四半期報告書-第35期第3四半期(平成27年10月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/02/12 9:51
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24項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)経営成績の分析
当第3四半期累計期間における世界経済は、雇用・所得の改善等から安定的に推移してきた米国経済が、後半の急速な原油価格の低下に伴う資源国経済の軟調を背景に輸出悪化等の陰りも見え、ドル高の進行等もあり先行きに不安が出てまいりました。一方で、欧州経済については引き続き景気の緩やかな回復が継続しましたが、新興国では、中国経済における内外需双方での減速傾向に変化はなく、その他新興国経済も引続き全体として不透明な状況で推移いたしました。このように、安定推移してきた米・欧経済も、米国では不安要素も出ており、中国を中心とした新興国の状況も加味すれば、不安定な情勢が世界経済全体として続いております。
一方、日本経済は輸出入に回復傾向が出てきたものの個人消費が暖冬の影響等で弱含むなど、踊り場の状況となりました。加えて、中国経済の減速に伴う影響懸念は払拭できず、世界経済同様、不透明な状況でありました。
このように国内外経済が推移する中、当社の属するファインケミカル業界については、継続している原油価格の低下に伴う燃料価格の低下と原材料価格の安定化により環境が改善してまいりました。しかしながら、今後の為替動向が流動的であるなど引き続き懸念事項は残り、グローバルな販売価格競争も加味すれば、全体としての収益環境に大きな変化はありません。同様に当社も安心できる環境には置かれておりませんが、売上高については、グローバルな生産状況を背景とした需給バランスの変化から徐々に増加傾向にあります。一方で、当社の主力マーケットである欧州自動車産業が、昨年来の諸問題や電動化推進等の多くの懸案事項を抱える状況であることから、当社の経営環境についても引き続き予断を許さない状況であります。
このような状況の下、当社の当第3四半期累計期間における業績は、紫外線吸収剤の主力製品であるベンゾトリアゾール系薬剤の海外向け販売数量が増加し、販売価格の一部改定や国内向け販売数量の増加もあり売上高が増加いたしました。また、ホーム産業事業でも、前年の消費税率引上げによる影響からの持ち直し等により増収となり、販売競争激化の影響による製紙用薬剤の売上高減少や受託製品などを含むその他等での売上高減少をカバーし、売上高全体では、前年同四半期比569百万円増加の6,832百万円(前年同四半期比9.1%増)となりました。利益面は、グローバルな販売価格競争の継続はあるものの売上高の増加や原材料価格の落着きなどから営業利益は182百万円(同51.3%増)、経常利益も生産休止費用43百万円を計上したものの、補助金収入と還付事業税等で21百万円を計上した結果、91百万円(同336.3%増)となりました。四半期純利益につきましては、平成27年9月17日付けで開示いたしました通り「ふくしま産業復興企業立地補助金」確定により国庫補助金として310百万円を特別利益に計上し、同補助金対象設備について309百万円の圧縮記帳を行い、同額を固定資産圧縮損として計上、法人税等は8百万円となったことから82百万円(同215.3%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(化学品事業)
当第3四半期累計期間の売上高は、紫外線吸収剤の主力製品であるベンゾトリアゾール系薬剤の販売数量の増加や販売価格の一部改定等により、紫外線吸収剤全体では売上高が前年同四半期比505百万円増の4,280百万円(前年同四半期比13.4%増)となり、酸化防止剤も同84百万円増の322百万円(同35.3%増)となりました。一方で、製紙用薬剤が同55百万円減の189百万円(同22.6%減)、受託製品などを含むその他でも同18百万円減の1,046百万円(同1.8%減)となりましたが、全体では同498百万円増の6,074百万円(同8.9%増)で着地いたしました。また、セグメント利益は387百万円(同20.2%増)を計上いたしました。
(ホーム産業事業)
当第3四半期累計期間の売上高は、前年の消費税率引上げによる影響からの持ち直しに加え、新規商材販売による増収もあり木材保存薬剤の売上高が前年同四半期比43百万円増加し、643百万円(前年同四半期比7.3%増)となり、全体では同70百万円増の758百万円(同10.3%増)となりました。また、セグメント利益は50百万円(同10.8%増)を計上いたしました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期会計期間末(以下「当四半期末」という)の総資産は、前事業年度末(以下「前期末」という)比186百万円増加し、13,941百万円となりました。流動資産は同284百万円増の8,643百万円、固定資産は同96百万円減の5,298百万円となりました。
流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が704百万円、その他の流動資産が32百万円それぞれ増加した一方で、受取手形及び売掛金が363百万円、たな卸資産が87百万円減少したことなどによるものであり、固定資産の減少要因は、有形固定資産が71百万円、無形固定資産が3百万円、投資有価証券が19百万円減少したことによるものであります。
当四半期末の負債は、前期末比158百万円増加し、10,066百万円となりました。流動負債は同511百万円増の7,384百万円、固定負債は同352百万円減の2,682百万円となりました。
流動負債の増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が144百万円、1年内返済予定の長期借入金が109百万円、その他の流動負債が173百万円増加したことなどによるものであり、固定負債の減少の主な要因は、長期借入金が59百万円、その他の固定負債が212百万円減少したことに加え、社債100百万円の償還日が1年以内となり流動負債に振り替わったことなどによるものであります。
当四半期末の純資産は、前期末比28百万円増加し3,875百万円となりました。主な要因は、四半期純利益を82百万円計上した一方、その他有価証券評価差額金が12百万円減少したこと、配当金の支払41百万円があったことによるものであります。この結果、自己資本比率は27.8%となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は289百万円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。