半期報告書-第87期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状況及び経営成績の状況
当中間期における日本経済は、新型コロナウイルス関連の行動制限緩和に伴う個人消費の回復や、観光需要の増加が内需を下支えし、サービス業を中心に緩やかな持ち直し基調を示しました。政府による地域活性化策や外国人観光客の増加、地方創生に向けた取り組みが各地で進展し、全国的な経済回復の芽が育まれる状況となっています。しかし、世界的なインフレ圧力や地政学的リスクによる海外経済の先行き不透明感から、輸出を中核とする製造業は慎重な姿勢が続き、設備投資にも業種間で温度差が生じました。また、資源価格や物流コストの上昇、為替変動による生産コスト高も、企業収益を圧迫する要因として重くのしかかっています。
こうした全国的な環境の中、岩手県経済も同様に緩やかな回復を示しました。行動制限緩和により、観光・宿泊・飲食をはじめとするサービス関連産業では、県内外からの誘客増加が売上高の改善につながり、観光資源や体験型コンテンツの魅力が強みとなって県内消費を下支えしました。特に自然豊かな立地と伝統文化を生かした観光戦略は、首都圏からの誘客効果を高め、地域経済に明るい兆しをもたらしています。一方で、世界的な資源価格や物流コスト上昇がもたらす生産コスト増加の影響は県内製造業にも及んでおります。また、円安傾向が輸出型産業には一定の支援となる半面、輸入素材を多用する企業は収益圧迫に直面しています。農林水産業では、気候変動による生産・出荷時期の変動や品質管理コストの増大が懸念材料となりましたが、高品質な県産品のブランド化や販路拡大策により一定の価格競争力が維持されています。
新聞業界においては、デジタル化の加速と紙媒体の発行部数減少傾向が続く中、信頼性・公共性を強みとした高品質なジャーナリズムをいかに維持・発展させていくかが主題となっています。特にWEB版やスマートフォンアプリの強化、SNSを通じた情報発信など、読者接点の拡大に向けたデジタル戦略が引き続き重視され、動画コンテンツやデータ・ビジュアライゼーションを活用した記事展開など、多様な表現手法で新規読者層の獲得を狙う動きが顕著となっております。
当社においても、緩やかな経済回復基調の中で、読者層や広告主へのアプローチを模索しつつ、紙媒体からデジタル媒体への移行、もしくは共存の検討を引き続き進める状況となっています。新型コロナウイルス禍による行動制限が大幅に緩和され、地域経済活動が持ち直す中で、ローカルニュースやコミュニティに根差した情報発信への期待は一定の底堅さを保っています。しかし、読者の情報摂取手段はより多様化し、SNSや動画配信サイトを含む各種デジタルメディアとの競合が一段と激化しています。
a.財政状態
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ199百万円減少し、9,707百万円となりました。
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ212百万円減少し、3,933百万円となりました。
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ13百万円増加し、5,774百万円となりました。
b.経営成績
当中間連結会計期間の経営成績は、売上高4,357百万円(前年同期比0.4%増)、営業損失16百万円(前年同期は営業利益4百万円)、経常利益9百万円(前年同期比49.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益26百万円(前年同期比50.9%減)となりました。
当社グループの新聞関連事業の経営成績は、次のとおりです。
(販売部門)
インターネットやスマートフォンの普及により、特に若年層を中心に紙媒体からデジタルコンテンツへの需要が高まっており、これが紙の購読者数の減少につながっています。また、高齢化社会の進行により自然減も影響しています。さらに、紙媒体の購読コストが上昇する一方で、デジタルサービスが無料または低価格で提供されることが多いため、経済的な面でも紙媒体の競争力が低下しています。そんな厳しい環境下ではありますが、2023年8月に改定した購読料により売上高は増加しました。
この結果、売上高は2,251百万円(前年同期比+129百万円、+6.1%(当社単独ベース))となりました。
(広告部門)
企業や広告主がデジタル広告、特にソーシャルメディアや検索エンジン広告に予算を移行することで、従来の新聞広告への投資が減少しています。加えて、経済の不確実性や景気低迷により、企業全体で広告予算の削減が進んでいることも影響しています。また、紙媒体の広告はデジタル広告に比べて効果測定が難しく、投資対効果が見えにくいため、広告主にとって魅力が低下しています。これらの要因が複合的に作用し、当社においても広告収入の減少を招いています。
この結果、売上高は509百万円(前年同期比△73百万円、△12.5%(当社単独ベース))となりました。
(折込部門)
広告主がターゲット精度や効果測定が容易なデジタル広告へ移行する中で紙媒体への依存度が下がり、購読者減少や地方経済の停滞による広告予算縮小、環境意識の高まりによる紙媒体離れ、そして新興広告手法との競合激化が複合的に影響していることもあり、折込広告を取り巻く環境は、依然として厳しい状況が続いております。
この結果、売上高は933百万円(前年同期比△2百万円、△0.3%(連結子会社2社の合計))となりました。
(その他の部門)
事業部門では大型催事が中止になった影響などにより、売上は減少しました。
メディア部門では選挙関連の受託印刷がなかったことや、出版物の新刊が少なかったものの、学校現場向けの新聞データベースサービスを有料化したことにより、売上は増加しました。
