四半期報告書-第149期第1四半期(平成26年4月1日-平成26年6月30日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において帝人グループが判断したものです。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、比較的堅調に推移しました。米国をはじめとする先進国では緩やかな回復基調が持続し、アジア新興国においても、景気は力強さを欠きながらも安定的に推移しました。一方国内景気は、消費増税に伴う前期駆け込み需要の反動減による影響がありましたが、経済対策による内需の下支えや、雇用環境の改善等を背景に、徐々に回復軌道へ回帰しつつあります。
このような状況のもと、帝人グループの当第1四半期の連結決算は、売上高としては素材事業をはじめとして増収基調となりましたが、パラキシレンの自社生産・販売を中止した影響もあり、前年同期比でほぼ横ばいの1,819億円(前年同期比0.9%減)となりました。また営業利益は構造改革推進等により、30億円増加し48億円(同162%増)となり、経常利益も同31億円増の47億円(同194%増)となりました。これを受けて四半期純利益は同14億円増加し16億円となりました。また1株当たり四半期純利益は1円68銭(同1円44銭増)となりました。
当第1四半期連結累計期間におけるセグメント別の概況は次のとおりです。
アラミド繊維分野における、パラアラミド繊維「トワロン」では、欧州のタイヤ向け等自動車関連用途の販売が復調し、加えて光ファイバー・ロープ補強用途といったインフラ関連での販売も堅調な推移となりましたが、防弾・防護用途では需要低迷が継続しました。また、価格面での競争は厳しい状況が続いています。パラアラミド繊維「テクノーラ」は安定的に推移しました。これは、堅調な国内の自動車関連用途に加えて、円安効果もあり輸出が好調であったことによるものです。メタアラミド繊維「コーネックス」は、防護衣料及び産業資材用途において販売は堅調に推移しましたが、フィルター用途では市場の需要は伸長するも、激しい競合環境が続いています。
ポリエステル繊維では、タイ子会社は自動車関連用途においては好調だった昨年度の反動で販売が伸び悩んだものの、スポーツ用途向け素材や衛材・一般資材用途の販売が好調に推移する等、総じて堅調に収益を確保しました。また、国内もインフラ・土木用途等の増販効果やコストダウンにより収益は改善傾向にあります。
このような環境下で、優れた熱防護性と安定した染色性を持つ新規メタアラミド繊維の事業化を決定し、平成27年7月のタイでの稼働に向けて準備を着実に進めており、今後、難燃規制・環境規制強化を背景に高い成長が見込まれるアジア・新興国での事業拡大を図っていきます。また中国浙江省に設立したポリエステル製品のリサイクル合弁事業は、平成26年度の生産開始に向け建設が進んでいます。
炭素繊維・複合材料分野では、炭素繊維「テナックス」は、航空機メーカー各社の受注好調による増産を受け、航空機用途への販売が順調に推移しました。一般産業用途では、シェールガスの生産拡大による北米での圧力容器向けの堅調な需要に加え、アジアにおける土木補強用途やパソコン筐体用途向けの販売が好調でした。また、これまで低位に推移していた製品価格は回復基調となりましたが、海外後発メーカーを中心とした販売攻勢により予断を許さない状況にあります。
昨年度一眼レフカメラの構造部品に採用された熱可塑性CFRP(炭素繊維複合材料)「Sereebo(セリーボ)」の販売は順調に推移しています。
このような状況のもと、高機能製品を中心とした需要拡大に対応するとともに、顧客・市場ニーズにマッチしたソリューション提供型ビジネスの展開拡大を図っています。特に量産車構造部材等への適用を目指す熱可塑性CFRP「Sereebo」の開発は順調に進んでおり、複合材料開発センター(愛媛県松山市)と米国の用途開発センター(ミシガン州)との連携により、具体的な部品開発と量産化プロセスの確立に向けた複数のプロジェクトを着実に推進しています。
樹脂分野では、主力のポリカーボネート樹脂「パンライト」、「マルチロン」は、固定費の圧縮や原料調達コストの削減の効果により、収益は改善しました。市場の需給環境は引き続き軟調であり、総じて販売面では厳しい状況が継続していますが、LED照明用途等の電気・電子部品分野は堅調な推移となりました。また中国・欧州市場では好調な自動車用途の拡販に注力しています。
樹脂加工品では、スマートフォン・タブレット向け販売において、反射防止用途として逆波長分散フィルム「ピュアエースRM」の販売を拡大しています。
機能樹脂では、特殊ポリカーボネート樹脂がスマートフォン向けのカメラレンズ用途で販売を拡大しました。またPEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂においては、樹脂素材として世界で初めて消火器用途に採用される等、積極的な用途拡大を推進しています。
フィルム分野における、エレクトロニクス関連用途では、工程用離型フィルムの販売がスマートフォン・タブレット向けを中心に堅調に推移しています。一方で昨年低調であった液晶TV向けも中国を中心に需要は回復基調にあるものの、競争激化により価格面では低調な推移となりました。日本では昨年12月末に茨城事業所を休止したことによる固定費削減効果が発現しており、今後生産ラインの更なる効率運転を進め、コスト競争力の回復を図るとともに、幅広い用途で顧客との取り組み強化・拡販を進めていきます。
海外拠点では、欧米は医療用途や包装用途で需要が回復し、収益が回復基調となっています。中国でも工業用・包装用ともに需要は堅調であり、技術力と品質管理力を更に訴求することにより、販売機会を捉え収益の確保を図っていきます。
医薬品分野では、国内医薬品の事業環境は、平成26年4月の薬価改定に加え、診療報酬制度の改定に伴う後発品の伸長により、厳しさを増していますが、高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク錠」は販売を順調に伸ばしており、同疾患領域において国内トップのシェアを更に拡大しています。また、骨粗鬆症治療剤「ボナロン*」は、日本初の点滴静注剤や経口ゼリー剤といった剤形を揃え、患者さんに対する同疾患治療の幅広い選択肢を提供しています。
海外での高尿酸血症・痛風治療剤の販売も順調に拡大しています。現在、販売提携国と地域は117に達しており、その内日本を含め37の国と地域で販売を開始していますが、残りの国・地域においても、順次販売承認を取得して更なる拡大を図っていきます。
