有価証券報告書-第107期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/29 15:07
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当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、次期の見通しについては、不確実性、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と乖離する可能性があります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、米国の保護主義的な動きや東アジア地域の情勢など懸念材料はあるものの、好調な企業業績を背景として、雇用環境や個人所得の改善が進み、個人消費も上昇の兆しがみられる等、緩やかな回復基調が続いています。
一方、当社グループを取り巻く経営環境は、新聞用紙・印刷用紙をはじめとする紙の需要が減り続けていることに加え、原燃料価格の高騰により、一段と厳しい状況が続いています。
このような状況の中で、当社グループは2017年度を最終年度とする第2次中期事業計画(2015年5月28日発表)の施策の実行に加え、2017年4月に日清紡ホールディングス株式会社(以下、「日清紡HD」という。)より譲り受けた紙製品事業、及び三浦印刷株式会社(以下、「三浦印刷」という。)を当社グループに加え、洋紙事業やホーム&パーソナルケア事業におけるシナジー効果の早期発現に向け、グループ一体となって取り組んできました。
売上高については、日清紡HDの紙製品事業及び三浦印刷を新規連結した効果等により、目標を313億円上回りました。利益については、人口減少や電子媒体へのシフトによる新聞用紙・印刷用紙の需要減に対して洋紙事業の構造転換を進めてきたこと、及び需要が伸長している板紙・段ボール事業の強化を図ってきたことにより、2015年度・2016年度と利益目標を達成できるレベルに近づいていました。しかし、2016年後半から想定外に国内外の古紙価格が急騰したことで、2017年度の紙・板紙事業のセグメント利益が大きく落ち込んだことにより、利益目標は未達となりました。
なお、財務面については、保有資産の売却等により純有利子負債を削減し、2016年度末にはネットD/Eレシオ1.4倍と第2次中期事業計画の目標1.5倍を1年前倒しで達成しました。しかし、2017年4月のM&Aで335億円を要したこと等により、2017年度末のネットD/Eレシオは1.6倍、純有利子負債は目標に対して300億円増となりました。
第2次中期事業計画の数値目標、及び当連結会計年度の連結業績は以下のとおりです。
第2次
中期事業計画
2015年度2016年度当連結会計年度
(2017年度)
(数値目標)連結業績連結業績連結業績
売上高5,000億円4,741億円4,771億円5,313億円
経常利益250億円213億円213億円128億円
経常利益率5.0%4.5%4.5%2.4%
純有利子負債2,500億円未満2,815億円2,551億円2,800億円
ネットD/Eレシオ1.51.71.41.6
自己資本比率28.0%24.9%26.8%25.9%

当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりです。
① 売上高
売上高は、主に連結子会社の増加、紙・板紙事業での板紙・段ボール及びホーム&パーソナルケア事業の海外事業でのベビー用紙おむつの伸長により、前連結会計年度に比べ54,171百万円増加(前年同期比 11.4%増)し、531,311百万円となりました。
② 営業利益
営業利益は、主に古紙や原燃料価格上昇の影響により、前連結会計年度に比べ12,473百万円減少(前年同期比 53.0%減)し、11,062百万円となりました。
③ 経常利益
経常利益は、主に補助金収入3,720百万円により、前連結会計年度に比べ8,568百万円減少(前年同期比 40.1%減)し、12,779百万円となりました。
この結果、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ2.1%低下し、2.4%となりました。
④ 特別損益
特別利益は、主に投資有価証券売却益5,754百万円、日清紡HDより譲り受けた紙製品事業及び三浦印刷を新規連結したことによって発生した負ののれん発生益1,034百万円により、前連結会計年度に比べ6,486百万円増加し、7,073百万円となりました。
特別損失は、主に大王パッケージ株式会社に係るのれんの減損損失6,013百万円を含む減損損失6,848百万円により、前連結会計年度に比べ4,912百万円増加し、8,728百万円となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ8,165百万円減少(前年同期比 67.3%減)し、3,971百万円となりました。
この結果、1株当たり当期純利益は前連結会計年度に比べ56円3銭減少し、27円25銭となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりです。
① 紙・板紙
売上高313,553百万円(前年同期比7.4%増)
セグメント利益700百万円(前年同期比93.0%減)

