響は今なお続いており、紙需要の先行きについても予断を許さない状況にあります。これに対し、引き続き需要動向に合わせた生産体制最適化と在庫適正化を進め価格の維持を図ってまいります。さらに、王子グループとの協業強化等により物流費削減に取り組むとともに、晒クラフト紙や機能板紙の拡販、脱プラスチックに寄与するバリアコート紙の品揃え拡大などを進め、製品ポートフォリオの転換を加速し、早期に収益の安定化を目指してまいります。
(イメージング事業)
コロナ禍に伴う旅行やイベントの自粛・中止の影響等により、国内及び海外市場ともに、画像出力用途を中心とする写真感光材料やインクジェット用紙の需要は低調で販売金額は減少しました。
以上の結果、イメージング事業全体の売上高は251億8千2百万円と、前期比25.1%減となりました。
営業損失は前期の3億3千万円から、損失幅が17億9千8百万円拡大し、21億2千8百万円となりました。
販売数量の減少、生産設備の稼働率低下によるコスト上昇などのマイナス要因が大きく、業務用途のインクジェット用紙の新規開拓、アルコール除菌液など感染症予防製品の販売、固定費の削減に努めましたが、カバーするには至りませんでした。
国内外で生産体制の再編と販売体制の効率化に取り組み、世界各国の市場動向に柔軟に対応しながら、製品ラインナップの拡充と海外顧客との協業体制構築による販売力強化を推進し、収益の改善に取り組んでまいります。
(機能材事業)
化学紙につきましては、建築用途等でコロナ禍の影響が強く、主力の化粧板原紙や壁紙用裏打紙等の数量が落ち込み販売金額は減少しました。
また、その他の機能材料につきましても、リライトメディアや建材用不織布では数量が減少しましたが、水処理膜支持体やバッテリーセパレータ、エアフィルターの増加で補い、販売金額は増加しました。
以上の結果、機能材事業全体の売上高は151億4千4百万円と、前期比6.4%減となりました。営業利益は、コストダウン効果や原燃料価格安に加え、水処理膜支持体やバッテリーセパレータ等の販売増により15億6百万円と、前期比5億5千3百万円の増益となりました。
引き続き、水処理膜支持体の新規ユーザー獲得やMBR(膜分離活性汚泥法)膜用への展開、バッテリーセパレータ、化粧板原紙、テープ原紙などの拡販に注力し、収益の増進を目指してまいります。
(倉庫・運輸事業)
倉庫・運輸事業の売上高は75億5千万円と、前期比6.6%減となりました。営業利益は1億4千9百万円と、前期比1千2百万円の増益となりました。
(その他)
工務関連子会社とスポーツ施設運営子会社の売上減少等により、売上高は56億3千万円と、前期比21.9%減となりました。営業利益は4千7百万円と、前期比8千6百万円の減益となりました。
また、当連結会計年度は「新中期経営計画」の2年目にあたります。「新中期経営計画」の最終年度目標値との対比は、以下のとおりであります。
○ 経営数値目標
「新中期経営計画」の2022年3月期の目標値に対する進捗は、売上高は新型コロナウイルスの大きな影響を受け、販売数量の未達により想定より下回っています。損益面は売上高の減少をコストダウンの取り組み等で一部カバーしましたが、営業利益・経常利益ともに想定を大きく下回っております。有利子負債は、棚卸資産の削減を進めたことなどにより、目標を1年前倒しで達成しております。
2021年3月期は新型コロナウイルス感染症による影響を大きく受けましたが、2022年3月期は一定の需要回復が見込めることから、「新中期経営計画」との乖離を縮小すべく、スピード感を持って収益改善に取り組んでまいります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ 財政状態
(資産の部)
流動資産は、現金及び預金の増加はあったものの、たな卸資産の削減や、受取手形及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べ39億6千1百万円減少しました。
固定資産は、減価償却の進行による有形固定資産の減少はあったものの、株価上昇による投資有価証券と退職給付に係る資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ11億8千2百万円増加しました。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ27億7千9百万円減少し、2,094億3千8百万円となりました。
(負債の部)
負債は、有利子負債の削減や、支払手形及び買掛金の減少等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ51億5千3百万円減少し、1,465億3千5百万円となりました。
有利子負債残高につきましては、前連結会計年度末に比べ41億円減少の979億円となりました。「新中期経営計画」で2022年3月末の目標を980億円と設定しており、目標を1年前倒しで達成しております。D/Eレシオは2022年3月末目標の1.3倍に対して1.6倍となっております。
