訂正有価証券報告書-第176期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2015/06/12 11:50
【資料】
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【項目】
139項目

研究開発活動

当社グループの研究開発部門は、技術開発本部下にある研究所と技術開発部を中心に構成されております。さらに各工場でも現場に立脚した新製品開発や品質改善及びコストダウン等を行っております。技術開発本部がこれらの研究開発活動を総括し、技術開発部が営業部門や工場の製造部門及び研究所と緊密な連携をとり、顧客の要望に直結した製品開発を行っております。また、各事業本部をバックアップすべく、研究開発部門でも最大の効果を上げるための取り組みを進めてまいりました。
紙パルプ事業の研究開発活動の項目は以下のとおりであります。
(セグメント別では、紙パルプ事業の占める割合が大きいため、その他のセグメントについては省略しております。)
(1) 印刷用紙および白板紙分野
印刷用紙、白板紙両分野とも品質改善や新製品開発を積極的に進めると共にコストダウンや効率改善等の研究にも注力しております。また、中期経営計画の柱でもある海外展開に呼応して、国際市場での競争力強化のための研究開発を推進しております。印刷用紙分野では新潟・紀州両工場のパルプ・紙一貫生産の優位性の追求による最適生産体制の構築を基本としながら、各抄紙機の特徴を活かした新製品開発やユーザーニーズに対応した品質改善を営業部門及び研究開発部門と連携しながら進めております。出版の「軽量化」を求める声に対応した嵩高微塗工紙の開発に取り組み、昨年の春に「HSライトフォース」を上市いたしました。また、効率的な平判断裁能力・仕上設備能力向上、さらなるコストダウンにより海外市場での競争力強化を継続的に図っております。白板紙分野では営業部門と連携しながら、市場ニーズに対応した新製品開発・品質改善を進めており、特に医薬品用途向けで夾雑物のより少ない製品を開発し、今年より営業生産を行っています。今後は小ロット・短納期を可能としたデジタル印刷の普及、拡大が見込まれており、これに対応したオフセット・インクジェット共用紙の開発を進めております。一方、今年開始する中国での白板紙現地生産については、品質設計や設備に適合した塗料設計等ソフト面の研究開発がほぼ完了し、スタートアップに向けて最終確認作業を進めております。
(2) 機能紙、特殊紙・情報用紙分野
機能紙分野では、品質改善やコストダウンに取り組むと共に、空気清浄用フィルター分野では、通気抵抗が低く、高機能を満足する差別化製品の開発に取り組んでおります。濾過・分離分野については気体のみならず液体も対象として各種素材を利用した新製品開発に取り組んでおります。また、フランスのBernard Dumas S.A.S.(デュマ社)と鉛蓄電池用セパレータ及び空気清浄用フィルターに関する技術交流を進めており、新たな製品開発や品質改善に取り組んでおります。特殊紙・情報用紙分野では、大学ともタイアップし、新しいコンセプトのファンシーペーパーをはじめとして、個別顧客ニーズに対応した、多面的な新製品開発を進めております。
(3) パルプ
パルプ原料用木材について、産地や樹種の違いによる蒸解特性の違いや、化学的成分分析に基づく最適パルプ化技術の研究等を進めております。また、セルロースナノファイバーに関する基礎的な研究を行っております。これらの研究は、大学との共同研究を中心に進めております。
当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は750百万円であります。
なお、パッケージング・紙加工事業における研究開発費は17百万円であり、パッケージング・紙加工事業等を含めた全セグメントの研究開発費は768百万円であります。