有価証券報告書-第162期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当期における世界経済は、緩やかな回復基調がみられたものの、地政学的リスクの高まりや米国の通商政策の動向、また年度末にかけての中東情勢の緊迫化などにより、先行きについては不透明な状況が続きました。このような状況下、わが国経済は、個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられ、全体として景気は緩やかに回復基調で推移しました。インドにおいては、財政政策及び金融政策の両面で景気が下支えされ、個人消費と設備投資を中心とした内需主導の堅調な成長が続きました。欧州においては、米国との関税政策の影響により輸出が減速し、生産活動が下押しされる状況下において、個人消費を中心に景気は持ち直しの動きがみられました。中国においては、米中間の通商問題や不動産市場の停滞などを背景に景気は足踏み状態となりました。
当社グループの当期における売上高は5,897億95百万円(前期比0.2%増)となりました。営業利益は、販売価格改善や原価低減などの施策を推進したものの、固定費の増加などにより、497億26百万円(前期比4.5%減)となりました。経常利益は為替差益や持分法による投資利益の増加などにより、547億13百万円(前期比11.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益や投資有価証券売却益が減少したことに加え、早期割増退職金、減損損失や投資有価証券評価損などの特別損失の計上により、316億41百万円(前期比17.4%減)となりました。
各セグメントの状況は以下のとおりであります。
1) 日本
自動車分野では、自動車生産台数は前期並みであったものの、販売価格の改善に取り組んだことにより、売上高は前期を上回りました。工業分野も拡販活動の成果により、売上高は前期を上回りました。一方、建築及び防食分野では、市況低調の影響により売上高は前期を下回りました。船舶分野は、引き続き堅調であるものの、足元の需要が前期を下回る水準で推移したことにより、売上高は前期を下回りました。セグメント利益は、主に工業分野で前期を上回った一方、建築及び船舶分野で前期を下回ったことから、全体では前期を下回りました。
これらの結果、売上高は1,598億88百万円(前期比2.4%減)、セグメント利益は219億68百万円(前期比8.2%減)となりました。
2) インド
建築分野では、市場全体の需要低迷や低価格品へのシフトにより売上高は前期を下回りました。自動車分野では、GST(Goods and Services Tax)減税の影響もあり、自動車生産台数が増加し売上高は前期を上回りましたが、円高による為替換算の影響により、インド全体の売上高は前期を下回りました。セグメント利益は、減収に加えて人件費等の増加も影響し、前期を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は1,383億58百万円(前期比2.8%減)、セグメント利益は135億66百万円(前期比4.4%減)となりました。
3) 欧州
トルコでは、主要顧客の自動車生産台数が前期を上回ったことから、売上高は前期を上回りました。その他欧州各国においては、前期に行ったボルトオン型M&Aの寄与もあり、売上高は前期を上回りました。セグメント利益は、人件費等が増加したものの、持分法による投資損失が改善したことにより、前期を上回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は1,627億38百万円(前期比4.0%増)、セグメント利益は9億45百万円となりました。
4) アジア
中国においては、自動車生産台数は前期を上回り、売上高は前期を上回りました。一方で、タイ、マレーシア及びインドネシアでは、自動車生産台数減少の影響を受け、アジア全体の売上高は前期を下回りました。セグメント利益は、トータルコスト削減に努め、収益性が改善したものの、持分法による投資利益が減少したことにより、前期を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は680億64百万円(前期比0.9%減)、セグメント利益は90億82百万円(前期比1.2%減)となりました。
5) アフリカ
南アフリカ及び近隣諸国は、政情不安が続く中にあっても、建築分野において新規顧客の獲得の寄与もあり、売上高は前期を上回りました。東アフリカ地域では、主力の建築分野に加え、工業分野においても売上高は堅調に推移しました。セグメント利益は、建築分野の事業拡大や構造改革の進展により、前期を上回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は517億48百万円(前期比9.1%増)、セグメント利益は63億37百万円(前期比45.7%増)となりました。
6) その他
北米では、自動車生産台数が前期を下回り、売上高は前期を下回りました。セグメント利益については、減収の影響に加え、持分法による投資利益も減少したことなどにより、前期を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は89億96百万円(前期比10.3%減)、セグメント利益は19億83百万円(前期比38.1%減)となりました。
(財政状態の状況)
1) 流動資産