(純資産の部)
非支配株主持分を含む純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上はありましたが、株価上昇によるその他有価証券評価差額金と退職給付に係る調整累計額の増加等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ23億7千4百万円増加し、629億2百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.5ポイント改善し、30.0%となりました。
⑤ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ64億4千万円増加し、157億1百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ30億3千7百万円増加し、130億1千4百万円となりました。収入の主な内訳は、減価償却費90億3千1百万円、たな卸資産の減少81億7千5百万円であり、支出の主な内訳は、仕入債務の減少41億9千3百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ44億7千3百万円減少し、20億9千8百万円となりました。支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出39億3千1百万円であります。
前連結会計年度に比べ投資活動の結果使用した資金が減少した主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が33億1千2百万円減少したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ11億4千2百万円減少し、45億1千2百万円となりました。これは主に有利子負債の削減によるものであります。有利子負債は、営業活動によるキャッシュ・フロー130億1千4百万円と、投資活動によるキャッシュ・フロー△20億9千8百万円を合計したフリー・キャッシュ・フロー109億1千6百万円を原資にして、前連結会計年度に引き続き削減を進めました。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、原燃料購入費用、製造諸費用、販売費及び一般管理費等であります。投資資金需要の主なものは、既存設備の改善や効率向上、省エネルギー対応などの性能向上、成長分野での事業拡大と多様な新規事業の確立に向けた設備投資などであります。
当社グループの運転資金及び設備資金については、自己資金、金融機関からの借入金、コマーシャル・ペーパーの発行等により充当することとしております。また、資金調達手段の多様化として売掛債権の流動化も実施しております。長期借入金の資金調達につきましては、金利動向等の市場環境を見ながら、シンジケート・ローンの活用など調達手段や調達時期を適宜判断して実行しております。
また、当社グループ内では、キャッシュ・マネジメント・システムを導入して資金の一元管理を行い、資金効率の向上を図っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、個々の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって、重要な見積りや計画の策定は、過去の実績や現状を勘案して合理的に行なっておりますが、これらは不確実性を伴うため、実際の結果は異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産について減損の兆候がある場合、減損損失の認識の判定は、当該資産グループの来年度計画及び将来の事業計画に基づく割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって行なっております。判定の結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回り、減損損失の認識が必要とされた場合、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額又は使用価値のいずれか高い方の金額)まで減額し、当該帳簿価額の減少額は減損損失として認識します。将来キャッシュ・フローの算定は一定の見積り・前提により行っておりますので、将来キャッシュ・フローが想定より減少した場合は、将来の連結財務諸表において、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、将来の課税所得について合理的な仮定に基づく見積りを行い、繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得に関する仮定について変動が生じた場合などは、将来の連結財務諸表の繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、主要セグメントについて以下の前提にて、会計上の見積りを行なっております。
