有価証券報告書-第137期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、当社グループは当連結会計年度より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。
連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 経営成績
当期における世界経済の情勢は、米国では雇用者数の増加や堅調な個人消費に支えられ景気の拡大が継続し、欧州では英国のEU離脱問題等があるものの緩やかな回復が持続しました。また、中国を含む新興国においても景気に持ち直しの動きがみられたことなどにより、全体としては総じて堅調に推移しました。
一方、国内経済は、企業収益の向上に加え、雇用・所得環境が改善するなど、緩やかな回復基調が続きました。
このような状況の下、当社グループは、全社を挙げて業績改善に努めるとともに、「事業ポートフォリオの高度化」、「キャッシュフロー創出力の強化」、「次世代事業の早期戦列化」等を基本方針とする中期経営計画(2016年度~2018年度)に基づき、持続的な成長を続けるレジリエント(回復力に富む)な住友化学グループへの変革をより一層加速すべく取り組んでまいりました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度に比べ2,514億円増加し、2兆1,905億円となりました。損益面では、コア営業利益は2,627億円、営業利益は2,509億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,338億円となり、それぞれ前連結会計年度を上回りました。
(売上収益)
売上収益は、事業拡大に伴う数量増の影響が最も大きく、また原料価格上昇に伴う売価上昇や、円安による海外子会社の邦貨換算差の影響もあり、前連結会計年度の1兆9,391億円に比べ2,514億円増加し2兆1,905億円となりました。
(コア営業利益/営業利益)
コア営業利益は、数量増の影響に加え、ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニーなどの持分法投資損益の改善により、前連結会計年度の1,845億円に比べ781億円増加し2,627億円となりました。
コア営業利益の算出にあたり営業利益から控除した、非経常的な要因により発生した損益は、前連結会計年度に多額の減損損失などを計上したことから、前連結会計年度の581億円の損失に比べ463億円改善し118億円の損失となりました。以上の結果、営業利益は、前連結会計年度の1,265億円に比べ1,245億円増加し2,509億円となりました。
(金融収益及び金融費用/税引前利益)
金融収益及び金融費用は、当連結会計年度は期末にかけて円高が進行し、多額の為替差損失を計上したことから、前連結会計年度の41億円の損失に比べ60億円悪化し、101億円の損失となりました。以上の結果、税引前利益は、前連結会計年度の1,223億円に比べ1,185億円増加し、2,408億円となりました。
(法人所得税費用/親会社の所有者に帰属する当期利益及び非支配持分に帰属する当期利益)
法人所得税費用は627億円となり、税引前利益に対する税効果会計適用後の法人所得税費用の負担率は、26.0%となりました。
以上の結果、当期利益は、1,782億円となりました。
非支配持分に帰属する当期利益は、主として大日本住友製薬株式会社や日本シンガポール石油化学株式会社などの連結子会社の非支配持分に帰属する利益からなり、前連結会計年度の326億円に比べ118億円増加し、444億円となりました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度の765億円に比べ572億円増加し、1,338億円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いて算出したコア営業利益で表示しております。
(石油化学)
石油化学品や合成樹脂は原料価格の上昇により、市況が上昇しました。合繊原料やメタアクリルも市況が上昇しました。また持分法適用会社であるペトロケミカル コーポレーション オブ シンガポール(プライベート) リミテッドの業績が堅調に推移し、ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニーは、高稼働が維持されたことに加え、石油化学製品の市況上昇等により業績が改善しました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、1,163億円(20.8%)増加し6,741億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ357億円増加し946億円となりました。
また、生産規模は、約5,330億円となりました。(販売価格ベース)
(エネルギー・機能材料)
レゾルシン(接着剤用原料)やエンジニアリングプラスチックスは需要の増加により、出荷が増加しました。また、リチウムイオン二次電池用セパレータも生産能力増強により出荷が増加しました。更に、前連結会計年度に実施した正極材料事業の買収による販売増加の影響もありました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、446億円(21.6%)増加し2,510億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ132億円増加し192億円となりました。
また、生産規模は、約1,570億円となりました。(販売価格ベース)
(情報電子化学)
タッチセンサーパネルや偏光フィルムは、販売価格は下落しましたが、需要の増加により出荷は増加しました。また、円安による在外子会社の邦貨換算差の影響もありました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、102億円(2.9%)増加し3,687億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ36億円増加し123億円となりました。
また、生産規模は、約3,320億円となりました。(販売価格ベース)
(健康・農業関連事業)
メチオニン(飼料添加物)は市況の下落により、減収となりました。一方、前連結会計年度に実施したインド農薬事業の買収による販売増加の影響がありました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、191億円(6.0%)増加し3,397億円となりましたが、コア営業利益は前連結会計年度に比べ35億円減少し440億円となりました。