研究開発においては、平成26年5月に、英国の製薬メーカーであるシグマ・タウ・ファルマ社(以下「シグマタウ社」)と、シグマタウ社が創製したADA欠損症治療剤「EZN-2279」の日本における独占的開発・販売契約を締結し、日本における臨床開発の準備を進めています。更に、医薬品技術と素材技術を融合させた画期的な医薬品として、止血・接着効果の高い外科手術用シート状フィブリン糊接着剤「KTF-374」の開発を推進することとし、帝人ファーマ㈱と一般財団法人化学及血清療法研究所が共同で日本における臨床開発の準備を進めています。また平成26年6月には高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク錠」の新剤形・新用量として「TMX-67XR」の臨床開発に着手しました。
在宅医療分野では、国内外で約43万人の患者さんにサービスを提供しています。主力の在宅酸素療法(HOT)用酸素濃縮装置は、新機種「ハイサンソ3S」「ハイサンソポータブルα」の投入効果もあり、高水準のレンタル台数を堅調に維持しました。また、平成26年6月には、災害・停電時の不安・不便を解消する新機種「ハイサンソ5S」や「サンソセーバー5」を上市しました。睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療器は、携帯電話網を活用して治療状況をモニタリングし、そのデータを医療機関に提供することにより効果的な治療を実現する「ネムリンク」の訴求効果も相まって、高水準のレンタル台数を順調に伸ばしました。そのほか、補助換気療法機器(「NIPネーザルシリーズ」、「オートセットCS」)、超音波骨折治療器「SAFHS」も順調に拡大しました。一方で患者さんのサポート体制を強化するため、昨年度大阪市に新たに設置したコールセンターを活用し、対応能力の強化を図っています。
また、昨年度上市した脳卒中後遺障害等の歩行機能回復用の歩行神経筋電気刺激装置「ウォークエイド」についても、首都圏の医療機関等から順次エリアを拡大して事業展開を進めています。
海外では、現在米国・スペイン及び韓国においてサービスを展開しています。米国では、医療制度改革に伴い保険価格が大幅に引き下げられる等、厳しい事業環境が継続していますが、営業所の統廃合・人員削減といった収益改善策を進めています。
* ボナロン®/Bonalon®はMerck Sharp & Dohme Corp.の登録商標です。
衣料繊維分野における、繊維素材では、スポーツ用途が国内、輸出ともに秋冬向けの販売が堅調で、加えて欧米に向けた婦人アパレル用途のテキスタイル輸出も引き続き好調な推移となりましたが、ユニフォーム用途の販売は鈍い出足となりました。
衣料製品では、消費増税の影響による販売落込みは想定範囲内にとどまりましたが、天候不順の影響もあり夏物荷動きが低調に推移、秋冬物生産に向けての出荷もやや停滞しています。
平成26年6月に、平成27年春夏向け総合展示会を開催、PTT繊維「ソロテックス」を活用した複合素材を中心に、機能性の高いファッション商品が、来場顧客から高い評価を受けました。
産業資材分野における、産業資材繊維では、エアバッグ原糸、タイヤコード、カーシート等の自動車関連部材の販売が引き続き好調を維持しており、その他繊維資材ではテント関連、不織布、土木関連、バグフィルター用織物の出荷が堅調に推移しました。
平成26年6月には、タイにタイヤコード生産の合弁新会社を設立し(平成27年10月稼働予定)、同時に既存のタイ子会社テイジン・コード(タイランド)社の産業用ベルトコード生産工場で自動車用ホースコード加工ラインの増設にも着手しました。これにより、今後拡大が期待されるアジア地域の自動車産業に向けて、自動車用ゴム資材のグローバル販売を加速しています。
(2) 財務状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は7,838億円となり、前期末に比べ154億円増加しました。これは株式の取得や時価評価額の増分により投資有価証券が増加したことが主な要因です。その他科目別には、季節要因等によりたな卸資産が増加しましたが、受取手形及び売掛金や固定資産は減少しました。
当第1四半期連結会計期間末の負債は、前期末比155億円増加し、4,838億円となりました。この内、コマーシャル・ペーパー、短期借入金、長期借入金等の有利子負債は、同219億円増加し、3,034億円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の純資産は3,000億円となり、前期末並み(1億円減少)となりました。この内「株主資本」に「その他の包括利益累計額」を加えた自己資本は、2,819億円と前期末比2億円の増加となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、帝人グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
① 当社の株主の在り方に関する基本方針
(会社法施行規則第118条第3号にいう、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
当社の株主の在り方について、当社は、株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えています。したがって、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。
しかし、当社株式の大量取得行為や買付提案の中には、「企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの」「株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの」「買付の条件等が当社の本源的価値に鑑み不十分又は不適当なもの」等も想定されます。このような大量取得行為や買付提案を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えています。
② 基本方針の実現に資する取り組み
当社では、多数の投資家の皆様に長期的に当社に投資を継続して頂くために、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、次の施策を既に実施しています。これらの取り組みは、上記①の基本方針の実現にも資するものと考えています。
ア.「事業構造改革と成長戦略の推進」による企業価値向上への取り組み