紙・パルプ事業においては、需要は前期に比べて緩やかに回復するものの、テレワークの定着などにより企業のペーパーレス化が進むなどの事業環境の変化もあり、感染拡大前の水準には戻らないと仮定しております。
イメージング事業においては、世界的にイベントや旅行が元の水準に戻るには時間がかかりますが、イベント等の開催制限の緩和も見られますので、2022年3月期は需要の回復途上にあると仮定しております。
機能材事業においては、建築用途などで影響を受けた化学紙の需要は2022年3月期に概ね回復すると仮定しております。その他の機能材料については、大きな影響を受けておりません。
新型コロナウイルス感染症の影響が仮定と異なった場合、将来の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
② 経営成績に関する説明
当期は、新型コロナウイルス感染症の影響により日本経済および世界経済は厳しい状況で推移いたしました。経済活動は一部に持ち直しの動きが見られたものの、コロナ禍の収束時期が見通せないなかで、先行きは依然として不透明な状況が続いています。
紙パルプ産業においては、情報メディアの電子化による構造的な需要減退があるなかで、テレワーク増加やイベント中止などによる印刷・情報用紙の需要減退が加速いたしました。
このような状況下、需要動向に合わせた生産体制の整備を実施するなど、急変する状況に応じて柔軟に対応を行ってまいりました。
2年目に入った「新中期経営計画」(2019年4月~2022年3月)につきましては、3つの重点戦略、
① 王子グループとのアライアンスによる強固な経営基盤の確立
② 既存事業の再構築と充実
③ 新たな収益の柱の育成による事業基盤の多様化
に精力的に取組み、基本方針である「新しいステージに立った事業基盤の強化と多様化」を進めています。
王子グループとのアライアンスでは、「2020年7月にノーカーボン事業の当社高砂工場移管」、「2021年10月(予定)に当社白河事業所のプレスボード事業の王子エフテックス㈱への事業譲渡」などの施策により、資本業務提携効果によって事業ポートフォリオの変革と経営基盤の強化を進めています。
当期は、各事業ともコロナ禍の影響による需要減少の影響が大きく、連結売上高は1,623億2千5百万円(前期比16.6%減)となりました。
損益面では、工場固定費削減などのコストダウンや原燃料価格安の効果はありましたが、生産販売数量の減少の影響が大きく、連結営業損失は17億7千万円(前期は営業利益19億7千6百万円)、連結経常損失は6億3千6百万円(前期は経常利益26億9千6百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、つくばR&Dセンター閉鎖に伴う減損損失を計上したことなどにより、25億3千2百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益8億1百万円)となりました。
当社単体では、売上高は866億1千9百万円、営業損失は30億9千5百万円、経常損失は7億3千5百万円、当期純損失は関係会社株式評価損、関係会社出資金評価損などを計上したことにより、58億1千8百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
| セグメント売上高 | セグメント営業損益 | |||
| 当連結会計年度 | 前期比増減率 | 当連結会計年度 | 前期比増減額 | |
| 紙・パルプ事業 | 125,340百万円 | △14.4% | △1,299百万円 | △2,440百万円 |
| イメージング事業 | 25,182百万円 | △25.1% | △2,128百万円 | △1,798百万円 |
| 機能材事業 | 15,144百万円 | △6.4% | 1,506百万円 | 553百万円 |
| 倉庫・運輸事業 | 7,550百万円 | △6.6% | 149百万円 | 12百万円 |
| その他 | 5,630百万円 | △21.9% | 47百万円 | △86百万円 |
(紙・パルプ事業)
国内市場につきましては、製品価格水準は維持しましたが、コロナ禍の影響により上期を中心に需要の減退が大きく、販売数量、金額ともに減少しました。輸出につきましても販売数量、金額ともに減少しました。かかる状況下、需給引き締めを図るため減産を継続し、さらに今後の需要減少を見据えた生産体制の確立に取り組んでまいりました。
欧州子会社につきましては、コロナ禍により各主力製品の需給関係が悪化し、販売数量の減少とともに価格が低下、為替の影響も加わり、販売金額は減少しました。
市販パルプにつきましては、コロナ禍の影響等で国際市況が低迷し、販売数量、金額ともに減少しました。