新聞用紙は、新聞の発行部数及び頁数減少の影響等により、販売数量・金額ともに前年同期を下回りました。
新聞用紙を除く洋紙事業は、出版物・カタログ等印刷物の部数減や電子化への移行が進み、国内需要はさらに減少しました。当社も紙事業合計では販売数量・金額ともに前年同期を下回りましたが、塗工紙から非塗工紙・情報用紙・特殊紙への販売シフトを進めてきた結果、情報用紙は販売数量・金額ともに前年同期並、包装用紙・機能材は販売数量・金額ともに前年同期を上回りました。塗工紙については今後の需要減に対して収益改善に繋げるべく、生産量の約8%にあたる三島工場16号抄紙機を2018年4月に停止しました。
板紙・段ボールは通販や飲料を中心とした加工食品分野等の需要増もあり、販売数量・金額ともに前年同期を上回りました。
セグメント利益は、段ボール原紙の値上げにより、通期では黒字転換しましたが、古紙・原燃料価格上昇の影響が大きく、前年同期を下回りました。
② ホーム&パーソナルケア
売上高196,970百万円(前年同期比16.7%増)
セグメント利益8,085百万円(前年同期比20.0%減)

ホーム&パーソナルケア事業の国内事業の商品カテゴリーごとの状況は、次のとおりです。
衛生用紙は、日清紡HDからの紙製品事業譲受による販売拡大、及びティシュー、トイレット、キッチンタオルの各カテゴリーにおいて高付加価値品への販売シフトを進めた結果、販売数量・金額ともに前年同期を上回りました。
大人用紙おむつは、高齢化社会に向けた地域包括ケアシステムの構築に対応するため、市販ルート営業と業務ルート営業を機能的に融合する組織改革を行なった効果もあり、市販ルートでは新商品と連動した夜1枚安心パッドシリーズの拡販、業務ルートでは新規獲得件数の伸長が図れました。これにより、販売数量・金額ともに前年同期を上回りました。
ベビー用紙おむつは、リニューアルによる通気性アップの品質改善とあわせて価格修正を進めました。しかし、少子化等による市場の縮小により、販売数量・金額ともに前年同期を下回りました。
フェミニンケア用品は、生理対象人口減に伴い全体の市場が縮小する中で、拡大市場である失禁ライナー・ナプキンが大幅伸長しましたが、利益率の低い商品の販売を抑えたことにより、販売数量・金額ともに前年同期並の結果となりました。
上記の衛生用紙、吸収体といった旧来のカテゴリーに属する商品群に加え、当社グループが現在進めている複合事業化、商品展開の多角化の取組みの中で、世界初のセルロースナノファイバー配合のトイレクリーナー「キレキラ!トイレクリーナー1枚で徹底おそうじシート」を上市しました。2017年10月には住宅構造の変化に伴う衛生志向の高まりを受けてフロアワイパー「キレキラ!ワイパー徹底キレイ」を新発売する等、新たな価値を付加した商品を生活者目線で開発、上市しました。今後も紙をベースとした商品ラインナップの充実を図っていきます。
海外事業については、販売数量・金額ともに前年同期を上回りました。商品カテゴリーごとの状況は次のとおりです。
主力のベビー用紙おむつについては、中国で超プレミアムゾーンの「天使シリーズ」のさらに上位に位置付ける「光の羽シリーズ」の品揃えや、販売単価の高いパンツタイプの配荷拡大が進み、ECでも年間最大イベントである「独身の日」企画において高い売上伸長を達成しました。タイにおいても、タイ国内の近代店舗でパンツタイプの配荷が拡大しただけでなく、タイ周辺国においても拡販が進みました。インドネシアでは、既配荷先の店頭活動の強化だけでなく、新たな販売チャネルとしてEC向け販売を開始し、市場が拡大しているパンツタイプの販売が伸長しました。
フェミニンケア用品は、現地生産を開始したタイや、「elis」のブランド認知の拡大及び販売促進活動の強化に取り組んだ韓国で拡販が進みました。大人用紙おむつは、高齢化の進む韓国において流通体制の見直しによる販売エリアの拡大や、台湾で病院・施設向け営業の強化を進め、紙製品では中国で、プレミアムトイレットロールのテスト販売を開始しました。
ベビー用紙おむつを起点に各カテゴリーにおいて取組みを進め、各国で多品種販売による複合事業化を推進しています。
セグメント利益は、国内事業、海外事業ともに販売が順調に推移したものの、原材料価格の高騰や、海外での販売促進費用が一時的に高まった影響により、通期では前年同期を下回りました。
③ その他
売上高20,788百万円(前年同期比27.0%増)
セグメント利益2,024百万円(前年同期比35.0%減)

