有価証券報告書-第141期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
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- 2018/06/28 16:31
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連結財務諸表注記事項(IFRS)
1 報告企業
武田薬品工業株式会社(以下、当社)は日本に所在する上場企業であります。
当社および当社の子会社(以下、当社グループ)は、グローバルな製薬企業グループであり、医薬品、一般用医薬品(OTC薬品)および医薬部外品、ならびにその他のヘルスケア製品の研究開発、製造、および販売に従事しております。当社グループの主要な医薬品には、消化器系疾患領域、オンコロジー(がん)領域、およびニューロサイエンス(神経精神疾患)領域の医薬品が含まれています。
2 作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は連結財務諸表規則第1条の2に規定する「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、連結財務諸表規則第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2) 財務諸表の承認
当社グループの連結財務諸表は、2018年6月28日に代表取締役社長CEO クリストフ ウェバーおよびコーポレート・オフィサーCFO コスタ サルウコスによって承認されております。
(3) 測定の基礎
連結財務諸表は、投資、デリバティブおよび条件付対価等の公正価値で測定される特定の資産および負債を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(4) 機能通貨および表示通貨
当社グループの連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に記載のない限り、百万円未満を四捨五入して表示しております。
(5) 適用された新たな基準書および解釈指針
当年度より、当社グループは、未実現損失に係る繰延税金資産の認識に関する要求事項を定めたIAS第12号「法人所得税」(改訂)を適用しております。また、財務活動に係る負債の変動に関する追加的な開示要求を定めた開示イニシアティブ(IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」の改訂)についても適用しております。当該基準書の適用による連結財務諸表への重要な影響はありません。
(6) 未適用の新たな基準書および解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書の新設または改訂は次のとおりであります。これらの基準書の新設または改訂は未発効であり、当年度において当社グループはこれらを早期適用しておりません。
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下、「IFRS第15号」という。)が2014年5月に公表され、当社グループは2018年4月1日に適用を開始しております。IFRS第15号は、顧客とのあらゆる契約から生じる収益の認識について、原則に基づく単一のアプローチを定めております。IFRS第15号は契約上の履行義務の識別に重点を置いており、履行義務が充足された時点で、または充足されるにつれて、収益を認識することを要求しています。またIFRS第15号は収益の開示要求も改訂しています。IFRS第15号について、財の販売から生じる収益および割戻ならびに返品に係る引当金の認識額または認識時期に及ぼす影響に重要性はないと判断しております。さらに、知的財産権収益および役務収益について、IAS第18号に基づく当社グループの現行の会計処理には契約に基づく履行義務の分析が含まれており、契約一時金の収益認識には、実質的な権利の移転(例えば、当社グループの知的財産を使用するためのライセンス付与)および他の履行義務への適切な収益配分が要求されております。IFRS第15号においては配分の基礎が異なりますが、新基準の適用が当社グループの配分方法に及ぼす影響に重要性はありません。当社グループは2018年度よりIFRS第15号の適用を開始し、修正遡及アプローチを使用して2018年4月1日現在の資本に対して累積的影響額を調整しますが、その調整額に重要性はありません。修正遡及アプローチを適用する場合のIFRS第15号の要求事項に従い、過年度実績の修正再表示は行いません。当社グループは、IFRS第15号の適用により、財務諸表において収益認識に関する追加的な開示を行います。
2014年7月にIFRS第9号「金融商品」(以下、「IFRS第9号」という。)の基準の最終確定が行われ、当社グループは2018年4月1日より適用を開始しております。IFRS第9号は、IAS第39号の要求事項を大幅に置き換え、金融資産および金融負債の分類、測定、および認識の中止を規定しております。また、発生損失ではなく予想損失に基づく金融資産の新たな減損モデルならびに新たなヘッジ会計モデルを導入しています。当社グループへの主たる影響は、適用開始日である2018年4月1日において特定の売却可能金融商品を公正価値で再測定することであります。この結果、利益剰余金が約140億円、その他の資本の構成要素が約100億円増加することを見込んでおります。
2016年1月にIFRS第16号「リース」(以下、「IFRS第16号」という。)が公表され、当社グループは2019年4月1日までに新リース基準を適用することが義務付けられています。当基準は、IAS第17号「リース」を置き換えるものであり、ほとんどすべてのリースについてリース負債および使用権資産を財政状態計算書上で認識することを要求しております。これにより、認識された資産および負債の両方が大幅に増加すると予想されます。現在、売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費、その他の営業費用に計上されているオペレーティング・リースに係る費用のうち、財務的要素は金融費用として報告されることとなります。借手側の会計処理は、各報告期間を修正する方法(遡及アプローチ)か遡及修正による累積的影響額を適用日時点で認識する方法(修正遡及アプローチ)かを選択することができます。
IFRS第16号の当社グループに与える影響および移行アプローチについては、現在検討中であります。
2017年6月にIFRIC第23号「法人所得税務処理に関する不確実性」が公表され、当社グループは2019年4月1日までに当解釈指針を適用することが義務付けられています。当解釈指針は、税務当局が不確実な税務処理を認める可能性が高いと考えられる場合には、その税務処理に基づいて税額を算定することを明確化しています。税務処理が認められる可能性が高くないと結論付けた場合には、不確実性の影響を見積り、税額に反映する必要があります。不確実性の評価においては、税務当局が報告金額に関連性のあるすべての情報を把握していることを仮定することが要求されます。当解釈指針の当社グループに与える影響については検討中であります。
上記に加え、以下の基準書の改訂および適用指針が公表されております。
・「投資者とその関連会社又は共同支配企業の間での資産の売却又は拠出(IFRS第10号及びIAS第28号の改訂)」。IASBは当該改訂の発行日の延期を決定しております。
・「株式に基づく報酬取引の分類及び測定(IFRS第2号の改訂)」は2018年1月1日以降に開始する会計年度より適用されます。
・IFRIC第22号「外貨建取引と前渡・前受対価」は2018年1月1日以降に開始する会計年度より適用されます。
・「投資不動産の振替(IAS第40号の改訂)」は2018年1月1日以降に開始する会計年度より適用されます。
これらの基準書の改訂および適用指針について、当社グループの業績、純資産および開示に与える重要な影響はありません。
(7) 会計上の判断、見積りおよび仮定
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額、ならびに偶発資産および偶発負債の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行うことが義務付けられております。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は、継続的に見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間および影響を受ける将来の会計期間に認識されます。
会計方針を適用する過程で行われた判断および見積り、並びに会計上の見積りおよび仮定のうち、連結財務諸表に報告された金額に重大な影響を及ぼすものに関する情報は以下のとおりであります。
・不確実な税務上のポジションに基づく税金の認識および測定(注記7)
・繰延税金資産の回収可能性(注記7)
・有形固定資産、のれんおよび無形資産の減損(注記10、11、12)
・確定給付債務の測定(注記22)
・当社グループの製品販売に伴う割戻および返品に対する見積りを含む引当金の測定(注記23)
・株式報酬に関する評価における仮定(注記28)
・企業結合により取得した資産および引き受けた負債ならびに条件付対価の公正価値の測定(注記31)
・偶発負債の将来の経済的便益の流出の可能性(注記32)
(8) 表示方法の変更
当社グループは、当年度の連結財務諸表および連結財務諸表注記について、より有用な情報を提供することを目的として、表示方法の見直しを行いました。これに伴い、比較情報である前年度の連結財務諸表および連結財務諸表注記についても、本資料において同様の情報を追加して開示するとともに、重要性の低い情報の開示を省略しております。
3 重要な会計方針
(1) 連結の基礎
当連結財務諸表は、当社および当社が直接的または間接的に支配する子会社の財務諸表に基づき作成しております。当社グループ内の重要な債権債務残高および取引は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
当社グループは、企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、企業に対するパワー、すなわち関連性のある活動を指図する現在の能力を用いて、当該リターンに影響を及ぼすことができる場合に、当該企業を支配しております。当社グループが企業を支配しているかどうかの判定に際しては、議決権または類似の権利の状況、契約上の取決めおよびその他の特定の要因が考慮されます。
子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、当社グループの連結財務諸表に含まれております。また子会社の財務諸表は、当社が採用する会計方針との整合性を確保する目的で必要に応じて調整しております。
子会社に対する所有持分の変動で支配の喪失とならないものは、資本取引として会計処理しております。非支配持分の変動額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。子会社に対する支配を喪失した場合、支配喪失後も保持する持分を、支配喪失日現在の公正価値で再測定し、再測定および持分の処分に係る利得または損失を、純損益に認識しております。
(2) 関連会社および共同支配の取決めへの投資
関連会社とは、当社グループがその財務および経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配または共同支配をしていない企業をいいます。関連会社への投資は、持分法を用いて会計処理しており、取得時に取得原価で認識しております。その帳簿価額を増額または減額することで、取得日以降の関連会社の純損益およびその他の包括利益に対する当社グループの持分を認識しております。持分法適用会社との取引から発生した未実現利益は、関連会社に対する当社グループ持分を上限として投資から消去しております。未実現損失は、減損が生じている証拠がない場合に限り、未実現利益と同様の方法で投資から消去しております。
共同支配の取決めとは、複数の当事者が共同支配を有する取決めをいいます。共同支配とは、取決めに対する契約上合意された支配の共有をいい、関連性のある活動に関する意思決定が、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。当社グループは、共同支配の取決めを、当社グループの、その取決めの資産に対する権利または負債に係る義務により、ジョイント・オペレーション(共同支配に参加している投資企業が、関連する資産に対する権利及び負債に対する義務を直接的に有しているもの)と、ジョイント・ベンチャー(事業を各投資企業から独立した事業体が担っており、各投資企業は当該事業体の純資産に対してのみ権利を有するもの)に分類しております。
ジョイント・オペレーションについては、その持分に関連した資産、負債、収益および費用を認識しております。ジョイント・ベンチャーについては、持分法を適用して会計処理しております。各決算日において、当社は、関連会社またはジョイント・ベンチャーに対する投資が減損しているという客観的な証拠があるかどうかを判断します。客観的な証拠がある場合、当社は、関連会社またはジョイント・ベンチャーに対する投資に係る回収可能価額と帳簿価額の差額を減損損失として測定し、純損益に認識しております。
(3) 企業結合
企業結合は、取得法を適用して会計処理をしております。被取得企業における識別可能な資産および負債は取得日の公正価値で測定しております。のれんは、企業結合で移転された対価の公正価値、被取得企業の非支配持分の金額、および取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能な資産および負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定しております。
企業結合で移転された対価は、取得企業が移転した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債および取得企業が発行した資本持分の取得日における公正価値の合計で計算しております。当社グループは非支配持分を公正価値もしくは被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分相当額で測定するかについて、企業結合ごとに選択しております。
特定の企業結合の対価には、開発マイルストンおよび販売目標の達成等の将来の事象を条件とする金額が含まれております。企業結合の対価に含まれる条件付対価は、取得日現在の公正価値で計上しております。一般的に、公正価値は適切な割引率を用いて割り引いたリスク調整後の将来のキャッシュ・フローに基づいております。公正価値は、各報告期間の末日において見直しております。貨幣の時間的価値による変動は「金融費用」として、その他の変動は「その他の営業収益」または「その他の営業費用」としてそれぞれ連結純損益計算書に認識しております。
取得関連費用は発生した期間に費用として処理しております。当社グループと非支配持分との取引から生じる所有持分の変動は、子会社に対する支配の喪失とならない場合には資本取引として会計処理し、のれんの調整は行っておりません。
(4) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートまたはそれに近似するレートで機能通貨に換算しております。決算日における外貨建貨幣性項目は、決算日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の算定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に換算しております。取得原価で測定される外貨建の非貨幣性項目は、当初の取引日の直物為替レートで機能通貨に換算しております。
当該換算および決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定される金融資産、在外営業活動体に対する純投資のヘッジ手段として指定された金融商品およびキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。公正価値で測定される非貨幣性項目の換算から生じる為替差額は、当該項目の公正価値変動から生じる利得または損失の認識と整合する方法で会計処理されます。(すなわち、公正価値の変動から生じる利得または損失がその他の包括利益に認識される場合には、当該項目に係る為替差額はその他の包括利益に、公正価値変動から生じる利得または損失が純損益に認識される場合には、当該項目に係る為替差額は純損益に認識されます。)
② 在外営業活動体
在外営業活動体の財政状態計算書の資産および負債は、その財政状態計算書の日現在の為替レートで、純損益およびその他の包括利益を表示する各計算書の収益および費用は、取引日の為替レートまたはそれに近似するレートで換算しております。
当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体が処分された場合には、当該営業活動体に関連した換算差額の累計額を処分損益の一部として認識しております。
(5) 収益
収益は主に、医薬品販売、知的財産権収益および役務収益で構成されております。
収益は、資産の所有に伴う重要なリスクおよび経済価値が第三者に移転した時点で認識しております。製品販売からの収益は、販売契約書に定められた所有権が顧客に移転する時点、すなわち出荷時または顧客による受領時に認識しています。知的財産権収益および役務収益は、関連する契約の実質に従って発生基準で認識しております。
収益からは、発生した、または発生すると予想される割戻、値引、および返品等を控除しており、その金額は販売契約、公定薬価、および購入機関により異なります。特定の地域においては、当社グループの購入機関との契約および製品販売には、政府による薬価施策の対象となっており、収益の当初認識後に行われる申請によって販売価格が変更されるものがあります。割戻、値引、または返品の見積りに対する引当金は、入手可能な市場情報および過去の経験に基づいて販売時に計上しております。
引当額は見積りに基づくため、実際の発生額を完全に反映していない場合があり、特に、購入機関の種類、最終消費者および製品の売上構成により変動する可能性があります。
割戻および返品の見積計上額は、契約上および法的な義務、過去の動向、実績、および予測される市場状況を考慮し、定期的に見直し、調整しております。市場状況は、卸売業者およびその他の第三者分析、市場調査データおよび内部情報を使用し、評価しております。
将来の事象によって見積りの基礎となった仮定が変化する場合があり、それが当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、補助金が受領されることについて合理的な保証が得られる場合に認識しております。有形固定資産の取得に対する補助金は、繰延収益として計上し、関連する資産の耐用年数にわたって規則的に純損益に認識し、対応する費用から控除しております。発生した費用に対する補助金は、補助金で補償することが意図されている関連コストを費用として認識する期間に純損益として認識し、対応する費用から控除しております。
(7) 広告宣伝費
広告宣伝費は発生時に費用として計上しております。2017年3月期および2018年3月期の広告宣伝費は、それぞれ112,842百万円および115,708百万円であります。
(8) 研究開発費
研究費は発生時に費用として認識しております。内部開発費は、IAS第38号「無形資産」に従って資産の認識要件を満たす場合、通常は主要市場において規制当局に対して提出した申請書が認可される可能性が非常に高いと判断される場合に資産化しております。規制上またはその他の不確実性により資産の認識要件が満たされない場合には、支出を純損益に認識しております。研究開発に使用する有形固定資産は、IFRSに従って資産計上したのち、減価償却しております。
(9) 法人所得税
法人所得税は当期税金と繰延税金との合計額であります。当期税金および繰延税金は、企業結合に関連する法人所得税、および同一または異なる期間に、純損益の外で、すなわちその他包括利益やまたは資本に直接認識される項目に関連する法人所得税を除き、純損益に認識されます。
① 当期税金
当期未払税金および未収税金は当期の課税所得に基づき計上しております。課税所得は、非課税項目、課税控除項目、または税務上異なる会計期間に課税対象または課税控除となる項目を含まないため、会計上の損益とは異なります。当年度および過年度の未払法人所得税および未収法人所得税等は、決算日において施行されている、または実質的に施行されている法定税率および税法を使用し、税務当局に納付または税務当局から還付されると予想される額を、法人所得税に関連する不確実性を合理的に加味した上で算定しております。当社グループの当期税金には、不確実な税務ポジションに関する負債が含まれております。
② 繰延税金
繰延税金は、決算日における資産および負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除および繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識しております。これには、将来の課税所得および事業計画の可能性を評価する必要がありますが、本質的に不確実性を伴います。将来の課税所得の見積りの不確実性は、当社が事業活動を行う経済の変化、市場状況の変化、為替変動の影響、または他の要因により増加する可能性があります。当社グループの繰延税金には、不確実な税務ポジションに関する負債が含まれております。繰延税金負債は、原則として、将来加算一時差異について認識しております。
なお、以下の場合には、繰延税金資産または負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から将来加算一時差異が生じる場合
・企業結合でない取引で、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えない取引における資産または負債の当初認識から一時差異が生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、または当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異に関しては、当社が一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産および負債は、決算日における法定税率または実質的法定税率および税法に基づいて一時差異が解消される時に適用されると予想される税率で算定しております。
繰延税金資産および負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課されている場合、相殺しております。