不動産部門では新たに岩手県盛岡市内に所有する土地を賃貸したため、売上は増加しました。
この結果、売上高は152百万円(前年同期比△41百万円、△21.44%(当社単独ベース))となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税金等調整前中間純利益が9百万円(前年同期比△9百万円、△49.9%)でありましたが、当社において大型設備投資がなかったため、前中間連結会計期間末に比べ241百万円(6.6%)増加し、当中間連結会計期間末には3,892百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は212百万円(前年同期比△41百万円、△16.4%)となりました。この増加の主な要因は、売上債権が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動により増加した資金は521百万円(前年同期は404百万円の減少)となりました。増加した資金の主な内容は当社において、大口定期預金の払い戻しがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動の結果、資金は182百万円の減少(前年同期は295百万円の減少)となりました。主な内容は当社において長期借入金の返済したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の製造業は、日刊紙発行業の当社のみであり、製品の特殊性から受注生産形態をとっていないため、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については「①財政状況及び経営成績の状況 b.経営成績」における各事業の部門別経営成績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において判断したものです。
①当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ199百万円減の9,707百万円(前連結会計年度末は9,906百万円)となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ65百万円減の5,124百万円(前連結会計年度末は5,189百万円)となりました。これは主に当社において売上債権が減少したことによるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べ133百万円減少の4,583百万円(前連結会計年度末は4,716百万円)となりました。これは主に当社において制作センター機械装置の減価償却が進んだことによるものです。
(負債合計)
当中間連結会計期間末の負債合計は前連結会計年度末に比べ212百万円減の3,933百万円(前連結会計年度末は4,146百万円)となりました。これは主に当社における長期借入金の返済に伴う減少によるものです。
(純資産合計)
当中間連結会計期間末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ13百万円増の5,774百万円(前連結会計年度末は5,760百万円)となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、前年同期と比べて20百万円(0.4%)増の4,357百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、前年同期に比べて1百万円(0.08%)増の1,142百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、退職給付費用の増加等により、前年同期に比べ19百万円(0.6%)増の3,215百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、退職給付費用の増加等により、前年同期に比べ21百万円(1.9%)増の1,158百万円となりました。
(営業利益)
営業損失は16百万円となりました。(前年同期は4百万円の営業利益)
(経常利益)
経常利益は9百万円となりました。(前年同期は19百万円)
(親会社株主に帰属する中間純利益)
親会社株主に帰属する中間純利益は26百万円となりました。(前年同期は53百万円)
3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営戦略の現状と見通し及び今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の環境及び入手可能な情報に基づき経営方針を立案しております。
行動制限緩和と地域経済の部分的回復を背景に、従来の経営戦略を見直す局面に差し掛かっています。これまで紙媒体を中心としたビジネスモデルは、長期的な部数減少と広告収入の伸び悩みに直面し、デジタル化や多角化を避けては通れない状況となっています。現状では、地域密着性や公共性を強みとする報道姿勢によって一定の支持基盤を確保する一方、読者の情報摂取手段がスマートフォンやSNS、動画配信サービスなどへと急速に拡散・分散しています。これにより、単純な紙面発行だけでは新規読者層の獲得が難しくなり、既存読者への訴求力維持も容易ではありません。さらに、インターネット広告の台頭や大手プラットフォーマーとの競合激化により、紙面広告や折込広告に依存した従来型収益モデルの限界が明確化しています。