当連結会計年度末における流動資産合計は、3,762億41百万円(前期末比207億11百万円増)となりました。
流動資産の増加は、主に受取手形、売掛金及び契約資産、有価証券や原材料及び貯蔵品などが増加したことによるものであります。
2) 固定資産
当連結会計年度末における固定資産合計は、4,254億51百万円(前期末比302億82百万円増)となりました。
固定資産の増加は、主に有形固定資産、退職給付に係る資産、出資金や無形固定資産などが増加したことによるものであります。
3) 流動負債
当連結会計年度末における流動負債合計は、1,957億48百万円(前期末比186億98百万円増)となりました。
流動負債の増加は、短期社債などが減少したものの、主にその他流動負債、短期借入金や未払法人税等が増加したことによるものであります。
4) 固定負債
当連結会計年度末における固定負債合計は、2,247億41百万円(前期末比11億1百万円増)となりました。
固定負債の増加は、長期借入金などが減少したものの、主に繰延税金負債や退職給付に係る負債などが増加したことによるものであります。
5) 純資産
当連結会計年度末における純資産合計は、3,812億3百万円(前期末比311億93百万円増)となりました。
純資産の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことや為替換算調整勘定やその他有価証券評価差額金などが増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ40億83百万円増加し672億30百万円となりました。
1) 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比176億49百万円収入が増加し、526億16百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益570億16百万円、減価償却費232億80百万円、利息及び受取配当金の受取額71億46百万円などの収入、法人税等の支払額192億95百万円などの支出によるものであります。
2) 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前期比121億74百万円支出が減少し、270億26百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出額260億65百万円、有価証券の純増減額69億60百万円などの支出、有形固定資産の売却による収入額67億92百万円などの収入によるものであります。
3) 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比141億75百万円支出が増加し、221億82百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額147億58百万円、非支配株主への配当金の支払額41億82百万円などの支出によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2.金額は、製造原価によっております。
2) 受注実績
当社グループは、主として見込生産によっておりますので、特に記載すべき事項はありません。
3) 販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの目標とする経営指標と当連結会計年度の実績は次のとおりであります。
(注) 1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費+持分法投資損益
2.調整後ROE=(当期純利益+のれん償却費)/株主資本(期首期末平均) ※一過性除く
当連結会計年度の連結売上高は5,897億円(前期比0.2%増)、営業利益は497億円(前期比4.5%減)となりました。売上高は、欧州における新規連結による影響等により増加したものの、営業利益は、固定費の増加などにより減少しました。一方で、持分法による投資利益が増加したことなどにより、連結EBITDAマージンは14.0%(前期比0.2ポイント増)となりました。2026年度は第18次中期経営計画の2年目であり、第17次中期経営計画で積み上げた成果を基軸に連結売上高6,100億円、営業利益530億円、経常利益550億円、親会社株主に帰属する当期純利益270億円と連結売上高、営業利益ともに過去最高を計画しております。
当社グループは、第18次中期経営計画のもと、真のグローバル企業へと進化するための各種施策を実行しております。計画2年目となる本年度は、これらの取り組みを一層深化させ、さらなる充実を図る年度と位置付けております。本計画では、事業・人材・エンゲージメントの強化を中核テーマに掲げ、変化する経営環境に柔軟かつ的確に対応しながら、持続的な成長の実現を目指しています。また、2030年に向けた長期目標(KPI2030)を見据え、ありたい姿の実現可能性を高めていきます。
第18次中期経営計画の重点方針は、「構造改革による収益性と効率性の強化」「事業を伸ばす製品開発とDXの推進」「人材育成と最適配置の両立」「最適資本構成に基づく積極的な投資と還元」の4点です。これらの方針のもと、地域や事業の特性に応じた具体的な戦略を実行し、経営基盤の強化と成長機会の創出に取り組んでいます。また、株主をはじめとするステークホルダーとの継続的な対話を通じて、信頼関係を深めてまいります。以上の方針の実行により「持続可能な社会への貢献」と「圧倒的な企業価値の向上」の両立を目指します。