また、生産規模は、約1,770億円となりました。(販売価格ベース)
(医薬品)
北米では、ラツーダ(非定型抗精神病薬)を中心に堅調に販売が拡大しました。また、国内においても、トルリシティ(2型糖尿病治療剤)やアイミクス(高血圧症治療剤)等の販売が拡大しました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、593億円(13.4%)増加し5,002億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ249億円増加し948億円となりました。
また、生産規模は、約4,390億円となりました。(販売価格ベース)
(その他)
上記5部門以外に、電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務、物性分析・環境分析業務等を行っております。これらの売上収益は前連結会計年度に比べ、20億円(3.7%)増加し568億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ9億円増加し111億円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績及び受注状況
当社グループ(当社および連結子会社)の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産製品の規模は小さいため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産の状況については、セグメントごとの経営成績に関連付けて示しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記販売実績は、外部顧客への売上収益を示しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(3) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ1,905億円増加し3兆687億円となりました。棚卸資産や現金及び現金同等物が増加しました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ542億円増加し、1兆8,165億円となりました。営業債務及びその他の債務が増加しました。なお、有利子負債は前連結会計年度末に比べ419億円減少し、8,422億円となりました。
資本合計(非支配持分を含む)は、利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ1,363億円増加し、1兆2,522億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べて2.0ポイント増加し、30.2%となりました。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、営業利益の増加や法人所得税の支払の減少等により、前連結会計年度に比べ1,075億円増加し、2,933億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に子会社の大日本住友製薬株式会社によるシナプサス セラピューティクス インコーポレーテッド(現:サノビオン CNS ディベロップメント カナダ ULC(以下、「サノビオンCNSカナダ社」))およびトレロ ファーマシューティカルズ インコーポレーテッド(以下、「トレロ社」)の買収があったこと等により、前連結会計年度に比べ512億円支出が減少し、1,545億円の支出となりました。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度の199億円の支出に対して、当連結会計年度は1,387億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、943億円の支出となりました。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ386億円増加し、2,319億円となりました。
当社グループの資本の財源および資金の流動性は、次のとおりであります。
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、銀行借入、資本市場における社債およびコマーシャル・ペーパーの発行等により、必要資金を調達しております。当社グループの財務活動の方針は、低利かつ中長期にわたり安定的な資金調達を行うこと、および十分な流動性を確保することであります。
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は2,319億円であり、流動比率(流動資産/流動負債)は122.0%であります。また、短期的な資金需要に対応するため、コマーシャル・ペーパーの発行枠を1,800億円と、大手邦銀のシンジケート団による800億円のコミットメント・ラインおよび、大手外銀のシンジケート団による210億円のマルチカレンシー(円・米ドル・ユーロ建)によるコミットメント・ラインを有しております。
(5) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)2016年度~2018年度中期経営計画」に記載のとおりであります。
(6) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
a 連結の範囲に関する事項
当連結会計年度中に子会社となった株式会社田中化学研究所等16社について、企業集団としての財務内容の開示をより充実する観点から当連結会計年度より連結の範囲に含めております。また、事業再編等によりサーモ株式会社等6社については、連結の範囲から除外しております。
b 持分法の適用に関する事項
当連結会計年度中に関連会社となった旭友電子材料科技(無錫)有限公司等2社について、当連結会計年度より持分法の適用の範囲に含めております。また、株式の追加取得により子会社となった住化スタイロン ポリカーボネート株式会社については、持分法の適用の範囲から除外しております。
c 会計方針の変更に関する事項
(繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針の適用)