こうした背景を受け、当社では経営戦略の見直し検討が本格化しています。まず、デジタル版やアプリ、SNSを活用した情報発信基盤の拡充が急務となっています。速報性と利便性を重視したオンラインコンテンツの整備は、若年層を含む潜在読者へのアプローチ強化につながり、紙媒体との相互補完関係を形成することで、読者接点の拡大を図るものと考えられます。また、読者との対話を重視し、地域課題の深掘りや市民参加型企画、地元イベントとの連携など、コミュニティとの結びつきを強める取り組みも必要と考えられ、さらに、教育・研修分野への進出や地元産品のプロモーション支援、地域ブランディングなど、従来の新聞発行業務を超えた新規事業領域への挑戦も検討していく必要があります。これらの事業多角化によって収益基盤を強化し、紙広告依存からの脱却を目指す動きは、将来的な経営安定化への一歩と言えます。
今後の方針としては、デジタルシフトのさらなる加速と、地域コミュニティとの密接な連携、そして多角的な収益モデルの確立が重要な柱となります。紙とデジタルの特性を活かしたハイブリッドな発信体制を構築し、読者参加型のコンテンツ開発を通じてブランド価値を高めることで、当社グループは「地域の羅針盤」としての信頼と存在感を再確立していくことが必要と考えます。
②経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に影響を与える大きな要因として、情報環境の変容、地域経済の回復傾向、そして読者との関係強化という三つの柱に集約されます。まず、スマートフォンやSNS、動画配信サービスなどデジタルメディアの台頭によって、紙媒体中心のビジネスモデルは収益確保が困難な局面にあり、積極的なオンライン戦略やデジタル版購読者の拡大が必要と考えます。また、新型コロナウイルス禍からの行動制限緩和と観光需要の持ち直しは、地元企業や自治体による広告出稿意欲を再び喚起しうる契機となり、地域特化の報道や情報発信力を活用して広告収入回復を図るチャンスが生まれています。さらに、人口減少や若年層離れが進む中、読者参加型企画やコミュニティとの対話を通じてブランド価値を高め、読者との緊密な結びつきを強化することは、購読継続や新たな収益機会の創出につながります。これら三つの要因に的確かつ柔軟に対応するか否かが、当社グループにとって持続可能な成長戦略を描くための分岐点となっています。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要があります。
運転資金需要のうち主なものは当社では印刷資材の購入、子会社と共通するものとして人件費等販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては、主に工場、事務所等の設立などによる建物や機械装置等固定資産購入によるものであります。
(財務政策)
当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当しております。当社においては、必要に応じて賞与等人件費を支出する際にキャッシュ・フローの平準化を目的として短期借入金による調達をしております。また、設備資金につきましては、設備資金計画に基づき調達計画を作成し、内部資金で不足する場合は、長期借入金による調達をしております。
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状況及び経営成績の状況
当中間期における日本経済は、新型コロナウイルス関連の行動制限緩和に伴う個人消費の回復や、観光需要の増加が内需を下支えし、サービス業を中心に緩やかな持ち直し基調を示しました。政府による地域活性化策や外国人観光客の増加、地方創生に向けた取り組みが各地で進展し、全国的な経済回復の芽が育まれる状況となっています。しかし、世界的なインフレ圧力や地政学的リスクによる海外経済の先行き不透明感から、輸出を中核とする製造業は慎重な姿勢が続き、設備投資にも業種間で温度差が生じました。また、資源価格や物流コストの上昇、為替変動による生産コスト高も、企業収益を圧迫する要因として重くのしかかっています。
こうした全国的な環境の中、岩手県経済も同様に緩やかな回復を示しました。行動制限緩和により、観光・宿泊・飲食をはじめとするサービス関連産業では、県内外からの誘客増加が売上高の改善につながり、観光資源や体験型コンテンツの魅力が強みとなって県内消費を下支えしました。特に自然豊かな立地と伝統文化を生かした観光戦略は、首都圏からの誘客効果を高め、地域経済に明るい兆しをもたらしています。一方で、世界的な資源価格や物流コスト上昇がもたらす生産コスト増加の影響は県内製造業にも及んでおります。また、円安傾向が輸出型産業には一定の支援となる半面、輸入素材を多用する企業は収益圧迫に直面しています。農林水産業では、気候変動による生産・出荷時期の変動や品質管理コストの増大が懸念材料となりましたが、高品質な県産品のブランド化や販路拡大策により一定の価格競争力が維持されています。
新聞業界においては、デジタル化の加速と紙媒体の発行部数減少傾向が続く中、信頼性・公共性を強みとした高品質なジャーナリズムをいかに維持・発展させていくかが主題となっています。特にWEB版やスマートフォンアプリの強化、SNSを通じた情報発信など、読者接点の拡大に向けたデジタル戦略が引き続き重視され、動画コンテンツやデータ・ビジュアライゼーションを活用した記事展開など、多様な表現手法で新規読者層の獲得を狙う動きが顕著となっております。
当社においても、緩やかな経済回復基調の中で、読者層や広告主へのアプローチを模索しつつ、紙媒体からデジタル媒体への移行、もしくは共存の検討を引き続き進める状況となっています。新型コロナウイルス禍による行動制限が大幅に緩和され、地域経済活動が持ち直す中で、ローカルニュースやコミュニティに根差した情報発信への期待は一定の底堅さを保っています。しかし、読者の情報摂取手段はより多様化し、SNSや動画配信サイトを含む各種デジタルメディアとの競合が一段と激化しています。
a.財政状態
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ199百万円減少し、9,707百万円となりました。