(10) 1株当たり利益
基本的1株当たり利益は、当社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(11) 有形固定資産
有形固定資産の認識後の測定方法として、原価モデルを採用しております。有形固定資産は取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した価額で表示しております。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体、除去および原状回復費用の当初見積額等が含まれております。土地および建設仮勘定以外の資産の減価償却費は、見積耐用年数にわたり、主として定額法で計上しております。リース資産の減価償却費は、リース期間の終了時までに所有権を取得することに合理的確実性がある場合を除き、リース期間と見積耐用年数のいずれか短い方の期間にわたり定額法で計上しております。これらの資産の減価償却は、使用可能となった時点から開始しております。
主な資産の種類別の耐用年数は以下のとおりであります。
(12) のれん
企業結合から生じたのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。のれんは償却を行わず、予想されるシナジーに基づき資金生成単位または資金生成単位グループに配分し、年次または減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は純損益として認識され、その後の戻入れは行っておりません。
(13) 製品に係る無形資産
当社グループは、製品および化合物の研究開発プロジェクトにおいて、第三者との共同研究開発および導入契約を定期的に締結しています。通常、共同研究開発契約については、契約後の開発マイルストンに応じた支払いが行われます。一方、導入契約については、契約一時金および契約後の開発マイルストンに応じた支払いが行われます。導入契約に係る契約一時金は導入契約の開始時に、開発マイルストンの支払についてはマイルストンの達成時に資産計上しております。
開発中の製品に係る無形資産は使用可能ではないため償却しておりません。これらの無形資産は、年次または減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。無形資産の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失を計上しております。開発段階で失敗、または何らかの理由により開発中止となった製品に係る無形資産は、回収可能価額(通常はゼロ)まで減額しております。
開発中製品の商用化が承認された場合は、その時点で、研究開発中の資産を当該製品に係る無形資産に振り替え、製品の製造販売承認日から見積耐用年数にわたって償却しております。
製品に係る無形資産は、特許が存続する見込期間に基づき、主に3-20年にわたって定額法で償却しております。製品に係る無形資産の償却費は、連結純損益計算書の「製品に係る無形資産償却費及び減損損失」に含まれております。
(14) 無形資産-ソフトウェア
ソフトウェアは取得原価で認識し、見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。ソフトウェアの償却費は、連結純損益計算書の「売上原価」「販売費及び一般管理費」「研究開発費」に含まれております。
(15) リース
リースは、所有に伴うリスクと経済価値を実質的にすべて借手に移転する場合には、ファイナンス・リースとして分類し、ファイナンス・リース以外のリースは、オペレーティング・リースとして分類しております。
借手側
ファイナンス・リースについては、リース期間の起算日においてリース開始日に算定したリース物件の公正価値またはリース開始日に算定した最低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い金額で、連結財政状態計算書に資産および負債として認識しております。
オペレーティング・リースについては、リース料は他の規則的な方法により利用者の便益の時間的パターンがより良く表される場合は別として、リース期間にわたり定額法によって費用として計上しております。
(16) 非金融資産の減損
当社グループでは、決算日現在で、棚卸資産、繰延税金資産、売却目的で保有する資産、退職給付に係る資産を除く非金融資産の減損の兆候の有無を評価しております。
減損の兆候がある場合または年次で減損テストが要求されている場合には、各資産の回収可能価額の算定を行っております。個別資産についての回収可能価額の見積りが不可能な場合には、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額を見積っております。資産または資金生成単位の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額で測定しております。使用価値は、見積った将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定しており、使用する割引率は、貨幣の時間価値、および当該資産に固有のリスクを反映した利率を用いております。
資産または資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額より低い場合にのみ、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、純損益として認識しております。
過年度に減損を認識した、のれん以外の資産または資金生成単位については、決算日において過年度に認識した減損損失の減少または消滅している可能性を示す兆候の有無を評価しております。そのような兆候が存在する場合には、当該資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、回収可能価額が帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却または償却額控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入れは、直ちに純損益として認識しております。
(17) 棚卸資産
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で計上しております。原価は主として総平均法に基づいて算定されており、購入原価、加工費および棚卸資産を現在の場所および状態とするまでに発生したその他の費用が含まれております。正味実現可能価額とは、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価および販売に要する見積費用を控除した額であります。上市前製品の在庫は、規制当局による製品認可の可能性が非常に高い場合に、資産として計上しております。それ以前は、帳簿価額に対して評価損を計上して回収可能価額まで減額しており、認可の可能性が非常に高いと判断された時点で当該評価損を戻し入れております。
(18) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資であります。
(19) 売却目的で保有する資産
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産または処分グループのうち、現況で直ちに売却することが可能で、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約しており、1年以内に売却が完了する予定である資産または処分グループを売却目的保有に分類しております。売却目的保有に分類した資産は、帳簿価額と、売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しております。
売却目的保有に分類した有形固定資産および無形資産の減価償却または償却は中止し、売却目的で保有する資産および負債は、財政状態計算書上において流動項目として他の資産および負債と区分して表示しております。
(20) 退職後給付
当社グループは、退職一時金、年金、および退職後医療給付等の退職後給付制度を運用しております。これらの制度は確定給付制度と確定拠出制度に分類されます。
① 確定給付制度
確定給付債務の現在価値および関連する当期勤務費用ならびに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて個々の制度ごとに算定しております。割引率は、連結会計年度の末日時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。確定給付制度に係る負債または資産は、確定給付債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定しております。制度改定または縮小により生じる確定給付債務の現在価値の変動である過去勤務費用は、当該制度改定または縮小が行われた時点で純損益に認識しております。
確定給付資産または負債の純額の再測定は、発生した期に一括してその他の包括利益で認識し、利益剰余金へ振り替えております。
② 確定拠出制度
確定拠出型の退職後給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期に費用として計上しております。
(21) 引当金
過去の事象の結果として、現在の法的債務または推定的債務が存在し、当該債務を決済するために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しております。当社グループの引当金は主に、売上割戻及び返品調整に関する引当金、ならびに訴訟および事業構造再編に係る引当金で構成されております。
(22) 金融商品
金融商品には、リース関連の金融商品、売上債権、仕入債務、その他の債権および債務、企業結合における条件付対価に関する負債、ならびに特定の会計方針に従って処理される従業員給付制度に基づく権利および義務が含まれております。
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識および測定
金融資産は、契約の当事者となる時点で当初認識し、当初認識時点においてその性質および目的に従って以下に分類しております。
(a) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
売買目的保有金融資産または純損益を通じて公正価値で測定することを指定した金融資産
(b) 貸付金及び債権
支払額が固定または決定可能な非デリバティブ金融資産のうち、活発な市場での取引がないもの
(c) 売却可能金融資産
非デリバティブ金融資産のうち、売却可能金融資産に指定されたもの、または上記(a)(b)のいずれにも分類されないもの
金融資産は、当初認識時点において公正価値で測定し、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産を除 き、取得に直接起因する取引費用を加算して算定しております。
(ⅱ) 事後測定
(a) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は公正価値で測定し、再測定から生じる利得または損失は純損益として認識しております。
(b) 貸付金及び債権
貸付金及び債権は、実効金利法による償却原価から減損損失を控除した金額で測定しております。
利息の認識が重要でない短期の債権を除き、利息収益は実効金利を適用して認識しております。
(c) 売却可能金融資産
売却可能金融資産は、決算日現在の公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる損益はその他の包括利益として認識しております。なお、貨幣性資産に係る外貨換算差額は純損益として認識しております。
売却可能である資本性金融商品に係る配当は、当社グループが支払を受ける権利が確定した期に純損益として認識しております。
(ⅲ) 減損
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産以外の金融資産は、決算日において減損していることを示す客観的証拠が存在するか否かを検討しております。金融資産については、客観的な証拠によって損失事象が当初認識後に発生したことが示されており、かつ、その損失事象が当該金融資産の見積将来キャッシュ・フローにマイナスの影響を及ぼすことが合理的に予測できる場合に減損していると判定しております。
売却可能金融資産については、その公正価値が著しく下落している、または長期にわたり取得原価を下回っていることも、減損の客観的証拠となります。
売上債権のような特定の分類の金融資産は、個別に減損の客観的証拠が存在しない場合でも、さらにグループ単位で減損の評価をしております。
償却原価で計上している金融資産について認識した減損損失の金額は、当該資産の帳簿価額と、見積将来キャッシュ・フローを金融資産の当初の実効金利で割り引いた金融資産の現在価値との差額であります。以後の期間において、減損損失の額が減少したことを示す客観的事象が発生した場合には、減損損失を戻入れ、純損益として認識しております。
売却可能金融資産が減損している場合には、その他の包括利益に認識した累積利得または損失を、その期間の純損益に振り替えております。売却可能な資本性金融商品については、以後の期間において、減損損失の戻入れは認識いたしません。一方、売却可能な負債性金融商品については、以後の期間において、公正価値が増加を示す客観的事実が発生した場合には、当該減損損失を戻入れ、純損益として認識しております。
(ⅳ) 認識の中止
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時、または金融資産を譲渡しほとんどすべてのリスクと経済価値が他の企業に移転した場合にのみ、金融資産の認識を中止しております。
金融資産の認識の中止に際しては、資産の帳簿価額と受取った、または受取可能な対価との差額、およびその他の包括利益に認識した累積利得または損失は純損益として認識しております。
② 金融負債
(ⅰ) 当初認識および測定
金融負債は、当社グループが契約の当事者となる時点で連結財政状態計算書において認識しております。金融負債は、当初認識時点において、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債、社債及び借入金、または債務に分類しております。
金融負債は、当初認識時点において公正価値で測定し、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債を除き、発行に直接帰属する取引費用を減算して算定しております。
(ⅱ) 事後測定
(a) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は公正価値で測定し、再測定から生じる利得または損失は純損益として認識しております。
(b) その他の金融負債(社債及び借入金含む)
その他の金融負債は、主として実効金利法を使用して償却原価で測定しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、または失効となった場合にのみ、金融負債の認識を中止しております。金融負債の認識の中止に際しては、金融負債の帳簿価額と支払われたまたは支払う予定の対価の差額は純損益として認識しております。
③ デリバティブ
為替レートおよび金利の変動等によるリスクに対処するため、先物為替予約、金利スワップおよび通貨スワップ等のデリバティブを契約しております。
なお、当社グループの方針として投機目的のデリバティブ取引は行っておりません。
ヘッジ会計が適用されないデリバティブは、「純損益を通じて公正価値で測定する金融資産」または「純損益を通じて公正価値で測定する金融負債」に分類されます。
④ ヘッジ会計
一部のデリバティブおよび外貨建借入金等の非デリバティブをそれぞれキャッシュ・フロー・ヘッジおよび在外営業活動体に対する純投資のヘッジとして指定し、ヘッジ会計を適用しております。
ヘッジの開始時に、ヘッジを行うための戦略に従い、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係について文書化しております。さらに、ヘッジの開始時およびヘッジ期間中に、ヘッジ手段がヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象のキャッシュ・フローや為替の変動を相殺するのに極めて有効であるかどうかを継続的に評価しております。
(ⅰ) キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定し、かつ適格なデリバティブの公正価値の変動の有効部分はその他の包括利益として認識しております。利得または損失のうち非有効部分は直ちに純損益として認識しております。
その他の包括利益で認識されていた金額は、ヘッジ対象に係るキャッシュ・フローが純損益として認識された期に、連結純損益計算書における認識されたヘッジ対象と同じ項目において純損益に振り替えております。
(ⅱ) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資のヘッジについては、ヘッジ手段に係る利得または損失はその他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の処分時には、その他の包括利益として認識していた累積損益を純損益に振り替えております。
ヘッジ指定を取り消した場合、またはヘッジ手段が消滅、売却、終了または行使となった場合、もしくはヘッジ会計に適格ではなくなった場合には、ヘッジ会計を中止しております。
(23) 株式に基づく報酬
当社グループは、株式報酬制度を導入しております。株式報酬制度として持分決済型と現金決済型を運用しております。
① 持分決済型
持分決済型の株式報酬は、従業員、取締役、および上級幹部の役務に基づいて付与されます。受領した役務およびそれに対応する資本の増加を付与された資本性金融商品の付与日における公正価値で測定し、権利確定期間にわたって費用として計上し、同額を資本の増加として認識しております。
② 現金決済型
現金決済型の株式報酬は、従業員、取締役、および上級幹部の役務に基づいて付与されます。受領した役務および発生した負債は、当該負債の公正価値で測定されます。負債に分類される従業員、取締役、および上級幹部に対する報酬の公正価値は、権利確定期間にわたって費用として計上され、同額を負債の増加として認識しております。
当社グループは、当該負債の公正価値を決算日および決済日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しております。
(24) 資本
① 普通株式
普通株式は、発行価格を資本金および資本剰余金に計上しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、その支払対価を資本の控除項目として認識しております。
自己株式を売却した場合には、帳簿価額と売却時の対価の差額を資本剰余金として認識しております。
4 事業セグメント
当社グループでは、2017年3月期まで「医療用医薬品事業」、「コンシューマーヘルスケア事業」および「その他事業」の3つを事業セグメントおよび報告セグメントとしておりました。当社グループは、2017年4月に「その他事業」の大部分の売上収益および営業利益を占めていた和光純薬工業株式会社を売却しております。また、当社は、2018年3月にShire plcの買収の提案を検討することを発表しております(注記33)。当該事象による影響および医療用医薬品に注力することを踏まえ、当社は事業セグメントの構成およびセグメント報告を見直した結果、最高経営意思決定者であるCEOによる資源配分、業績評価、および将来予測における財務情報の利用方法との整合性を勘案し、当社グループ全体を単一のセグメントといたしました。
その結果、2018年3月期のセグメント報告に変更が生じたことから、IFRSの要求事項に従い2018年3月期の連結財務諸表において、変更前の期間に係る開示情報を修正再表示し、当該開示を省略しております。
当社グループの売上収益の内訳は、以下のとおりであります。
当社グループの顧客に対する売上収益の地域別内訳は、以下のとおりであります。
(注)「その他」には、中東・大洋州・アフリカが含まれております。
当社グループの非流動資産の地域別内訳は、以下のとおりであります。
(注)1 金融商品、繰延税金資産および退職給付に係る資産を含んでおりません。
2 2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月31日の地域別非流動資産の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
主要な顧客に関する情報
売上収益が当社グループ全体の売上収益の10%以上の相手先は、株式会社メディパルホールディングスおよびそのグループ会社であります。当該相手先に対する売上収益は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ265,646百万円、220,249百万円であり、売上債権は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ56,521百万円、49,565百万円であります。
5 その他の営業収益及び費用
(1) その他の営業収益
(2) その他の営業費用
当社グループは、2009年3月期において、将来の事象に応じて条件付対価を受領するという契約条件で、事業を売却しました。対価の一部は将来の事象に連動しております。前年度および当年度における条件付対価の受取は、当該事業の売却によるものであります。
在外営業活動体の清算損は、特定の在外営業活動体を清算した際に生じた累積換算損失を連結純損益計算書上で損失として認識したものであります。
6 金融収益及び費用
(1) 金融収益
(2) 金融費用
7 法人所得税
(1) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は以下のとおりであります。
当期税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれております。これに伴う当期税金費用の減少額は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ1,563百万円および8,005百万円であります。
繰延税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれております。これに伴う繰延税金費用の減少額は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ10,915百万円および2,998百万円であります。
