有価証券報告書-第84期(令和2年10月1日-令和3年9月30日)

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2021/12/16 11:53
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(業績等の概要)
当社グループの事業は、出版事業及び出版付帯事業の単一のセグメントであるため、事業別に記載しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対応した緊急事態宣言が2021年1月より発令され、その後も延長・再発令が続いたことにより、社会活動は大きく制限され、個人消費の落込みやインバウンド消費の消失など、前年同様厳しい状態が続きました。 当社グループの事業領域であります出版業界は、依然として市場規模の縮小が続いているものの、コロナ禍における巣ごもり需要から文芸書、児童書、学習漫画の売上が伸びるなど、一時的な回復が見られました。出版科学研究所によりますと、出版物の推定販売金額は、当連結会計年度では雑誌が前年を下回ったものの書籍が前年を上回り、合計で前期比プラス1.1%となりました。このような状況の中、当社グループは、前期の経験に基づく実務書の積極的な開発や大学教材の適切な供給に注力いたしました。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高3,155,930千円(前年同期比4.9%増)、営業利益162,621千円(前年同期比2,695.5%増)、経常利益183,521千円(前年同期比3,228.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益147,404千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失18,061千円)となりました。
事業別の概況は次のとおりであります。
(出版事業)
会計分野では、任意適用企業が増加し続けているIFRSに関して、わが国唯一の公式翻訳書『IFRS基準〈注釈付き〉2021』をはじめ関連書の開発を行ってきました。特に『表解 IFRS・日本・米国基準の徹底比較』は実務ニーズを捉え好評でした。また、収益認識基準の解説書『注文の多い料理店で学ぶ収益認識会計』は独特のモチーフとコンセプトで話題となり、また気鋭の学者による『たかが会計』は資本コストとコーポレートガバナンスの関係性を説き明かしたものとして耳目を集めるとともに、増刷を重ねています。その他、良質な研究書として『会計利益の基礎概念』『引当金・準備金制度論』『企業会計における評価差額の認識』、スタンダードな大学のテキストとして『はじめて学ぶ会計・ファイナンス』『基礎から学ぶ企業会計』なども刊行いたしました。
経営・経済分野では、社会的に関心の高いテーマとして『コロナショックの経済学』『感染症と経営』『カーボンゼロの衝撃』などを戦略的に刊行し、話題となりました。また、『保険の教科書』『物流改革大全』などの売れ行きが好調でした。さらに、全国の大学で採用が拡大している「ベーシック+(プラス)」シリーズでは新たに『イノベーション・マネジメント』を刊行し、全23冊のラインアップとなりました。その他、『経営学の開拓者たち』など、専門分野の理解や発展につながる企画を並行して開発いたしました。
税務分野では、政府による緊急経済対策の申告実務として『図解・表解 確定申告書の記載チェックポイント(令和3年3月15日締切分)』『法人税申告書の最終チェック(令和3年5月申告以降対応版)』といった定番商品が例年に増して売上を伸ばすとともに、コロナ禍の状況に対応した『中小企業の節税へのヒント』『厳しい税務調査がやってくる 続 間違いだらけの相続税対策』『アフターコロナの戦略的事業承継「M&A」』などが好調に推移しました。また、制度全般を解説した大型書籍として刊行した『消費税法の実務詳解』『グループ通算制度の実務Q&A』は、ともに高額商品にもかかわらず売上を伸ばしました。
法律分野では、法改正により創設された制度を解説する『「株式交付」活用の手引き』『株主総会デジタル化の実務』を刊行いたしました。また、『判例分析 会社・株主間紛争の非上場株式評価実務』『図解 不祥事の社内調査がわかる本』は、新たな定番書として増刷を重ねております。さらに、長年にわたり読者の信頼を集めてきた「会社法実務問題シリーズ」を順次改定しており、今期は『定款・各種規則の作成実務(第4版)』『株主総会の準備事務と議事運営(第5版)』など、全10巻中4巻を刊行いたしました。
企業実務分野では、相次ぐ規制強化に対応した『M&A・投資における外為法の実務』、複雑化するIT関連の契約実務をまとめた『システム開発を成功させるIT契約の実務』、さらにESG関連の書籍として『金融機関のための気候変動リスク管理』を刊行し、部数を伸ばしました。また、6月にコーポレートガバナンス・コードが改訂されたことを受け、『2021年改訂コーポレートガバナンス・コードの実務対応』をいち早く刊行いたしました。
資格試験分野では、各種資格試験対策本として『小松詩織が教える司法試験・予備試験合格のベストプラクティス』『司法書士試験 社会人の時短合格術50』『スタートアップ!中小企業診断士超速習テキスト』『スタートアップ!中小企業診断士超速1問1答』が部数を伸ばしました。さらに、『新・独学ではじめる税理士試験合格法バイブル』『働きながら一発合格!弁理士試験究極の攻略法』『水野健の宅建士合格ブリッジ一問一答』『気象予報士試験サクラサク勉強法』が好評でした。