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ212百万円減少し、3,933百万円となりました。
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ13百万円増加し、5,774百万円となりました。
b.経営成績
当中間連結会計期間の経営成績は、売上高4,357百万円(前年同期比0.4%増)、営業損失16百万円(前年同期は営業利益4百万円)、経常利益9百万円(前年同期比49.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益26百万円(前年同期比50.9%減)となりました。
当社グループの新聞関連事業の経営成績は、次のとおりです。
(販売部門)
インターネットやスマートフォンの普及により、特に若年層を中心に紙媒体からデジタルコンテンツへの需要が高まっており、これが紙の購読者数の減少につながっています。また、高齢化社会の進行により自然減も影響しています。さらに、紙媒体の購読コストが上昇する一方で、デジタルサービスが無料または低価格で提供されることが多いため、経済的な面でも紙媒体の競争力が低下しています。そんな厳しい環境下ではありますが、2023年8月に改定した購読料により売上高は増加しました。
この結果、売上高は2,251百万円(前年同期比+129百万円、+6.1%(当社単独ベース))となりました。
(広告部門)
企業や広告主がデジタル広告、特にソーシャルメディアや検索エンジン広告に予算を移行することで、従来の新聞広告への投資が減少しています。加えて、経済の不確実性や景気低迷により、企業全体で広告予算の削減が進んでいることも影響しています。また、紙媒体の広告はデジタル広告に比べて効果測定が難しく、投資対効果が見えにくいため、広告主にとって魅力が低下しています。これらの要因が複合的に作用し、当社においても広告収入の減少を招いています。
この結果、売上高は509百万円(前年同期比△73百万円、△12.5%(当社単独ベース))となりました。
(折込部門)
広告主がターゲット精度や効果測定が容易なデジタル広告へ移行する中で紙媒体への依存度が下がり、購読者減少や地方経済の停滞による広告予算縮小、環境意識の高まりによる紙媒体離れ、そして新興広告手法との競合激化が複合的に影響していることもあり、折込広告を取り巻く環境は、依然として厳しい状況が続いております。
この結果、売上高は933百万円(前年同期比△2百万円、△0.3%(連結子会社2社の合計))となりました。
(その他の部門)
事業部門では大型催事が中止になった影響などにより、売上は減少しました。
メディア部門では選挙関連の受託印刷がなかったことや、出版物の新刊が少なかったものの、学校現場向けの新聞データベースサービスを有料化したことにより、売上は増加しました。
不動産部門では新たに岩手県盛岡市内に所有する土地を賃貸したため、売上は増加しました。
この結果、売上高は152百万円(前年同期比△41百万円、△21.44%(当社単独ベース))となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税金等調整前中間純利益が9百万円(前年同期比△9百万円、△49.9%)でありましたが、当社において大型設備投資がなかったため、前中間連結会計期間末に比べ241百万円(6.6%)増加し、当中間連結会計期間末には3,892百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は212百万円(前年同期比△41百万円、△16.4%)となりました。この増加の主な要因は、売上債権が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動により増加した資金は521百万円(前年同期は404百万円の減少)となりました。増加した資金の主な内容は当社において、大口定期預金の払い戻しがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動の結果、資金は182百万円の減少(前年同期は295百万円の減少)となりました。主な内容は当社において長期借入金の返済したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の製造業は、日刊紙発行業の当社のみであり、製品の特殊性から受注生産形態をとっていないため、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については「①財政状況及び経営成績の状況 b.経営成績」における各事業の部門別経営成績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において判断したものです。
①当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ199百万円減の9,707百万円(前連結会計年度末は9,906百万円)となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ65百万円減の5,124百万円(前連結会計年度末は5,189百万円)となりました。これは主に当社において売上債権が減少したことによるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べ133百万円減少の4,583百万円(前連結会計年度末は4,716百万円)となりました。これは主に当社において制作センター機械装置の減価償却が進んだことによるものです。
(負債合計)
当中間連結会計期間末の負債合計は前連結会計年度末に比べ212百万円減の3,933百万円(前連結会計年度末は4,146百万円)となりました。これは主に当社における長期借入金の返済に伴う減少によるものです。