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 2016年3月28日。以下「回収可能性適用指針」という。)を当連結会計年度から適用し、繰延税金資産の回収可能性に関する会計処理の方法の一部を見直しております。
回収可能性適用指針の適用については、回収可能性適用指針第49項(4)に定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首時点において回収可能性適用指針第49項(3)①から③に該当する定めを適用した場合の繰延税金資産および繰延税金負債の額と、前連結会計年度末の繰延税金資産および繰延税金負債の額との差額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金およびその他の包括利益累計額に加減しております。
これによる連結財務諸表に与える影響は軽微であります。
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
a 連結の範囲に関する事項
当連結会計年度中に子会社となったボタニカル リソーシズ オーストラリア プライベート リミテッド等18社について、企業集団としての財務内容の開示をより充実する観点から当連結会計年度より連結の範囲に含めております。また、事業再編等によりスミトモ ケミカル シンガポール プライベート リミテッド等10社については、連結の範囲から除外しております。
b 持分法の適用に関する事項
当連結会計年度中に関連会社となったZSエラストマー株式会社について、当連結会計年度より持分法の適用の範囲に含めております。また、株式会社クリエイトワクチン等3社については、清算により持分法の適用の範囲から除外しております。
(7) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表と日本基準により作成した連結財務諸表の経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.初度適用」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準ではのれんは計上後20年以内でその効果の発現する期間にわたって均等償却しておりましたが、IFRSでは償却を行わず、毎期減損テストを実施しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて「販売費及び一般管理費」が9,496百万円減少しております。
(研究開発費の資産計上)
日本基準ではすべての研究開発費を費用処理しておりましたが、IFRSでは一定の要件を満たしたものを無形資産に認識し、見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて「販売費及び一般管理費」が4,736百万円減少しております。
(条件付対価の負債計上)
日本基準では企業結合契約における条件付対価は企業結合後にその交付または引渡しが確実となる時点まで負債を認識しておりませんでしたが、IFRSでは企業結合時点における公正価値を金融負債に認識し、その後の公正価値の変動を反映しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて「販売費及び一般管理費」が14,744百万円減少しております。
また、当社グループは当連結会計年度より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。
連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 経営成績
当期における世界経済の情勢は、米国では雇用者数の増加や堅調な個人消費に支えられ景気の拡大が継続し、欧州では英国のEU離脱問題等があるものの緩やかな回復が持続しました。また、中国を含む新興国においても景気に持ち直しの動きがみられたことなどにより、全体としては総じて堅調に推移しました。
一方、国内経済は、企業収益の向上に加え、雇用・所得環境が改善するなど、緩やかな回復基調が続きました。
このような状況の下、当社グループは、全社を挙げて業績改善に努めるとともに、「事業ポートフォリオの高度化」、「キャッシュフロー創出力の強化」、「次世代事業の早期戦列化」等を基本方針とする中期経営計画(2016年度~2018年度)に基づき、持続的な成長を続けるレジリエント(回復力に富む)な住友化学グループへの変革をより一層加速すべく取り組んでまいりました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度に比べ2,514億円増加し、2兆1,905億円となりました。損益面では、コア営業利益は2,627億円、営業利益は2,509億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,338億円となり、それぞれ前連結会計年度を上回りました。
(売上収益)
売上収益は、事業拡大に伴う数量増の影響が最も大きく、また原料価格上昇に伴う売価上昇や、円安による海外子会社の邦貨換算差の影響もあり、前連結会計年度の1兆9,391億円に比べ2,514億円増加し2兆1,905億円となりました。
(コア営業利益/営業利益)
コア営業利益は、数量増の影響に加え、ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニーなどの持分法投資損益の改善により、前連結会計年度の1,845億円に比べ781億円増加し2,627億円となりました。
コア営業利益の算出にあたり営業利益から控除した、非経常的な要因により発生した損益は、前連結会計年度に多額の減損損失などを計上したことから、前連結会計年度の581億円の損失に比べ463億円改善し118億円の損失となりました。以上の結果、営業利益は、前連結会計年度の1,265億円に比べ1,245億円増加し2,509億円となりました。
(金融収益及び金融費用/税引前利益)
金融収益及び金融費用は、当連結会計年度は期末にかけて円高が進行し、多額の為替差損失を計上したことから、前連結会計年度の41億円の損失に比べ60億円悪化し、101億円の損失となりました。以上の結果、税引前利益は、前連結会計年度の1,223億円に比べ1,185億円増加し、2,408億円となりました。
(法人所得税費用/親会社の所有者に帰属する当期利益及び非支配持分に帰属する当期利益)