当社グループは主に、法人税、住民税および損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した2017年3月期および2018年3月期における法定実効税率は、それぞれ30.8%および30.8%であります。
各年度の国内の法定実効税率と実際負担税率との調整は以下のとおりであります。
所得税法の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)および地方税法等の一部を改正する等の法律(平成28年法第13号)が2016年3月29日に国会で成立したことに伴い、2017年度3月期において当社および国内子会社が使用する法定実効税率は、従来の33.0%から30.8%に変更されております。
2017年12月22日、米国においてThe Tax Cuts and Jobs Act(税制改革法)が成立いたしました。これを受け、2018年1月1日より、連邦法人税率は35%から21%に引下げられております。当該米国税制改革法の成立に伴い、改正後の税率による繰延税金負債の純額の再評価および繰延税金資産の回収可能性の見直しの結果、当社グループは2018年3月期において27,516百万円の税務便益を認識しております。上記における米国税制改革による影響は、現時点で入手可能な情報に基づいております。今後、法律または米国財務省の動向等を通じ、更なる解釈指針や明確化が入手可能となるに従い、これらの見積りに使用した仮定は変更され、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの実際負担税率は、2017年3月期の19.4%から2018年3月期の14.0%に減少しております。これは主に、(税率変更による影響に含まれる)米国の税制改革法の成立により、2018年3月期において一時的な税務便益が生じたためであり、主に税率の引下げによる当期の繰延税金負債の純額の再評価および米国税制改革に伴い繰越税額控除等に係る繰延税金資産の回収可能性が改善したことに関連しております。なお、これらの影響は(未認識の繰延税金資産および繰延税金負債増減に含まれる)2017年3月期の子会社の減資に伴う税金費用の減少により一部相殺されております。
(2) 繰延税金
連結財政状態計算書上の繰延税金資産および繰延税金負債は以下のとおりであります。
繰延税金資産および繰延税金負債の内訳および増減内容は以下のとおりであります。
(注)主に為替換算調整勘定、売却目的資産および負債への振替による繰延税金資産および負債の増減を示しております。
なお、2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月期の繰延税金資産および繰延税金負債の内訳および増減内容を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異または繰越欠損金の一部または全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される将来加算一時差異の取崩、予測される将来課税所得およびタックスプランニングを考慮しております。なお、認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準および繰延税金資産が認識できる期間における将来課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可能性は高いと判断しております。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金、将来減算一時差異および繰越税額控除は以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金および繰越税額控除の金額と繰越期限は以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない子会社に対する投資に係る一時差異の総額は、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ200,322百万円および140,647百万円であります。
繰延税金負債を認識していない子会社に対する投資に係る一時差異の総額は、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ178,529百万円および157,656百万円であります。
8 1株当たり利益
当社の普通株主に帰属する基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定基礎は以下のとおりであります。
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その会計年度の発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。この計算には自己株式の平均株式数は含まれておりません。希薄化後1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その会計年度の発行済普通株式の加重平均株式数に希薄化効果を有するすべての潜在株式を普通株式に転換する際に発行されるであろう普通株式の加重平均株式数を加算した合計株式数で除して計算しております。
希薄化効果を有しないため、希薄化後1株当たり当期利益の計算に含まれなかったストック・オプション等の潜在的普通株式は、2017年3月31日においては901千株であり、2018年3月31日現在においてはありません。
9 その他の包括利益
その他の包括利益の当期発生額および組替調整額、ならびに税効果の影響は以下のとおりであります。
10 有形固定資産
(1) 種類別取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額
① 取得原価
② 減価償却累計額および減損損失累計額
③ 帳簿価額
2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月期の有形固定資産の「取得原価」、「減価償却累計額および減損損失累計額」、および「帳簿価額」の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
(2) ファイナンス・リースによるリース資産
有形固定資産に含まれている、ファイナンス・リースによるリース資産の帳簿価額は、以下のとおりであります。
(3) 減損損失
連結純損益計算書にて認識している減損損失は、以下のとおりであります。
2017年3月期の減損損失は、主に製造中の製品に関して、製造中止の決定を行った製造設備建設に係る建設仮勘定の減損に関連しております。2018年3月期の減損損失は、主に研究開発体制の変革にかかる戦略に関して、十分に活用できていない建物や構造物等の研究装置の減損に関連しております。
減損した資産の帳簿価額は回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値(売却予定価額等)により測定しており、当該公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3であります。
11 のれん
(1) 取得原価および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額
① 取得原価
② 減損損失累計額
③ 帳簿価額
2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月期におけるのれんの「取得原価」、「減損損失累計額」、および「帳簿価額」の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
(2) のれんの減損テスト
資金生成単位グループに配分された重要なのれんの帳簿価額は以下のとおりであります。
2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月期におけるのれんの「資金生成単位グループに配分された重要なのれんの帳簿価額」の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
のれんの減損損失は、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に認識しております。回収可能価額は、売却コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額であります。使用価値は、経営陣によって承認された3年間の事業計画と適切な成長率および割引率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。
回収可能価額(使用価値)の算定に用いた重要な仮定は以下のとおりであります。
2017年3月期においては、903百万円の減損損失を「その他の営業費用」に計上しております。2018年3月期において認識した減損損失はありません。
使用価値は、各資金生成単位グループの帳簿価額を十分に上回っており、使用価値算定に用いた成長率および割引率について合理的な範囲で変動があった場合にも、重要な減損が発生する可能性は低いと判断しております。
12 無形資産
(1) 種類別取得原価、償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額
① 取得原価
② 償却累計額および減損損失累計額
③ 帳簿価額
各決算日において重要な自己創設無形資産はありません。
製品に係る無形資産の構成は以下のとおりであります。
2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月期の「取得原価」、「償却累計額および減損損失累計額」、「帳簿価額」、および「製品に係る無形資産の構成」の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
上市後製品とは、主に販売可能となった製品に関連するライセンスであります。当社は、ナイコメッド社取得によりパントプラゾールを始めとする製品に係る無形資産を、2017年3月31日および2018年3月31日現在において、それぞれ340,396百万円および318,281百万円保有しております。また、アリアド・ファーマシューティカルズ Inc.取得によりbrigatinib、アイクルシグを始めとする製品に係る無形資産を2017年3月31日および2018年3月31日現在において、それぞれ134,872百万円および204,378百万円保有しております。
なお、2018年3月31日現在、ナイコメッド社取得に関連する無形資産の残存償却年数は4~9年、アリアド・ファーマシューティカルズ Inc.取得に関連する無形資産の残存償却年数は9~13年であります。
研究開発局面にあるものは開発中の製品及び、当社グループのライセンス(導入)契約および共同研究開発契約に関連して獲得した開発中の製品に関する販売ライセンスであります(注記13)。当該無形資産は償却の対象となっておりません。また、アリアド・ファーマシューティカルズInc.取得によりbrigatinibを始めとする製品に係る無形資産を2017年3月31日および2018年3月31日現在において、それぞれ288,189百万円および182,002百万円保有しております。
(2) 減損損失
当社グループの無形資産の減損評価には、見積販売価格およびコスト、規制当局による承認の可能性、想定している市場および当該市場における当社グループのシェア等、回収可能価額の見積りにおいて経営者による重要な判断が必要となります。上市後製品に関連する無形資産の最も重要な仮定は治療領域の製品市場シェアおよび見積価格であり、開発中製品および研究開発局面に関連する無形資産の最も重要な仮定は規制当局による承認の可能性であります。当該仮定の変更は、期中に計上される減損損失の金額に重大な影響を及ぼす可能性があります。例えば、臨床試験が否定的な結果となった場合は、仮定の変更により減損が生じる可能性があり、臨床試験が失敗に終わり開発資産を代替使用できない場合には、開発中製品に関連する無形資産を全額減損処理する可能性があります。
当社グループは、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ44,609百万円および△3,889百万円の減損損失(戻入控除後)を計上しております。これらの損失は、主に連結純損益計算書上の「製品に係る無形資産償却費及び減損損失」に計上されております。
当社グループは、2017年3月期において、競合製品の発売によりコルクリスの予想収益性が低下したことから、16,003百万円の減損損失を計上しております。また、オンコロジー(がん)製品の開発中止により7,889百万円およびワクチン製品の開発中止により3,359百万円の減損損失を計上しております。
当社グループは、2018年3月期において、コルクリスに関連して過去に減損した22,553百万円を、販売実績の向上に伴い戻し入れております。当該戻入は、オンコロジ―(がん)製品の開発中止により計上した10,679百万円およびニューロサイエンス(神経精神疾患)製品の開発中止により計上した1,897百万円の減損損失と相殺されております。
減損損失は帳簿価額から回収可能価額を控除して計算されます。回収可能価額(使用価値)の算定に用いた重要な仮定は以下のとおりであります。
回収可能価額のうち一部は処分コスト控除後の公正価値(売却見込額等)により測定しており、当該公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3であります。
13 共同研究開発契約およびライセンス契約
当社グループは、共同研究開発契約およびライセンス契約を締結しております。
通常、これらの契約では、提携企業の製品または開発中の製品の販売権を獲得し、その対価として、契約締結時の一時金の支払いの他、将来の開発、規制当局からの承認取得、またはコマーシャルマイルストンおよびロイヤルティの支払いに対する義務を負います。これらの契約においては、当社グループおよびライセンシーは、ライセンス製品の開発および販売に積極的に関与しており、晒されるリスクおよび得られる経済的価値はその商業的な成功に依存する場合があります。
これらの共同研究開発契約およびライセンス契約の条件に基づいて、当社グループは、各年度において以下の支払いを行いました。
当社グループは、2018年3月31日現在、ライセンスの対象となっている製品の将来の開発や販売に係る共同研究開発およびライセンス(導入)パートナーの株式取得による企業買収オプションを有しており、当該オプションの行使により最大で約800億円を支払う可能性があります。
(1) 共同研究開発契約およびライセンス(導入)契約
当社グループが締結している重要な共同研究開発契約は以下のとおりであります。
① Mersana Therapeutics(以下、「Mersana社」)
2014年3月、当社グループとMersana社は、抗体薬物複合体(ADC)の開発に関する契約を締結し、2015年1月および2016年2月に両社間における提携を拡大しました。当該契約において、当社グループおよびMersana社は、いくつかの新薬候補物質を特定し、両社間における開発および販売権に関する条件について合意しました。新薬候補物質によって権利の内容は異なりますが、当社グループは、開発権(独占、非独占、およびMersana社主導の開発)および販売権(全世界および特定地域限定)を組み合せた権利を有します。また、契約に基づき、Mersana社に対して、契約一時金、Mersana社への株式投資、将来のマイルストンおよび製品販売に対するロイヤルティの支払いが求められます。
② TESARO, Inc.(以下、「TESARO社」)
2017年7月、当社グループとTESARO社は、TESARO社の有するポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬niraparibについて、独占的開発・販売に関するライセンス契約を締結いたしました。当該契約により、当社グループは、日本におけるniraparibに関する全てのがんに関して、また、韓国、台湾、ロシア、およびオーストラリアにおける前立腺がんを除く全てのがんに関して独占的開発・販売権を有しております。当該契約に基づき、TESARO社は、契約一時金を受領し、今後の承認および販売の成果に応じた追加的なマイルストン支払いを受領する権利を有します。また、同社は売上に応じた二桁台のロイヤルティを受領する権利を有しております。
③ Denali Therapeutics(以下、「Denali社」)
2018年1月、当社グループとDenali社は、3つの神経変性疾患治療薬候補の開発および販売に関して提携契約を締結いたしました。各治療薬候補の開発プログラムは、アルツハイマー病やその他の神経変性疾患に対する遺伝学的に検証されたターゲットを対象にしており、Denali社が有する脳へのバイオ治療薬移行性を高めるAntibody Transport Vehicle(ATV)プラットフォーム技術を用います。当該契約に基づき、当社グループはオプション権およびDenali社の株式購入対価として契約一時金を支払っております。またDenali社は、開発および販売のマイルストン支払いを受領する権利を有しております。Denali社は、新薬治験許可申請前における3つそれぞれのプログラムに対する全ての開発活動およびそれに伴う費用を負担しております。当社グループは、3つのプログラムそれぞれについて共同開発および共同販売のオプション権を有しております。当社グループがオプション権を行使した場合、両社は共同で開発を行い、均等に費用を負担することになります。Denali社は早期臨床開発をリードし、当社グループは後期臨床開発をリードいたします。当社グループとDenali社は米国および中国において共同で販売活動を行い、当社グループはその他全ての市場における独占的販売権を有しております。両社はグローバルにおける利益を均等に分配いたします。
(2) アウトライセンス(導出)契約
当社グループは、さまざまな導出契約を締結し、特定の製品または知的財産権に関するライセンスを付与し、その対価として、パートナーの株式、契約一時金、開発マイルストン、販売マイルストン、ロイヤルティ等を受領しております。
14 持分法で会計処理されている投資
(1) 重要性のある関連会社
武田テバファーマ株式会社(以下「武田テバファーマ」)は、当社とイスラエルに本社をおくTeva Pharmaceutical Industries Ltd.(以下「テバ社」)が設立した合弁会社であります。
当社は、2016年4月1日付で、当社の特許期間および再審査期間が満了した日本における医療用医薬品事業(以下「長期収載品事業」)を会社分割(吸収分割)により武田テバファーマの連結子会社である武田テバ薬品株式会社(以下「武田テバ薬品」)に承継し、対価として武田テバファーマの発行済株式総数の49.0%の株式の交付を受けました。武田テバファーマの残りの株式は、テバ社の子会社が所有しています。なお、承継した長期収載品事業の処分日における帳簿価額は3,755百万円でありました。当社は、武田テバファーマに対して重要な影響力を有していると判断しており、持分法を適用しております。当社グループは、IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」に従って、受領した対価(武田テバファーマの株式)の公正価値と当該事業の帳簿価額との差額のうち、実現した範囲で譲渡益を認識し、49%の譲渡益は繰り延べております。2017年3月期において115,363百万円を事業譲渡益としてその他の営業収益に計上しており、そのうち102,899百万円は承継時点で認識しております。未実現利益は、取得価格の配分過程にて識別した無形資産と同じ15年にわたり償却しております。未実現利益の償却はその他の営業収益に計上しております。
武田テバファーマはジェネリック医薬品事業を営んでおり、長期収載品事業およびジェネリック医薬品事業を営む武田テバ薬品と日本において一体となって事業を行っております。当社は、武田テバ薬品に対して長期収載品の供給を行うことにより製品売上収益を認識するとともに、武田テバファーマおよび武田テバ薬品のジェネリック医薬品も含めた製品を当社がその流通網を通じて医療機関に提供することにより役務収益を認識しております。
武田テバ薬品を含めた武田テバファーマの要約連結財務情報は以下のとおりであります。
2018年3月期において、武田テバ薬品を含めた武田テバファーマの当期損失には、日本における2018年の薬価制度改革や事業環境の変化に伴い計上された減損損失104,753百万円が含まれており、当社グループの持分相当は35,725百万円であります。
2017年3月期において、当社グループが武田テバファーマから受領した配当金はありません。2018年3月期において、当社グループは武田テバファーマから4,159百万円の配当金を受領しております。武田テバファーマが配当を行うには、合弁会社2社の合意が必要であります。
(2) 個々に重要性のない関連会社
個々に重要性のない関連会社に関する財務情報は、以下のとおりであります。
なお、これらの金額は、当社グループの持分比率勘案後のものであります。
個々に重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額は、以下のとおりであります。
15 その他の金融資産
2017年3月31日および2018年3月31日現在、売却可能金融資産には上場会社への投資がそれぞれ155,368百万円および163,030百万円含まれており、注記27で定義されている公正価値ヒエラルキーはレベル1と判断しております。残りの売却可能金融資産は主に、共同研究開発契約の締結に伴い取得した投資に関連しております(注記13)。
拘束性預金は、主に買収予定案件に関連して締結された契約により預託した現金であります。2017年3月31日および2018年3月31日現在の残高には、それぞれUnipharm Inc.からの事業の取得、およびTiGenix NVの買収(注記33)に関連する預託金が含まれております。
16 棚卸資産
2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月31日の棚卸資産の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
費用として計上された棚卸資産の評価損は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ11,621百万円および 10,292百万円であります。
17 売上債権及びその他の債権
18 現金及び現金同等物
19 売却目的で保有する資産または処分グループ
(1) 売却目的で保有する資産