以上の結果、紙・パルプ事業全体の売上高は1,253億4千万円と、前期比14.4%減となりました。営業損益は、前期の11億4千万円の利益から24億4千万円減少し、12億9千9百万円の損失となりました。
原燃料価格安やコストダウン効果はありましたが、生産販売数量減少のマイナスをカバーするには至りませんでした。
コロナ禍の影響は今なお続いており、紙需要の先行きについても予断を許さない状況にあります。これに対し、引き続き需要動向に合わせた生産体制最適化と在庫適正化を進め価格の維持を図ってまいります。さらに、王子グループとの協業強化等により物流費削減に取り組むとともに、晒クラフト紙や機能板紙の拡販、脱プラスチックに寄与するバリアコート紙の品揃え拡大などを進め、製品ポートフォリオの転換を加速し、早期に収益の安定化を目指してまいります。
(イメージング事業)
コロナ禍に伴う旅行やイベントの自粛・中止の影響等により、国内及び海外市場ともに、画像出力用途を中心とする写真感光材料やインクジェット用紙の需要は低調で販売金額は減少しました。
以上の結果、イメージング事業全体の売上高は251億8千2百万円と、前期比25.1%減となりました。
営業損失は前期の3億3千万円から、損失幅が17億9千8百万円拡大し、21億2千8百万円となりました。
販売数量の減少、生産設備の稼働率低下によるコスト上昇などのマイナス要因が大きく、業務用途のインクジェット用紙の新規開拓、アルコール除菌液など感染症予防製品の販売、固定費の削減に努めましたが、カバーするには至りませんでした。
国内外で生産体制の再編と販売体制の効率化に取り組み、世界各国の市場動向に柔軟に対応しながら、製品ラインナップの拡充と海外顧客との協業体制構築による販売力強化を推進し、収益の改善に取り組んでまいります。
(機能材事業)
化学紙につきましては、建築用途等でコロナ禍の影響が強く、主力の化粧板原紙や壁紙用裏打紙等の数量が落ち込み販売金額は減少しました。
また、その他の機能材料につきましても、リライトメディアや建材用不織布では数量が減少しましたが、水処理膜支持体やバッテリーセパレータ、エアフィルターの増加で補い、販売金額は増加しました。
以上の結果、機能材事業全体の売上高は151億4千4百万円と、前期比6.4%減となりました。営業利益は、コストダウン効果や原燃料価格安に加え、水処理膜支持体やバッテリーセパレータ等の販売増により15億6百万円と、前期比5億5千3百万円の増益となりました。
引き続き、水処理膜支持体の新規ユーザー獲得やMBR(膜分離活性汚泥法)膜用への展開、バッテリーセパレータ、化粧板原紙、テープ原紙などの拡販に注力し、収益の増進を目指してまいります。
(倉庫・運輸事業)
倉庫・運輸事業の売上高は75億5千万円と、前期比6.6%減となりました。営業利益は1億4千9百万円と、前期比1千2百万円の増益となりました。
(その他)
工務関連子会社とスポーツ施設運営子会社の売上減少等により、売上高は56億3千万円と、前期比21.9%減となりました。営業利益は4千7百万円と、前期比8千6百万円の減益となりました。
また、当連結会計年度は「新中期経営計画」の2年目にあたります。「新中期経営計画」の最終年度目標値との対比は、以下のとおりであります。
○ 経営数値目標
| 連結指標 | 実績値(2021年3月期) | 目標値(2022年3月期) |
| 売上高 | 1,623億円 | 2,200億円 |
| 営業利益 | △18億円 | 55億円 |
| 経常利益 | △6億円 | 60億円 |
| 有利子負債 | 979億円 | 980億円 |
| D/Eレシオ | 1.6倍 | 1.3倍 |
「新中期経営計画」の2022年3月期の目標値に対する進捗は、売上高は新型コロナウイルスの大きな影響を受け、販売数量の未達により想定より下回っています。損益面は売上高の減少をコストダウンの取り組み等で一部カバーしましたが、営業利益・経常利益ともに想定を大きく下回っております。有利子負債は、棚卸資産の削減を進めたことなどにより、目標を1年前倒しで達成しております。
2021年3月期は新型コロナウイルス感染症による影響を大きく受けましたが、2022年3月期は一定の需要回復が見込めることから、「新中期経営計画」との乖離を縮小すべく、スピード感を持って収益改善に取り組んでまいります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 紙・パルプ事業 | 99,995 | 83.1 |
| イメージング事業 | 17,785 | 77.9 |
| 機能材事業 | 11,618 | 95.5 |
| 合計 | 129,399 | 83.3 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| その他 | 1,201 | 53.6 | 1,213 | 94.9 |
| 合計 | 1,201 | 53.6 | 1,213 | 94.9 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 紙・パルプ事業 | 120,689 | 83.9 |