法人所得税費用は627億円となり、税引前利益に対する税効果会計適用後の法人所得税費用の負担率は、26.0%となりました。
以上の結果、当期利益は、1,782億円となりました。
非支配持分に帰属する当期利益は、主として大日本住友製薬株式会社や日本シンガポール石油化学株式会社などの連結子会社の非支配持分に帰属する利益からなり、前連結会計年度の326億円に比べ118億円増加し、444億円となりました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度の765億円に比べ572億円増加し、1,338億円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いて算出したコア営業利益で表示しております。
(石油化学)
石油化学品や合成樹脂は原料価格の上昇により、市況が上昇しました。合繊原料やメタアクリルも市況が上昇しました。また持分法適用会社であるペトロケミカル コーポレーション オブ シンガポール(プライベート) リミテッドの業績が堅調に推移し、ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニーは、高稼働が維持されたことに加え、石油化学製品の市況上昇等により業績が改善しました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、1,163億円(20.8%)増加し6,741億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ357億円増加し946億円となりました。
また、生産規模は、約5,330億円となりました。(販売価格ベース)
(エネルギー・機能材料)
レゾルシン(接着剤用原料)やエンジニアリングプラスチックスは需要の増加により、出荷が増加しました。また、リチウムイオン二次電池用セパレータも生産能力増強により出荷が増加しました。更に、前連結会計年度に実施した正極材料事業の買収による販売増加の影響もありました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、446億円(21.6%)増加し2,510億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ132億円増加し192億円となりました。
また、生産規模は、約1,570億円となりました。(販売価格ベース)
(情報電子化学)
タッチセンサーパネルや偏光フィルムは、販売価格は下落しましたが、需要の増加により出荷は増加しました。また、円安による在外子会社の邦貨換算差の影響もありました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、102億円(2.9%)増加し3,687億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ36億円増加し123億円となりました。
また、生産規模は、約3,320億円となりました。(販売価格ベース)
(健康・農業関連事業)
メチオニン(飼料添加物)は市況の下落により、減収となりました。一方、前連結会計年度に実施したインド農薬事業の買収による販売増加の影響がありました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、191億円(6.0%)増加し3,397億円となりましたが、コア営業利益は前連結会計年度に比べ35億円減少し440億円となりました。
また、生産規模は、約1,770億円となりました。(販売価格ベース)
(医薬品)
北米では、ラツーダ(非定型抗精神病薬)を中心に堅調に販売が拡大しました。また、国内においても、トルリシティ(2型糖尿病治療剤)やアイミクス(高血圧症治療剤)等の販売が拡大しました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、593億円(13.4%)増加し5,002億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ249億円増加し948億円となりました。
また、生産規模は、約4,390億円となりました。(販売価格ベース)
(その他)
上記5部門以外に、電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務、物性分析・環境分析業務等を行っております。これらの売上収益は前連結会計年度に比べ、20億円(3.7%)増加し568億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ9億円増加し111億円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績及び受注状況
当社グループ(当社および連結子会社)の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産製品の規模は小さいため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産の状況については、セグメントごとの経営成績に関連付けて示しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| 石油化学 | 674,116 | 20.8 |
| エネルギー・機能材料 | 250,988 | 21.6 |
| 情報電子化学 | 368,709 | 2.9 |
| 健康・農業関連事業 | 339,698 | 6.0 |
| 医薬品 | 500,227 | 13.4 |
| その他 | 56,771 | 3.7 |
| 合計 | 2,190,509 | 13.0 |
(注) 1 上記販売実績は、外部顧客への売上収益を示しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(3) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ1,905億円増加し3兆687億円となりました。棚卸資産や現金及び現金同等物が増加しました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ542億円増加し、1兆8,165億円となりました。営業債務及びその他の債務が増加しました。なお、有利子負債は前連結会計年度末に比べ419億円減少し、8,422億円となりました。