当社グループは、財政状態計算書において特定の資産を売却目的保有に分類しております。非流動資産および処分グループの帳簿価額が主に売却により回収される見込みであり、売却の可能性が非常に高いと考えられる場合に、売却目的保有資産に振り替えております。売却目的保有資産は、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で計上しております。
2017年3月31日現在における売却目的で保有する資産は主に投資不動産であり、経営者による売却の意思決定に基づき売却目的保有に分類したものであります。当該投資不動産の売却目的保有への振替により生じた減損損失はありません。2018年3月期において、当該建物を売却し、16,022百万円をその他の営業収益に計上しております。
2018年3月31日現在における売却目的保有資産は主に建物および構築物であり、2018年3月期に経営者による売却の意思決定に基づき売却目的保有に分類されたものであります。当該建物および構築物の売却目的保有への分類により生じた減損損失はありません。
資産の公正価値は売却目的保有資産が所在する地域における適切な専門家としての資格を有する独立した鑑定人による評価に基づいております。その評価は、当該資産の所在する地域の評価基準に従った類似の資産の取引価格についての市場証拠に基づいたものであります。売却目的で保有する資産の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3であります。
(2) 売却目的で保有する処分グループ
売却目的保有に分類された資産又は処分グループを、帳簿価額と、売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で計上する際に測定される利得又は損失は、その他の営業費用に計上しております。
2017年3月31日現在における売却目的で保有する処分グループは、主に当社の連結子会社である和光純薬工業株式会社に関連する資産および負債のグループであります。2016年12月15日付で、当社は当該子会社を富士フイルム株式会社に売却する契約を締結し、処分グループを売却目的保有に振替しました。当該売却は、当社グループの主要な事業活動との整合が薄れたためであり、処分グループの売却目的保有への分類時点で減損損失は計上しておりません。売却時点において和光純薬工業株式会社の資本の帳簿価額は僅少であり、当社グループは、2018年3月期に和光純薬工業株式会社の株式を売却し、その他の営業収益に株式売却益106,337百万円を計上しております。この売却収入は処分された現金21,782百万円と相殺され、2018年3月期に計上された事業売却による収入85,080百万円の大部分を構成しております。
2018年3月31日現在の売却目的で保有する処分グループは、主に当社の連結子会社であるMultilab Indústria e Comércio de Produtos Farmacêuticos Ltda.,に関連する資産、負債、その他の包括利益のグループであり、売却目的保有に振替されたものであります。当該子会社株式は2019年3月期上半期に売却される予定であります。
当社グループは、2018年3月期において、処分グループを売却目的保有に分類したことにより3,213百万円の損失を計上しております。売却目的保有に分類された資産又は処分グループの公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル2であります。
20 社債及び借入金
(注) 1 「平均利率」については、当年度末残高に対する加重平均利率を記載しております。また、長期借入金の一部については、金利スワップ後の固定金利を適用しております。
2 社債の発行条件の要約は以下のとおりであります。
(※)米ドル建無担保普通社債は、海外市場において発行したものであるため、外貨建ての金額を[付記]しております。また、上記のうち200百万米ドルの当該社債の償還額および利息の支払額については、発行と同時に通貨スワップにより、円貨額を確定させております。
21 その他の金融負債
ファイナンス・リース債務に係る将来の最低リース料の内訳は以下のとおりであります。
ファイナンス・リース債務(非流動)の当年度末残高に対する加重平均利率は 5.0%、ファイナンス・リース債務(流動)の当年度末残高に対する加重平均利率は5.6%であります。
22 従業員給付
(1) 確定給付制度
当社および当社の一部連結子会社では、確定給付制度として、退職一時金、確定給付型年金制度等を採用しております。従業員が退職時、退職後に受け取る給付額は、通常、従業員の年齢、勤続年数、報酬、職位および役務に応じて稼得したポイント等の複数の要因によって算定されております。
当社グループの確定給付債務および制度資産の大半は、当社における確定給付制度によるものです。当社は確定給付型企業年金制度および退職一時金制度を採用しております。
確定給付型年金制度
当社の確定給付型企業年金制度は積立型の確定給付年金制度であり、我が国の年金法の一つである確定給付企業年金法の定めに従い運用されております。従業員の勤続年数および当社への貢献度に応じ、一定期間(通常3年以上)勤務した従業員に給付が支払われます。
当社の年金基金(以下、「基金」という。)は、我が国の年金法に従って、当社から独立した組織として設立されており、当社グループは掛金の拠出が義務付けられております。基金の理事には、法令、法令に基づく厚生労働大臣および地方厚生局長からの通達、基金の規約および代議員会の議決を遵守し、基金のために忠実に業務を遂行する責務が課されております。また、掛金拠出額は法令が認める範囲で定期的に見直され、必要に応じて調整を行っております。
IAS第19号「従業員給付」に従って、確定給付債務の現在価値は、割引率、予定昇給率(給付の増加率)等の様々な数理計算上の仮定に基づき毎年算定されております。確定給付制度に関連して営業費用として計上している勤務費用は、現役加入者が当会計年度において稼得した年金給付から生じる確定給付債務の増加を表しております。当社グループは、投資およびその他の業績上のリスクに晒されており、定期拠出金、予想投資収益、および保有資産からの給付額が十分でないと予想される場合は、追加の拠出金が必要となる場合があります。
当社グループのその他の確定給付型年金制度については、現地の法令に基づき、上記と同様の方法で設立および運営されております。
連結純損益計算書および連結財政状態計算書で認識した金額は以下のとおりであります。
連結純損益計算書
連結財政状態計算書
(注)退職給付に係る資産は、連結財政状態計算書上、「その他の非流動資産」に含まれております。ただし、退職給付に係る資産の前年度の数値には、「売却目的で保有する資産」1,210百万円が含まれております。また退職給付に係る負債の前年度の数値には、「売却目的で保有する資産に直接関連する負債」2,372百万円が含まれております(注記19)。
① 確定給付債務
各会計年度における確定給付債務の現在価値増減の要約は以下のとおりであります。
確定給付債務の加重平均存続期間は、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ14.1年および14.4 年であります。
(ⅱ) 現在価値の算定に用いた重要な数理計算上の仮定
(ⅲ) 感応度分析
重要な数理計算上の仮定が0.5%変動した場合に、退職給付債務の現在価値に与える影響は以下のとおりであります。
② 制度資産
確定給付制度に関する基金は当社グループから独立しておりますが、当社グループからの拠出のみを財源としております。制度資産の運用は、現在または将来の加入者に対する年金給付等の支払を将来にわたり確実に行うため、許容されるリスクのもとで必要とされる総合収益を長期的に確保することを目的としております。また掛金等の収入と給付支出の中長期的な動向とその変動を考慮するとともに、制度資産の投資収益率の不確実性の許容される程度について中長期的な動向ならびに拠出および給付額の変動を考慮し、十分な検討を行うこととしております。この目的、検討を踏まえ、投資対象としてふさわしい資産を選択するとともに、その期待収益率・リスク等を考慮した上で、将来にわたる最適な資産の組み合わせである基本資産配分を策定しております。
(ⅰ) 公正価値の増減
各会計年度における制度資産の公正価値増減の要約は以下のとおりであります。
2019年3月期における、確定給付制度への拠出金額は4,694百万円と予測しております。
(ⅱ) 公正価値の資産種類別内訳
生命保険一般勘定とは、生命保険会社が複数の契約の資金を合同運用する勘定であり、元本および一定の予定利率が保証されています。
(2) 確定拠出制度
当社および一部の連結子会社は確定拠出制度を採用しております。確定拠出制度の給付額は、拠出額、各加入者が選択した投資の運用実績、および加入者が選択した給付金の受給形式に基づいております。これらの制度への拠出は、通常、独立して管理されている基金に対して行われます。これらの制度について、当社グループが支払う拠出金は営業費用として計上しております。当社グループは、確定拠出制度について、投資リスクやその他の業績上のリスクに晒されておりません。
確定拠出制度に関して費用として計上された金額は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ20,897百万円および19,525百万円であります。なお、これらの金額には公的制度への拠出に関して費用として認識した金額を含んでおります。
(3) その他の従業員給付費用
退職給付以外の従業員給付に係る費用のうち主なものは、以下のとおりであります。
上記には解雇給付費用を含んでおりません。
23 引当金
引当金の内訳および増減内容は以下のとおりであります。
引当金のうち流動負債に計上されている金額は、2016年4月1日、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ115,341百万円、135,796百万円、132,781百万円であり、引当金のうち非流動負債に計上されている金額は、2016年4月1日、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ34,421百万円、38,108百万円、28,042百万円であります。
2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月期の引当金の内訳および増減内容の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
事業構造再編に係る引当金
当社グループは、2017年3月期および2018年3月期に、研究開発体制の変革およびその運営体制の効率性の改善に関連して、様々な事業構造再編の取組みを開始しております。これらの取組みには、事業拠点および部門の統廃合および従業員の削減が含まれております。事業構造再編に係る引当金については、従業員への全体計画の伝達を含めて、詳細な公式計画を有した時点で認識しております。当社グループは、その計画の見積りコストに基づき引当金および関連費用を計上しております。見積りコストは、取組みの実施時期および予想される従業員のリテンションを含む様々な仮定に基づいております。計画に基づく最終的なコストおよび支払時期は、実際の再編実施時期および事業再編により影響を受ける従業員の活動により影響を受けます。なお、非流動負債にかかる事業構造再編に係る引当金の支払時期は概ね4年以内と見込んでおります。
各報告年度において計上された事業構造再編に係る費用は以下のとおりであります。
その他の事業構造再編に係るコストは主に契約解除費用に関連するものであります。
売上割戻および返品調整
当社グループは、主に販売した製商品の売上割戻、返品調整等に係る引当金を認識しており、これには米国での医療制度等に関する売上連動リベートを含んでおります。これらの費用は通常1年以内に支払われることが見込まれております。売上割戻および返品調整については、月次で、または金額に重要な変動があった場合に、見直しおよび調整を行っております。
その他
その他の引当金は、主に資産除去債務、契約解除費用および不利な契約に関連するものであります。
24 その他の負債
(注)1 未払費用には、従業員給付に係る未払費用が2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ110,988百万円および108,766百万円含まれております。
2 繰延収益には、有形固定資産の取得に関して受領した政府補助金が、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ26,215百万円および23,937百万円含まれております。このうち主なものは、当社グループの新型インフルエンザワクチンの開発・生産体制整備への投資の一部を補助するものであり、設備への投資額の返還を受けております。この政府補助金は、関連設備の耐用年数にわたって、「売上原価」、「販売費及び一般管理費」、および「研究開発費」に含まれる減価償却費の減額として純損益に認識しております。また、2017年3月31日および2018年3月31日現在の繰延収益には、共同プロモーション手数料の前受金がそれぞれ26,453百万円および21,656百万円含まれております。当該共同プロモーション手数料の前受金は、計画に沿った按分計算により純損益に認識され、販売費および一般管理費と相殺されます。
25 仕入債務及びその他の債務
仕入債務は、当社グループの製造に係る費用に関連しており、未払金は業務に係るその他の費用に関連したものであります。
26 資本及びその他の資本項目
(1) 授権株式数および発行済株式数
(単位:千株)
(注)当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であります。
上記の発行済株式数に含まれる自己株式数は、2016年4月1日、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ6,745千株、9,680千株、13,379千株であります。このうち、株式付与ESOP信託および役員報酬BIP信託が所有する自社の株式数は2018年3月31日現在、13,133千株であり、2018年3月期において6,804千株を取得し、3,116千株を売却しております。
2017年度において、当社は、当社グループ子会社のESOP信託である日本マスタートラスト信託銀行株式会社に対する第三者割当により、新たに3,550千株を発行しております。新株発行により、当社の資本金および資本剰余金は、それぞれ11,388百万円および11,286百万円増加しております。日本マスタートラスト信託銀行株式会社は、株式付与ESOP信託契約の共同受託者であります。当該新株発行は取締役会において決議されております。なお当社は、株式報酬制度に基づく株式交付を目的として本株式をESOP信託口より再取得しており、連結財政状態計算書において自己株式が22,773百万円増加しております。
(2) 配当
なお、配当の効力発生日が翌年度となるものは以下のとおりであります。
27 金融商品
(1) 資本リスク管理
当社グループの資本は、株主資本(注記26)、負債(注記20)および現金(注記18)で構成されております。当社グループは、経営の健全性・効率性を堅持し、持続的な成長を実現するため、安定的な財務基盤を構築および維持することを資本リスク管理の基本方針としております。当該方針に沿い、競争力のある製品の開発・販売を通じて獲得している潤沢な営業キャッシュ・フローを基盤として、事業上の投資、配当等による株主還元、借入返済を実施しております。当社グループは、資本と負債のバランスを考慮しつつ、保守的な財務政策を順守しております。また、当社グループは、中期的なEBITDAに対する純負債の比率が2倍以下になることを目的として資本と負債のバランスを監視しております。
(2) 財務上のリスク管理
① リスク管理方針
当社グループは、事業活動を行う過程において生じる財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っております。当社グループは、主に取引先の信用リスク、流動性リスクおよび市場環境の変動により生じる市場リスク(為替リスク・金利リスク・価格変動リスク)に晒されております。これらのリスクは、当社グループのリスク管理方針に基づきコントロールしております。
② 金融商品の内容およびそのリスク
(ⅰ) 金融資産
(ⅱ) 金融負債
(3) 信用リスク
① 信用リスク管理
当社グループは、営業活動における信用リスク(主に売上債権)、銀行等の金融機関への預金および外国為替取引ならびにその他の金融商品取引を含む財務活動における信用リスクに晒されております。売上債権およびその他の債権は顧客の信用リスクに晒されております。
当社グループは、債権管理に係る社内規程に従い、取引先ごとに期日管理および残高管理を行うとともに、主要な取引先の信用状況を定期的に把握し、回収懸念の早期把握や潜在的な信用リスクの軽減を図っております。さらに必要に応じて、担保・保証などの保全措置も講じております。
当社グループの手元資金につきましては、その大部分を、プーリングを通じて当社および米欧の地域財務管理拠点に集中しております。この資金は、資金運用に係る社内規程に従い、格付の高い短期の銀行預金および債券等に限定し、格付・運用期間などに応じて設定している限度額に基づいて運用しているため、信用リスクは僅少であります。
プーリングの対象としていない資金につきましては、連結子会社において当社の規程に準じた管理を行っております。
デリバティブの利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っております。
決算日現在における、保有する担保の評価額を考慮に入れない場合の最大の信用リスク額は、信用リスクに晒される金融資産の連結財政状態計算書上の帳簿価額としております。
② 期日が経過しているが減損していない金融資産
期日が経過しているが減損していない金融資産の残高は以下のとおりであります。
上表の金額は貸倒引当金を控除しております。過去の支払状況及び顧客の信用リスクを幅広く分析した結果、期日を経過している未減損の額は全額回収可能であると判断しております。
③ 貸倒引当金
貸倒引当金の増減は以下のとおりであります。
(4) 流動性リスク
① 流動性リスク管理
当社グループは流動性リスクを管理しており、当社グループの短期、中期、長期の資金と流動性の管理のための、適切な流動性リスク管理のフレームワークを設定しております。
当社グループは、予算と実際のキャッシュ・フローおよび売却可能金融資産残高を継続的に監視することにより、流動性リスクを管理しております。また、流動性リスクに備えるため、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。
② 金融負債の期日別残高
金融負債の期日別残高は以下のとおりであります。なお、契約上の金額は利息支払額を含んだ割引前のキャッシュ・フローを記載しております。
(単位:百万円)
外貨建ての社債および借入金について、通貨スワップを行いヘッジ会計を適用しております。ヘッジ会計を適用している外貨建社債の契約額は、2017年3月31日においてはゼロであり、2018年3月31日現在においては21,287百万円(200百万米ドル)であります。ヘッジ会計を適用している外貨建借入金の契約額は、2017年3月31日においてはゼロであり、2018年3月31日現在においては98,451百万円(925百万米ドル)であります。
(5) 市場リスク
市場環境が変動するリスクにおいて、当社グループが晒されている主要なものには①為替リスク、②金利リスク、③商品価格変動リスクがあります。市場リスクの影響を受ける金融商品には、貸付金及び借入金、預金、売却可能金融資産ならびにデリバティブ金融商品が含まれております。これらのリスクに対応するため、先物為替予約等のデリバティブ取引を行っております。
なお、当社グループは、取引権限および取引限度額を定めた社内規程に基づき、デリバティブおよびヘッジ取引を行っております。
① 為替リスク
当社グループは、主に事業活動(収益および費用が外貨建ての場合)および当社の在外子会社に対する純投資により、為替変動リスクに晒されております。当社は為替リスクを集約して管理しており、当社グループの子会社は為替レートの変動によるリスクを負っておりません。
為替リスクは、通貨別・月別に想定される売掛金および買掛金のネットポジションに見合うよう先物為替予約等のデリバティブ取引を利用してヘッジしております。
金額的に重要で、かつ、取引が個別に認識できる一部の外貨建取引について、先物為替予約、通貨スワップおよび通貨オプションを利用しております。また、在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクについて、外貨建借入金および社債を利用してヘッジを行っております。
前年度(2017年3月31日)
(注)上記の他に、2017年3月期に在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクの一部をヘッジする目的で米ドル建ての外貨建借入金をヘッジ手段に指定し、純投資のヘッジを適用しております。当該外貨建借入金の公正価値は2017年3月31日現在において97,928百万円であります。
当年度(2018年3月31日)
上記の通貨スワップは、当社がキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定した外貨建社債および借入金に関連するものであります。
上記の他に、2018年3月期に在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクの一部をヘッジする目的で米ドル建ての外貨建借入金および社債をヘッジ手段に指定し、純投資のヘッジを適用しております。当該外貨建借入金および外貨建社債の公正価値は、2018年3月31日現在においてそれぞれ61,200百万円、31,930百万円であります。
当社グループは主に米ドルとユーロの為替リスクに晒されております。
当社グループが決算日現在において保有する金融商品について、円が米ドルおよびユーロに対して5%円安となった場合に、純損益が受ける影響は2017年3月期、2018年3月期においてそれぞれ5,156百万円、12,533百万円であります。
なお、機能通貨建ての金融商品、および在外営業活動体の資産および負債、収益および費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。また、その他の変動要因、特に金利は一定であることを前提としております。上記以外の通貨の為替変動リスクに対する当社のエクスポージャーに重要性はありません。
② 金利リスク
当社グループは、変動利付負債について市場金利の変動リスクに晒されております。
当社グループは、金利変動リスクを抑制するため、金利スワップを実施して支払金利の固定化を図っております。各会計年度末における金利スワップは以下のとおりであります。
当社グループは、上記の金利スワップにキャッシュ・フロー・ヘッジを適用しております。