以上のような考え方のもと、第18次中期経営計画の最終年度目標としては、売上高7,000億円、EBITDAマージン17%、調整後ROE15%と設定しております。これらは、当社の事業部門が管轄しているグループ会社と共同で策定した現実的な目標値であると考えております。このように当社は積極的な事業成長への投資を通じて企業価値の更なる向上に努めてまいります。
2025年度通期決算の詳細は当社ウェブサイトに掲載しております。詳細は「戦略説明会 資料(2026/5/15)」(https://www.kansai.co.jp/ir/library/explanation/)をご参照ください。
地域別セグメントの業績は次のとおりであります。
(注) セグメント利益=営業利益+持分法投資損益
事業部別セグメントの当連結会計年度の売上高と対前期比増減率の内訳は次のとおりであります
上記を踏まえた上での経営成績の状況に関する分析は次のとおりであります。
1) 売上高及び営業利益
当期の売上高は前期比0.2%増、9億69百万円増収の5,897億95百万円となり、営業利益は前期比4.5%減、23億24百万円減の497億26百万円となりました。欧州における新規連結による影響等により増収となり、売上高は過去最高となったものの、人件費などの固定費の増加などにより、減益となっております。
各セグメントの詳細は「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(当社の売上高及び営業利益に影響を与える主要な指標)
日本の2026年度の自動車生産台数は841万台と想定
出所:日本自動車工業会、マークラインズ、日本の当連結会計年度は当社推定
(単位:円/kl)
上記数値は当社推定値であります。
2) 営業外損益及び経常利益
当期の営業外損益は前期比79億34百万円増加の49億87百万円のプラスとなりました。主な増加要因は、為替差益の計上や持分法による投資利益が増加したことによるものであります。
これらの結果、当期の経常利益は前期比11.4%増、56億10百万円増益の547億13百万円となりました。
3) 特別損益及び税金等調整前当期純利益
当期の特別損益は前期比138億62百万円減少の23億2百万円のプラスとなりました。主な減少要因は、固定資産売却益や投資有価証券売却益が減少したことに加え、早期割増退職金、減損損失や投資有価証券評価損などの特別損失の計上によるものであります。
これらの結果、当期の税金等調整前当期純利益は前期比12.6%減、82億52百万円減益の570億16百万円となりました。
4) 法人税等(法人税等調整額を含む)及び親会社株主に帰属する当期純利益
当期の法人税等は、前期比23億79百万円増加の224億14百万円となりました。主な増加要因は税金費用の増加によるものであります。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比17.4%減、66億64百万円減益の316億41百万円となりました。
財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は次のとおりであります。
当社グループは、自動車用、工業用、建築用、船舶用、防食用など幅広い分野を対象とした塗料の製造販売を行っております。国内塗料需要がほぼ横ばいで推移する中、積極的な海外事業展開を行い、海外売上高比率は国内を上回っております。今後も、海外での事業活動の規模は拡大していくものと予想され、事業展開地域、国の法律・規制・政治的要因等が当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。こうした中、熾烈なグローバル競争を勝ち抜き、成長していくため、グループ全体でのシナジーを創出していくとともに、企業統治体制を高めていきます。
当社グループは、各国に製造拠点を設け事業活動を展開することを基本としておりますが、製品・原材料を他拠点から調達する場合等、為替相場の変動が当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。製品の生産移管や、原材料の現地調達を進めていくほか、為替予約の実施等によるリスクヘッジを図っていきます。
また、当社グループの原材料は主に原油・ナフサ価格の変動による影響を受けます。急激な原材料価格の変動により販売価格への反映が充分でない場合は、当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。グローバル調達、品種統合の取組等によるコスト削減に努めるほか、迅速な対応が図れるよう原材料供給メーカーとの関係を強化していきます。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは生産活動のための原材料仕入、製造費、営業活動のための販売促進費、製品競争力の強化、市場に適合した新技術の開発を目的とした研究開発費、各事業についての一般管理費等であります。投資活動については、成長投資・収益性向上に資する設備投資、事業拡大に関連した投融資が主な内容であります。また、特に海外での成長投資、国内では収益性向上に繋がる投資に対して、獲得した営業キャッシュ・フローを投入し、不足分については主に銀行借入と社債の発行による資金調達を行っております。短期借入金は主に営業取引に伴う資金調達であり、長期借入金及び社債は主に設備投資や投融資にかかる資金調達であります。
