有価証券報告書-第80期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 11:17
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91項目
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状況及び経営成績の状況
当連結会計年度の日本経済は、緩やかな回復基調が続きました。海外経済の回復などを受けて輸出や生産は持ち直し、雇用・所得状況も改善して個人消費や民間企業の設備投資など国内需要も好循環が進展しました。
岩手県内の経済は日照不足による農作物への影響が懸念されましたが、全体的には持ち直しの動きを継続しました。個人消費は年度後半に足踏み感がみられたものの、生産活動は主力の電子部品の増産が続き、公共投資は復興道路工事の発注などを要因に前年度をやや上回る動きになりました。
当連結会計年度の当社グループ(当社及び連結子会社)は、このような経済環境の中で東日本大震災からの復興促進を重要テーマとし、被災地の現状や復興の方向性に対する論評、風化防止や新たな大災害への備えを訴える報道に努めました。従来以上に読者ニーズに応える継続的な紙面づくり、販売センターの労務難解消等のため、平成29年11月1日に本紙の月決め購読料を3,065円(税込)から3,400円(同)に改定し、23年ぶりの値上げ(本体価格)に踏み切りました。
また、紙面では3月11日付朝刊に掲載した広告企画「最後だとわかっていたなら」が第70回広告電通賞の新聞広告電通賞を初受賞したほか、日本新聞協会の新聞広告賞新聞社企画部門を受賞し、震災の風化を許さない被災県の県紙として全国に存在感を示しました。
この結果、当連結会計年度の財政状況及び経営成績は以下のとおりになりました。
a.財政状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ453百万円増加し、11,768百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ122百万円減少し、6,701百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ576百万円増加し、5,066百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高12,332百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益57百万円(前年同期は営業損失267百万円)、経常利益77百万円(前年同期は経常損失245百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益614百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,173百万円)となりました。
当社グループの新聞関連事業の業績は、次のとおりです。
(販売部門)
急速な人口減少により、新聞購読世帯数が減少し、販売センターの配達員不足も深刻化しております。このような厳しい状況を踏まえて平成29年11月に本紙購読料を23年10ヶ月ぶりに改定しました。それに伴い、当社、各販売センターは購読者に対して理解を求めるチラシを配布するなどの「値上げ止め」防止に努めた結果、前年に比べ売上は増加しました。
この結果、売上高は6,866百万円(前年同期比+124百万円、+1.9%(当社単独ベース))となりました。
(広告部門)
多彩な企画広告や特集を展開し、企業の広告出稿の動きが鈍い状況下で奮闘しましたが、創刊140周年などのイベントがあった前年に比べ売上は減少しました。
この結果、売上高は2,133百万円(前年同期比△203百万円、△8.7%(当社単独ベース))となりました。
(折込部門)
折込広告は、大手・大口のチラシ減少やサイズダウンなどの影響を受け減少しました。売上高は2,671百万円(前年同期比△132百万円、△4.7%(連結子会社2社の合計))となりました。
(その他の部門)
大型催事の「プロ野球楽天対日本ハム戦」、「オランダの2大巨匠展」のほか芸術文化催事の主催、後援など多彩な事業を多数展開しましたが、前年に比べ売上は減少しました。
この結果、売上高は166百万円(前年同期比△52百万円、△24.1%(当社単独ベース))と減収になりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が79百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失1,123百万円)でありましたが、当社において建設した新制作センターに係る減価償却費の減少によるもので、消費税等及び法人税等の還付があったことから前連結会計年度に比べ719百万円(+27.1%)増加し、当連結会計年度末には3,370百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は1,373百万円(前年同期比+1,009百万円、+277.0%)となりました。この増加の主な要因は、消費税等及び法人税等の還付があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は278百万円(前年同期比△751百万円、△72.9%)となりました。使用した資金の主な内容は当社において、本社給排水管他改修工事等の資金を支出したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、資金は376百万円の支出(前年は997百万円の収入)となりました。主な内容は当社において長期借入金の返済で336百万円を支出したことによるものです。
③生産、受注及び販売の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)の製造業は、日刊紙発行業の当社のみであり、製品の特殊性から受注生産形態をとっていないため、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における各事業の部門別業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
また、決算日現在において合理的だと考えられる要因に基づいて判断及び見積りをしておりますので、実際の結果と異なる可能性があります。
①投資の減損
当社グループは、株価の変動性が高い市場性のある株式と、株価の決定が困難な市場性のない株式を保有しております。これらの株式については、決算日現在で下落が一時的でないと判断した場合、減損処理をしております。
②繰延税金資産
会計上の利益と課税所得との間の一時差異については、税効果会計を適用し、繰延税金資産を計上しております。適用に当たりましては、決算日現在で将来の回収可能性を慎重に検討し判断しております。なお、当社におきまして当連結会計年度より繰延税金資産を計上しております。
③退職給付費用
従業員の退職給付に備えるため、簡便法による見積り額を見込み額として計上しております。退職一時金制度については、期末自己都合要支給額を退職給付債務として、確定給付企業年金制度については、直近の年金財政計算上の数理債務及び支払準備金の額を退職給付債務とし、退職給付債務の金額から期末日における年金資産の額を控除した金額を退職給付に係る負債として計上しております。なお、積立型の退職給付債務を年金資産が超えた部分は退職給付に係る資産として計上しております。
④固定資産の減損
