有価証券報告書-第108期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/28 16:37
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当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、次期の見通しについては、不確実性、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と乖離する可能性があります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、米国は総じて堅調に推移しましたが、中国や欧州では経済成長率の伸びが鈍化しており、世界経済全体としては減速基調となりました。また、先行きについては、米中貿易摩擦の激化、英EU離脱問題等により不透明感が増大しました。一方で、国内の経済は輸出や生産の一部に弱さもみられるものの、雇用や所得環境の改善が進み、緩やかな回復基調となりましたが、米中貿易摩擦の長期化や中国・欧州等の海外経済の不確実性から、景気の先行きは依然として不透明な状態が続いています。
当社グループを取り巻く経営環境は、紙の内需が減少し続けていることに加え、原燃料価格や物流コストが高騰しており、引き続き厳しい状況が続いています。
紙・板紙事業につきましては、新聞、出版物等のメディア用途の紙の内需が一段と減少している中で、非塗工紙、情報用紙、包装用紙への販売品種シフトを推進するとともに、段ボール原紙、段ボール製品、及び印刷用紙等の価格修正を実施しました。生産面では、2018年4月に三島工場16号抄紙機を停止させ、需要構造の変化に対応し
て洋紙の生産能力を削減するとともに、市場のニーズに合わせて柔軟に生産品種を変更できる三島工場の特徴を活かして生産品種の最適化に取り組みました。また、難処理古紙の活用等によるコストダウンを進めたことで、収益は前年同期を上回りました。
ホーム&パーソナルケア事業の国内事業につきましては、川之江工場及び行田工場が稼動したことにより衛生用紙は増販となりましたが、少子化の進行により国内のベビー用紙おむつの販売数量が減少しました。また、コスト面では、原燃料価格や物流コストの高騰の影響を受けました。海外事業につきましては、中国やタイを中心としたASEAN諸国において主力のベビー用紙おむつの販売が順調に推移したことに加え、各国において多品種販売による複合事業化が進んだことで収益改善が進みましたが、ホーム&パーソナルケア事業全体の収益は前年同期を下回りました。
当社グループは、2018年度から2020年度までの3年間を対象期間とする第3次中期事業計画の初年度を終えましたが、引き続き急激な外部環境変化に対応可能な強靭な企業体質への革進を図るとともに、長期ビジョンを見据えた成長戦略に全社一丸となって取り組んでいきます。
当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりです。
① 売上高
売上高は、ホーム&パーソナルケア事業の海外事業において、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用により、従来費用処理していた一部の項目を売上高から控除することになった影響があったものの、紙・板紙事業での段ボール原紙、段ボール製品、及び印刷用紙等の価格修正の実施等により、前連結会計年度に比べ2,579百万円増加(前年同期比 0.5%増)し、533,890百万円となりました。
② 営業利益
営業利益は、原燃料や物流コストの高騰の影響があったものの、紙・板紙事業での段ボール原紙、段ボール製品、及び印刷用紙等の価格修正の実施等により、前連結会計年度に比べ1,060百万円増加(前年同期比 9.6%増)し、12,122百万円となりました。
この結果、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ0.2%上昇し、2.3%となりました。
③ 経常利益
経常利益は、主に補助金収入の減少により、前連結会計年度に比べ2,937百万円減少(前年同期比 23.0%減)し、9,842百万円となりました。
④ 特別損益
特別利益は、主に投資有価証券売却益の減少により、前連結会計年度に比べ4,673百万円減少し、2,400百万円となりました。特別損失は、主に減損損失の減少により、前連結会計年度に比べ3,456百万円減少し、5,272百万円となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ726百万円増加(前年同期比 18.3%増)し、4,697百万円となりました。
この結果、1株当たり当期純利益は前連結会計年度に比べ4円45銭増加し、31円70銭となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりです。
① 紙・板紙
売上高316,491百万円(前年同期比0.9%増)
セグメント利益8,130百万円(前年同期比1,061.4%増)