高水準の研究成果の書籍として、『退職給付に係る負債と企業行動』が日本会計研究学会太田・黒澤賞を、『監査実施プロセスの理論と実践』が日本内部監査協会・青木賞を、『危険とリスクの会計』が日本公認会計士協会学術賞を、『日本企業のタレントマネジメント』が経営行動科学学会優秀研究賞を、『ファミリーガバナンス』がファミリービジネス学会賞を、『M&A戦略の立案プロセス』がM&AフォーラムRECOF賞を受賞するなど、多くの書籍が表彰されました。
生活実用分野では、コンパクトに要点を解説したコンビニエンスストアのプライベートブランド商品『図解 社会保障オールガイド<2021-2022>』『図解 介護のお金とサービス<2020-2021>』を刊行いたしました。また、毎年好評を博している愛犬家、愛猫家からの投稿を集めた日めくりカレンダーは、「犬めくり」「猫めくり」などに加え、新たに4点のカレンダーを投入いたしました。さらに、新しい分野の開発として刊行した小・中学校・公共図書館専用書籍『もっと知りたい!調べたい!お金のこと』(全3巻)は、質の高い児童図書として評価を受け順調な滑り出しとなりました。
雑誌については、次のとおりであります。
「企業会計」は新たな視点から会計問題を取り上げ、会計実務と会計学会での主要テーマを中心に据えつつ、読者の知識欲を満たす企画づくりを行っております。「税務弘報」はまもなく創刊70年を迎える税務専門誌ですが、オリジナル企画の編集を心がけ、前年を上回る業績を残しております。「旬刊経理情報」は旬刊誌ならではのタイムリー性を追求した制度動向のキャッチアップはもちろん、経営企画の観点で必須となる分野横断的な切り口で読者ニーズに応えるべく活動しております。「ビジネス法務」は喫緊の法務課題を取り上げるとともに法務基幹業務の基礎から応用までを提供し、高まる法務ニーズをも背景にして定期購読者数や広告収入を伸ばしております。
その結果、当社グループの出版事業では売上高3,048,084千円(前年同期比5.1%増)、営業利益152,847千円(前年同期は営業損失19,594千円)となりました。
(出版付帯事業)
当社グループの専門雑誌を中心とする広告宣伝の請負代理が主である出版付帯事業は、広告媒体が多様化し紙媒体への広告が大幅に減少する中で、いくつかの新規顧客を開拓いたしました。
その結果、売上高107,846千円(前年同期比2.4%減)、営業利益25,014千円(前年同期比2.6%減)となりました。
(2) 財政状態及び経営成績等の状況
(資産)
流動資産につきましては、金銭の信託の減少199,976千円があったものの、現金及び預金の増加166,185千円、商品及び製品の増加66,336千円、受取手形及び売掛金の増加33,003千円などにより前連結会計年度末に比べ79,250千円増加して、3,730,073千円となりました。 固定資産につきましては、建物及び構築物の減少5,561千円があったものの、投資有価証券の増加60,581千円、土地の増加37,984千円などにより前連結会計年度末に比べ97,221千円増加して、1,551,869千円となりました。 以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ176,472千円増加して、5,281,943千円となりました。
(負債)
流動負債につきましては、未払法人税等の増加14,498千円があったものの、支払手形及び買掛金の減少28,004千円などにより前連結会計年度末に比べ11,225千円減少して、796,840千円となりました。 固定負債につきましては、退職給付に係る負債の増加28,878千円などにより前連結会計年度末から26,463千円増加して、390,800千円となりました。 以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ15,237千円増加して、1,187,641千円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、利益剰余金の増加117,559千円、その他有価証券評価差額金の増加43,674千円などにより前連結会計年度末に比べ161,234千円増加して、4,094,301千円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は52,246千円(前年同期比46,169千円減)となりました。これは主に、たな卸資産の増加53,928千円、売上債権の増加33,003千円、仕入債務の減少28,004千円、投資有価証券評価益10,238千円があったものの、税金等調整前当期純利益183,521千円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は52,205千円(前年同期比44,612千円増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出50,719千円、保険金積立による支出3,068千円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は29,724千円(前年同期比7,381千円減)となりました。これは主に、配当金の支払額29,724千円があったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は1,838,125千円となり、前連結会計年度末に比べて28,532千円の減少となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
当社グループの事業は、出版事業及び出版付帯事業の単一セグメントであるため、事業別に記載しております。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
事 業当連結会計年度
(自 2020年10月1日
至 2021年9月30日)
(千円)
前年同期比(%)
出版事業3,186,532110.5
出版付帯事業107,84697.6
合計3,294,378109.9