さらに、当社グループ内資産効率化のためキャッシュマネジメントサービスの導入、コマーシャル・ペーパーの発行など資金調達方法の多様化を進めております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、収益及び費用並びに資産及び負債等の額の算定に際して様々な見積り及び判断が行われておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を与える可能性があります。
(有形固定資産及び無形固定資産)
固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損テストを行っております。資産グループの回収可能価額は、事業用資産については将来キャッシュ・フローを基にした使用価値により、遊休資産及び処分予定の資産については売却予定額を基にした正味売却価額によりそれぞれ測定しております。将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
(投資有価証券)
その他有価証券のうち市場価格のない株式等以外のものについては、時価が取得原価に比して50%以上下落した場合は、時価の回復可能性がないものとして一律に減損処理を実施し、下落率が30%以上50%未満の場合には、時価の回復可能性の判定を行い、減損処理の要否を決定しております。また、市場価格のない株式等の減損処理にあたっては、財政状態の悪化があり、かつ実質価額が取得原価に比して50%以上下落した場合は原則減損としますが、個別に回復可能性を判断し、最終的に減損処理の要否を決定しております。回復可能性の判断が適切なものであると判断しておりますが、回復可能性ありと判断している有価証券についても、将来、時価の下落又は投資先の財政状態の悪化により、減損損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産)
回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されております。当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定する可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当期における世界経済は、緩やかな回復基調がみられたものの、地政学的リスクの高まりや米国の通商政策の動向、また年度末にかけての中東情勢の緊迫化などにより、先行きについては不透明な状況が続きました。このような状況下、わが国経済は、個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられ、全体として景気は緩やかに回復基調で推移しました。インドにおいては、財政政策及び金融政策の両面で景気が下支えされ、個人消費と設備投資を中心とした内需主導の堅調な成長が続きました。欧州においては、米国との関税政策の影響により輸出が減速し、生産活動が下押しされる状況下において、個人消費を中心に景気は持ち直しの動きがみられました。中国においては、米中間の通商問題や不動産市場の停滞などを背景に景気は足踏み状態となりました。
当社グループの当期における売上高は5,897億95百万円(前期比0.2%増)となりました。営業利益は、販売価格改善や原価低減などの施策を推進したものの、固定費の増加などにより、497億26百万円(前期比4.5%減)となりました。経常利益は為替差益や持分法による投資利益の増加などにより、547億13百万円(前期比11.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益や投資有価証券売却益が減少したことに加え、早期割増退職金、減損損失や投資有価証券評価損などの特別損失の計上により、316億41百万円(前期比17.4%減)となりました。
各セグメントの状況は以下のとおりであります。
1) 日本
自動車分野では、自動車生産台数は前期並みであったものの、販売価格の改善に取り組んだことにより、売上高は前期を上回りました。工業分野も拡販活動の成果により、売上高は前期を上回りました。一方、建築及び防食分野では、市況低調の影響により売上高は前期を下回りました。船舶分野は、引き続き堅調であるものの、足元の需要が前期を下回る水準で推移したことにより、売上高は前期を下回りました。セグメント利益は、主に工業分野で前期を上回った一方、建築及び船舶分野で前期を下回ったことから、全体では前期を下回りました。
これらの結果、売上高は1,598億88百万円(前期比2.4%減)、セグメント利益は219億68百万円(前期比8.2%減)となりました。
2) インド
建築分野では、市場全体の需要低迷や低価格品へのシフトにより売上高は前期を下回りました。自動車分野では、GST(Goods and Services Tax)減税の影響もあり、自動車生産台数が増加し売上高は前期を上回りましたが、円高による為替換算の影響により、インド全体の売上高は前期を下回りました。セグメント利益は、減収に加えて人件費等の増加も影響し、前期を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は1,383億58百万円(前期比2.8%減)、セグメント利益は135億66百万円(前期比4.4%減)となりました。