新聞用紙は、新聞の発行部数及び頁数減少の影響等により、販売数量・金額ともに前年同期を下回りました。
洋紙(新聞用紙を除く)は、チラシ・出版物等の印刷用紙の需要減少が進んだことから、販売数量・金額ともに前年同期を下回りました。
板紙・段ボールは、通販や飲料を中心とした加工食品分野の需要が堅調に推移しており、販売数量は前年同期並で推移しました。販売金額は、価格修正に取り組んだことで前年同期を上回りました。
セグメント利益は、チップ、石炭、薬品等の原燃料価格の高騰、及び三島工場火災による減産の影響があったものの、段ボール原紙、段ボール製品、印刷用紙等の価格修正に取り組んだこと、及び固定費削減等のコストダウンに取り組んだことで、前年同期を上回りました。
② ホーム&パーソナルケア
売上高195,095百万円(前年同期比1.0%減)
セグメント利益4,272百万円(前年同期比47.2%減)

ホーム&パーソナルケア事業の国内事業の商品カテゴリー毎の状況は次のとおりです。
衛生用紙は、生活者の要望を商品化した「消臭+(プラス)トイレットティシュー」、長尺トイレット等高付加価値品の販売が好調に推移し、また花粉飛散量の増加により保湿ティシューの販売も好調に推移し、販売数量・金額ともに前年同期を上回りました。
大人用紙おむつは、市販ルートでは、うす型パンツ商品として「アテント うす型パンツ下着安心プラス」に続き2018年9月に発売した「アテント 超うす型パンツ下着爽快プラス」の販売により、入口ユーザーの取込みが進み販売が伸長したことで、販売数量・金額ともに前年同期を上回りました。なお、地域包括ケアの推進に向けて新たに構築した専用SNS「メディカルケアステーション」の活用を進め、病院から在宅までを包括した排泄ケアの提案が販売店等に評価されたことも拡販に寄与しました。
フェミニンケア用品は、2018年4月の「エリス Megami 素肌のきもち」のリニューアルや11月に立ち上げた新ブランド「エリス コンパクトガード」の発売により、スリムナプキンカテゴリーにおけるシェアが拡大しました。また成長している吸水ライナー市場では「ナチュラ さら肌さらり」が配荷拡大・売上伸長したことも寄与し、販売数量・金額ともに前年同期を上回りました。
ベビー用紙おむつは、少子化による需要の減少に伴う競争激化の影響で販売数量・金額ともに前年同期を下回りました。
ウェットワイプは、インフルエンザ流行による除菌意識の高まりにより、除菌ウェット商品の販売が好調に推移したこと、「キレキラ!」シリーズの販売が引き続き好調に推移したことにより、販売数量・金額ともに前年同期を上回りました。
海外事業については、主力のベビー用紙おむつの販売数量は中国やタイが好調であったものの、韓国やインドネシア等で販売数量が減少した影響を受けて前年同期並となりましたが、売上高についてはIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用により前年同期を下回りました。中国では、年間最大規模のイベントである「独身の日」(11月11日)にECでの販売が拡大したことに加え、ベビーショップを中心とした小売店での販売企画を実施したことで、高収益商品を中心にベビー用紙おむつの拡販が進みました。また、プレミアムトイレットについては、ベビー用紙おむつと連動した小売店への展開及び店頭活動を強化したことで配荷が進みました。タイをはじめとしたASEAN諸国では、タイ現地法人でベビー用紙おむつの新規生産設備が稼動したことにあわせて、小売店での店頭活動を強化したことで、ベビー用紙おむつだけでなくフェミニンケア用品、ウェットワイプについても配荷と拡販が進みました。韓国では、少子化に伴ってベビー用紙おむつの需要が縮小していることに対して、大人用紙おむつやフェミニンケア用品等のベビー用紙おむつ以外のカテゴリーの配荷と拡販に取り組みました。インドネシアでは、現地メイン代理店の事業縮小に伴って販売減となりましたが、将来の事業拡大を図るために代理店政策を見直し、新たな販売政策とそれに基づく商流の構築を進めました。
セグメント利益は、海外事業での収益改善効果があったものの、国内事業でのチップ、パルプ等の原燃料価格や物流コストの高騰の影響により、前年同期を下回りました。
③ その他
売上高22,304百万円(前年同期比7.3%増)
セグメント損失(△)△331百万円(前年同期比は2,024百万円の利益)