(純資産合計)
当中間連結会計期間末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ13百万円増の5,774百万円(前連結会計年度末は5,760百万円)となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、前年同期と比べて20百万円(0.4%)増の4,357百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、前年同期に比べて1百万円(0.08%)増の1,142百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、退職給付費用の増加等により、前年同期に比べ19百万円(0.6%)増の3,215百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、退職給付費用の増加等により、前年同期に比べ21百万円(1.9%)増の1,158百万円となりました。
(営業利益)
営業損失は16百万円となりました。(前年同期は4百万円の営業利益)
(経常利益)
経常利益は9百万円となりました。(前年同期は19百万円)
(親会社株主に帰属する中間純利益)
親会社株主に帰属する中間純利益は26百万円となりました。(前年同期は53百万円)
3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営戦略の現状と見通し及び今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の環境及び入手可能な情報に基づき経営方針を立案しております。
行動制限緩和と地域経済の部分的回復を背景に、従来の経営戦略を見直す局面に差し掛かっています。これまで紙媒体を中心としたビジネスモデルは、長期的な部数減少と広告収入の伸び悩みに直面し、デジタル化や多角化を避けては通れない状況となっています。現状では、地域密着性や公共性を強みとする報道姿勢によって一定の支持基盤を確保する一方、読者の情報摂取手段がスマートフォンやSNS、動画配信サービスなどへと急速に拡散・分散しています。これにより、単純な紙面発行だけでは新規読者層の獲得が難しくなり、既存読者への訴求力維持も容易ではありません。さらに、インターネット広告の台頭や大手プラットフォーマーとの競合激化により、紙面広告や折込広告に依存した従来型収益モデルの限界が明確化しています。
こうした背景を受け、当社では経営戦略の見直し検討が本格化しています。まず、デジタル版やアプリ、SNSを活用した情報発信基盤の拡充が急務となっています。速報性と利便性を重視したオンラインコンテンツの整備は、若年層を含む潜在読者へのアプローチ強化につながり、紙媒体との相互補完関係を形成することで、読者接点の拡大を図るものと考えられます。また、読者との対話を重視し、地域課題の深掘りや市民参加型企画、地元イベントとの連携など、コミュニティとの結びつきを強める取り組みも必要と考えられ、さらに、教育・研修分野への進出や地元産品のプロモーション支援、地域ブランディングなど、従来の新聞発行業務を超えた新規事業領域への挑戦も検討していく必要があります。これらの事業多角化によって収益基盤を強化し、紙広告依存からの脱却を目指す動きは、将来的な経営安定化への一歩と言えます。
今後の方針としては、デジタルシフトのさらなる加速と、地域コミュニティとの密接な連携、そして多角的な収益モデルの確立が重要な柱となります。紙とデジタルの特性を活かしたハイブリッドな発信体制を構築し、読者参加型のコンテンツ開発を通じてブランド価値を高めることで、当社グループは「地域の羅針盤」としての信頼と存在感を再確立していくことが必要と考えます。
②経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に影響を与える大きな要因として、情報環境の変容、地域経済の回復傾向、そして読者との関係強化という三つの柱に集約されます。まず、スマートフォンやSNS、動画配信サービスなどデジタルメディアの台頭によって、紙媒体中心のビジネスモデルは収益確保が困難な局面にあり、積極的なオンライン戦略やデジタル版購読者の拡大が必要と考えます。また、新型コロナウイルス禍からの行動制限緩和と観光需要の持ち直しは、地元企業や自治体による広告出稿意欲を再び喚起しうる契機となり、地域特化の報道や情報発信力を活用して広告収入回復を図るチャンスが生まれています。さらに、人口減少や若年層離れが進む中、読者参加型企画やコミュニティとの対話を通じてブランド価値を高め、読者との緊密な結びつきを強化することは、購読継続や新たな収益機会の創出につながります。これら三つの要因に的確かつ柔軟に対応するか否かが、当社グループにとって持続可能な成長戦略を描くための分岐点となっています。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要があります。
運転資金需要のうち主なものは当社では印刷資材の購入、子会社と共通するものとして人件費等販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては、主に工場、事務所等の設立などによる建物や機械装置等固定資産購入によるものであります。
(財務政策)
当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当しております。当社においては、必要に応じて賞与等人件費を支出する際にキャッシュ・フローの平準化を目的として短期借入金による調達をしております。また、設備資金につきましては、設備資金計画に基づき調達計画を作成し、内部資金で不足する場合は、長期借入金による調達をしております。