訂正有価証券報告書-第99期(平成29年4月1日-平成29年12月31日)

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2019/02/12 14:27
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業績等の概要

当連結会計年度より決算期を3月31日から12月31日に変更し、当社グループの決算期を12月31日に統一しています。これに伴い、当連結会計年度は2017年4月1日から2017年12月31日までの9カ月間となり、以下、当連結会計年度の業績に関しては、前期同一期間(2016年4月1日から2016年12月31日まで)との比較により記載しています。なお、前期同一期間は、当社および国内連結子会社については2016年4月1日から2016年12月31日までの損益を、海外連結子会社等については2016年1月1日から2016年9月30日までの損益を基礎として連結していましたが、当連結会計年度は、すべての連結対象会社について2017年4月1日から2017年12月31日までの損益を連結しています。
なお、海外連結子会社等の2017年1月1日から2017年3月31日までの損益については利益剰余金で調整しており、キャッシュ・フローについては現金及び現金同等物の期首残高で調整しています。
(1) 業績
当連結会計年度におけるグローバル経済情勢を振り返りますと、アメリカでは個人消費の増加や雇用情勢の改善などにより景気の着実な回復が継続しました。欧州ではイギリスのEU離脱問題などに伴い、先行きに不透明感があるものの、景気は緩やかに回復しました。中国をはじめとするアジア新興国の景気は持ち直しの動きがみられました。わが国の経済については、景気は緩やかな回復基調を続けていますが、海外経済の不確実性や為替変動リスクなどには引き続き留意が必要です。
当社グループは、2015年4月1日から運用を開始した第5次中期経営計画において事業ポートフォリオの組み換え・最適化による成長を志向してきました。コンシューマー・エレクトロニクス(IT)分野の事業機会を拡大するとともに、自動車や医療機器など世界規模で安定成長が見込まれる分野での事業展開を加速しています。当連結会計年度は第5次中期経営計画の最終年度にあたりますが、主力のディバイス事業においては製品需要が堅調に推移したほか、産業資材事業では事業収益の改善、ライフイノベーション事業では業績への本格的な貢献がみられるなど、事業ポートフォリオの組み換え・最適化には具体的な進捗がみられました。このように当社グループの事業は印刷の領域を超えて大きく進化・拡大を続けていることから、当社は2017年10月6日に社名をNISSHA株式会社と制定しました。
当連結会計年度の連結業績は決算期変更に伴う9カ月決算となりましたが、売上高は過去最高の1,595億18百万円(前年同期比94.9%増)、利益面では営業利益は62億78百万円(前年同期は16億30百万円の営業損失)、経常利益は75億78百万円(前年同期は22億72百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は67億34百万円(前年同期は33億55百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
産業資材
産業資材は、さまざまな素材の表面に付加価値を与える独自技術を有するセグメントです。プラスチックの成形と同時に加飾を行うIMDおよびIMLは、グローバル市場で自動車(内装)、家電製品、スマートフォンなどに広く採用されています。また、金属光沢と印刷適性を兼ね備えた蒸着紙は、飲料品や食品向けの高機能パッケージ資材としてグローバルベースで業界トップのマーケットシェアを有しています。
当連結会計年度は、主力の自動車向けや蒸着紙を中心として製品需要が概ね堅調に推移したほか、品質コストの削減などにより事業収益が改善しました。
その結果、当連結会計年度の連結売上高は372億83百万円(前年同期比4.0%増)となり、セグメント利益(営業利益)は12億81百万円(前年同期比124.3%増)となりました。
ディバイス
ディバイスは、精密で機能性を追求したディバイスを提供するセグメントです。主力製品であるフィルムタッチセンサーはグローバル市場でスマートフォン、タブレット、携帯ゲーム機、産業用機器、自動車などに採用されています。このほか、気体の状態を検知するガスセンサーなどを提供しています。
当連結会計年度は、スマートフォンおよびタブレット、ゲーム機向けの製品需要がいずれも堅調に推移しましたが、その一方で旺盛な需要に対応するための生産体制の構築などで先行費用が増加しました。
その結果、当連結会計年度の連結売上高は972億6百万円(前年同期比186.3%増)となり、セグメント利益(営業利益)は70億16百万円(前年同期比1,011.4%増)となりました。
ライフイノベーション
ライフイノベーションは、医療機器メーカーGraphic Controlsグループを中心に、医療機器やその関連分野において高品質で付加価値の高い製品を提供し、人々の健康で豊かな生活に貢献することを目指すセグメントです。医療機関向けのディスポーザブル電極や手術用器具などを主力製品としており、現在は欧米市場において自社ブランド品を生産・販売するとともに、大手医療機器メーカー向けの受託生産を展開しています。
当連結会計年度は、主力の受託生産分野を中心に製品需要は堅調に推移しました。
その結果、当連結会計年度の連結売上高は140億81百万円となり、セグメント利益(営業利益)は2億44百万円となりました。
なお、当セグメントは、前第3四半期連結会計期間よりGraphic Controlsグループを連結範囲に含めたことにより新設した報告セグメントであるため、前期との比較・分析はありません。
※ ライフイノベーションは、2018年1月1日付で報告セグメントの名称をメディカルテクノロジーに変更しています。
情報コミュニケーション
情報コミュニケーションは、出版印刷、商業印刷、セールスプロモーションなど、さまざまな製品・サービスを提供し、お客さま企業のマーケティング戦略や広告宣伝・販売促進などのコミュニケーション戦略全般をサポートしています。
当連結会計年度は、主力の商業印刷分野で情報メディアの多様化における印刷物の減少などの影響があり、事業環境は厳しいものとなりました。
その結果、当連結会計年度の連結売上高は106億73百万円(前年同期比0.9%増)となり、セグメント損失(営業損失)は4億45百万円(前年同期は1億7百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ72億円増加し、292億91百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
なお、当連結会計年度は、決算期の変更により、2017年4月1日から2017年12月31日までの9カ月間となっています。このため、前期比については記載していません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は287億84百万円となりました。これは主に売上債権の増加額として185億47百万円計上した一方、税金等調整前当期純利益として73億23百万円、仕入債務の増加額として367億11百万円計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は116億85百万円となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得として8億53百万円、有形固定資産の取得として93億77百万円支出したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は112億16百万円となりました。これは主に短期借入金の純減額として99億71百万円、配当金の支払額として14億37百万円計上したこと等によるものです。