有価証券報告書-第155期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/25 13:08
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167項目
(1) 経営成績等の状況及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)」に記載のとおりであります。
② 経営成績に関する説明
当期は、米中貿易摩擦の長期化などで世界経済が不安定に推移するなか、2020年1月以降は新型コロナウイルスの感染拡大により、日本経済および世界経済への影響懸念が一段と強まっています。紙パルプ産業においては、情報メディアの電子化による構造的な需要減退や、原燃料価格の高止まりなどにより、厳しい状況で推移いたしました。
このような状況下、当社グループは「新しいステージに立った事業基盤の強化と多様化」を基本方針とする「新中期経営計画」(2019年4月~2022年3月)を策定して取組みを開始しております。
「新中期経営計画」では3つの重点戦略として、
① 王子グループとのアライアンスによる強固な経営基盤の確立
② 既存事業の再構築と充実
③ 新たな収益の柱の育成による事業基盤の多様化
を掲げ、精力的に諸施策を進めています。
王子グループと進めてきたバイオマス発電事業(エム・ピー・エム・王子エコエネルギー㈱)と家庭紙事業(エム・ピー・エム・王子ホームプロダクツ㈱)は当期から操業を開始しました。また、王子ホールディングス㈱及び中越パルプ工業㈱の輸入チップ共同調達会社に当社も資本参画し、OCMファイバートレーディング㈱からの調達を開始しました。これにより、大幅な原料コスト削減を図るなど、王子グループとのアライアンスは着実に成果を出しています。
当期は、前期導入した洋紙の輸送調整金制度や価格修正効果などはありましたが、洋紙の国内外での販売数量減少やイメージングの海外市場を中心とした既存製品の減少等により、連結売上高は1,945億7千5百万円(前期比4.6%減)となりました。
損益面では、洋紙の価格修正効果やコストダウン諸施策を進めたことなどにより、連結営業利益は19億7千6百万円(前期は営業損失4千万円)、連結経常利益は26億9千6百万円(前期は経常損失9億1千4百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、八戸工場4号抄紙機の減損損失を計上したことなどにより、8億1百万円(前期は3億5千1百万円)となりました。
当社単体では、売上高は1,064億5千2百万円、営業利益は4億2千2百万円、経常利益は8億9千8百万円、当期純損失は9億7千1百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
セグメント売上高セグメント営業損益
当連結会計年度前期比増減率当連結会計年度前期比増減額
紙・パルプ事業146,413百万円△6.6%1,140百万円2,568百万円
イメージング事業33,607百万円△4.8%△330百万円△868百万円
機能材事業16,178百万円△7.5%953百万円299百万円
倉庫・運輸事業8,087百万円△2.9%136百万円△47百万円
その他7,208百万円10.8%133百万円34百万円

(紙・パルプ事業)
国内市場につきましては、価格の維持に努めましたが、印刷用紙、情報用紙ともに需要の落ち込みが一段と進み、販売数量、販売金額ともに減少しました。輸出は、アジア向け印刷用紙を中心に販売数量を伸ばしたものの、市況の下落により販売金額は減少しました。需要動向に応じた生産体制を確立するべく既に八戸工場4号抄紙機を停機しておりますが、需要減退が想定以上に加速していることを受け、第3四半期以降減産を強化し、需給引き締めを図ってまいりました。
欧州子会社では、昨年来の価格修正効果はあったものの、感熱紙及び感圧紙の販売数量の減少に加えて為替の影響もあり、販売金額は減少しました。
市販パルプにつきましては、国際市況の急激な悪化に伴い、販売数量、販売金額ともに減少しました。
以上の結果、紙・パルプ事業全体の売上高は1,464億1千3百万円と、前期比6.6%減となりました。営業損益は、洋紙の価格修正効果等により、前期の14億2千7百万円の損失から25億6千8百万円増加し、11億4千万円の利益となりました。
今後も、従来の取組みに加えて、脱プラスチック事業としてのバリアコート紙や晒クラフト紙等の新商品の拡販、王子グループとの協業強化等によりポートフォリオの転換を図り、早期に収益の安定化を目指してまいります。
(イメージング事業)
国内市場につきましては、写真感光材料を中心に堅調に推移し、販売金額は増加しました。
海外市場につきましては、アライアンス効果によって写真感光材料の受注が安定し、インクジェット用紙は新興国や業務用途の需要が拡大しましたが、既存製品の需要減退の影響が大きく、販売金額は減少しました。
以上の結果、イメージング事業全体の売上高は336億7百万円と、前期比4.8%減となりました。営業損益は前期の5億3千7百万円の利益から8億6千8百万円減少し、3億3千万円の損失となりました。既存製品の需要減退に伴う海外市場での販売数量の減少に加え、円高による価格安や生産コスト上昇などにより、減収減益となりました。富士フイルム㈱とのアライアンス強化による写真用原紙の数量確保、既存製品の海外での直販体制構築に伴う販売力強化や取引見直しによる採算改善を進めるとともに、生産性向上と固定費の削減に努めましたが、減収減益要因をカバーするには至りませんでした。
今後も、富士フイルム㈱とのアライアンスにより事業基盤を一層強固にして生産体制の効率化に取り組み、エレクトロニクス関連製品の事業確立、海外顧客との協業体制構築に伴う販売力強化を推進し、収益の確保に取り組んでまいります。
(機能材事業)
機能材料につきましては、バッテリーセパレータが増加しましたが、リライトメディアや水処理膜支持体の販売金額が減少しました。
化学紙につきましては、主力の化粧板原紙のほか、壁紙用裏打紙やテープ原紙の販売金額が減少しました。
以上の結果、機能材事業全体の売上高は161億7千8百万円と、前期比7.5%減となりました。営業利益は前期の6億5千3百万円から2億9千9百万円増加し、9億5千3百万円となりました。原燃料価格安や工場コストダウン効果に加え、一部製品の価格修正により、増益となりました。
引き続き、水処理膜支持体の新規ユーザー獲得やMBR(膜分離活性汚泥法)膜用への展開、高耐熱のバッテリーセパレータの拡販、化粧板原紙やテープ原紙等の新規拡販とコストダウンに注力してまいります。
(倉庫・運輸事業)
倉庫・運輸事業の売上高は80億8千7百万円と、前期比2.9%減となりました。営業利益は前期の1億8千4百万円から4千7百万円減少し、1億3千6百万円となりました。
(その他)
工務関連子会社の売上増加等により、売上高は72億8百万円と、前期比10.8%増となりました。営業利益は前期の9千8百万円から3千4百万円増加し、1億3千3百万円となりました。
また、当連結会計年度は「新中期経営計画」の初年度にあたります。「新中期経営計画」の最終年度目標値との対比は、以下のとおりであります。
○ 経営数値目標
連結指標実績値(2020年3月期)目標値(2022年3月期)
売上高1,946億円2,200億円
営業利益20億円55億円
経常利益27億円60億円
有利子負債1,019億円980億円
D/Eレシオ1.7倍1.3倍