金利の感応度分析は以下のとおりであります。この分析は、その他の変動要因、特に為替レートは一定であることを前提としております。
変動利付負債は、金利スワップを利用して支払金利の固定化を図っているため、利益に与える影響に重要性はありません。
③ 価格変動リスク
保有している資本性金融商品については、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握することで、金融商品の価格変動リスクを管理しております。
当社グループが、決算日現在において保有する資本性金融商品および資本性金融商品への投資を保有することになる信託への投資について、市場価格が10%上昇した場合には、その他の包括利益(税効果考慮前)が受ける影響は、2017年3月期、2018年3月期においてそれぞれ15,537百万円、16,303百万円であります。なお、その他の変動要因、特に金利と為替レートは一定であることを前提としております。
(6) 財務活動から生じた金融負債の調整表
「その他」には、償却原価法の適用による債務の増加額が含まれております。
(7) 金融商品の公正価値
① 公正価値の算定方法
(ⅰ) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産および金融負債
ヘッジ会計を適用していないデリバティブの公正価値は、市場価格もしくは、評価技法への重要なインプットが観察可能な市場情報に基づいている、取引先金融機関から入手した時価情報によっております。
企業結合による条件付対価は、企業結合における取得日時点の公正価値で測定しております。条件付対価が金融負債の定義を満たす場合は、その後の各報告日において公正価値で再測定しております。公正価値は割引後のキャッシュ・フローを基礎として算定しており、主な仮定として、各業績目標の達成可能性および割引係数が考慮されております。
企業結合による条件付対価の公正価値については、企業結合(注記31)で記載しております。
(ⅱ) 貸付金及び債権
貸付金及び債権については、短期間で決済されるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
(ⅲ) 売却可能金融資産
売却可能金融資産の公正価値は、市場価格もしくは取引先金融機関から入手した時価情報によっております。
(ⅳ) ヘッジ会計を適用しているデリバティブ
ヘッジ会計を適用しているデリバティブの公正価値は、評価技法への重要なインプットが観察可能な市場情報に基づいている、取引先金融機関から入手した時価情報によっております。
(ⅴ) その他の金融負債
社債の公正価値は、取引先金融機関から入手した時価情報によっております。
借入金およびファイナンス・リースの公正価値は、一定の期間ごとに区分した債務ごとに、その将来キャッシュ・フローを信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値によっております。
上記以外の債務については、流動項目は短期間で決済され、また非流動項目は実勢金利であるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
② 公正価値の階層(公正価値ヒエラルキー)
レベル1:活発に取引される市場で公表価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接、または間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
③ 取得原価で計上される金融商品の公正価値
各決算日における、連結財政状態計算書上において公正価値で測定されない金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。
社債、借入金およびファイナンス・リースには、1年内返済および償還予定の残高を含んでおります。なお、社債、借入金およびファイナンス・リースの公正価値のレベルはレベル2であります。
なお、帳簿価額が公正価値に極めて近似している金融商品については、上記の表から除外しております 。
④ 連結財政状態計算書において認識された公正価値の測定
(単位:百万円)
(単位:百万円)
公正価値を信頼性をもって測定できない売却可能金融資産およびデリバティブについては、上記の表から除外しております。これらの資産の帳簿価額は、2017年3月31日および2018年3月31日現在において、それぞれ9,059百万円、8,820百万円であります。これらの資産は主に非上場株式であり、株式市場にて取引が行われていないため、公正価値を信頼性をもって測定することができません。
連結会計年度中に発生した公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各連結会計年度末において生じたものとして認識しております。各報告期間において、レベル1、2および3の間の振替はありません。
企業結合による条件付対価に関するその他の注記については、企業結合(注記31)で記載しております。
28 株式報酬
当社グループは、当社グループの取締役および一部の従業員に対し、株式に基づく報酬制度を採用しております。2017年3月期および2018年3月期において、連結純損益計算書に計上した株式に基づく報酬制度に係る報酬費用の総額は、それぞれ17,414百万円および22,172百万円であります。
(1) 持分決済型株式報酬(ストック・オプション制度)
当社グループは、2014年3月期まで、取締役、コーポレート・オフィサーおよび上級幹部に対するストック・オプション制度を有しておりました。前会計年度および当会計年度において付与されたストック・オプションはありません。また、過去に付与されたストック・オプションはすべて権利が確定しております。当該ストック・オプションは、通常付与日から3年後に権利が確定するものであります。取締役に対するストップ・オプションの権利行使期間は付与日から10年間、コーポレート・オフィサーおよび上級幹部に対するストック・オプションの権利行使期間は付与日から20年間であります。ストック・オプションを行使する者は、行使時において当社の取締役または従業員であることを要します。ただし、任期満了により退任、定年退職またはその他正当な理由により退職した場合はこの限りではありません。
ストック・オプション制度に関して計上された費用は、2017年3月期において63百万円であります。2018年3月期については、ストック・オプションはすべて権利確定済みであるため、計上された報酬費用はありません。
各会計年度におけるストック・オプション数の変動及び加重平均行使価格の要約は以下のとおりであります。
(ⅰ) ストック・オプション数の変動および加重平均行使価格
(ⅱ) ストック・オプションの行使の状況
ストック・オプション行使時の加重平均株価は2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ4,939円および5,965円であります。
未行使のストック・オプションの加重平均行使価格は2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ4,026円、4,054円であり、加重平均残存契約年数はそれぞれ15年、14年であります。
(2) 持分決済型株式報酬(株式付与制度)
当社グループは、当社グループの取締役および上級幹部に対して株式に基づく2つのインセンティブ報酬制度を導入しております。
役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」)
BIP信託とは、当社の取締役を対象とした株式に基づくインセンティブプランであり、当社の取締役に対して報酬(1ポイント=1株)が付与されます。当該BIP信託による報酬のうち、50%については付与日から3年間にわたって3分の1ずつ権利が確定し、残りの50%については、付与日から3年目に権利が確定します。報酬の決済は、株価、外国為替レート(日本国外の場合)、および当社の配当金に基づいて行われます。業績連動型株式報酬(パフォーマンスシェア)については、報酬付与日において設定される連結売上収益、営業フリー・キャッシュ・フロー、1株当たり利益および研究開発に係る目標等の、透明性が高く客観的な目標の達成度に応じて決済が行われます。当社グループは、当社が完全保有している信託を通じて、付与日において市場から当社株式を取得し、その株式を用いて報酬の決済を行っております。個人が受領する株式数(株式現物または株式の換価処分金相当額の金銭)は、業績目標の達成度および権利の確定に基づいております。BIP信託は、日本国内に在住する個人について株式交付により決済を行い、日本国外に在住する個人については、その個人が権利を有する株式の売却による換価相当の金銭を支払うことで決済しております。
株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下「ESOP信託」)
ESOP信託とは、上級幹部を対象とした株式に基づくインセンティブプランであり、従業員に対して報酬(1ポイント=1株)が付与されます。一部の上級幹部については、BIP信託と同様に権利が確定し、それ以外の従業員については権利付与日から3年間にわたって毎年3分の1ずつ権利が確定します。報酬の決済は、株価、外国為替レート(日本国外の場合)、および当社の配当金に基づいて行われます。業績連動型株式報酬(パフォーマンスシェア)については、報酬付与日において設定される連結売上収益、営業フリー・キャッシュ・フロー、1株当たり利益および研究開発に係る目標等の、透明性が高く客観的な目標の達成度に応じて決済が行われます。当社グループは、当社が完全保有している信託を通じて、付与日において市場から当社株式を取得し、その株式を用いて報酬の決済を行っております。個人が受領する株式数(株式現物または株式の換価処分金相当額の金銭)は、業績目標の達成度および権利の確定に基づいております。ESOP信託は、日本国内に在住する個人に対しては株式を交付して決済を行い、日本国外に在住する個人については、その個人が権利を有する株式の売却による換価相当の金銭を支払うことで決済しております。
株式付与制度に関して認識された費用の総額は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ15,322百万円および18,610百万円であります。
付与された報酬ポイントの公正価値は以下のとおりであります。
付与日の公正価値は、付与日の当社株式の株価に近似していると判断されたことから、付与日の株価を使用して算定しております。
各会計年度における株式付与制度における報酬ポイント数の変動は以下のとおりであります。
ポイントの加重平均残存契約年数は、2017年3月31日現在、BIP信託が1年、ESOP信託が1年であり、2018年3月31日現在、BIP信託が1年、ESOP信託が1年であります。
(3) 現金決済型株式報酬
当社グループは、特定の従業員に対して、擬似株式増価受益権(PSAR:Phantom Stock Appreciation Right)および譲渡制限付株式ユニット(RSU:Restricted Stock Unit)を付与しております。これらの株式報酬は、当社株式の価格に連動しており、現金で決済されます。これらの現金決済型の株式報酬に関して計上された費用は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ2,029百万円および3,562百万円であり、連結財政状態計算書に認識された負債は、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ7,350百万円および4,872百万円であります。
① 擬似株式増価受益権(PSAR)
PSAR(PSAR:Phantom Stock Appreciation Right)は、付与日の属する連結会計年度末から3年間にわたって毎年付与数の3分の1ずつ権利が確定します。権利行使期間は、付与日の属する連結会計年度末から10年間であります。株式報酬は、付与日における当社の株価と権利行使日における株価との差額を現金で支払うことで決済されます。
各年度におけるPSARの権利数および加重平均行使価格の変動は以下のとおりであります。
② 譲渡制限付株式ユニット(RSU)
RSU(RSU:Restricted Stock Unit)は、付与日の属する連結会計年度末から3年間にわたって毎年付与数の3分の1ずつ権利が確定し、権利確定時における株価相当額に権利確定期間中の配当金相当額を加味した金額を現金で支払うことにより決済されます。RSUには、権利保有者が支払うべき行使価格はありません。
各年度におけるRSUの権利数の変動は以下のとおりであります。
期末日現在で権利が確定した現金決済型株式報酬制度に関する本源的価値は、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ1,965百万円および2,442百万円であります。
29 子会社および関連会社
2018年3月期において、連結子会社は法人の設立等により3社増加し、和光純薬工業株式会社を含む売却等により20社減少いたしました。また、持分法適用関連会社は法人の新規設立等により3社増加し、売却等により7社減少いたしました。
2018年3月31日時点の当社グループの連結子会社および持分法適用関連会社の内訳は、以下のとおりであります。
(連結子会社(パートナーシップを含む))
(持分法適用関連会社)
30 関連当事者取引
(1) 関連会社との取引
武田テバファーマ株式会社は、当社グループの主要な関連会社の1つであり、当社グループは武田テバファーマ株式会社に対して製品販売および販売代行を行っております。2017年3月期および2018年3月期における当該関連会社との取引額の合計は、それぞれ15,685百万円および18,166百万円であります。債権債務の残高は以下のとおりであります。
関連当事者との取引条件は、市場価格を勘案して一般的取引条件と同様に決定しております。また、上記の債権債務は通常の決済条件と同様、現金によって決済しております。
担保・保証取引の残高は無く、債権に対して貸倒引当金は設定しておりません。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
主要な経営幹部に対する報酬は以下のとおりであります。
31 企業結合
(1) 重要な企業結合
前年度(自2016年4月1日 至2017年3月31日)
アリアド・ファーマシューティカルズ Inc.の取得
当社グループは、米国時間の2017年2月16日付で、がん関連医薬品の研究開発、販売を行うアリアド・ファーマシューティカルズ Inc.(以下「アリアド社」)の議決権付株式の100%を現金を対価とする株式公開買付けにより取得いたしました。
アリアド社は、希少がん患者のための精密治療の発見、開発および販売に従事しています。アリアド社の買収は非常に戦略的であり、固形がん分野への拡大と血液がん分野のさらなる強化によって、当社のグローバルなオンコロジーポートフォリオとパイプラインを変革します。brigatinib(米国製品名「ALUNBRIG」)は、非小細胞肺がんに対する低分子ALK阻害薬であり、本買収後の2017年4月には、米国食品医薬品局(FDA)より、本剤の販売許可を取得しました。慢性骨髄性白血病およびフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病治療剤「アイクルシグ」はグローバルに販売中であります(米国外の一部地域における販売権は導出)。これら2つのターゲットを絞った革新的な治療薬は、コストシナジーも伴い、当社グループのオンコロジー(がん)領域のバリュードライバーとなることが期待されます。また、同社は、力強い早期ステージのパイプラインを有しており、当社グループは同社の研究開発能力や基盤技術を活用します。本買収は、当社の医薬品事業における短期的および長期的な成長に貢献します。
取得した資産、引き受けた負債の公正価値および移転された対価は、以下のとおりであります。
移転された対価は、以下のとおりであります。
のれんは、今後の事業展開により期待される将来の超過収益力を反映したものであります。のれんは、税務上の控除の対象とはなっておりません。
2017年3月期において、取得した資産および引き受けた負債の公正価値について暫定的な会計処理を行っておりましたが、2018年3月期において取得対価の配分が完了しております。上記の取得対価の配分は、暫定的に算定された金額から修正され、公正価値を反映しております。暫定的に算定された金額からの修正に伴い、取得日ののれんは3,198百万円減少しており、その他の負債は2,827百万円増加、無形資産、その他の資産および繰延税金負債はそれぞれ2,853百万円、3,114百万円および11,992百万円減少しております。
当該企業結合により生じた仲介手数料および法務関係の手数料等を含む取得関連費用3,194百万円を、発生時に「販売費及び一般管理費」に計上しております。
2017年3月期の連結純損益計算書で認識している、取得日以降のアリアド社の売上収益、当期損失は軽微であります。また、取得日が2016年4月1日であったと仮定した場合の、2017年3月期の当社グループの売上収益、当期利益に与える影響は軽微であります。
当社グループは、2017年3月期において、アリアド社の取得に加えて他の事業の取得を6,040百万円で行っており、アリアド社の取得との合計の現金支出の純額は589,144百万円であります。
当年度(自2017年4月1日 至2018年3月31日)
28,328百万円を対価とした事業の取得を行っており、その全額を現金により支払っております。
(2) 条件付対価
特定の企業結合の対価には、開発マイルストンおよび販売目標の達成等の将来の事象を条件とする金額が含まれております。各報告日において、企業結合による条件付対価の公正価値は、リスク調整後の将来のキャッシュ・フローを適切な割引率を用いて割り引いた金額に基づいて再測定しております。次に記載のある条件付対価は、主として、2012年6月におけるURLファーマ Inc.(以下「URLファーマ社」)の買収に伴い取得した「コルクリス」(痛風治療剤)に係る事業(以下「コルクリス事業」)の業績に応じて、一定期間支払われるロイヤルティの現在価値であります。なお、コルクリス事業の業績に応じて支払われるロイヤルティについては、支払額の上限がなく、将来の業績見通しに基づき支払見込額を算出しております。
条件付対価の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3であります。なお、公正価値のヒエラルキーについては金融商品(注記27)に記載しております。
① 増減
② 期日別支払予定額(割引前)
③ 感応度分析
条件付対価の公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合に、条件付対価の公正価値に与える影響は以下のとおりです。
32 コミットメントおよび偶発負債
(1) オペレーティング・リース
当社グループは、借手として、主にオフィス、その他の施設および特定のオフィス機器のオペレーティング・リース契約を締結しております。
2017年3月31日および2018年3月31日現在、当初または残存リース期間が1年を超える解約不能オペレーティング・リースに基づく将来の最低支払リース料の支払期日別の内訳は、以下のとおりであります。
解約不能サブリース契約のもとで受け取ると予想される将来の最低サブリース料は、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ12,036百万円および34,482百万円であります。
純損益に認識したオペレーティング・リース契約のリース料および受取サブリース料は、以下のとおりであります。
(2) 購入コミットメント
有形固定資産の取得に関するコミットメントは、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ24,786百万円および14,078百万円であります。
(3) マイルストン支払い
注記13に記載のとおり、当社グループは、2017年3月31日および2018年3月31日現在、無形資産の取得に関して最大でそれぞれ364,907百万円および517,017百万円の支払いを要する契約上の取決めを有しております。当該コミットメントは、開発中のパイプラインに関しては開発マイルストンを、上市した製品に関してはコマーシャルマイルストンの最大支払額を含めております。なお、開発中のパイプラインに関しては、コマーシャルマイルストンの支払条件が達成されるかどうかの不確実性が高いため、上記コミットメント金額にコマーシャルマイルストンは含めておりません。
(4) 債務保証
2017年3月31日および2018年3月31日現在、偶発負債の残高は、それぞれ349百万円および186百万円であります。これらは金融機関との取引に関する債務保証であり、履行可能性が低いため、連結財政状態計算書上において金融負債として認識しておりません。
(5) 訴訟
当社グループは、複数の訴訟および行政手続に当事者として関与しておりますが、最も重要な事案は以下のとおりであります。
当社グループが関与する重要な訴訟等のなかには、それらの最終的な結果により財務上の影響があると見込まれる場合であっても、その額を信頼性をもって見積ることが不可能である場合があります。信頼性のある見積りが不可能な訴訟等については、引当金の計上は行わず以下に適切な情報を開示しております。
以下に記載している訴訟等については、引当金を計上しているものを除き、現段階において当社グループは信頼性をもって財務上の影響額を見積ることは不可能であります。原告側の請求額に関する情報が入手できた場合でも、訴訟等に関する見積りにおいては有用な情報ではないと考えております。これは審理の進行段階、当事者に決定を争う権利があるか否か、ならびに責任、損害の算定および適用される法律といった論点等、複数の要因を考慮する必要があるためです。
訴訟等に関連して発生した法務費用および訴訟等に係る費用は、販売費及び一般管理費に計上しております。法律およびその他の専門家からの適切な助言をもとに、資源が流出する可能性が高く、訴訟の帰結について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を計上しております。一部の製造物責任に係る請求については、過去に請求および和解に関する十分な実績があり、経営者が未請求の損害賠償請求に対する引当金を信頼性をもって見積ることができる場合に、引当金を計上しております。2018年3月31日現在、当社グループの訴訟に係る引当金の合計は23,182百万円であります。
法的請求による最終的な負債の額は、訴訟手続、調査、および和解交渉の帰結によって、引当額と異なる可能性があります。
当社グループの状況は時間の経過とともに変化する可能性があります。したがって、いずれの訴訟等についてもそれらの結果として実際に生じる損失が当連結財務諸表に計上されている引当金の金額を大きく上回ることはないという保証はありません。