資本合計(非支配持分を含む)は、利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ1,363億円増加し、1兆2,522億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べて2.0ポイント増加し、30.2%となりました。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、営業利益の増加や法人所得税の支払の減少等により、前連結会計年度に比べ1,075億円増加し、2,933億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に子会社の大日本住友製薬株式会社によるシナプサス セラピューティクス インコーポレーテッド(現:サノビオン CNS ディベロップメント カナダ ULC(以下、「サノビオンCNSカナダ社」))およびトレロ ファーマシューティカルズ インコーポレーテッド(以下、「トレロ社」)の買収があったこと等により、前連結会計年度に比べ512億円支出が減少し、1,545億円の支出となりました。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度の199億円の支出に対して、当連結会計年度は1,387億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、943億円の支出となりました。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ386億円増加し、2,319億円となりました。
当社グループの資本の財源および資金の流動性は、次のとおりであります。
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、銀行借入、資本市場における社債およびコマーシャル・ペーパーの発行等により、必要資金を調達しております。当社グループの財務活動の方針は、低利かつ中長期にわたり安定的な資金調達を行うこと、および十分な流動性を確保することであります。
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は2,319億円であり、流動比率(流動資産/流動負債)は122.0%であります。また、短期的な資金需要に対応するため、コマーシャル・ペーパーの発行枠を1,800億円と、大手邦銀のシンジケート団による800億円のコミットメント・ラインおよび、大手外銀のシンジケート団による210億円のマルチカレンシー(円・米ドル・ユーロ建)によるコミットメント・ラインを有しております。
(5) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)2016年度~2018年度中期経営計画」に記載のとおりであります。
(6) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (2017年3月31日) | 当連結会計年度 (2018年3月31日) | |
| 資産の部 | ||
| 流動資産 | 1,231,134 | 1,334,755 |
| 固定資産 | ||
| 有形固定資産 | 626,204 | 658,645 |
| 無形固定資産 | 347,273 | 335,075 |
| 投資その他の資産 | 647,130 | 707,736 |
| 固定資産合計 | 1,620,607 | 1,701,456 |
| 資産合計 | 2,851,741 | 3,036,211 |
| 負債の部 | ||
| 流動負債 | 906,735 | 992,047 |
| 固定負債 | 782,512 | 768,328 |
| 負債合計 | 1,689,247 | 1,760,375 |
| 純資産の部 | ||
| 株主資本 | 706,965 | 805,464 |
| その他の包括利益累計額 | 113,336 | 115,379 |
| 非支配株主持分 | 342,193 | 354,993 |
| 純資産合計 | 1,162,494 | 1,275,836 |
| 負債純資産合計 | 2,851,741 | 3,036,211 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | |
| 売上高 | 1,954,283 | 2,216,978 |
| 売上原価 | 1,285,764 | 1,455,885 |
| 売上総利益 | 668,519 | 761,093 |
| 販売費及び一般管理費 | 534,214 | 582,033 |
| 営業利益 | 134,305 | 179,060 |
| 営業外収益 | 56,820 | 74,246 |
| 営業外費用 | 24,524 | 30,321 |
| 経常利益 | 166,601 | 222,985 |
| 特別利益 | 31,695 | 13,685 |
| 特別損失 | 53,136 | 34,172 |
| 税金等調整前当期純利益 | 145,160 | 202,498 |
| 法人税等 | 28,138 | 39,618 |
| 当期純利益 | 117,022 | 162,880 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益 | 31,556 | 36,841 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 85,466 | 126,039 |
要約連結包括利益計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | |
| 当期純利益 | 117,022 | 162,880 |
| その他の包括利益合計 | △11,617 | △553 |
| 包括利益 | 105,405 | 162,327 |
| (内訳) | ||
| 親会社株主に係る包括利益 | 75,729 | 128,153 |
| 非支配株主に係る包括利益 | 29,676 | 34,174 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 株主資本 | その他の 包括利益累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 643,711 | 123,163 | 323,902 | 1,090,776 |
| 会計方針の変更に よる累積的影響額 | 194 | △96 | - | 98 |