「新中期経営計画」の2022年3月期の目標値に対する進捗は、売上高は販売数量の未達により想定より下回っています。損益面では、売上高の減少をコストダウンの進捗等で一部カバーして、営業利益は想定より下回りましたが、経常利益は想定を上回っております。有利子負債は、計画に沿って削減を進めております。
新型コロナウイルスの影響は、2020年3月期は限定的でしたが、2021年3月期以降は印刷・情報用紙や画像出力向けのフォト・IJ等の需要減少が生じる可能性があります。現時点で2021年3月期以降の新型コロナウイルスの影響を計ることは困難ですが、「新中期経営計画」に織込んだ諸施策を着実に実施してまいります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
紙・パルプ事業120,34991.8
イメージング事業22,83698.6
機能材事業12,16294.9
合計155,34892.9

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
その他2,242212.81,27979.9
合計2,242212.81,27979.9

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
紙・パルプ事業143,84594.1
イメージング事業28,50396.6
機能材事業13,48793.3
倉庫・運輸事業5,117100.5
その他3,621173.0
合計194,57595.4

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ 財政状態
(資産の部)
流動資産は、たな卸資産の増加はあったものの、受取手形及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べ71億1千3百万円減少しました。
固定資産は、減価償却の進行による有形固定資産の減少や、株価下落による退職給付に係る資産等の減少により、前連結会計年度末に比べ134億2千8百万円減少しました。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ205億4千1百万円減少し、2,122億1千7百万円となりました。
(負債の部)
負債は、退職給付に係る負債等の増加はあったものの、支払手形及び買掛金、有利子負債等の減少により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ140億6千4百万円減少し、1,516億8千9百万円となりました。
有利子負債残高につきましては、前連結会計年度末に比べ27億円減少の1,019億円となりました。「新中期経営計画」で2022年3月末の目標を980億円と設定しており、目標に沿って削減を進めました。D/Eレシオは2022年3月末目標の1.3倍に対して1.7倍となっております。
(純資産の部)
非支配株主持分を含む純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上はありましたが、退職給付に係る調整累計額、その他有価証券評価差額金、連結子会社株式の追加取得による資本剰余金の減少等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ64億7千6百万円減少し、605億2千7百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と同じく、28.5%となりました。
⑤ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ23億5千6百万円減少し、92億6千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ90億8千9百万円減少し、99億7千6百万円となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益10億円、減価償却費98億2千4百万円、売上債権の減少62億2千9百万円であり、支出の主な内訳は、仕入債務の減少45億3千7百万円、たな卸資産の増加42億7千3百万円であります。
前連結会計年度に比べ営業活動の結果得られた資金が減少した主な要因は、前連結会計年度は資金調達手段多様化を目的とする債権流動化の実行金額増加が大きかったことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ24億7百万円減少し、65億7千1百万円となりました。支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出72億4千3百万円であります。
前連結会計年度に比べ投資活動の結果使用した資金が減少した主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が29億7千9百万円減少したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ25億3千万円減少し、56億5千5百万円となりました。これは主に有利子負債の削減によるものであります。有利子負債は、営業活動によるキャッシュ・フロー99億7千6百万円と、投資活動によるキャッシュ・フロー△65億7千1百万円を合計したフリー・キャッシュ・フロー34億5百万円を原資にして、前連結会計年度に引き続き削減を進めました。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、原燃料購入、製造諸費用、販売費及び一般管理費等であります。投資資金需要の主なものは、既存設備の改善や効率向上、省エネルギー対応などの性能向上、成長分野での事業拡大と多様な新規事業の確立に向けた設備投資などであります。
当社グループの運転資金及び設備資金については、自己資金と金融機関からの借入金、コマーシャル・ペーパーの発行等により調達しております。また、運転資金の調達手段多様化として売掛債権の流動化も実施しております。長期資金の調達につきましては、金利動向等の市場環境を見ながら、シンジケート・ローンの活用など調達手段や調達時期を適宜判断して実行しております。
また、当社グループ内では、キャッシュ・マネジメント・システムを導入して資金の一元管理を行い、資金効率の向上を図っております。運転資金の圧縮など資産効率の改善も進めながら、経営目標である2022年3月末有利子負債残高980億円、D/Eレシオ1.3倍の達成に向けて取り組んでおります。

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