製造物責任訴訟および関連する損害賠償請求
規制当局の承認後の製品の使用に係る人体への安全性および有効性を確認するため、製品開発中に前臨床試験および臨床試験が実施されております。しかしながら、医薬品およびワクチンの上市後に、予想されていなかった安全性に関する問題が明らかになる、または第三者からの訴えにより明らかになる場合があります。当社グループは、当社グループの製品に関連して多数の製造物責任訴訟を提起されております。製造物責任訴訟および関連する損害賠償請求について、当社グループは、引当金が計上されている事案を除き、現時点において予想される財務上の影響額を信頼性をもって見積ることはできません。
① アクトス
当社グループは、米国の連邦裁判所および州裁判所において、2型糖尿病治療剤ピオグリタゾンを含有する製剤(米国製品名「アクトス」)に起因する膀胱がんまたはその他の傷病を発症したと主張する原告により提訴されております。また、一時期米国においてアクトスを共同販売していたイーライリリー・アンド・カンパニー(イーライリリー社)も、アクトスに関連する多くの訴訟において被告として提訴されております。当社グループは、両社の共同販促(co-promotion)契約に基づき、米国内の事案についてイーライリリー社を弁護し、補償することに同意しております。また、米国外においても、同様の傷病を主張する人々により訴訟および損害賠償請求が提起されております。
2015年4月、当社グループと原告代理人は、米国内における当社グループおよびイーライリリー社に対する、アクトスに関する係争中の製造物責任訴訟の大多数について和解することで合意に至りました。当該和解は、和解が成立した日において米国の裁判所で係争中の膀胱がんに関する損害賠償請求のすべてを対象としております。また、米国内で未提訴の損害賠償請求者についても、和解が成立した日および和解が成立した日の翌日から3日以内に、代理人を通じて和解プログラムに参加する資格を有しておりました。提訴済みおよび未提訴を併せ損害賠償請求者の95%が和解プログラムに参加したことによって、和解が成立いたしました。当社グループは、この広範な和解プログラムに関連し、和解基金へ24億ドル(約2,880億円)を支払っております。当社グループは、当社グループに対する製造物責任訴訟を補償範囲としている複数の保険契約により、約580億円の保険金を受領しております。当社グループは、未だ係争中のアクトス訴訟および損害賠償請求に関して引当金を計上しております。
上記の未だ係争中の製造物責任訴訟に加え、当社グループは以下の通り消費者および公共または民間の第三者支払人(医療保険会社など患者のため医療費の補填や立替払いをする事業者)から経済損失の賠償を請求する訴訟を提起されております。
全米の消費者および第三者支払人に代わって全員が支払ったアクトスの薬剤費の払い戻しを集団(クラス)として請求するPainters’Fund訴訟が、カリフォルニア州の連邦裁判所において提起されております。2018年4月、裁判所は当該訴訟を棄却しましたが、原告側は控訴しております。
Painters’Fund訴訟と同様のカリフォルニア州での集団(クラス)訴訟が、同州の連邦裁判所に提起されております。
ミシシッピ州およびルイジアナ州は、当社グループおよびイーライリリー社がアクトス服用による膀胱がんおよびその他のリスクに関する警告を怠ったと主張し、両社に対して訴訟を提起しております。当該訴訟においては、州がメディケイド等のプログラムを通じ、患者のために負担したアクトスの薬剤費の払戻し、アクトスに起因する傷病の治療費、弁護士およびその他の費用の補償、並びに懲罰的損害賠償が請求されております。裁判所は、当社グループによるルイジアナ州の請求棄却の申し立てを認めましたが、この判決については控訴されております。
② プレバシド
当社グループは、2018年3月31日現在、米国連邦裁判所および州裁判所において1,100件以上のプレバシドおよび(または)デクスラントに関連した製造物責任訴訟を提起されております。この連邦訴訟について、広域係属訴訟(MDL)制度に係る公判前整理手続がニュージャージー州地区連邦裁判所に統合されております。原告側は、プレバシドまたはデクスラントの使用により腎臓障害を発症し、当社グループが潜在的な危険性についての適切な警告を怠ったと主張しております。しかし、これらの原告のうち、当社グループのプロトンポンプ阻害薬(PPI)を服用した人数は依然として不明であります。アストラゼネカ社、プロクター・アンド・ギャンブル社およびファイザー社等の、プレバシドおよびデクスラントと同じくプロトンポンプ阻害薬クラスに属する製品を製造している他の製薬会社に対して、類似の訴訟が係争中となっております。また、今後の当社グループに対する新たな訴訟件数についても予測できておりません。現時点において、引当金を計上するに足る蓋然性を欠いており、引当金の見積りは不可能であります。
カナダでは、ケベック州、オンタリオ州、およびサスカチェワン州の3つの州において、3件の集団訴訟が提起されております。当該提訴には、当社グループ、アストラゼネカ社、および複数の後発品製薬会社が被告側として含まれております。
知的財産権
知的財産権の侵害訴訟には、当社グループの様々な製品または製法に関する特許権の有効性および法的強制力に対する異議の申し立て、ならびに当該特許権に対する非侵害の主張が含まれております。知的財産権の侵害訴訟に敗訴することにより、対象となった製品に係る特許権の保護の喪失につながる可能性があり、結果として該当製品の売上が大幅に減少し、当社グループの将来の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
① プレバシド
2018年1月、当社グループは、Zydus社から、SoluTabの後発品の申請を修正したという通知を受けました。これに関し、当社グループはZydus社に対する特許侵害訴訟を提起いたしました。それを受けてZydus社は、Zydus社のANDA(簡略新薬申請)の修正を行った製品に対する当社グループの当該訴訟提起は独占禁止法に違反すると主張する反訴を提起しております。当社グループは、当該反訴の法的根拠はないと考えております。
2009年6月、カナダのトロントにおいて、Apotex社は、Apotex社に対する以前の特許侵害訴訟によりApotex社の後発品(ランソプラゾールカプセル)の市場参入が遅れたとして、当社グループとアボット・ラボラトリーズ(アボット社)に対して損害賠償請求訴訟を提起しました。この損害賠償請求訴訟に先立って、アボット社および当社グループは、Apotex社が、カナダにおけるランソプラゾールカプセルの後発品に関連する様々な特許権が満了する前にApotex社の後発品の販売許可を求め、カナダの保健大臣へ承認を申請したことに関し、Apotex社に対する特許侵害訴訟を提起しておりました。
2008年9月、アボット社および当社グループとApotex社は上記特許侵害訴訟について和解し、Apotex社は2009年5月1日よりカナダにおいて当該後発品の販売を開始することが認められました。当該和解条件の中で、Apotex社は、上記侵害訴訟により市場参入が遅れたことに対して損害賠償を請求できる権利を保持しておりました。
② パントプラゾール
2016年1月15日、マイラン社は、当社グループが以前マイラン社に対して請求したPM(NOC)訴訟(カナダ薬事当局による後発品承認の差し止めを求め先発メーカーが提起する訴訟)が棄却されたことを受けて、カナダ連邦裁判所において当社グループに対する損害賠償請求訴訟を提起しました。マイラン社は、2013年6月27日から2015年6月15日の期間において、マイラン社のパントプラゾール・マグネシウム後発品を販売できなかったとして損害賠償請求をしておりました。2018年5月に両当事者間において和解が成立しております。
③ アミティーザ
Sucampo社(当社グループのライセンサー)は、2017年3月にAmneal Pharmaceuticals社から、2017年8月にテバ社から、アミティーザに対するParagraph IV証明を受領しました。当該両当事者は、FDAのオレンジブックに掲載されているアミティーザの特許は無効であること、また彼らのANDA製品による特許侵害はないことを主張しました。これに関し、Sucampo社および当社グループは、当該両当事者に対する特許侵害訴訟を提起しました。アミティーザに対してそれ以前にANDAの提出を行っていたその他の後発医薬品製薬会社に対する特許侵害訴訟については、既に和解が成立しております。
④ トリンテリックス
当社グループは、トリンテリックスの後発品の販売を求める後発医薬品製薬会社16社から、Paragraph IV証明を添付してANDAを提出したとの通知を受領しました。その中で、現時点において、少なくとも後発医薬品製薬会社4社が、2026年に特許期間が満了するトリンテリックスの化合物(有効成分)であるvortioxetineをカバーする特許の無効を申し立てております。当社グループは、デラウェア州の連邦裁判所においてANDAを提出した当事者に対する特許侵害訴訟を提起しております。
⑤ Entyvio
ロシュ社は、Entyvioがロシュ社のドイツにおける特許を侵害しているとして、当社グループに対する特許侵害訴訟をドイツで提起しております。当社グループは、当該訴訟に対して徹底的な対抗措置をとっております。また、当社グループは、英国において同国内でのロシュ社の特許の無効を主張する訴訟を提起しております。さらに、当社グループは、デラウェア州裁判所において、当社グループとジェネンテック社間の従前の合意により、ロシュ社の特許のライセンスを当社グループが取得していることを主張する訴訟をジェネンテック社に対して提起しております。
⑥ その他
上記の個別の特許訴訟に加えて、当社グループは、他の製薬企業が当社グループの他の医薬品の後発品を販売する目的でParagraph IV証明を添付してANDAの提出を行った旨の通知を受領し、多数の訴訟事案の当事者となっております。これらの事案には、ColcrysおよびAlogliptinといった製品が含まれます。当社グループは、このような事例に関与する当事者に対して特許侵害訴訟を提起しております。
販売・営業および規制
当社グループは、当社グループの製品および営業活動に関連する訴訟に関与しており、その中で最も重要なものは以下のとおりであります。
① 反トラスト
ニューヨーク州連邦裁判所において、当社グループおよび複数の後発品会社に対して、アクトス後発品の市場参入を阻害する反競争的行為があると主張する最終消費者および卸売業者による集団訴訟が提起されました。2015年9月、裁判所は、最終消費者が主張する反トラストの訴えに係る被告側からの請求棄却の申し立てを認めましたが、これに対し最終消費者は、連邦第二巡回控訴裁判所に控訴しました。卸売業者による訴訟は、最終消費者の訴訟に関する控訴審判決が出るまで保留されておりました。2017年2月、控訴裁判所は、最終消費者の訴えの棄却を部分的に取り消し、原告側の反トラストに関する見解の1つについて第一審裁判所において審理を進めることを認めました。具体的には、控訴裁判所は、FDAのオレンジブックに掲載されている当社グループの2件の特許に関する分類が誤っており、そのためにテバ社のアクトス後発品の発売が遅れたという原告の主張は妥当であると判断しました。当社グループは、係る主張に同意しておらず、オレンジブックの記載は正確であったと確信しております。一方で、控訴裁判所は、第一審裁判所によるその他の反トラストに関する訴えの棄却については支持する見解を示しました。最終消費者による訴えは、卸売業者の訴えと共に、第一審裁判所で審理が進められておりますが、当社グループは残りの訴えについて棄却の申し立てをしております。
② 患者支援プログラムに関する調査
2017年3月期に当社グループが買収したアリアド社は、買収に先立つ2016年11月、米国司法省ボストン地方検事局から、召喚状が発行され(subpoena)、2010年1月から現在に至るまでの間のアリアド社がMedicareプログラム上の患者の自己負担にかかる財政支援を行う非営利団体(501(c)(3) co-payment foundations)に行った寄付、Medicare受益者向け財務支援プログラムおよび無償薬剤提供プログラム、ならびに上記の非営利団体と特定薬局、拠点または医療プログラムサービス提供機関との間の関係に関する情報の提出を求められております。アリアド社は当該調査に協力しております。
33 後発事象
(1) Shire plcの買収について
当社は、Shire plc(以下、「Shire社」)との間で、2018年5月8日、当社がShire社の発行済普通株式及び発行予定普通株式の全てを取得する取引(以下、「本件買収」)に関する提案について合意しました。
Shire社は、希少疾患及びその他の高度な専門性を要する疾病向けの製品に注力しているグローバルなバイオテクノロジー分野のリーディングカンパニーです。
本件買収においては、Shire社株主は、Shire社の株式1株に対し、30.33米ドル及び当社新株式0.839株又は当社のADS(米国預託株式)1.678株のいずれかを対価として受領します。2018年4月23日(Shire取締役が原則として本件買収の対価を推奨する意図がある旨の公表を行った日の前日)における当社株式の終値4,923円並びに為替レート1ポンド151.51円及び1ポンド1.3945米ドルに基いて計算する場合、予想される買収対価総額は、約460億ポンド(為替レート1ポンド151.51円で換算すると、約6兆9,600億円)になります。また、本件買収完了直後に、Shire社株主は、当社とShire社の結合後のグループの約50%を所有する予定です。本件買収は、ジャージー管区の裁判所の認可、Shire社及び当社双方の株主の承認並びにその他の関連する規制当局の許可を受けること等を条件としており、2019年前半に完了することが予定されています。
当社は、一定の条件において、本件買収が完了しない場合には、英国の企業買収・合併に関するシティ・コード(the City Code on Takeovers and Mergers)に従い当社が行った、本件買収に関する確定的な提案についての2018年5月8日付けの公表文に記載の基準により算出される、買収対価総額の1%から2%の間の割合(事由により適用される割合が定まります)に相当する額のブレイクフィーを、Shire社に支払う必要があります。
さらに、当社は、本件買収に必要な資金を調達するため、2018年5月8日、総借入限度額308.5億米ドルの “364-Day Bridge Credit Agreement”(以下「ブリッジクレジット契約」)を締結しました。ブリッジクレジット契約に基づき調達する資金は、今後、他の資金により減額又は借換えが行われる予定です。当社は、2018年6月8日、本件買収に必要な資金の一部を調達するため、総借入限度額75億米ドルの “Term Loan Credit Agreement”(以下「タームローンクレジット契約」)を締結しました。タームローンクレジット契約を締結したことに伴い、ブリッジクレジット契約の総借入限度額は75億米ドル分減少いたします。
(2) 広東テックプール・バイオファーマCo., Ltd.株式の譲渡について
当社グループが保有する広東テックプール・バイオファーマCo., Ltd.(以下「テックプール社」)の51.34%分の株式について、当社グループはその全てを約280百万米ドル(約300億円) で譲渡する契約を2018年5月21日に締結しました。テックプール社は、尿タンパク由来のバイオ医薬品の研究、創薬、販売、および救命救急領域のバイオ医薬品の生産におけるリーディングカンパニーです。なお、本契約は、中国の国家市場監督管理総局による認可を条件としております。
(3) TiGenix NVの買収について
当社は、2018年4月30日に、当社グループが未だ保有していないTiGenix NV (以下、「タイジェニクス社」)の全ての発行済普通株式、新株予約権および米国預託株式(以下、普通株式、新株予約権および米国預託株式を総称して「有価証券」)の現金による任意の株式公開買付けを開始しました。2018年6月8日、当該第1回目の株式公開買付けに申込みがなされた有価証券を470.2百万ユーロ(約639億円)で取得し、当社グループが公開買付け前から保有するタイジェニクス社の普通株式と合わせて、90.83%の議決権を取得しました。
タイジェニクス社は、重篤な疾患に対して幹細胞を用いた新たな治療薬の開発を行うバイオ医薬品企業です。本買収により、非活動期又は軽度活動期のクローン病(CD)に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬として治験実施中の、同種異系の脂肪由来幹細胞(eASC)の懸濁液であるCx601(一般名:darvadstrocel)に関する米国における権利が得られ、当社グループの開発後期にある消化器系疾患(GI)パイプラインが拡充されることになります。
当社グループがタイジェニクス社の取得日直前に保有していた同社の普通株式の取得日公正価値は20.7百万ユーロ(1株当たり1.78ユーロ)であります。
当社は、ベルギーにおける法規制に基づき、最初の公開買付けに申し込まなかった有価証券の保有者のために、第2回目の公開買付け期間を設けることが義務付けられており、第2回目の公開買付けは、その期間が延長されない限り、2018年7月3日に終了する予定です。
当該買収が実行された時期に起因し、財務諸表の発行が承認される時点で企業結合の当初の会計処理が完了していないため、取得した資産および引き受けた負債の公正価値を開示しておりません。
武田薬品工業株式会社(以下、当社)は日本に所在する上場企業であります。
当社および当社の子会社(以下、当社グループ)は、グローバルな製薬企業グループであり、医薬品、一般用医薬品(OTC薬品)および医薬部外品、ならびにその他のヘルスケア製品の研究開発、製造、および販売に従事しております。当社グループの主要な医薬品には、消化器系疾患領域、オンコロジー(がん)領域、およびニューロサイエンス(神経精神疾患)領域の医薬品が含まれています。
2 作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は連結財務諸表規則第1条の2に規定する「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、連結財務諸表規則第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2) 財務諸表の承認
当社グループの連結財務諸表は、2018年6月28日に代表取締役社長CEO クリストフ ウェバーおよびコーポレート・オフィサーCFO コスタ サルウコスによって承認されております。
(3) 測定の基礎
連結財務諸表は、投資、デリバティブおよび条件付対価等の公正価値で測定される特定の資産および負債を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(4) 機能通貨および表示通貨
当社グループの連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に記載のない限り、百万円未満を四捨五入して表示しております。
(5) 適用された新たな基準書および解釈指針
当年度より、当社グループは、未実現損失に係る繰延税金資産の認識に関する要求事項を定めたIAS第12号「法人所得税」(改訂)を適用しております。また、財務活動に係る負債の変動に関する追加的な開示要求を定めた開示イニシアティブ(IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」の改訂)についても適用しております。当該基準書の適用による連結財務諸表への重要な影響はありません。
(6) 未適用の新たな基準書および解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書の新設または改訂は次のとおりであります。これらの基準書の新設または改訂は未発効であり、当年度において当社グループはこれらを早期適用しておりません。
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下、「IFRS第15号」という。)が2014年5月に公表され、当社グループは2018年4月1日に適用を開始しております。IFRS第15号は、顧客とのあらゆる契約から生じる収益の認識について、原則に基づく単一のアプローチを定めております。IFRS第15号は契約上の履行義務の識別に重点を置いており、履行義務が充足された時点で、または充足されるにつれて、収益を認識することを要求しています。またIFRS第15号は収益の開示要求も改訂しています。IFRS第15号について、財の販売から生じる収益および割戻ならびに返品に係る引当金の認識額または認識時期に及ぼす影響に重要性はないと判断しております。さらに、知的財産権収益および役務収益について、IAS第18号に基づく当社グループの現行の会計処理には契約に基づく履行義務の分析が含まれており、契約一時金の収益認識には、実質的な権利の移転(例えば、当社グループの知的財産を使用するためのライセンス付与)および他の履行義務への適切な収益配分が要求されております。IFRS第15号においては配分の基礎が異なりますが、新基準の適用が当社グループの配分方法に及ぼす影響に重要性はありません。当社グループは2018年度よりIFRS第15号の適用を開始し、修正遡及アプローチを使用して2018年4月1日現在の資本に対して累積的影響額を調整しますが、その調整額に重要性はありません。修正遡及アプローチを適用する場合のIFRS第15号の要求事項に従い、過年度実績の修正再表示は行いません。当社グループは、IFRS第15号の適用により、財務諸表において収益認識に関する追加的な開示を行います。
2014年7月にIFRS第9号「金融商品」(以下、「IFRS第9号」という。)の基準の最終確定が行われ、当社グループは2018年4月1日より適用を開始しております。IFRS第9号は、IAS第39号の要求事項を大幅に置き換え、金融資産および金融負債の分類、測定、および認識の中止を規定しております。また、発生損失ではなく予想損失に基づく金融資産の新たな減損モデルならびに新たなヘッジ会計モデルを導入しています。当社グループへの主たる影響は、適用開始日である2018年4月1日において特定の売却可能金融商品を公正価値で再測定することであります。この結果、利益剰余金が約140億円、その他の資本の構成要素が約100億円増加することを見込んでおります。
