有価証券報告書-第95期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/20 14:38
【資料】
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【項目】
118項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるグローバル経済情勢を振り返りますと、米国では景気の回復基調が継続し、欧州では景気に底打ちがみられました。一方、中国をはじめとする新興国では成長が鈍化しております。わが国経済については、大胆な金融政策や円安基調の継続などによって、景気は緩やかな回復が続きました。
当社グループが主力としてきたスマートフォンやノートパソコンなどのコンシューマー・エレクトロニクスの分野では、製品需要の急激な変動や製品・サービスの低価格化が常態化し、売上高と利益の両面に重大な影響を与えております。当社グループはこのような課題に対応するために、新製品を市場投入するなど受注の拡大に注力する一方、価格下落の抑制に加え、不断の生産効率の改善やあらゆるコスト削減に努めてきました。主力のディバイス事業における静電容量方式タッチパネル(フォトリソ工法)の旺盛な需要は、最新鋭の姫路工場・加賀工場の量産体制に支えられ、売上高の増加と営業利益の黒字転換に大きく寄与しました。
これらの結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は1,109億22百万円(前期比24.0%増)、利益面では営業利益は19億35百万円(前期は67億83百万円の営業損失)、経常利益は51億82百万円(前期は46億43百万円の経常損失)、当期純利益は39億67百万円(前期は54億38百万円の当期純損失)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、各報告セグメントに配分する費用の範囲を見直し、全社費用の一部について、一定の配賦基準に基づき各報告セグメントに配分する方法に変更しております。
産業資材
産業資材は、プラスチック、金属、ガラスなどの表面を加飾する独自技術を有し、市場トレンドに合わせた継続的な技術開発によって事業領域を拡大していくセグメントであります。プラスチックの成形と同時に転写を行うIMDは、グローバル市場で自動車(内装)、ノートパソコン、スマートフォン、家電製品などに広く採用されております。
当連結会計年度は、自動車(内装)向けの需要は堅調でしたが、個人用ノートパソコン向けの需要は低調に推移しました。
その結果、当連結会計年度の連結売上高は264億9百万円(前期比4.6%減)となり、セグメント損失(営業損失)は11億22百万円(前期は7億19百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
ディバイス
ディバイスは、タッチ入力ディバイスFineTouchを中心とし、精密で機能性を追求したディバイスを提供していくセグメントであります。グローバル市場でタブレット端末、スマートフォン、携帯ゲーム機などに採用されております。
当連結会計年度は、タブレット端末向け静電容量方式タッチパネル(フォトリソ工法)の需要が伸張し、堅調に推移しました。
その結果、当連結会計年度の連結売上高は663億15百万円(前期比53.7%増)となり、セグメント利益(営業利益)は74億40百万円(前期は4億69百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
情報コミュニケーション
情報コミュニケーションは、お客さま企業の広告宣伝、販売などに係わるコミュニケーション活動全般をサポートするセールスプロモーションや、Webソリューション、商業印刷、出版印刷のほか、文化財のデジタルアーカイブ製作も手がけております。
当連結会計年度は、主力の商業分野では情報メディアの多様化による印刷物の減少などの影響があり、受注競争は激しいものとなりました。
その結果、当連結会計年度の連結売上高は180億70百万円(前期比2.3%減)となり、セグメント損失(営業損失)は6億91百万円(前期は1億83百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ34億19百万円減少し、202億72百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は144億13百万円(前期比4.0%増)となりました。これは主に仕入債務の減少額として37億52百万円計上した一方で、減価償却費として112億19百万円、売上債権の減少額として61億65百万円、税金等調整前当期純利益として51億51百万円計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は161億49百万円(前期比124.1%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得として159億8百万円支出したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は46億34百万円(前期比0.9%減)となりました。これは主に短期借入金の純減額として40億円支出したこと等によるものであります。