3) 欧州
トルコでは、主要顧客の自動車生産台数が前期を上回ったことから、売上高は前期を上回りました。その他欧州各国においては、前期に行ったボルトオン型M&Aの寄与もあり、売上高は前期を上回りました。セグメント利益は、人件費等が増加したものの、持分法による投資損失が改善したことにより、前期を上回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は1,627億38百万円(前期比4.0%増)、セグメント利益は9億45百万円となりました。
4) アジア
中国においては、自動車生産台数は前期を上回り、売上高は前期を上回りました。一方で、タイ、マレーシア及びインドネシアでは、自動車生産台数減少の影響を受け、アジア全体の売上高は前期を下回りました。セグメント利益は、トータルコスト削減に努め、収益性が改善したものの、持分法による投資利益が減少したことにより、前期を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は680億64百万円(前期比0.9%減)、セグメント利益は90億82百万円(前期比1.2%減)となりました。
5) アフリカ
南アフリカ及び近隣諸国は、政情不安が続く中にあっても、建築分野において新規顧客の獲得の寄与もあり、売上高は前期を上回りました。東アフリカ地域では、主力の建築分野に加え、工業分野においても売上高は堅調に推移しました。セグメント利益は、建築分野の事業拡大や構造改革の進展により、前期を上回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は517億48百万円(前期比9.1%増)、セグメント利益は63億37百万円(前期比45.7%増)となりました。
6) その他
北米では、自動車生産台数が前期を下回り、売上高は前期を下回りました。セグメント利益については、減収の影響に加え、持分法による投資利益も減少したことなどにより、前期を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は89億96百万円(前期比10.3%減)、セグメント利益は19億83百万円(前期比38.1%減)となりました。
(財政状態の状況)
1) 流動資産
当連結会計年度末における流動資産合計は、3,762億41百万円(前期末比207億11百万円増)となりました。
流動資産の増加は、主に受取手形、売掛金及び契約資産、有価証券や原材料及び貯蔵品などが増加したことによるものであります。
2) 固定資産
当連結会計年度末における固定資産合計は、4,254億51百万円(前期末比302億82百万円増)となりました。
固定資産の増加は、主に有形固定資産、退職給付に係る資産、出資金や無形固定資産などが増加したことによるものであります。
3) 流動負債
当連結会計年度末における流動負債合計は、1,957億48百万円(前期末比186億98百万円増)となりました。
流動負債の増加は、短期社債などが減少したものの、主にその他流動負債、短期借入金や未払法人税等が増加したことによるものであります。
4) 固定負債
当連結会計年度末における固定負債合計は、2,247億41百万円(前期末比11億1百万円増)となりました。
固定負債の増加は、長期借入金などが減少したものの、主に繰延税金負債や退職給付に係る負債などが増加したことによるものであります。
5) 純資産
当連結会計年度末における純資産合計は、3,812億3百万円(前期末比311億93百万円増)となりました。
純資産の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことや為替換算調整勘定やその他有価証券評価差額金などが増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ40億83百万円増加し672億30百万円となりました。
1) 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比176億49百万円収入が増加し、526億16百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益570億16百万円、減価償却費232億80百万円、利息及び受取配当金の受取額71億46百万円などの収入、法人税等の支払額192億95百万円などの支出によるものであります。
2) 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前期比121億74百万円支出が減少し、270億26百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出額260億65百万円、有価証券の純増減額69億60百万円などの支出、有形固定資産の売却による収入額67億92百万円などの収入によるものであります。
3) 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比141億75百万円支出が増加し、221億82百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額147億58百万円、非支配株主への配当金の支払額41億82百万円などの支出によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 日本 | 97,482 | △2.9 |