主に売電事業、機械事業、木材事業及び物流事業であり、売上高は電力販売やチップ販売の増加により前年同期を上回りましたが、物流倉庫を集約する過程において一時的に二重コストが発生したこと、及び機械事業の受注減により、セグメント損失となりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、主に現金及び預金の増加、川之江工場への衛生用紙生産設備新設による固定資産の増加により、前連結会計年度末に比べ59,725百万円増加し、745,866百万円となりました。
負債は、主に設備投資による有利子負債の増加により、前連結会計年度末に比べ53,451百万円増加し、546,527百万円となりました。
純資産は、主に為替レートの変動による為替換算調整勘定の減少や、保有株式の時価下落によるその他有価証券評価差額金の減少があったものの、2020年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の権利行使による資本金と資本剰余金の増加、利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べ6,274百万円増加し、199,339百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて1.0ポイント低下し、24.9%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して43,321百万円増加し、103,407百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、40,287百万円の収入(前連結会計年度比12,002百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6,970百万円、減価償却費33,331百万円、たな卸資産の増減額△4,880百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、62,110百万円の支出(前連結会計年度比10,625百万円の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出64,380百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、65,898百万円の収入(前連結会計年度比65,512百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入れ等による収入105,000百万円、長期借入金等の返済による支出50,646百万円によるものです。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは事業運営上必要な資金の流動性と資金源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは運転資金需要と投資資金需要です。運転資金需要のうち主なものは、生産・販売活動における原材料及び商品仕入れ、製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要の主なものは、事業戦略の遂行に必要な投資や品質改善・安全・環境のために必要な設備投資等であります。
運転資金につきましては主に金融機関からの短期借入金で調達し、投資資金につきましては、主に長期社債及び金融機関からの長期借入金により調達しております。また、今後の資金需要や金利動向等の調達環境、既存借入金や長期社債の償還時期等を総合的に考慮し、調達額及び調達手段等を適宜判断して実施することとしています。
なお、当社は国内子会社との間で導入しているキャッシュマネジメント・システムの一層の機能充実による資金効率化により、成長投資を進めながらも財務規律の維持に努めています。
当連結会計年度において、2020年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(2015年9月17日発行)の権利行使により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ3,151百万円増加しております。
(5) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
紙・板紙276,36899.0
ホーム&パーソナルケア140,072106.5
報告セグメント計416,440101.4
その他20,409113.8
合計436,849101.9

(注)金額は製造原価によっています。
(6) 受注状況
紙・板紙事業及びホーム&パーソナルケア事業の製品については、需要を予測して見込生産を行っており、特に受注生産は行っていません。
(7) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
紙・板紙316,491100.9
ホーム&パーソナルケア195,09599.0
報告セグメント計511,586100.2
その他22,304107.3
合計533,890100.5

(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。
なお、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、「相手先別の販売実績」は記載していません。
(8) 次期の見通し
紙パルプ業界においては、洋紙の需要減少、原燃料価格の高止まり等、引き続き厳しい状況が続くものと予想 されます。
このような状況の中、当社グループは、紙・板紙事業ではグループ全体の抜本的な構造改革の推進により収益商品への生産シフトを進めるとともに、業界トップクラスの古紙処理技術を活用した難処理古紙の有効利用を進めていくことにより、競争優位性を強化していきます。
ホーム&パーソナルケア事業の国内事業では、2018年10月に稼働した川之江工場の最新鋭家庭紙生産設備による高付加価値商品の安定供給体制の強化に加え、2017年4月に日清紡ホールディングス株式会社から取得した紙製品事業とのプロダクト・ミックスの最適化を進め、シナジー効果を最大化していきます。海外事業では、生産拠点や出先のある地域を中心に、主力であるベビー用紙おむつをはじめとして、大人用紙おむつ、フェミニンケア用品、ウエットワイプの各カテゴリーで拡販に取り組んでいきます。さらに、川之江工場で生産した衛生用紙原反を中国子会社で加工し、量販店、ベビーショップなどで販売を開始し、今後海外での複合事業化を加速させていきます。
2020年3月期の連結業績については、売上高560,000百万円、営業利益20,000百万円、経常利益17,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益9,000百万円を予想しています。

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