(注) 1 事業間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
事 業当連結会計年度
(自 2020年10月1日
至 2021年9月30日)
(千円)
前年同期比(%)
出版事業3,048,084105.1
出版付帯事業107,84697.6
合計3,155,930104.9

(注) 1 事業間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 総販売実績に対する割合が、100分の10以上の相手先別の販売実績及びその割合は、次のとおりであります。
前連結会計年度日本出版販売㈱729,633千円24.2%
㈱トーハン617,325千円20.5%
当連結会計年度日本出版販売㈱790,967千円25.1%
㈱トーハン678,688千円21.5%

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年9月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や取引状況等を勘案し、会計基準の範囲内かつ合理的と考えられる見積り及び判断を行っている部分があり、その結果を資産・負債及び収益・費用の数値に反映しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、2020年初頭から発生した新型コロナウイルス感染症の蔓延による影響を期首より通念にわたり受けることとなり、かつてない市場対応を求められることとなりました。
このような状況の中、当社グループの中核事業である出版事業では、前連結会計年度の状況に大きな変化がないことを前提に、実務書については在宅勤務対応として郊外型書店へのアプローチやウェブ販売への対応、大学教材については製作時期・数量、販売ルートを精査して適量送本の徹底を図り、結果として返品数が減少したことにより、売上高の増加率に比して各利益率が大幅に増加いたしました。
これにより、経営成績は以下のとおりとなりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ146,342千円増加し、3,155,930千円(4.9%増)となりました。これは主に、新刊委託売上と注文書籍売上の増加によるものです。
(売上原価・販売費及び一般管理費)
売上原価は、前連結会計年度とほぼ同額の2,078,585千円となりました。その結果、売上総利益は146,224千円増加し、1,077,345千円となりました。 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と同様、広告宣伝費、旅費及び交通費、交際接待費、編集費が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ12,340千円減少し、923,439千円(1.3%減)となりました。
(営業利益)
営業利益は、上記により前連結会計年度に比べ156,804千円増加し、162,621千円(2,695.5%増)となりました。
(営業外損益・特別損益)
経常利益は、営業外収益20,899千円、営業外費用0千円を計上した結果、前連結会計年度に比べ178,007千円増加し、183,521千円(3,228.3%増)となりました。 税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ177,957千円増加し、183,521千円(3,198.4%増)となりました。
(法人税、住民税及び事業税)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ165,466千円増加し、147,404千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失18,061千円)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税47,963千円、法人税等調整額11,846千円を計上したことによるものです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。 当社グループの事業運営上必要な運転資金は、原則として自己資金で賄うこととしております。今後も、所要資金は「営業活動によるキャッシュ・フロー」を源泉とした自己資金調達を原則とする方針であります。なお、多額の資金が必要となった場合は、必要資金の性格に応じて金融機関からの借入、資本市場からの直接調達も検討する方針でありますが、多額の資金需要にも自己資金にて十分に対応することが可能であると考えております。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。 そのため、当社グループは、外部環境の変化に留意しつつ、人材の確保・育成、リスク分散、社内の統制を維持・向上させることなどにより、経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスクを分散、回避し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。
経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。 当社グループは、安定した経営基盤を維持・構築し、もって良質な出版を継続し、かつ、安定した株主還元を行うことを目標としており、そのため1株当たり純資産額を重視し、その増大を意識しながら経営を行っております。
当連結会計年度の1株当たり純資産額は1,097.50円となり、前連結会計年度に比べ4.1ポイント増加いたしました。また、第79期を基準として5会計年度を比較すると、微増傾向で推移しているものと認識しております。
第80期第81期第82期第83期第84期
1株当たり純資産額(円)1,064.741,073.381,072.231,054.281,097.50
第78期を基準とした増減率(%)101.5102.4102.3100.6104.7
(参考)東証市場第一部の増減率(%)87.880.678.977.880.0

(注) 東京証券取引所市場第一部のデータ算出にあたっては、同取引所の資料によっております。なお、同取引所のデータ算出については2018年9月までは1単元1,000株を前提としており、2018年10月以降は1単元100株を前提として算出していることから、2018年9月以前のデータにつきましては当社において1単元100株として計算し直しております。

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