| インド | 88,214 | △4.8 |
| 欧州 | 116,172 | 6.8 |
| アジア | 53,035 | △0.8 |
| アフリカ | 31,424 | 0.3 |
| 報告セグメント計 | 386,330 | △0.1 |
| その他 | 5,341 | △18.9 |
| 合計 | 391,672 | △0.4 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2.金額は、製造原価によっております。
2) 受注実績
当社グループは、主として見込生産によっておりますので、特に記載すべき事項はありません。
3) 販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 日本 | 159,888 | △2.4 |
| インド | 138,358 | △2.8 |
| 欧州 | 162,738 | 4.0 |
| アジア | 68,064 | △0.9 |
| アフリカ | 51,748 | 9.1 |
| 報告セグメント計 | 580,798 | 0.3 |
| その他 | 8,996 | △10.3 |
| 合計 | 589,795 | 0.2 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの目標とする経営指標と当連結会計年度の実績は次のとおりであります。
| 指標 | 当連結会計年度(実績) | 2026年度見込 |
| 連結売上高(百万円) | 589,795 | 610,000 |
| 営業利益(百万円) | 49,726 | 53,000 |
| 経常利益(百万円) | 54,713 | 55,000 |
| 連結EBITDA(百万円) | 82,523 | 92,000 |
| 連結EBITDAマージン(%) | 14.0% | 15.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 31,641 | 27,000 |
| 調整後ROE(%)※ | 12.6% | 12.7% |
(注) 1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費+持分法投資損益
2.調整後ROE=(当期純利益+のれん償却費)/株主資本(期首期末平均) ※一過性除く
当連結会計年度の連結売上高は5,897億円(前期比0.2%増)、営業利益は497億円(前期比4.5%減)となりました。売上高は、欧州における新規連結による影響等により増加したものの、営業利益は、固定費の増加などにより減少しました。一方で、持分法による投資利益が増加したことなどにより、連結EBITDAマージンは14.0%(前期比0.2ポイント増)となりました。2026年度は第18次中期経営計画の2年目であり、第17次中期経営計画で積み上げた成果を基軸に連結売上高6,100億円、営業利益530億円、経常利益550億円、親会社株主に帰属する当期純利益270億円と連結売上高、営業利益ともに過去最高を計画しております。
当社グループは、第18次中期経営計画のもと、真のグローバル企業へと進化するための各種施策を実行しております。計画2年目となる本年度は、これらの取り組みを一層深化させ、さらなる充実を図る年度と位置付けております。本計画では、事業・人材・エンゲージメントの強化を中核テーマに掲げ、変化する経営環境に柔軟かつ的確に対応しながら、持続的な成長の実現を目指しています。また、2030年に向けた長期目標(KPI2030)を見据え、ありたい姿の実現可能性を高めていきます。
第18次中期経営計画の重点方針は、「構造改革による収益性と効率性の強化」「事業を伸ばす製品開発とDXの推進」「人材育成と最適配置の両立」「最適資本構成に基づく積極的な投資と還元」の4点です。これらの方針のもと、地域や事業の特性に応じた具体的な戦略を実行し、経営基盤の強化と成長機会の創出に取り組んでいます。また、株主をはじめとするステークホルダーとの継続的な対話を通じて、信頼関係を深めてまいります。以上の方針の実行により「持続可能な社会への貢献」と「圧倒的な企業価値の向上」の両立を目指します。
以上のような考え方のもと、第18次中期経営計画の最終年度目標としては、売上高7,000億円、EBITDAマージン17%、調整後ROE15%と設定しております。これらは、当社の事業部門が管轄しているグループ会社と共同で策定した現実的な目標値であると考えております。このように当社は積極的な事業成長への投資を通じて企業価値の更なる向上に努めてまいります。
2025年度通期決算の詳細は当社ウェブサイトに掲載しております。詳細は「戦略説明会 資料(2026/5/15)」(https://www.kansai.co.jp/ir/library/explanation/)をご参照ください。
地域別セグメントの業績は次のとおりであります。
| セグメント の名称 | 売上高 | セグメント利益 | ||||||
| 前連結 会計年度 (百万円) | 当連結 会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 2026年度 見込 (百万円) | 前連結 会計年度 (百万円) | 当連結 会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 2026年度 見込 (百万円) | |