2016年1月にIFRS第16号「リース」(以下、「IFRS第16号」という。)が公表され、当社グループは2019年4月1日までに新リース基準を適用することが義務付けられています。当基準は、IAS第17号「リース」を置き換えるものであり、ほとんどすべてのリースについてリース負債および使用権資産を財政状態計算書上で認識することを要求しております。これにより、認識された資産および負債の両方が大幅に増加すると予想されます。現在、売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費、その他の営業費用に計上されているオペレーティング・リースに係る費用のうち、財務的要素は金融費用として報告されることとなります。借手側の会計処理は、各報告期間を修正する方法(遡及アプローチ)か遡及修正による累積的影響額を適用日時点で認識する方法(修正遡及アプローチ)かを選択することができます。
IFRS第16号の当社グループに与える影響および移行アプローチについては、現在検討中であります。
2017年6月にIFRIC第23号「法人所得税務処理に関する不確実性」が公表され、当社グループは2019年4月1日までに当解釈指針を適用することが義務付けられています。当解釈指針は、税務当局が不確実な税務処理を認める可能性が高いと考えられる場合には、その税務処理に基づいて税額を算定することを明確化しています。税務処理が認められる可能性が高くないと結論付けた場合には、不確実性の影響を見積り、税額に反映する必要があります。不確実性の評価においては、税務当局が報告金額に関連性のあるすべての情報を把握していることを仮定することが要求されます。当解釈指針の当社グループに与える影響については検討中であります。
上記に加え、以下の基準書の改訂および適用指針が公表されております。
・「投資者とその関連会社又は共同支配企業の間での資産の売却又は拠出(IFRS第10号及びIAS第28号の改訂)」。IASBは当該改訂の発行日の延期を決定しております。
・「株式に基づく報酬取引の分類及び測定(IFRS第2号の改訂)」は2018年1月1日以降に開始する会計年度より適用されます。
・IFRIC第22号「外貨建取引と前渡・前受対価」は2018年1月1日以降に開始する会計年度より適用されます。
・「投資不動産の振替(IAS第40号の改訂)」は2018年1月1日以降に開始する会計年度より適用されます。
これらの基準書の改訂および適用指針について、当社グループの業績、純資産および開示に与える重要な影響はありません。
(7) 会計上の判断、見積りおよび仮定
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額、ならびに偶発資産および偶発負債の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行うことが義務付けられております。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は、継続的に見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間および影響を受ける将来の会計期間に認識されます。
会計方針を適用する過程で行われた判断および見積り、並びに会計上の見積りおよび仮定のうち、連結財務諸表に報告された金額に重大な影響を及ぼすものに関する情報は以下のとおりであります。
・不確実な税務上のポジションに基づく税金の認識および測定(注記7)
・繰延税金資産の回収可能性(注記7)
・有形固定資産、のれんおよび無形資産の減損(注記10、11、12)
・確定給付債務の測定(注記22)
・当社グループの製品販売に伴う割戻および返品に対する見積りを含む引当金の測定(注記23)
・株式報酬に関する評価における仮定(注記28)
・企業結合により取得した資産および引き受けた負債ならびに条件付対価の公正価値の測定(注記31)
・偶発負債の将来の経済的便益の流出の可能性(注記32)
(8) 表示方法の変更
当社グループは、当年度の連結財務諸表および連結財務諸表注記について、より有用な情報を提供することを目的として、表示方法の見直しを行いました。これに伴い、比較情報である前年度の連結財務諸表および連結財務諸表注記についても、本資料において同様の情報を追加して開示するとともに、重要性の低い情報の開示を省略しております。
3 重要な会計方針
(1) 連結の基礎
当連結財務諸表は、当社および当社が直接的または間接的に支配する子会社の財務諸表に基づき作成しております。当社グループ内の重要な債権債務残高および取引は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
当社グループは、企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、企業に対するパワー、すなわち関連性のある活動を指図する現在の能力を用いて、当該リターンに影響を及ぼすことができる場合に、当該企業を支配しております。当社グループが企業を支配しているかどうかの判定に際しては、議決権または類似の権利の状況、契約上の取決めおよびその他の特定の要因が考慮されます。
子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、当社グループの連結財務諸表に含まれております。また子会社の財務諸表は、当社が採用する会計方針との整合性を確保する目的で必要に応じて調整しております。
子会社に対する所有持分の変動で支配の喪失とならないものは、資本取引として会計処理しております。非支配持分の変動額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。子会社に対する支配を喪失した場合、支配喪失後も保持する持分を、支配喪失日現在の公正価値で再測定し、再測定および持分の処分に係る利得または損失を、純損益に認識しております。
(2) 関連会社および共同支配の取決めへの投資
関連会社とは、当社グループがその財務および経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配または共同支配をしていない企業をいいます。関連会社への投資は、持分法を用いて会計処理しており、取得時に取得原価で認識しております。その帳簿価額を増額または減額することで、取得日以降の関連会社の純損益およびその他の包括利益に対する当社グループの持分を認識しております。持分法適用会社との取引から発生した未実現利益は、関連会社に対する当社グループ持分を上限として投資から消去しております。未実現損失は、減損が生じている証拠がない場合に限り、未実現利益と同様の方法で投資から消去しております。
共同支配の取決めとは、複数の当事者が共同支配を有する取決めをいいます。共同支配とは、取決めに対する契約上合意された支配の共有をいい、関連性のある活動に関する意思決定が、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。当社グループは、共同支配の取決めを、当社グループの、その取決めの資産に対する権利または負債に係る義務により、ジョイント・オペレーション(共同支配に参加している投資企業が、関連する資産に対する権利及び負債に対する義務を直接的に有しているもの)と、ジョイント・ベンチャー(事業を各投資企業から独立した事業体が担っており、各投資企業は当該事業体の純資産に対してのみ権利を有するもの)に分類しております。
ジョイント・オペレーションについては、その持分に関連した資産、負債、収益および費用を認識しております。ジョイント・ベンチャーについては、持分法を適用して会計処理しております。各決算日において、当社は、関連会社またはジョイント・ベンチャーに対する投資が減損しているという客観的な証拠があるかどうかを判断します。客観的な証拠がある場合、当社は、関連会社またはジョイント・ベンチャーに対する投資に係る回収可能価額と帳簿価額の差額を減損損失として測定し、純損益に認識しております。
(3) 企業結合
企業結合は、取得法を適用して会計処理をしております。被取得企業における識別可能な資産および負債は取得日の公正価値で測定しております。のれんは、企業結合で移転された対価の公正価値、被取得企業の非支配持分の金額、および取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能な資産および負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定しております。
企業結合で移転された対価は、取得企業が移転した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債および取得企業が発行した資本持分の取得日における公正価値の合計で計算しております。当社グループは非支配持分を公正価値もしくは被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分相当額で測定するかについて、企業結合ごとに選択しております。
特定の企業結合の対価には、開発マイルストンおよび販売目標の達成等の将来の事象を条件とする金額が含まれております。企業結合の対価に含まれる条件付対価は、取得日現在の公正価値で計上しております。一般的に、公正価値は適切な割引率を用いて割り引いたリスク調整後の将来のキャッシュ・フローに基づいております。公正価値は、各報告期間の末日において見直しております。貨幣の時間的価値による変動は「金融費用」として、その他の変動は「その他の営業収益」または「その他の営業費用」としてそれぞれ連結純損益計算書に認識しております。
取得関連費用は発生した期間に費用として処理しております。当社グループと非支配持分との取引から生じる所有持分の変動は、子会社に対する支配の喪失とならない場合には資本取引として会計処理し、のれんの調整は行っておりません。
(4) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートまたはそれに近似するレートで機能通貨に換算しております。決算日における外貨建貨幣性項目は、決算日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の算定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に換算しております。取得原価で測定される外貨建の非貨幣性項目は、当初の取引日の直物為替レートで機能通貨に換算しております。
当該換算および決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定される金融資産、在外営業活動体に対する純投資のヘッジ手段として指定された金融商品およびキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。公正価値で測定される非貨幣性項目の換算から生じる為替差額は、当該項目の公正価値変動から生じる利得または損失の認識と整合する方法で会計処理されます。(すなわち、公正価値の変動から生じる利得または損失がその他の包括利益に認識される場合には、当該項目に係る為替差額はその他の包括利益に、公正価値変動から生じる利得または損失が純損益に認識される場合には、当該項目に係る為替差額は純損益に認識されます。)
② 在外営業活動体
在外営業活動体の財政状態計算書の資産および負債は、その財政状態計算書の日現在の為替レートで、純損益およびその他の包括利益を表示する各計算書の収益および費用は、取引日の為替レートまたはそれに近似するレートで換算しております。
当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体が処分された場合には、当該営業活動体に関連した換算差額の累計額を処分損益の一部として認識しております。
(5) 収益
収益は主に、医薬品販売、知的財産権収益および役務収益で構成されております。
収益は、資産の所有に伴う重要なリスクおよび経済価値が第三者に移転した時点で認識しております。製品販売からの収益は、販売契約書に定められた所有権が顧客に移転する時点、すなわち出荷時または顧客による受領時に認識しています。知的財産権収益および役務収益は、関連する契約の実質に従って発生基準で認識しております。
収益からは、発生した、または発生すると予想される割戻、値引、および返品等を控除しており、その金額は販売契約、公定薬価、および購入機関により異なります。特定の地域においては、当社グループの購入機関との契約および製品販売には、政府による薬価施策の対象となっており、収益の当初認識後に行われる申請によって販売価格が変更されるものがあります。割戻、値引、または返品の見積りに対する引当金は、入手可能な市場情報および過去の経験に基づいて販売時に計上しております。
引当額は見積りに基づくため、実際の発生額を完全に反映していない場合があり、特に、購入機関の種類、最終消費者および製品の売上構成により変動する可能性があります。
割戻および返品の見積計上額は、契約上および法的な義務、過去の動向、実績、および予測される市場状況を考慮し、定期的に見直し、調整しております。市場状況は、卸売業者およびその他の第三者分析、市場調査データおよび内部情報を使用し、評価しております。
将来の事象によって見積りの基礎となった仮定が変化する場合があり、それが当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、補助金が受領されることについて合理的な保証が得られる場合に認識しております。有形固定資産の取得に対する補助金は、繰延収益として計上し、関連する資産の耐用年数にわたって規則的に純損益に認識し、対応する費用から控除しております。発生した費用に対する補助金は、補助金で補償することが意図されている関連コストを費用として認識する期間に純損益として認識し、対応する費用から控除しております。
(7) 広告宣伝費
広告宣伝費は発生時に費用として計上しております。2017年3月期および2018年3月期の広告宣伝費は、それぞれ112,842百万円および115,708百万円であります。
(8) 研究開発費
研究費は発生時に費用として認識しております。内部開発費は、IAS第38号「無形資産」に従って資産の認識要件を満たす場合、通常は主要市場において規制当局に対して提出した申請書が認可される可能性が非常に高いと判断される場合に資産化しております。規制上またはその他の不確実性により資産の認識要件が満たされない場合には、支出を純損益に認識しております。研究開発に使用する有形固定資産は、IFRSに従って資産計上したのち、減価償却しております。
(9) 法人所得税
法人所得税は当期税金と繰延税金との合計額であります。当期税金および繰延税金は、企業結合に関連する法人所得税、および同一または異なる期間に、純損益の外で、すなわちその他包括利益やまたは資本に直接認識される項目に関連する法人所得税を除き、純損益に認識されます。
① 当期税金
当期未払税金および未収税金は当期の課税所得に基づき計上しております。課税所得は、非課税項目、課税控除項目、または税務上異なる会計期間に課税対象または課税控除となる項目を含まないため、会計上の損益とは異なります。当年度および過年度の未払法人所得税および未収法人所得税等は、決算日において施行されている、または実質的に施行されている法定税率および税法を使用し、税務当局に納付または税務当局から還付されると予想される額を、法人所得税に関連する不確実性を合理的に加味した上で算定しております。当社グループの当期税金には、不確実な税務ポジションに関する負債が含まれております。
② 繰延税金
繰延税金は、決算日における資産および負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除および繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識しております。これには、将来の課税所得および事業計画の可能性を評価する必要がありますが、本質的に不確実性を伴います。将来の課税所得の見積りの不確実性は、当社が事業活動を行う経済の変化、市場状況の変化、為替変動の影響、または他の要因により増加する可能性があります。当社グループの繰延税金には、不確実な税務ポジションに関する負債が含まれております。繰延税金負債は、原則として、将来加算一時差異について認識しております。
なお、以下の場合には、繰延税金資産または負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から将来加算一時差異が生じる場合
・企業結合でない取引で、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えない取引における資産または負債の当初認識から一時差異が生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、または当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異に関しては、当社が一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産および負債は、決算日における法定税率または実質的法定税率および税法に基づいて一時差異が解消される時に適用されると予想される税率で算定しております。
繰延税金資産および負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課されている場合、相殺しております。
(10) 1株当たり利益
基本的1株当たり利益は、当社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(11) 有形固定資産
有形固定資産の認識後の測定方法として、原価モデルを採用しております。有形固定資産は取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した価額で表示しております。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体、除去および原状回復費用の当初見積額等が含まれております。土地および建設仮勘定以外の資産の減価償却費は、見積耐用年数にわたり、主として定額法で計上しております。リース資産の減価償却費は、リース期間の終了時までに所有権を取得することに合理的確実性がある場合を除き、リース期間と見積耐用年数のいずれか短い方の期間にわたり定額法で計上しております。これらの資産の減価償却は、使用可能となった時点から開始しております。
主な資産の種類別の耐用年数は以下のとおりであります。
| 建物及び構築物 | 3-50年 |
| 機械装置及び運搬具 | 2-20年 |
| 工具器具及び備品 | 2-20年 |
(12) のれん
企業結合から生じたのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。のれんは償却を行わず、予想されるシナジーに基づき資金生成単位または資金生成単位グループに配分し、年次または減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は純損益として認識され、その後の戻入れは行っておりません。
(13) 製品に係る無形資産
当社グループは、製品および化合物の研究開発プロジェクトにおいて、第三者との共同研究開発および導入契約を定期的に締結しています。通常、共同研究開発契約については、契約後の開発マイルストンに応じた支払いが行われます。一方、導入契約については、契約一時金および契約後の開発マイルストンに応じた支払いが行われます。導入契約に係る契約一時金は導入契約の開始時に、開発マイルストンの支払についてはマイルストンの達成時に資産計上しております。
開発中の製品に係る無形資産は使用可能ではないため償却しておりません。これらの無形資産は、年次または減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。無形資産の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失を計上しております。開発段階で失敗、または何らかの理由により開発中止となった製品に係る無形資産は、回収可能価額(通常はゼロ)まで減額しております。
開発中製品の商用化が承認された場合は、その時点で、研究開発中の資産を当該製品に係る無形資産に振り替え、製品の製造販売承認日から見積耐用年数にわたって償却しております。
製品に係る無形資産は、特許が存続する見込期間に基づき、主に3-20年にわたって定額法で償却しております。製品に係る無形資産の償却費は、連結純損益計算書の「製品に係る無形資産償却費及び減損損失」に含まれております。
(14) 無形資産-ソフトウェア
ソフトウェアは取得原価で認識し、見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。ソフトウェアの償却費は、連結純損益計算書の「売上原価」「販売費及び一般管理費」「研究開発費」に含まれております。
(15) リース
リースは、所有に伴うリスクと経済価値を実質的にすべて借手に移転する場合には、ファイナンス・リースとして分類し、ファイナンス・リース以外のリースは、オペレーティング・リースとして分類しております。
借手側
ファイナンス・リースについては、リース期間の起算日においてリース開始日に算定したリース物件の公正価値またはリース開始日に算定した最低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い金額で、連結財政状態計算書に資産および負債として認識しております。
オペレーティング・リースについては、リース料は他の規則的な方法により利用者の便益の時間的パターンがより良く表される場合は別として、リース期間にわたり定額法によって費用として計上しております。
(16) 非金融資産の減損
当社グループでは、決算日現在で、棚卸資産、繰延税金資産、売却目的で保有する資産、退職給付に係る資産を除く非金融資産の減損の兆候の有無を評価しております。
減損の兆候がある場合または年次で減損テストが要求されている場合には、各資産の回収可能価額の算定を行っております。個別資産についての回収可能価額の見積りが不可能な場合には、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額を見積っております。資産または資金生成単位の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額で測定しております。使用価値は、見積った将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定しており、使用する割引率は、貨幣の時間価値、および当該資産に固有のリスクを反映した利率を用いております。
資産または資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額より低い場合にのみ、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、純損益として認識しております。