当社は、世界に存在感のある「グローバルエクセレンスの獲得」に向けて、中長期ビジョンの基本方針として掲げている「ソリューション提供型のビジネスモデルへの進化」を通じて顧客価値を提供する企業を目指し、「構造改革」と「成長戦略」の両軸においての取り組みを進めています。平成26年度以降、課題に対する施策を着実に実施していくことにより持続的成長を実現していきます。
イ.「コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化」による企業価値向上への取り組み
当社は、企業価値ひいては株主共同の利益向上のために不可欠な仕組みとして、従来より、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な課題に掲げ取り組んでいます。具体的には、以下の施策を実施しています。
1)意思決定、業務執行、監視・監査の3機能の分離と強化
2)国内外の有識者による経営全般への助言・提言を通じた「より良い経営、透明性の高い経営」の遂行と経営トップの評価を目的とした、取締役会の諮問機関としてのアドバイザリー・ボードの設置
3)コーポレート・ガバナンスに関する具体的な指針である「コーポレート・ガバナンスガイド」の制定と開示
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み(買収防衛策)
当社は、平成24年6月22日に開催された第146回定時株主総会において株主の皆様の承認を受け、当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下、「本プラン」という)を更新しました。本プランの概要は以下のとおりです。
ア.対象となる買付
本プランの対象となる買付は、株式の保有割合が20%以上となる買付です。
イ.買付者との交渉手続き
買付者には、事前に買付説明書の提供を求め、当社が、情報収集や検討を行う期間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案を提示したり、買付者との交渉を行っていくための手続きを定めています。
ウ.買付者が手続きを守らなかった場合の取得条項付新株予約権の無償割当て
買付者が前記手続きを守らなかった場合等には、独立委員会の勧告に従い、取締役会は、その時点の全ての株主に対し、保有株式1株につき1個の割合で「取得条項付新株予約権」を無償で割当てることを決議します。
エ.取得条項付新株予約権の取得と当社株式の交付
新株予約権に付された取得条項により、当社は買付者等以外の株主の皆様から新株予約権を取得しこれと引き換えに、新株予約権1個につき、当社株式1株を交付します。
オ.買付者等以外の株主の皆様への影響
買付者等以外の株主の皆様全員に平等に当社株式を交付しますので、株主の皆様の保有する株式の希釈化は生じません。買付者等には当社株式は交付されませんので、この交付により、買付者等の保有する当社株式の議決権割合を最大50%まで希釈化させる可能性があります。
カ.新株予約権の無償割当ての要件
新株予約権の無償割当ては以下のような所定の要件に該当し、新株予約権の無償割当てをすることが相当と認められる場合に行われます。
1)本プランに定める手続きを遵守しない場合
2)株式を買い占め、当社に対し高値で買取りを要求する場合等、買収の目的や買収後の経営方針等に鑑み、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合
3)株式の売却を事実上強要するおそれのある買付である場合
4)買付の条件等が当社の本源的価値に鑑み不十分又は不適当な買付である場合
キ.発動までのプロセスの概要
買付者から買付説明書が提出された場合、社外取締役又は社外監査役のうち5名で構成される独立委員会は、取締役会に対して、買付者の買付の内容に対する取締役会の意見等を一定の期間内(30日を上限とします)に提示するよう求めることがあります。その後、最長60日間、情報収集・検討等を行います。独立委員会は、30日を上限として検討期間を延長することができるものとします。
独立委員会はこれらの情報収集・検討等に基づき、取締役会に対し、新株予約権の無償割当ての実施または不実施の勧告を行います。取締役会は、独立委員会の勧告を尊重し、これに従い最終的に新株予約権の無償割当ての実施または不実施の決議を行います。ただし、独立委員会が当該実施に関し株主総会の承認を予め得るべき旨の留保を付した場合、取締役会は、実務上可能な限り速やかに株主総会を招集し、新株予約権の無償割当ての実施に関する議案を付議するものとします。
*「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」の詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.teijin.co.jp/ir/governance/defense/)に掲載しています。
④ 前記取り組みが、基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
当社では、本プランの設計に際し、以下の諸点を考慮し織り込むことにより、本プランが、基本方針に沿い当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。
ア.株主意思の反映
本プランは、平成24年6月22日に開催された第146回定時株主総会において承認され発効し、その有効期限は、平成27年3月期の事業年度に関する定時株主総会の終結の時までの3年とします。また、当社取締役の任期は1年となっていますので、取締役の選任を通じて株主の皆様の意思を反映させることが可能です。更に、本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになります。
イ.独立性の高い社外役員の判断の重視
当社は、本プランの導入に当たり、本プランの発動等の運用に際して、取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しました。独立委員会は、社外取締役または社外監査役のいずれかに該当する者の中から取締役会が選任した者から構成します。
ウ.コーポレート・ガバナンスの強化と継続
当社では、定員10名以内の取締役のうち4名を独立社外取締役、監査役の過半数の3名を独立社外監査役とすること等により、意思決定、業務執行、監視・監査の3機能の分離と強化を図り、また、5~7名の社外アドバイザーと取締役会長(取締役会長が空席の場合は、相談役)、CEOで構成されるアドバイザリー・ボードを取締役会の諮問機関として設置して、CEOの交代及び後継者の推薦、帝人グループの役員報酬制度の審議等を行い、上記の取り組みを含むコーポレート・ガバナンスの指針を「コーポレート・ガバナンスガイド」として開示しています。