| 日本 | 163,896 | 159,888 | △2.4 | 160,000 | 23,919 | 21,968 | △8.2 | 22,500 |
| インド | 142,335 | 138,358 | △2.8 | 145,000 | 14,193 | 13,566 | △4.4 | 14,000 |
| 欧州 | 156,469 | 162,738 | 4.0 | 170,000 | △979 | 945 | - | 1,500 |
| アジア | 68,670 | 68,064 | △0.9 | 70,000 | 9,188 | 9,082 | △1.2 | 9,500 |
| アフリカ | 47,423 | 51,748 | 9.1 | 55,000 | 4,350 | 6,337 | 45.7 | 7,000 |
| その他 | 10,031 | 8,996 | △10.3 | 10,000 | 3,204 | 1,983 | △38.1 | 2,500 |
| 合計 | 588,825 | 589,795 | 0.2 | 610,000 | 53,879 | 53,887 | 0.0 | 57,000 |
(注) セグメント利益=営業利益+持分法投資損益
事業部別セグメントの当連結会計年度の売上高と対前期比増減率の内訳は次のとおりであります
| セグメント の名称 | 自動車塗料 | 工業塗料 | 建築塗料 | 自動車(補修用)船舶・防食塗料 | その他 | 合計 | ||||||
| 金額 (百万円) | 増減率 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 日本 | 68,195 | 0.9 | 35,727 | 0.8 | 20,446 | △8.3 | 34,001 | △9.4 | 1,516 | 41.1 | 159,888 | △2.4 |
| インド | 49,988 | 4.0 | 24,021 | 2.3 | 60,734 | △9.5 | 3,070 | 2.4 | 544 | △22.1 | 138,358 | △2.8 |
| 欧州 | 12,501 | 4.1 | 96,477 | 6.7 | 8,163 | △1.3 | 15,759 | △1.8 | 29,836 | 0.2 | 162,738 | 4.0 |
| アジア | 38,270 | △1.3 | 14,611 | 5.5 | 10,180 | △4.4 | 4,196 | 15.8 | 804 | △54.9 | 68,064 | △0.9 |
| アフリカ | 469 | 0.5 | 5,313 | 6.8 | 39,842 | 9.7 | 3,300 | 10.4 | 2,823 | 6.4 | 51,748 | 9.1 |
| その他 | 8,996 | △10.3 | - | - | - | - | - | - | - | - | 8,996 | △10.3 |
| 合計 | 178,421 | 0.9 | 176,151 | 4.8 | 139,367 | △3.6 | 60,328 | △4.5 | 35,525 | △1.2 | 589,795 | 0.2 |
上記を踏まえた上での経営成績の状況に関する分析は次のとおりであります。
1) 売上高及び営業利益
当期の売上高は前期比0.2%増、9億69百万円増収の5,897億95百万円となり、営業利益は前期比4.5%減、23億24百万円減の497億26百万円となりました。欧州における新規連結による影響等により増収となり、売上高は過去最高となったものの、人件費などの固定費の増加などにより、減益となっております。
各セグメントの詳細は「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(当社の売上高及び営業利益に影響を与える主要な指標)
| 国名 | 自動車生産台数(万台) | |
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 日本 | 847 | 847 |
| インド | 609 | 671 |
| 中国 | 3,128 | 3,453 |
| タイ | 147 | 146 |
| インドネシア | 120 | 115 |
| マレーシア | 79 | 75 |
| トルコ | 104 | 126 |
日本の2026年度の自動車生産台数は841万台と想定
出所:日本自動車工業会、マークラインズ、日本の当連結会計年度は当社推定
(単位:円/kl)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 2026年度 | |||
| 上期 | 下期 | 上期 | 下期 | 通期 | |
| 国内ナフサ価格 | 78,000 | 73,300 | 64,800 | 65,700 | - |
上記数値は当社推定値であります。
2) 営業外損益及び経常利益
当期の営業外損益は前期比79億34百万円増加の49億87百万円のプラスとなりました。主な増加要因は、為替差益の計上や持分法による投資利益が増加したことによるものであります。
これらの結果、当期の経常利益は前期比11.4%増、56億10百万円増益の547億13百万円となりました。
3) 特別損益及び税金等調整前当期純利益