減損の兆候がある資産または資産グループにつきましては、決算日現在で割引前将来キャッシュ・フローの総額を見積もり、帳簿価額を下回る場合に減損損失を認識し、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。なお、当連結会計年度において該当事項はありません。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ453百万円増加の11,768百万円(前連結会計年度末は11,314百万円)となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ823百万円増加の4,944百万円(前連結会計年度末は4,514百万円)となりました。これは主に当社において消費税、法人税等の還付を受けたことにより現金預金が733百万円、当社において新聞購読料の改定に伴い、今後増益が見込まれることから繰延税金資産を計上したことにより125百万円増加したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ24百万円増加の6,823百万円(前連結会計年度末は6,799百万円)となりました。これは主に当社において制作センターの減価償却が進んだことにより417百万円減少したことと当社において繰延税金資産を計上したことにより455百万円増加したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ122百万円減少の6,701百万円(前連結会計年度末は6,824百万円)となりました。これは主に当社において長期借入金の返済に伴う減少によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ576百万円増加の5,066百万円(前連結会計年度末は4,490百万円)となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、当社グループの売上の基盤となる本紙の購読料を改定したことに伴い、販売部門の売上高は増加しましたが、広告部門、折込部門の売上高が減少したことにより前年同期と比べて256百万円(△2.0%)減の12,332百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、売上原価が減少したことにより前年同期と比べて209百万円(4.7%)増の4,717百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、当社において建設した新制作センターに係る減価償却費の減少、売上高の減収に伴う手数料の減少などがあり、前連結会計年度に比べ465百万円(△5.8%)減の7,614百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、当社において前期に創刊140周年記念事業や新制作センター関連の支出があったことによる「事業費」や「租税公課」の減少などがあり、前連結会計年度に比べ114百万円(△2.4%)減の4,660百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は、売上原価、販売費及び一般管理費が減少したことにより57百万円(前年同期は営業損失267百万円)となりました。
(経常利益)
経常利益は、売上原価、販売費及び一般管理費が減少したことにより77百万円(前年同期は経常損失245百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社に帰属する当期純利益は614百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,173百万円)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
b.経営戦略の現状と見通し及び今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の環境及び入手可能な情報に基づき経営方針を立案しております。少子高齢化、若年層の活字離れ、インターネットなど他メディアとの競合、特殊指定の廃止問題、さらなる消費税増税など、取り巻く環境は厳しさを増すことが予想されます。稼働を始めた新制作センターの生産能力を活かし、社員一人ひとりの使命感を喚起し、当社グループと販売センターとが一体となって課題に対処し、経営基盤の強化を図る所存であります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フロー)
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが1,373百万円(前年同期比+1,009百万円、+277.0%)となりました。消費税、法人税等の還付に伴い営業活動によるキャッシュ・フローは増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローで使用した資金は278百万円(前年同期比△751百万円、△72.9%)となりました。使用した資金は、当社における給排水管他改修工事等の資金の支出が主な内容です。
財務活動によるキャッシュ・フローで使用した資金は376百万円(前年同期は997百万円の収入)となりました。主な内容は当社における長期借入金返済の支出をしたことによるものです。
これらの結果、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度に比べ719百万円増加し、3,370百万円となりました。
(資金需要)
当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要があります。
運転資金需要のうち主なものは当社では印刷資材の購入、配達する販売センターへの手数料、子会社と共通するものとして人件費等販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては、主に工場、事務所等の設立などによる建物や機械装置等固定資産購入によるものであります。
(財務政策)
当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当しております。当社においては、賞与等人件費の支出をする際にキャッシュ・フローの平準化を目的として短期借入金による調達を行っております。また、設備資金につきましては、設備資金計画に基づき調達計画を作成し、内部資金で不足する場合は、長期借入金による調達を行っております。
④経営上の目標の達成・進捗状況
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」である平成29年度の予算達成状況は以下の通りです。なお、数値については当社単独ベースとなります。
売上高は予算比1.0%減となりました。営業損失は予算比96.0%減となりました。経常利益は予算比103.4%増となりました。当期純利益は予算比301.5%増となりました。
⑤経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の環境及び入手可能な情報に基づき経営方針を立案しております。
東日本大震災の発生以降、各方面から寄せられたご支援を力に、全社一丸で取材・営業活動に取り組んでおりますが、新聞業界は引き続き厳しい時代を迎えております。他メディアとの競合、少子高齢化による新聞購読世帯数の減少、若年層を中心とした新聞離れなど、諸課題の解決の糸口はいまだ見いだせておりません。
当社ではそのような状況で平成29年11月、購読料を月決め3,065円(税込)から3,400円(同)に改定しました。広い県土における戸別配達網を維持し、震災からの復旧・復興はもとより、海外での県人スポーツ選手の活躍、国際リニアコライダー(ILC)誘致キャンペーンなどの報道を一層充実させるのが目的です。本紙の本体価格(税別)の値上げは23年ぶりです。これまで以上に紙面の質的向上を図り、料金改定の効果を県民読者に実感していただき、未来への布石を打つための値上げであることに納得いただけるよう努力し続ける必要があります。
本年は7月26、27日の両日、本県で第23回NIE全国大会盛岡大会が開かれます。全国からNIE担当教諭、新聞関係者らが参加する大規模イベントで、当社は主管者として大会準備・運営の中心的役割を果たしています。新聞を教育に役立てるNIEの重要性をアピールし、被災県の現状を発信する重要な催しとなります。さらに来年は釜石市でラグビーワールドカップが開催されます。本県が舞台となる大会の成功を後押しするため、さまざまな特集、連載企画などを展開していく方針です。
北朝鮮情勢、国内政治の動向など県内外に課題が山積し、確かで信頼できる情報を発信する新聞への期待や要望はこれまで以上に高まっています。社会的使命を果たすべくより存在感のある新聞づくり、企業づくりに引き続き取り組んでいく所存です。

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