| 会計方針の変更を 反映した当期首残高 | 643,905 | 123,067 | 323,902 | 1,090,874 |
| 当期変動額 | 63,060 | △9,731 | 18,291 | 71,620 |
| 当期末残高 | 706,965 | 113,336 | 342,193 | 1,162,494 |
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 株主資本 | その他の 包括利益累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 706,965 | 113,336 | 342,193 | 1,162,494 |
| 当期変動額 | 98,499 | 2,043 | 12,800 | 113,342 |
| 当期末残高 | 805,464 | 115,379 | 354,993 | 1,275,836 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 187,446 | 288,445 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △199,742 | △156,673 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △8,122 | △88,090 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額等 | △1,885 | △5,113 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △22,303 | 38,569 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 215,592 | 193,289 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 193,289 | 231,858 |
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
a 連結の範囲に関する事項
当連結会計年度中に子会社となった株式会社田中化学研究所等16社について、企業集団としての財務内容の開示をより充実する観点から当連結会計年度より連結の範囲に含めております。また、事業再編等によりサーモ株式会社等6社については、連結の範囲から除外しております。
b 持分法の適用に関する事項
当連結会計年度中に関連会社となった旭友電子材料科技(無錫)有限公司等2社について、当連結会計年度より持分法の適用の範囲に含めております。また、株式の追加取得により子会社となった住化スタイロン ポリカーボネート株式会社については、持分法の適用の範囲から除外しております。
c 会計方針の変更に関する事項
(繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針の適用)
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 2016年3月28日。以下「回収可能性適用指針」という。)を当連結会計年度から適用し、繰延税金資産の回収可能性に関する会計処理の方法の一部を見直しております。
回収可能性適用指針の適用については、回収可能性適用指針第49項(4)に定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首時点において回収可能性適用指針第49項(3)①から③に該当する定めを適用した場合の繰延税金資産および繰延税金負債の額と、前連結会計年度末の繰延税金資産および繰延税金負債の額との差額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金およびその他の包括利益累計額に加減しております。
これによる連結財務諸表に与える影響は軽微であります。
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
a 連結の範囲に関する事項
当連結会計年度中に子会社となったボタニカル リソーシズ オーストラリア プライベート リミテッド等18社について、企業集団としての財務内容の開示をより充実する観点から当連結会計年度より連結の範囲に含めております。また、事業再編等によりスミトモ ケミカル シンガポール プライベート リミテッド等10社については、連結の範囲から除外しております。
b 持分法の適用に関する事項
当連結会計年度中に関連会社となったZSエラストマー株式会社について、当連結会計年度より持分法の適用の範囲に含めております。また、株式会社クリエイトワクチン等3社については、清算により持分法の適用の範囲から除外しております。
(7) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表と日本基準により作成した連結財務諸表の経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.初度適用」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準ではのれんは計上後20年以内でその効果の発現する期間にわたって均等償却しておりましたが、IFRSでは償却を行わず、毎期減損テストを実施しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて「販売費及び一般管理費」が9,496百万円減少しております。
(研究開発費の資産計上)
日本基準ではすべての研究開発費を費用処理しておりましたが、IFRSでは一定の要件を満たしたものを無形資産に認識し、見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて「販売費及び一般管理費」が4,736百万円減少しております。
(条件付対価の負債計上)
日本基準では企業結合契約における条件付対価は企業結合後にその交付または引渡しが確実となる時点まで負債を認識しておりませんでしたが、IFRSでは企業結合時点における公正価値を金融負債に認識し、その後の公正価値の変動を反映しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて「販売費及び一般管理費」が14,744百万円減少しております。