当期の特別損益は前期比138億62百万円減少の23億2百万円のプラスとなりました。主な減少要因は、固定資産売却益や投資有価証券売却益が減少したことに加え、早期割増退職金、減損損失や投資有価証券評価損などの特別損失の計上によるものであります。
これらの結果、当期の税金等調整前当期純利益は前期比12.6%減、82億52百万円減益の570億16百万円となりました。
4) 法人税等(法人税等調整額を含む)及び親会社株主に帰属する当期純利益
当期の法人税等は、前期比23億79百万円増加の224億14百万円となりました。主な増加要因は税金費用の増加によるものであります。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比17.4%減、66億64百万円減益の316億41百万円となりました。
財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は次のとおりであります。
当社グループは、自動車用、工業用、建築用、船舶用、防食用など幅広い分野を対象とした塗料の製造販売を行っております。国内塗料需要がほぼ横ばいで推移する中、積極的な海外事業展開を行い、海外売上高比率は国内を上回っております。今後も、海外での事業活動の規模は拡大していくものと予想され、事業展開地域、国の法律・規制・政治的要因等が当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。こうした中、熾烈なグローバル競争を勝ち抜き、成長していくため、グループ全体でのシナジーを創出していくとともに、企業統治体制を高めていきます。
当社グループは、各国に製造拠点を設け事業活動を展開することを基本としておりますが、製品・原材料を他拠点から調達する場合等、為替相場の変動が当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。製品の生産移管や、原材料の現地調達を進めていくほか、為替予約の実施等によるリスクヘッジを図っていきます。
また、当社グループの原材料は主に原油・ナフサ価格の変動による影響を受けます。急激な原材料価格の変動により販売価格への反映が充分でない場合は、当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。グローバル調達、品種統合の取組等によるコスト削減に努めるほか、迅速な対応が図れるよう原材料供給メーカーとの関係を強化していきます。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは生産活動のための原材料仕入、製造費、営業活動のための販売促進費、製品競争力の強化、市場に適合した新技術の開発を目的とした研究開発費、各事業についての一般管理費等であります。投資活動については、成長投資・収益性向上に資する設備投資、事業拡大に関連した投融資が主な内容であります。また、特に海外での成長投資、国内では収益性向上に繋がる投資に対して、獲得した営業キャッシュ・フローを投入し、不足分については主に銀行借入と社債の発行による資金調達を行っております。短期借入金は主に営業取引に伴う資金調達であり、長期借入金及び社債は主に設備投資や投融資にかかる資金調達であります。
さらに、当社グループ内資産効率化のためキャッシュマネジメントサービスの導入、コマーシャル・ペーパーの発行など資金調達方法の多様化を進めております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、収益及び費用並びに資産及び負債等の額の算定に際して様々な見積り及び判断が行われておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を与える可能性があります。
(有形固定資産及び無形固定資産)
固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損テストを行っております。資産グループの回収可能価額は、事業用資産については将来キャッシュ・フローを基にした使用価値により、遊休資産及び処分予定の資産については売却予定額を基にした正味売却価額によりそれぞれ測定しております。将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
(投資有価証券)
その他有価証券のうち市場価格のない株式等以外のものについては、時価が取得原価に比して50%以上下落した場合は、時価の回復可能性がないものとして一律に減損処理を実施し、下落率が30%以上50%未満の場合には、時価の回復可能性の判定を行い、減損処理の要否を決定しております。また、市場価格のない株式等の減損処理にあたっては、財政状態の悪化があり、かつ実質価額が取得原価に比して50%以上下落した場合は原則減損としますが、個別に回復可能性を判断し、最終的に減損処理の要否を決定しております。回復可能性の判断が適切なものであると判断しておりますが、回復可能性ありと判断している有価証券についても、将来、時価の下落又は投資先の財政状態の悪化により、減損損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産)
回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されております。当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定する可能性があります。