訂正有価証券報告書-第153期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/07/01 12:10
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【項目】
113項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用環境の改善や個人消費の増勢を背景に拡大基調が続きましたが、新興国では成長率が鈍化し、欧州も回復基調を持続するものの勢いを欠く状況で推移しました。国内は、消費増税に伴う影響を受けつつも雇用環境の改善に支えられ、緩やかな回復基調が持続しました。
当連結グループ事業の主要対象分野である自動車関連分野は、国内では消費増税後の反動減から生産・販売台数ともに前連結会計年度を下回りましたが、北米、欧州、中国では堅調に推移しました。IT・デジタル家電分野は、新興国でスマートフォンなどモバイル端末が需要拡大し、堅調に推移しました。国内の製パン・製菓関連分野は、概ね前連結会計年度並みの生産量となりました。
このような状況のなか、当社グループは、海外ではマレーシア現地法人で加工油脂工場を竣工させ、さらにHALAL認証も取得しました。国内においては、鹿島工場と明石工場で国際的な食品安全システム認証規格「FSSC 22000」を取得するなど、食品事業の体制を強化しました。ライフサイエンス分野では新製品開発を加速させるべく、鹿島工場西製造所にメディカル材料用実験棟を建設し、また東京医科歯科大学が開設する再生医療材料などに関する寄附研究部門への支援を開始しました。機能化学品では、千葉工場に電子部品向けの低ハロゲン特殊エポキシ樹脂の製造設備を新設しました。以上のように、将来の成長に向けた投資を着々と推し進めました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は前連結会計年度に比べ99億68百万円(前連結会計年度比+4.9%)増収の2,143億19百万円となりました。営業利益は前連結会計年度に比べ7億96百万円(同+5.8%)増益の146億8百万円、経常利益は前連結会計年度に比べ11億39百万円(同+7.1%)増益の170億99百万円、当期純利益は前連結会計年度に比べ24億20百万円(同+26.4%)増益の115億73百万円となり、過去最高を更新しました。
<報告セグメントの概況>セグメントの概況は、以下の通りです。
(化学品事業)
①情報・電子化学品
光学フィルムやフォトレジストに使用される感光性材料は、ディスプレイの高精細化や半導体の微細化に伴い、競争力の高い独自製品が国内外で大きく伸長しました。
半導体メモリ向け高誘電材料は、価格競争の影響を受け販売価格が大きく低下しました。
回路材料はリードフレーム用のエッチング薬剤が伸長しましたが、全体としては横ばいで推移しました。
情報・電子化学品全体では、前連結会計年度に比べ減収、わずかに減益となりました。
②機能化学品
樹脂添加剤は、国内の自動車及び建材向けの需要が低迷しましたが、海外では造核剤、光安定剤などの高機能製品及び難燃剤が伸長しました。
界面活性剤は、化粧品に使われるグリコールや反応性乳化剤が海外を中心に好調でした。
潤滑油添加剤は、自動車の省燃費性で高い評価を得ているエンジンオイル添加剤が国内外で堅調に推移しました。
機能性樹脂は、自動車向け高機能接着剤原料や水系ウレタンが伸長しましたが、総じて低調に推移しました。
機能化学品全体では、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。
③基礎化学品
プロピレングリコール類や過酸化水素及びその誘導品は、国内需要の低迷に加え、燃料など製造コストの影響を大きく受けるなか、販売価格の改定や生産・物流効率の改善などのコスト削減に取り組みました。
基礎化学品全体では、前連結会計年度に比べ減収増益となりました。
以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ65億40百万円(同+4.6%)増収の1,500億57百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ20億97百万円(同+19.4%)増益の129億19百万円となりました。
(食品事業)
製パン、洋菓子・デザート向けのマーガリン類、ホイップクリーム、フィリング類の販売は堅調に推移しました。しかしながら、海外から調達する原材料の価格が円安により上昇したことや、国内の乳製品、動物性油脂の逼迫による値上がり、物流費やエネルギーコスト上昇の影響を大きく受け、利益面は厳しい状況でした。海外では、加工油脂製品、フィリング類の販売が伸長しました。
以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ22億59百万円(同+4.1%)増収の576億39百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ12億29百万円(同△51.3%)減益の11億69百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末の資金残高に比べ30億27百万円(前連結会計年度末比+7.8%)増加し、416億97百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収入は、前連結会計年度に比べ16億75百万円(同△8.5%)減少し、180億21百万円となりました。
これは主に、たな卸資産の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金支出は、前連結会計年度に比べ24億67百万円(同+23.5%)増加し、129億87百万円となりました。
これは主に、有価証券の取得による支出の増加及び売却による収入の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金支出は、前連結会計年度に比べ18億82百万円(同+175.2%)増加し、29億56百万円となりました。