主に売電事業、機械事業、木材事業であり、売上高は連結子会社及びチップ販売の増加等により、前年同期を上回りましたが、セグメント利益は、売電価格の下落及びコストの高い木材の販売等により、前年同期を下回りました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、主に連結子会社の増加、及び川之江工場への衛生用紙生産設備新設による建設仮勘定の増加により、前連結会計年度末に比べ28,394百万円増加し、686,141百万円となりました。
負債は、主に連結子会社の増加及び社債の発行により、前連結会計年度末に比べ26,408百万円増加し、493,076百万円となりました。
純資産は、主に投資有価証券売却によるその他有価証券評価差額金の減少、及び利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べ1,986百万円増加し、193,065百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて0.9ポイント低下し、25.9%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して22,647百万円減少し、60,086百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、30,456百万円の収入(前連結会計年度比32,476百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益11,124百万円、減価償却費31,171百万円、減損損失6,848百万円、法人税等の支払額12,907百万円、及び売上債権の増減額(支出)8,012百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、50,194百万円の支出(前連結会計年度比18,800百万円の増加)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出27,021百万円、及び有形固定資産の取得による支出31,019百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,076百万円の支出(前連結会計年度比18,961百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入52,150百万円、社債の発行による収入24,890百万円、長期借入金の返済による支出73,362百万円、利息の支払額3,462百万円、短期借入金の純増減額(支出)1,826百万円及び配当金の支払額1,620百万円によるものです。
(4) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
紙・板紙279,250111.9
ホーム&パーソナルケア131,501122.2
報告セグメント計410,751115.0
その他17,939102.6
合計428,690114.4

(注)金額は製造原価によっています。
(5) 受注状況
紙・板紙事業及びホーム&パーソナルケア事業の製品については、需要を予測して見込生産を行っており、特に受注生産は行っていません。
(6) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
紙・板紙313,553107.4
ホーム&パーソナルケア196,970116.7
報告セグメント計510,523110.8
その他20,788127.0
合計531,311111.4

(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。
なお、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、「相手先別の販売実績」は記載していません。
(7) 次期の見通し
紙パルプ業界においては、洋紙の需要減少、原燃料価格の高止まり等、引き続き厳しい状況が続くものと予想されます。
このような状況の中、当社グループは、紙・板紙事業ではグループ全体の抜本的な構造改革の推進により収益商品への生産シフトを進めるとともに、業界トップクラスの古紙処理技術を活用して難処理古紙の有効利用を進めていくことにより、競争優位性を強化していきます。
ホーム&パーソナルケア事業の国内事業では、川之江工場の最新鋭衛生用紙生産設備の稼働による高付加価値商品の安定供給体制の強化を背景に、2017年4月に日清紡HDから取得した紙製品事業のプロダクト・ミックスの最適化を進め、シナジー効果を最大化していきます。海外事業では、生産拠点や出先のある地域を中心に、主力であるベビー用紙おむつをはじめとして、大人用紙おむつ、フェミニンケア用品、ウエットワイプの各カテゴリーで拡販に取り組んでいきます。さらに、川之江工場で生産した衛生用紙を海外へ展開することで、複合事業化を推進していきます。
2019年3月期の連結業績については、売上高550,000百万円、営業利益18,000百万円、経常利益15,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益10,000百万円を予想しています。

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