以上の施策は、我が国の上場会社において、コーポレート・ガバナンスの先駆的な取り組みと評価されています。この仕組みは、当社役員の保身的な行動を強く抑制するものであり、本プランの実施にあっても、その恣意的な行使を抑止する重要な機能を果たすことが期待されます。
エ.本プラン発動のための合理的な客観的要件の設定
本プランは、予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、しかも、これらの客観的要件は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないとされる場合と一致させています。これにより、取締役会による恣意的な発動を防止します。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、77億円です。
また、当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の変更は、次のとおりです。
① 高機能繊維・複合材料事業
高機能繊維分野では、平成26年4月に原糸やテキスタイルの商品開発拠点として帝人(中国)商品開発センターを開設しました。これにより、中国国内で原糸から最終製品までの研究開発に対応することが可能となり、更に量産に至るまでをワンストップで完結できることから、中国・アジア地区で迅速な顧客対応が可能となります。今後、その機能をより一層充実し、顧客・市場に向けたソリューション提供型のビジネスモデルへの変革を加速していきます。
また㈱ニトリの商品開発力と帝人の技術により、両社一貫の体制で素材開発から商品企画、販売までを行う共同プロジェクト“新「機能商品」開発プロジェクト”を推進しています。その第4弾商品として、「ひもなしらくらく掛ふとんカバー」を開発し、6月よりニトリにて販売を開始しました。この商品は、帝人素材である超極細ナノファイバー「ナノフロント」の大きな摩擦力を利用し、ストッパーの働きをさせることで、ひも無しでも中の布団をずれにくくしています。これにより、カバー着脱の手間を大きく減少させることができる新発想の布団カバーです。
炭素繊維・複合材料分野では、エアバス社の最新鋭中型機であるA350XWB(エクストラ・ワイド・ボディ)機向けとして、炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板(「テナックス TPCL」:ThermoPlastic Consolidated Laminates)の認定作業を終了し、同機への搭載が決定しました。
また量産車構造部材等への適用を目指す熱可塑性CFRPの開発は、引き続き順調に進んでおり、先進複合材料の研究開発に取り組んでいる複合材料開発センター(愛媛県松山市)と米国の用途開発センター(ミシガン州)との連携により、具体的な部品開発と量産化プロセスの確立に向けた複数のプロジェクトを着実に推進しています。
② 電子材料・化成品事業
樹脂分野では、「テオネックス」(PEN樹脂:ポリエチレン・ナフタレート樹脂)が、世界で初めての透明樹脂製ボディの消火器に採用されました。PEN樹脂の耐腐食性、耐候性、耐薬品性等の優れた耐久性が評価され、従来の鉄製よりも本体重量で約50%の軽量化を実現しています。今後も高付加価値のある樹脂、及び樹脂製品の研究開発に取り組んでいきます。また、平成26年5月には、自動車用樹脂グレージング技術について、樹脂窓の課題であった「歪のない大型製品の成形」「金属との接着信頼性確保」「耐候性向上による長期信頼性確保」を、樹脂窓に適した素材と、その加工技術の開発により解決した点が評価され、公益社団法人高分子学会が主催する「平成26年度 高分子学会賞」(技術)を受賞しています。
フィルム分野では、「世界最高位の難燃性(UL規格:VTM-0)」を有するPETフィルムの量産化技術を確立しました。今後は、難燃性ラベルやフレキシブル基板用途を中心に市場展開を進めます。
③ ヘルスケア事業
医薬品分野では、平成26年5月に、英国の製薬メーカーであるシグマ・タウ・ファルマ社(以下「シグマタウ社」)と、シグマタウ社が創製したADA欠損症治療剤「EZN-2279」の日本における独占的開発・販売契約を締結し、日本における臨床開発の準備を進めています。平成26年6月には高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク錠」の新剤形・新用量として「TMX-67XR」の臨床開発にも着手しました。また、医薬品技術と素材技術を融合させた画期的な医薬品として、止血・接着効果の高い外科手術用シート状フィブリン糊接着剤「KTF-374」の開発を推進することとし、帝人ファーマ㈱と一般財団法人化学及血清療法研究所が共同で日本における臨床開発の準備を進めています。
在宅医療分野では、東日本大震災以降、医療従事者や在宅酸素療法で療養中の患者さんから寄せられた要望や不安・不便の声に応え得る機能を備えた新製品2機種を、平成26年6月に上市しました。呼吸同調式レギュレータ「サンソセーバー5」は、呼吸同調器と減圧器が一体となっているため、酸素ボンベへの装着が容易です。本装置を酸素ボンベに装着することにより、装着しない場合に比べ、酸素ボンベの持ち時間が約4倍に長くなり、1分当たり7リットル相当の流量に対応することができます。また、操作部や計器にランプや蓄光シート等を備えているため、暗い場所での視認性が向上しています。在宅医療用酸素濃縮装置の新機種「ハイサンソ5S」は、これまでの安心・安全機能はそのままに、オプションの非常用バッテリーを装着することにより、停電発生時に患者さんが落ち着いて非常用酸素ボンベからの酸素吸入に切り替えることができます。また、Bluetoothをリモコンに採用することにより、トイレや階段の昇降等酸素が必要な生活シーンに合わせ、手元で酸素流量の変更や電源操作を行うことが可能となります。
④ その他
平成26年4月から、研究開発機能の強化と研究開発成果の早期事業化の推進を目的にいくつかの組織改編が計画、実施されました。研究開発機能を強化するために、「技術最高責任者、研究部門、エンジニアリング本部」を統合し、技術本部を設置しました。また、個別プロジェクトを推進、事業化を加速するために、新事業推進本部を設けました。