| イメージング事業 | 21,904 | 76.8 |
| 機能材事業 | 12,746 | 94.5 |
| 倉庫・運輸事業 | 4,800 | 93.8 |
| その他 | 2,184 | 60.3 |
| 合計 | 162,325 | 83.4 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ 財政状態
(資産の部)
流動資産は、現金及び預金の増加はあったものの、たな卸資産の削減や、受取手形及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べ39億6千1百万円減少しました。
固定資産は、減価償却の進行による有形固定資産の減少はあったものの、株価上昇による投資有価証券と退職給付に係る資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ11億8千2百万円増加しました。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ27億7千9百万円減少し、2,094億3千8百万円となりました。
(負債の部)
負債は、有利子負債の削減や、支払手形及び買掛金の減少等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ51億5千3百万円減少し、1,465億3千5百万円となりました。
有利子負債残高につきましては、前連結会計年度末に比べ41億円減少の979億円となりました。「新中期経営計画」で2022年3月末の目標を980億円と設定しており、目標を1年前倒しで達成しております。D/Eレシオは2022年3月末目標の1.3倍に対して1.6倍となっております。
(純資産の部)
非支配株主持分を含む純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上はありましたが、株価上昇によるその他有価証券評価差額金と退職給付に係る調整累計額の増加等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ23億7千4百万円増加し、629億2百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.5ポイント改善し、30.0%となりました。
⑤ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ64億4千万円増加し、157億1百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ30億3千7百万円増加し、130億1千4百万円となりました。収入の主な内訳は、減価償却費90億3千1百万円、たな卸資産の減少81億7千5百万円であり、支出の主な内訳は、仕入債務の減少41億9千3百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ44億7千3百万円減少し、20億9千8百万円となりました。支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出39億3千1百万円であります。
前連結会計年度に比べ投資活動の結果使用した資金が減少した主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が33億1千2百万円減少したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ11億4千2百万円減少し、45億1千2百万円となりました。これは主に有利子負債の削減によるものであります。有利子負債は、営業活動によるキャッシュ・フロー130億1千4百万円と、投資活動によるキャッシュ・フロー△20億9千8百万円を合計したフリー・キャッシュ・フロー109億1千6百万円を原資にして、前連結会計年度に引き続き削減を進めました。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、原燃料購入費用、製造諸費用、販売費及び一般管理費等であります。投資資金需要の主なものは、既存設備の改善や効率向上、省エネルギー対応などの性能向上、成長分野での事業拡大と多様な新規事業の確立に向けた設備投資などであります。
当社グループの運転資金及び設備資金については、自己資金、金融機関からの借入金、コマーシャル・ペーパーの発行等により充当することとしております。また、資金調達手段の多様化として売掛債権の流動化も実施しております。長期借入金の資金調達につきましては、金利動向等の市場環境を見ながら、シンジケート・ローンの活用など調達手段や調達時期を適宜判断して実行しております。
また、当社グループ内では、キャッシュ・マネジメント・システムを導入して資金の一元管理を行い、資金効率の向上を図っております。