有価証券報告書-第138期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/21 15:35
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【項目】
95項目
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。
連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 経営成績
当期における世界経済の情勢は、米国の良好な雇用環境や個人消費の拡大などにより堅調に推移しました。一方、中国経済は、米中貿易摩擦や政府による債務圧縮(デレバレッジ)等の影響を受けて、その成長に陰りが見られるとともに、欧州においても、中国経済の減速をはじめとする各種要因により、昨年秋頃から急速に景気が減速しました。 国内経済は、雇用・所得環境の改善が継続しており、概ね順調に推移しましたが、中国、欧州などで景気が減速傾向にあることや、石油化学製品のアジア市況軟化に伴う国内市況の悪化、スマートフォン向けを中心としたIT関連需要の急激な落ち込み、などにより悪影響を受けました。 このような状況の下、当社グループは、全社を挙げて業績改善に努めるとともに、「事業ポートフォリオの高度化」、「キャッシュフロー創出力の強化」、「次世代事業の早期戦列化」等を基本方針とする中期経営計画(2016年度~2018年度)に基づき、持続的な成長を続けるレジリエント(回復力に富む)な住友化学グループへの変革をより一層加速すべく取り組んでまいりました。 この結果、当社グループの当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度に比べ1,281億円増加し、2兆3,186億円となりました。損益面では、コア営業利益は2,043億円、営業利益は1,830億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,180億円となり、それぞれ前連結会計年度を下回りました。
(売上収益)
売上収益は、事業拡大に伴う数量増の影響が最も大きく、また原料価格上昇に伴う売価上昇による影響もあり、前連結会計年度の2兆1,905億円に比べ1,281億円増加し2兆3,186億円となりました。
(コア営業利益/営業利益)
コア営業利益は、石油化学のペトロケミカル コーポレーション オブ シンガポール(プライベート)リミテッドやラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニーの持分法投資損益の悪化、千葉工場やシンガポールでの定期修繕による影響に加えて、健康・農業関連事業の北米での天候不順による出荷減少やメチオニンの交易条件の悪化、医薬品の国内における薬価改定や前連結会計年度の一時的な事業譲渡益の計上による影響などにより、前連結会計年度の2,627億円に比べ584億円減少し2,043億円となりました。
コア営業利益の算出にあたり営業利益から控除した、非経常的な要因により発生した損益は、当連結会計年度において減損損失などを計上したことから、前連結会計年度の118億円の損失に比べ95億円悪化し213億円の損失となりました。以上の結果、営業利益は、前連結会計年度の2,509億円に比べ680億円減少し1,830億円となりました。
(金融収益及び金融費用/税引前利益)
金融収益及び金融費用は、当連結会計年度末にかけて円安が進行し、多額の為替差益を計上したことから、前連結会計年度の101億円の損失に比べ155億円改善し、54億円の利益となりました。以上の結果、税引前利益は、前連結会計年度の2,408億円に比べ524億円減少し、1,884億円となりました。
(法人所得税費用/親会社の所有者に帰属する当期利益及び非支配持分に帰属する当期利益)
法人所得税費用は359億円となり、税引前利益に対する税効果会計適用後の法人所得税費用の負担率は、19.1%となりました。
以上の結果、当期利益は、1,525億円となりました。
非支配持分に帰属する当期利益は、主として大日本住友製薬株式会社や日本シンガポール石油化学株式会社などの連結子会社の非支配持分に帰属する利益からなり、前連結会計年度の444億円に比べ99億円減少し、345億円となりました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度の1,338億円に比べ158億円減少し、1,180億円となりました。
当連結会計年度のセグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いて算出したコア営業利益で表示しております。
(石油化学)
石油化学品は原料価格の上昇により、市況が上昇しました。合繊原料やメタアクリルも市況が上昇しました。また当連結会計年度にはラービグ第2期計画の製品の出荷が増加しました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、834億円増加し7,575億円となりました。コア営業利益は、千葉工場やシンガポールでの定期修繕の影響や石油化学品の交易条件の悪化などにより前連結会計年度に比べ330億円減少し616億円となりました。
また、生産規模は、約5,150億円となりました。(販売価格ベース)
(エネルギー・機能材料)
リチウムイオン二次電池用セパレータは需要の増加により、出荷が増加しました。高純度アルミナも電池部材用途を中心に出荷が増加しました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、319億円増加し2,829億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ38億円増加し230億円となりました。
また、生産規模は、約1,960億円となりました。(販売価格ベース)
(情報電子化学)
偏光フィルムは販売価格が下落しましたが、テレビ用途、モバイル用途ともに需要の増加により出荷が増加しました。またタッチセンサーパネルも需要の増加により出荷が増加しました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、281億円増加し3,968億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ139億円増加し262億円となりました。
また、生産規模は、約3,560億円となりました。(販売価格ベース)
(健康・農業関連事業)
農薬は、北米において期末に発生した度重なる天候不順の影響などにより出荷が減少し、メチオニン(飼料添加物)は市況の下落により、減収となりました。また、国内農業関連の小売事業の新規連結により販売が増加した一方で、新興国通貨安による在外子会社の邦貨換算差の影響がありました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、16億円減少し3,381億円となりました。コア営業利益は、上述の農薬の出荷減少やメチオニンの交易条件の悪化などにより、前連結会計年度に比べ242億円減少し197億円となりました。
また、生産規模は、約1,700億円となりました。(販売価格ベース)
(医薬品)