なお、製品事業については、重要な変更はありません。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、比較的堅調に推移しました。米国をはじめとする先進国では緩やかな回復基調が持続し、アジア新興国においても、景気は力強さを欠きながらも安定的に推移しました。一方国内景気は、消費増税に伴う前期駆け込み需要の反動減による影響がありましたが、経済対策による内需の下支えや、雇用環境の改善等を背景に、徐々に回復軌道へ回帰しつつあります。
このような状況のもと、帝人グループの当第1四半期の連結決算は、売上高としては素材事業をはじめとして増収基調となりましたが、パラキシレンの自社生産・販売を中止した影響もあり、前年同期比でほぼ横ばいの1,819億円(前年同期比0.9%減)となりました。また営業利益は構造改革推進等により、30億円増加し48億円(同162%増)となり、経常利益も同31億円増の47億円(同194%増)となりました。これを受けて四半期純利益は同14億円増加し16億円となりました。また1株当たり四半期純利益は1円68銭(同1円44銭増)となりました。
当第1四半期連結累計期間におけるセグメント別の概況は次のとおりです。
| 高機能繊維・複合材料事業 | :[売上高 314億円(前年同期比11.2%増)、営業利益 17億円(前年同期比760.2%増)] |
アラミド繊維分野における、パラアラミド繊維「トワロン」では、欧州のタイヤ向け等自動車関連用途の販売が復調し、加えて光ファイバー・ロープ補強用途といったインフラ関連での販売も堅調な推移となりましたが、防弾・防護用途では需要低迷が継続しました。また、価格面での競争は厳しい状況が続いています。パラアラミド繊維「テクノーラ」は安定的に推移しました。これは、堅調な国内の自動車関連用途に加えて、円安効果もあり輸出が好調であったことによるものです。メタアラミド繊維「コーネックス」は、防護衣料及び産業資材用途において販売は堅調に推移しましたが、フィルター用途では市場の需要は伸長するも、激しい競合環境が続いています。
ポリエステル繊維では、タイ子会社は自動車関連用途においては好調だった昨年度の反動で販売が伸び悩んだものの、スポーツ用途向け素材や衛材・一般資材用途の販売が好調に推移する等、総じて堅調に収益を確保しました。また、国内もインフラ・土木用途等の増販効果やコストダウンにより収益は改善傾向にあります。
このような環境下で、優れた熱防護性と安定した染色性を持つ新規メタアラミド繊維の事業化を決定し、平成27年7月のタイでの稼働に向けて準備を着実に進めており、今後、難燃規制・環境規制強化を背景に高い成長が見込まれるアジア・新興国での事業拡大を図っていきます。また中国浙江省に設立したポリエステル製品のリサイクル合弁事業は、平成26年度の生産開始に向け建設が進んでいます。
炭素繊維・複合材料分野では、炭素繊維「テナックス」は、航空機メーカー各社の受注好調による増産を受け、航空機用途への販売が順調に推移しました。一般産業用途では、シェールガスの生産拡大による北米での圧力容器向けの堅調な需要に加え、アジアにおける土木補強用途やパソコン筐体用途向けの販売が好調でした。また、これまで低位に推移していた製品価格は回復基調となりましたが、海外後発メーカーを中心とした販売攻勢により予断を許さない状況にあります。
昨年度一眼レフカメラの構造部品に採用された熱可塑性CFRP(炭素繊維複合材料)「Sereebo(セリーボ)」の販売は順調に推移しています。
このような状況のもと、高機能製品を中心とした需要拡大に対応するとともに、顧客・市場ニーズにマッチしたソリューション提供型ビジネスの展開拡大を図っています。特に量産車構造部材等への適用を目指す熱可塑性CFRP「Sereebo」の開発は順調に進んでおり、複合材料開発センター(愛媛県松山市)と米国の用途開発センター(ミシガン州)との連携により、具体的な部品開発と量産化プロセスの確立に向けた複数のプロジェクトを着実に推進しています。
| 電子材料・化成品事業 | :[売上高 462億円(前年同期比4.3%増)、営業利益 7億円(前年同期 営業損失 2億円)] |
樹脂分野では、主力のポリカーボネート樹脂「パンライト」、「マルチロン」は、固定費の圧縮や原料調達コストの削減の効果により、収益は改善しました。市場の需給環境は引き続き軟調であり、総じて販売面では厳しい状況が継続していますが、LED照明用途等の電気・電子部品分野は堅調な推移となりました。また中国・欧州市場では好調な自動車用途の拡販に注力しています。
樹脂加工品では、スマートフォン・タブレット向け販売において、反射防止用途として逆波長分散フィルム「ピュアエースRM」の販売を拡大しています。
機能樹脂では、特殊ポリカーボネート樹脂がスマートフォン向けのカメラレンズ用途で販売を拡大しました。またPEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂においては、樹脂素材として世界で初めて消火器用途に採用される等、積極的な用途拡大を推進しています。
フィルム分野における、エレクトロニクス関連用途では、工程用離型フィルムの販売がスマートフォン・タブレット向けを中心に堅調に推移しています。一方で昨年低調であった液晶TV向けも中国を中心に需要は回復基調にあるものの、競争激化により価格面では低調な推移となりました。日本では昨年12月末に茨城事業所を休止したことによる固定費削減効果が発現しており、今後生産ラインの更なる効率運転を進め、コスト競争力の回復を図るとともに、幅広い用途で顧客との取り組み強化・拡販を進めていきます。
海外拠点では、欧米は医療用途や包装用途で需要が回復し、収益が回復基調となっています。中国でも工業用・包装用ともに需要は堅調であり、技術力と品質管理力を更に訴求することにより、販売機会を捉え収益の確保を図っていきます。
| ヘルスケア事業 | :[売上高 332億円(前年同期比5.6%増)、営業利益 57億円(前年同期比23.0%増)] |
医薬品分野では、国内医薬品の事業環境は、平成26年4月の薬価改定に加え、診療報酬制度の改定に伴う後発品の伸長により、厳しさを増していますが、高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク錠」は販売を順調に伸ばしており、同疾患領域において国内トップのシェアを更に拡大しています。また、骨粗鬆症治療剤「ボナロン*」は、日本初の点滴静注剤や経口ゼリー剤といった剤形を揃え、患者さんに対する同疾患治療の幅広い選択肢を提供しています。
海外での高尿酸血症・痛風治療剤の販売も順調に拡大しています。現在、販売提携国と地域は117に達しており、その内日本を含め37の国と地域で販売を開始していますが、残りの国・地域においても、順次販売承認を取得して更なる拡大を図っていきます。
研究開発においては、平成26年5月に、英国の製薬メーカーであるシグマ・タウ・ファルマ社(以下「シグマタウ社」)と、シグマタウ社が創製したADA欠損症治療剤「EZN-2279」の日本における独占的開発・販売契約を締結し、日本における臨床開発の準備を進めています。更に、医薬品技術と素材技術を融合させた画期的な医薬品として、止血・接着効果の高い外科手術用シート状フィブリン糊接着剤「KTF-374」の開発を推進することとし、帝人ファーマ㈱と一般財団法人化学及血清療法研究所が共同で日本における臨床開発の準備を進めています。また平成26年6月には高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク錠」の新剤形・新用量として「TMX-67XR」の臨床開発に着手しました。
在宅医療分野では、国内外で約43万人の患者さんにサービスを提供しています。主力の在宅酸素療法(HOT)用酸素濃縮装置は、新機種「ハイサンソ3S」「ハイサンソポータブルα」の投入効果もあり、高水準のレンタル台数を堅調に維持しました。また、平成26年6月には、災害・停電時の不安・不便を解消する新機種「ハイサンソ5S」や「サンソセーバー5」を上市しました。睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療器は、携帯電話網を活用して治療状況をモニタリングし、そのデータを医療機関に提供することにより効果的な治療を実現する「ネムリンク」の訴求効果も相まって、高水準のレンタル台数を順調に伸ばしました。そのほか、補助換気療法機器(「NIPネーザルシリーズ」、「オートセットCS」)、超音波骨折治療器「SAFHS」も順調に拡大しました。一方で患者さんのサポート体制を強化するため、昨年度大阪市に新たに設置したコールセンターを活用し、対応能力の強化を図っています。
また、昨年度上市した脳卒中後遺障害等の歩行機能回復用の歩行神経筋電気刺激装置「ウォークエイド」についても、首都圏の医療機関等から順次エリアを拡大して事業展開を進めています。
海外では、現在米国・スペイン及び韓国においてサービスを展開しています。米国では、医療制度改革に伴い保険価格が大幅に引き下げられる等、厳しい事業環境が継続していますが、営業所の統廃合・人員削減といった収益改善策を進めています。
* ボナロン®/Bonalon®はMerck Sharp & Dohme Corp.の登録商標です。
| 製品事業 | :[売上高 575億円(前年同期比0.8%増)、営業利益 8億円(前年同期比28.0%増)] |
衣料繊維分野における、繊維素材では、スポーツ用途が国内、輸出ともに秋冬向けの販売が堅調で、加えて欧米に向けた婦人アパレル用途のテキスタイル輸出も引き続き好調な推移となりましたが、ユニフォーム用途の販売は鈍い出足となりました。
衣料製品では、消費増税の影響による販売落込みは想定範囲内にとどまりましたが、天候不順の影響もあり夏物荷動きが低調に推移、秋冬物生産に向けての出荷もやや停滞しています。
平成26年6月に、平成27年春夏向け総合展示会を開催、PTT繊維「ソロテックス」を活用した複合素材を中心に、機能性の高いファッション商品が、来場顧客から高い評価を受けました。
産業資材分野における、産業資材繊維では、エアバッグ原糸、タイヤコード、カーシート等の自動車関連部材の販売が引き続き好調を維持しており、その他繊維資材ではテント関連、不織布、土木関連、バグフィルター用織物の出荷が堅調に推移しました。
平成26年6月には、タイにタイヤコード生産の合弁新会社を設立し(平成27年10月稼働予定)、同時に既存のタイ子会社テイジン・コード(タイランド)社の産業用ベルトコード生産工場で自動車用ホースコード加工ラインの増設にも着手しました。これにより、今後拡大が期待されるアジア地域の自動車産業に向けて、自動車用ゴム資材のグローバル販売を加速しています。
(2) 財務状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は7,838億円となり、前期末に比べ154億円増加しました。これは株式の取得や時価評価額の増分により投資有価証券が増加したことが主な要因です。その他科目別には、季節要因等によりたな卸資産が増加しましたが、受取手形及び売掛金や固定資産は減少しました。
当第1四半期連結会計期間末の負債は、前期末比155億円増加し、4,838億円となりました。この内、コマーシャル・ペーパー、短期借入金、長期借入金等の有利子負債は、同219億円増加し、3,034億円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の純資産は3,000億円となり、前期末並み(1億円減少)となりました。この内「株主資本」に「その他の包括利益累計額」を加えた自己資本は、2,819億円と前期末比2億円の増加となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、帝人グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
① 当社の株主の在り方に関する基本方針
(会社法施行規則第118条第3号にいう、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
当社の株主の在り方について、当社は、株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えています。したがって、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。
しかし、当社株式の大量取得行為や買付提案の中には、「企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの」「株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの」「買付の条件等が当社の本源的価値に鑑み不十分又は不適当なもの」等も想定されます。このような大量取得行為や買付提案を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えています。
② 基本方針の実現に資する取り組み
当社では、多数の投資家の皆様に長期的に当社に投資を継続して頂くために、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、次の施策を既に実施しています。これらの取り組みは、上記①の基本方針の実現にも資するものと考えています。