北米では、ラツーダ(非定型抗精神病薬)やアプティオム(抗てんかん剤)などの販売が増加しました。一方、国内においては、薬価改定の影響がありました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、81億円減少し4,921億円となりました。コア営業利益は薬価改定の影響に加え、前連結会計年度において一時的な事業譲渡益を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ140億円減少し808億円となりました。
また、生産規模は、約3,600億円となりました。(販売価格ベース)
(その他)
上記5部門以外に、電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務、物性分析・環境分析業務等を行っております。これらの売上収益は前連結会計年度に比べ、56億円減少し511億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ16億円減少し94億円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績及び受注状況
当社グループ(当社および連結子会社)の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産製品の規模は小さいため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産の状況については、セグメントごとの経営成績に関連付けて示しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)
石油化学757,52912.4
エネルギー・機能材料282,85012.7
情報電子化学396,8397.6
健康・農業関連事業338,094△0.5
医薬品492,130△1.6
その他51,130△9.9
合計2,318,5725.8

(注) 1 上記販売実績は、外部顧客への売上収益を示しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(3) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ1,029億円増加し3兆1,716億円となりました。有形固定資産や棚卸資産が増加しました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ33億円増加し、1兆8,197億円となりました。有利子負債は前連結会計年度末に比べ26億円減少し、8,395億円となりました。
資本合計(非支配持分を含む)は、利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ997億円増加し、1兆3,519億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べて1.3ポイント増加し、31.5%となりました。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金の増加や税引前利益の減少等により、前連結会計年度に比べ851億円減少し、2,081億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出の増加等により、前連結会計年度に比べ263億円支出が増加し、1,808億円の支出となりました。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度の1,387億円の収入に対して、当連結会計年度は273億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、609億円の支出となりました。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ303億円減少し、2,017億円となりました。
当社グループの資本の財源および資金の流動性は、次のとおりであります。
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、銀行借入、資本市場における社債およびコマーシャル・ペーパーの発行等により、必要資金を調達しております。当社グループの財務活動の方針は、低利かつ中長期にわたり安定的な資金調達を行うこと、および十分な流動性を確保することであります。
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は2,017億円であり、流動比率(流動資産/流動負債)は128.5%であります。また、短期的な資金需要に対応するため、コマーシャル・ペーパーの発行枠を1,800億円と、大手邦銀のシンジケート団による800億円のコミットメント・ラインおよび、大手外銀のシンジケート団による210億円のマルチカレンシー(円・米ドル・ユーロ建)によるコミットメント・ラインを有しております。
(5) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)2019年度~2021年度中期経営計画」に記載のとおりであります。
(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表と日本基準により作成した連結財務諸表の経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異は、以下のとおりであります。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準ではのれんは計上後20年以内でその効果の発現する期間にわたって均等償却しておりましたが、IFRSでは償却を行わず、毎期減損テストを実施しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて「販売費及び一般管理費」が9,170百万円減少しております。
(条件付対価の負債計上)
日本基準では企業結合契約における条件付対価は企業結合後にその交付または引渡しが確実となる時点まで負債を認識しておりませんでしたが、IFRSでは企業結合時点における公正価値を金融負債に認識し、その後の公正価値の変動を反映しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて「販売費及び一般管理費」が4,171百万円減少しております。
(退職給付に係る費用)
日本基準では数理計算上の差異を発生時にその他の包括利益として認識した後に、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額を純損益として認識しておりましたが、IFRSでは発生時にその他の包括利益として一括で認識し、定額法による純損益への振替は行っておりません。また、日本基準では過去勤務費用を発生時にその他の包括利益として認識した後に、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額を純損益として認識しておりましたが、IFRSでは発生時に純損益として認識しております。これらの影響により、IFRSでは日本基準に比べて「売上原価」および「販売費及び一般管理費」が2,796百万円増加しております。

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