ア.「事業構造改革と成長戦略の推進」による企業価値向上への取り組み
当社は、世界に存在感のある「グローバルエクセレンスの獲得」に向けて、中長期ビジョンの基本方針として掲げている「ソリューション提供型のビジネスモデルへの進化」を通じて顧客価値を提供する企業を目指し、「構造改革」と「成長戦略」の両軸においての取り組みを進めています。平成26年度以降、課題に対する施策を着実に実施していくことにより持続的成長を実現していきます。
イ.「コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化」による企業価値向上への取り組み
当社は、企業価値ひいては株主共同の利益向上のために不可欠な仕組みとして、従来より、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な課題に掲げ取り組んでいます。具体的には、以下の施策を実施しています。
1)意思決定、業務執行、監視・監査の3機能の分離と強化
2)国内外の有識者による経営全般への助言・提言を通じた「より良い経営、透明性の高い経営」の遂行と経営トップの評価を目的とした、取締役会の諮問機関としてのアドバイザリー・ボードの設置
3)コーポレート・ガバナンスに関する具体的な指針である「コーポレート・ガバナンスガイド」の制定と開示
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み(買収防衛策)
当社は、平成24年6月22日に開催された第146回定時株主総会において株主の皆様の承認を受け、当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下、「本プラン」という)を更新しました。本プランの概要は以下のとおりです。
ア.対象となる買付
本プランの対象となる買付は、株式の保有割合が20%以上となる買付です。
イ.買付者との交渉手続き
買付者には、事前に買付説明書の提供を求め、当社が、情報収集や検討を行う期間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案を提示したり、買付者との交渉を行っていくための手続きを定めています。
ウ.買付者が手続きを守らなかった場合の取得条項付新株予約権の無償割当て
買付者が前記手続きを守らなかった場合等には、独立委員会の勧告に従い、取締役会は、その時点の全ての株主に対し、保有株式1株につき1個の割合で「取得条項付新株予約権」を無償で割当てることを決議します。
エ.取得条項付新株予約権の取得と当社株式の交付
新株予約権に付された取得条項により、当社は買付者等以外の株主の皆様から新株予約権を取得しこれと引き換えに、新株予約権1個につき、当社株式1株を交付します。
オ.買付者等以外の株主の皆様への影響
買付者等以外の株主の皆様全員に平等に当社株式を交付しますので、株主の皆様の保有する株式の希釈化は生じません。買付者等には当社株式は交付されませんので、この交付により、買付者等の保有する当社株式の議決権割合を最大50%まで希釈化させる可能性があります。
カ.新株予約権の無償割当ての要件
新株予約権の無償割当ては以下のような所定の要件に該当し、新株予約権の無償割当てをすることが相当と認められる場合に行われます。
1)本プランに定める手続きを遵守しない場合
2)株式を買い占め、当社に対し高値で買取りを要求する場合等、買収の目的や買収後の経営方針等に鑑み、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合
3)株式の売却を事実上強要するおそれのある買付である場合
4)買付の条件等が当社の本源的価値に鑑み不十分又は不適当な買付である場合
キ.発動までのプロセスの概要
買付者から買付説明書が提出された場合、社外取締役又は社外監査役のうち5名で構成される独立委員会は、取締役会に対して、買付者の買付の内容に対する取締役会の意見等を一定の期間内(30日を上限とします)に提示するよう求めることがあります。その後、最長60日間、情報収集・検討等を行います。独立委員会は、30日を上限として検討期間を延長することができるものとします。
独立委員会はこれらの情報収集・検討等に基づき、取締役会に対し、新株予約権の無償割当ての実施または不実施の勧告を行います。取締役会は、独立委員会の勧告を尊重し、これに従い最終的に新株予約権の無償割当ての実施または不実施の決議を行います。ただし、独立委員会が当該実施に関し株主総会の承認を予め得るべき旨の留保を付した場合、取締役会は、実務上可能な限り速やかに株主総会を招集し、新株予約権の無償割当ての実施に関する議案を付議するものとします。
*「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」の詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.teijin.co.jp/ir/governance/defense/)に掲載しています。
④ 前記取り組みが、基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
当社では、本プランの設計に際し、以下の諸点を考慮し織り込むことにより、本プランが、基本方針に沿い当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。
ア.株主意思の反映
本プランは、平成24年6月22日に開催された第146回定時株主総会において承認され発効し、その有効期限は、平成27年3月期の事業年度に関する定時株主総会の終結の時までの3年とします。また、当社取締役の任期は1年となっていますので、取締役の選任を通じて株主の皆様の意思を反映させることが可能です。更に、本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになります。
イ.独立性の高い社外役員の判断の重視
当社は、本プランの導入に当たり、本プランの発動等の運用に際して、取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しました。独立委員会は、社外取締役または社外監査役のいずれかに該当する者の中から取締役会が選任した者から構成します。
ウ.コーポレート・ガバナンスの強化と継続
当社では、定員10名以内の取締役のうち4名を独立社外取締役、監査役の過半数の3名を独立社外監査役とすること等により、意思決定、業務執行、監視・監査の3機能の分離と強化を図り、また、5~7名の社外アドバイザーと取締役会長(取締役会長が空席の場合は、相談役)、CEOで構成されるアドバイザリー・ボードを取締役会の諮問機関として設置して、CEOの交代及び後継者の推薦、帝人グループの役員報酬制度の審議等を行い、上記の取り組みを含むコーポレート・ガバナンスの指針を「コーポレート・ガバナンスガイド」として開示しています。
以上の施策は、我が国の上場会社において、コーポレート・ガバナンスの先駆的な取り組みと評価されています。この仕組みは、当社役員の保身的な行動を強く抑制するものであり、本プランの実施にあっても、その恣意的な行使を抑止する重要な機能を果たすことが期待されます。
エ.本プラン発動のための合理的な客観的要件の設定
本プランは、予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、しかも、これらの客観的要件は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないとされる場合と一致させています。これにより、取締役会による恣意的な発動を防止します。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、77億円です。
また、当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の変更は、次のとおりです。
① 高機能繊維・複合材料事業
高機能繊維分野では、平成26年4月に原糸やテキスタイルの商品開発拠点として帝人(中国)商品開発センターを開設しました。これにより、中国国内で原糸から最終製品までの研究開発に対応することが可能となり、更に量産に至るまでをワンストップで完結できることから、中国・アジア地区で迅速な顧客対応が可能となります。今後、その機能をより一層充実し、顧客・市場に向けたソリューション提供型のビジネスモデルへの変革を加速していきます。
また㈱ニトリの商品開発力と帝人の技術により、両社一貫の体制で素材開発から商品企画、販売までを行う共同プロジェクト“新「機能商品」開発プロジェクト”を推進しています。その第4弾商品として、「ひもなしらくらく掛ふとんカバー」を開発し、6月よりニトリにて販売を開始しました。この商品は、帝人素材である超極細ナノファイバー「ナノフロント」の大きな摩擦力を利用し、ストッパーの働きをさせることで、ひも無しでも中の布団をずれにくくしています。これにより、カバー着脱の手間を大きく減少させることができる新発想の布団カバーです。
炭素繊維・複合材料分野では、エアバス社の最新鋭中型機であるA350XWB(エクストラ・ワイド・ボディ)機向けとして、炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板(「テナックス TPCL」:ThermoPlastic Consolidated Laminates)の認定作業を終了し、同機への搭載が決定しました。
また量産車構造部材等への適用を目指す熱可塑性CFRPの開発は、引き続き順調に進んでおり、先進複合材料の研究開発に取り組んでいる複合材料開発センター(愛媛県松山市)と米国の用途開発センター(ミシガン州)との連携により、具体的な部品開発と量産化プロセスの確立に向けた複数のプロジェクトを着実に推進しています。
② 電子材料・化成品事業
樹脂分野では、「テオネックス」(PEN樹脂:ポリエチレン・ナフタレート樹脂)が、世界で初めての透明樹脂製ボディの消火器に採用されました。PEN樹脂の耐腐食性、耐候性、耐薬品性等の優れた耐久性が評価され、従来の鉄製よりも本体重量で約50%の軽量化を実現しています。今後も高付加価値のある樹脂、及び樹脂製品の研究開発に取り組んでいきます。また、平成26年5月には、自動車用樹脂グレージング技術について、樹脂窓の課題であった「歪のない大型製品の成形」「金属との接着信頼性確保」「耐候性向上による長期信頼性確保」を、樹脂窓に適した素材と、その加工技術の開発により解決した点が評価され、公益社団法人高分子学会が主催する「平成26年度 高分子学会賞」(技術)を受賞しています。
フィルム分野では、「世界最高位の難燃性(UL規格:VTM-0)」を有するPETフィルムの量産化技術を確立しました。今後は、難燃性ラベルやフレキシブル基板用途を中心に市場展開を進めます。
③ ヘルスケア事業
医薬品分野では、平成26年5月に、英国の製薬メーカーであるシグマ・タウ・ファルマ社(以下「シグマタウ社」)と、シグマタウ社が創製したADA欠損症治療剤「EZN-2279」の日本における独占的開発・販売契約を締結し、日本における臨床開発の準備を進めています。平成26年6月には高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク錠」の新剤形・新用量として「TMX-67XR」の臨床開発にも着手しました。また、医薬品技術と素材技術を融合させた画期的な医薬品として、止血・接着効果の高い外科手術用シート状フィブリン糊接着剤「KTF-374」の開発を推進することとし、帝人ファーマ㈱と一般財団法人化学及血清療法研究所が共同で日本における臨床開発の準備を進めています。
在宅医療分野では、東日本大震災以降、医療従事者や在宅酸素療法で療養中の患者さんから寄せられた要望や不安・不便の声に応え得る機能を備えた新製品2機種を、平成26年6月に上市しました。呼吸同調式レギュレータ「サンソセーバー5」は、呼吸同調器と減圧器が一体となっているため、酸素ボンベへの装着が容易です。本装置を酸素ボンベに装着することにより、装着しない場合に比べ、酸素ボンベの持ち時間が約4倍に長くなり、1分当たり7リットル相当の流量に対応することができます。また、操作部や計器にランプや蓄光シート等を備えているため、暗い場所での視認性が向上しています。在宅医療用酸素濃縮装置の新機種「ハイサンソ5S」は、これまでの安心・安全機能はそのままに、オプションの非常用バッテリーを装着することにより、停電発生時に患者さんが落ち着いて非常用酸素ボンベからの酸素吸入に切り替えることができます。また、Bluetoothをリモコンに採用することにより、トイレや階段の昇降等酸素が必要な生活シーンに合わせ、手元で酸素流量の変更や電源操作を行うことが可能となります。
④ その他
平成26年4月から、研究開発機能の強化と研究開発成果の早期事業化の推進を目的にいくつかの組織改編が計画、実施されました。研究開発機能を強化するために、「技術最高責任者、研究部門、エンジニアリング本部」を統合し、技術本部を設置しました。また、個別プロジェクトを推進、事業化を加速するために、新事業推進本部を設けました。
なお、製品事業については、重要な変更はありません。