過年度に減損を認識した、のれん以外の資産または資金生成単位については、決算日において過年度に認識した減損損失の減少または消滅している可能性を示す兆候の有無を評価しております。そのような兆候が存在する場合には、当該資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、回収可能価額が帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却または償却額控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入れは、直ちに純損益として認識しております。
(17) 棚卸資産
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で計上しております。原価は主として総平均法に基づいて算定されており、購入原価、加工費および棚卸資産を現在の場所および状態とするまでに発生したその他の費用が含まれております。正味実現可能価額とは、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価および販売に要する見積費用を控除した額であります。上市前製品の在庫は、規制当局による製品認可の可能性が非常に高い場合に、資産として計上しております。それ以前は、帳簿価額に対して評価損を計上して回収可能価額まで減額しており、認可の可能性が非常に高いと判断された時点で当該評価損を戻し入れております。
(18) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資であります。
(19) 売却目的で保有する資産
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産または処分グループのうち、現況で直ちに売却することが可能で、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約しており、1年以内に売却が完了する予定である資産または処分グループを売却目的保有に分類しております。売却目的保有に分類した資産は、帳簿価額と、売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しております。
売却目的保有に分類した有形固定資産および無形資産の減価償却または償却は中止し、売却目的で保有する資産および負債は、財政状態計算書上において流動項目として他の資産および負債と区分して表示しております。
(20) 退職後給付
当社グループは、退職一時金、年金、および退職後医療給付等の退職後給付制度を運用しております。これらの制度は確定給付制度と確定拠出制度に分類されます。
① 確定給付制度
確定給付債務の現在価値および関連する当期勤務費用ならびに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて個々の制度ごとに算定しております。割引率は、連結会計年度の末日時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。確定給付制度に係る負債または資産は、確定給付債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定しております。制度改定または縮小により生じる確定給付債務の現在価値の変動である過去勤務費用は、当該制度改定または縮小が行われた時点で純損益に認識しております。
確定給付資産または負債の純額の再測定は、発生した期に一括してその他の包括利益で認識し、利益剰余金へ振り替えております。
② 確定拠出制度
確定拠出型の退職後給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期に費用として計上しております。
(21) 引当金
過去の事象の結果として、現在の法的債務または推定的債務が存在し、当該債務を決済するために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しております。当社グループの引当金は主に、売上割戻及び返品調整に関する引当金、ならびに訴訟および事業構造再編に係る引当金で構成されております。
(22) 金融商品
金融商品には、リース関連の金融商品、売上債権、仕入債務、その他の債権および債務、企業結合における条件付対価に関する負債、ならびに特定の会計方針に従って処理される従業員給付制度に基づく権利および義務が含まれております。
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識および測定
金融資産は、契約の当事者となる時点で当初認識し、当初認識時点においてその性質および目的に従って以下に分類しております。
(a) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
売買目的保有金融資産または純損益を通じて公正価値で測定することを指定した金融資産
(b) 貸付金及び債権
支払額が固定または決定可能な非デリバティブ金融資産のうち、活発な市場での取引がないもの
(c) 売却可能金融資産
非デリバティブ金融資産のうち、売却可能金融資産に指定されたもの、または上記(a)(b)のいずれにも分類されないもの
金融資産は、当初認識時点において公正価値で測定し、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産を除 き、取得に直接起因する取引費用を加算して算定しております。
(ⅱ) 事後測定
(a) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は公正価値で測定し、再測定から生じる利得または損失は純損益として認識しております。
(b) 貸付金及び債権
貸付金及び債権は、実効金利法による償却原価から減損損失を控除した金額で測定しております。
利息の認識が重要でない短期の債権を除き、利息収益は実効金利を適用して認識しております。
(c) 売却可能金融資産
売却可能金融資産は、決算日現在の公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる損益はその他の包括利益として認識しております。なお、貨幣性資産に係る外貨換算差額は純損益として認識しております。
売却可能である資本性金融商品に係る配当は、当社グループが支払を受ける権利が確定した期に純損益として認識しております。
(ⅲ) 減損
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産以外の金融資産は、決算日において減損していることを示す客観的証拠が存在するか否かを検討しております。金融資産については、客観的な証拠によって損失事象が当初認識後に発生したことが示されており、かつ、その損失事象が当該金融資産の見積将来キャッシュ・フローにマイナスの影響を及ぼすことが合理的に予測できる場合に減損していると判定しております。
売却可能金融資産については、その公正価値が著しく下落している、または長期にわたり取得原価を下回っていることも、減損の客観的証拠となります。
売上債権のような特定の分類の金融資産は、個別に減損の客観的証拠が存在しない場合でも、さらにグループ単位で減損の評価をしております。
償却原価で計上している金融資産について認識した減損損失の金額は、当該資産の帳簿価額と、見積将来キャッシュ・フローを金融資産の当初の実効金利で割り引いた金融資産の現在価値との差額であります。以後の期間において、減損損失の額が減少したことを示す客観的事象が発生した場合には、減損損失を戻入れ、純損益として認識しております。
売却可能金融資産が減損している場合には、その他の包括利益に認識した累積利得または損失を、その期間の純損益に振り替えております。売却可能な資本性金融商品については、以後の期間において、減損損失の戻入れは認識いたしません。一方、売却可能な負債性金融商品については、以後の期間において、公正価値が増加を示す客観的事実が発生した場合には、当該減損損失を戻入れ、純損益として認識しております。
(ⅳ) 認識の中止
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時、または金融資産を譲渡しほとんどすべてのリスクと経済価値が他の企業に移転した場合にのみ、金融資産の認識を中止しております。
金融資産の認識の中止に際しては、資産の帳簿価額と受取った、または受取可能な対価との差額、およびその他の包括利益に認識した累積利得または損失は純損益として認識しております。
② 金融負債
(ⅰ) 当初認識および測定
金融負債は、当社グループが契約の当事者となる時点で連結財政状態計算書において認識しております。金融負債は、当初認識時点において、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債、社債及び借入金、または債務に分類しております。
金融負債は、当初認識時点において公正価値で測定し、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債を除き、発行に直接帰属する取引費用を減算して算定しております。
(ⅱ) 事後測定
(a) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は公正価値で測定し、再測定から生じる利得または損失は純損益として認識しております。
(b) その他の金融負債(社債及び借入金含む)
その他の金融負債は、主として実効金利法を使用して償却原価で測定しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、または失効となった場合にのみ、金融負債の認識を中止しております。金融負債の認識の中止に際しては、金融負債の帳簿価額と支払われたまたは支払う予定の対価の差額は純損益として認識しております。
③ デリバティブ
為替レートおよび金利の変動等によるリスクに対処するため、先物為替予約、金利スワップおよび通貨スワップ等のデリバティブを契約しております。
なお、当社グループの方針として投機目的のデリバティブ取引は行っておりません。
ヘッジ会計が適用されないデリバティブは、「純損益を通じて公正価値で測定する金融資産」または「純損益を通じて公正価値で測定する金融負債」に分類されます。
④ ヘッジ会計
一部のデリバティブおよび外貨建借入金等の非デリバティブをそれぞれキャッシュ・フロー・ヘッジおよび在外営業活動体に対する純投資のヘッジとして指定し、ヘッジ会計を適用しております。
ヘッジの開始時に、ヘッジを行うための戦略に従い、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係について文書化しております。さらに、ヘッジの開始時およびヘッジ期間中に、ヘッジ手段がヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象のキャッシュ・フローや為替の変動を相殺するのに極めて有効であるかどうかを継続的に評価しております。
(ⅰ) キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定し、かつ適格なデリバティブの公正価値の変動の有効部分はその他の包括利益として認識しております。利得または損失のうち非有効部分は直ちに純損益として認識しております。
その他の包括利益で認識されていた金額は、ヘッジ対象に係るキャッシュ・フローが純損益として認識された期に、連結純損益計算書における認識されたヘッジ対象と同じ項目において純損益に振り替えております。
(ⅱ) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資のヘッジについては、ヘッジ手段に係る利得または損失はその他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の処分時には、その他の包括利益として認識していた累積損益を純損益に振り替えております。
ヘッジ指定を取り消した場合、またはヘッジ手段が消滅、売却、終了または行使となった場合、もしくはヘッジ会計に適格ではなくなった場合には、ヘッジ会計を中止しております。
(23) 株式に基づく報酬
当社グループは、株式報酬制度を導入しております。株式報酬制度として持分決済型と現金決済型を運用しております。
① 持分決済型
持分決済型の株式報酬は、従業員、取締役、および上級幹部の役務に基づいて付与されます。受領した役務およびそれに対応する資本の増加を付与された資本性金融商品の付与日における公正価値で測定し、権利確定期間にわたって費用として計上し、同額を資本の増加として認識しております。
② 現金決済型
現金決済型の株式報酬は、従業員、取締役、および上級幹部の役務に基づいて付与されます。受領した役務および発生した負債は、当該負債の公正価値で測定されます。負債に分類される従業員、取締役、および上級幹部に対する報酬の公正価値は、権利確定期間にわたって費用として計上され、同額を負債の増加として認識しております。
当社グループは、当該負債の公正価値を決算日および決済日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しております。
(24) 資本
① 普通株式
普通株式は、発行価格を資本金および資本剰余金に計上しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、その支払対価を資本の控除項目として認識しております。
自己株式を売却した場合には、帳簿価額と売却時の対価の差額を資本剰余金として認識しております。
4 事業セグメント
当社グループでは、2017年3月期まで「医療用医薬品事業」、「コンシューマーヘルスケア事業」および「その他事業」の3つを事業セグメントおよび報告セグメントとしておりました。当社グループは、2017年4月に「その他事業」の大部分の売上収益および営業利益を占めていた和光純薬工業株式会社を売却しております。また、当社は、2018年3月にShire plcの買収の提案を検討することを発表しております(注記33)。当該事象による影響および医療用医薬品に注力することを踏まえ、当社は事業セグメントの構成およびセグメント報告を見直した結果、最高経営意思決定者であるCEOによる資源配分、業績評価、および将来予測における財務情報の利用方法との整合性を勘案し、当社グループ全体を単一のセグメントといたしました。
その結果、2018年3月期のセグメント報告に変更が生じたことから、IFRSの要求事項に従い2018年3月期の連結財務諸表において、変更前の期間に係る開示情報を修正再表示し、当該開示を省略しております。
当社グループの売上収益の内訳は、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 医薬品販売 | 1,671,910 | 1,693,838 |
| 知的財産権収益・役務収益 | 60,140 | 76,693 |
| 合計 | 1,732,051 | 1,770,531 |
当社グループの顧客に対する売上収益の地域別内訳は、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||||||
| 日本 | 米国 | 欧州および カナダ | ロシア/CIS | 中南米 | アジア | その他 | 合計 | |
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 655,344 | 520,161 | 279,693 | 57,550 | 72,516 | 112,799 | 33,987 | 1,732,051 |
| 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | 580,349 | 598,341 | 313,723 | 68,240 | 75,658 | 104,026 | 30,194 | 1,770,531 |
(注)「その他」には、中東・大洋州・アフリカが含まれております。
当社グループの非流動資産の地域別内訳は、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||
| 日本 | 米国 | その他 | 合計 | |
| 2017年3月31日残高 | 410,606 | 1,293,798 | 920,316 | 2,624,720 |
| 2018年3月31日残高 | 413,457 | 1,231,051 | 972,401 | 2,616,909 |
(注)1 金融商品、繰延税金資産および退職給付に係る資産を含んでおりません。
2 2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月31日の地域別非流動資産の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
主要な顧客に関する情報
売上収益が当社グループ全体の売上収益の10%以上の相手先は、株式会社メディパルホールディングスおよびそのグループ会社であります。当該相手先に対する売上収益は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ265,646百万円、220,249百万円であり、売上債権は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ56,521百万円、49,565百万円であります。
5 その他の営業収益及び費用
(1) その他の営業収益
| (単位:百万円) | |||
| 注記 番号 | 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 条件付対価の受取 | 1,543 | 91 | |
| 条件付対価に係る公正価値変動額 | 31 | 18,441 | ― |
| 有形固定資産および投資不動産の売却益 | 19 | 762 | 18,814 |
| 武田テバ薬品株式会社への事業譲渡益 | 14 | 115,363 | 27,481 |
| 和光純薬工業株式会社の株式売却益 | 19 | ― | 106,337 |
| その他 | 7,424 | 16,689 | |
| 合計 | 143,533 | 169,412 |
(2) その他の営業費用
| (単位:百万円) | |||
| 注記 番号 | 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 寄付金 | 3,763 | 5,603 | |
| 事業構造再編費用 | 23 | 54,589 | 44,736 |
| 在外営業活動体の清算損 | ― | 41,465 | |
| 条件付対価に係る公正価値変動額 | 31 | ― | 10,523 |
| その他 | 14,529 | 24,228 | |
| 合計 | 72,881 | 126,555 |
当社グループは、2009年3月期において、将来の事象に応じて条件付対価を受領するという契約条件で、事業を売却しました。対価の一部は将来の事象に連動しております。前年度および当年度における条件付対価の受取は、当該事業の売却によるものであります。
在外営業活動体の清算損は、特定の在外営業活動体を清算した際に生じた累積換算損失を連結純損益計算書上で損失として認識したものであります。
6 金融収益及び費用
(1) 金融収益
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 受取利息 | 2,019 | 3,282 |
| 受取配当金 | 3,236 | 3,165 |
| 売却可能金融資産売却益 | 3,638 | 30,430 |
| 為替差益 | 1,897 | ― |
| その他 | 1,485 | 2,666 |
| 合計 | 12,274 | 39,543 |
(2) 金融費用
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 支払利息 | 7,560 | 10,036 |
| 条件付対価に係る公正価値変動額 (注記31) | 3,693 | 2,261 |
| 売却可能金融資産減損損失 | 3,659 | 6,657 |
| デリバティブ評価損 | 5,428 | ― |
| 為替差損 | ― | 10,279 |
| その他 | 2,910 | 2,695 |
| 合計 | 23,250 | 31,928 |
7 法人所得税
(1) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 当期税金費用 | 60,239 | 37,758 |
| 繰延税金費用 | △32,406 | △7,261 |
| 合計 | 27,833 | 30,497 |
当期税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれております。これに伴う当期税金費用の減少額は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ1,563百万円および8,005百万円であります。
繰延税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれております。これに伴う繰延税金費用の減少額は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ10,915百万円および2,998百万円であります。
当社グループは主に、法人税、住民税および損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した2017年3月期および2018年3月期における法定実効税率は、それぞれ30.8%および30.8%であります。
各年度の国内の法定実効税率と実際負担税率との調整は以下のとおりであります。
| (単位:%) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 国内の法定実効税率 | 30.8 | 30.8 |
| 課税所得計算上減算されない費用 | 4.7 | 2.6 |
| 未認識の繰延税金資産および繰延税金負債増減 | △5.0 | △0.6 |
| 税額控除 | △6.4 | △4.7 |
| 子会社の適用税率との差異 | △7.1 | △5.4 |
| 在外子会社未分配利益に係る税効果増減 | 0.5 | 0.1 |
| 税率変更による影響 | △1.8 | △12.6 |
| 法人所得税の不確実性に係る調整 | 3.7 | 2.7 |
| 課税所得計算上減算されないのれんの減損 | 2.3 | ― |
| 条件付対価の公正価値変動による影響 | △3.7 | 1.7 |
| その他 | 1.4 | △0.6 |
| 実際負担税率 | 19.4 | 14.0 |
所得税法の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)および地方税法等の一部を改正する等の法律(平成28年法第13号)が2016年3月29日に国会で成立したことに伴い、2017年度3月期において当社および国内子会社が使用する法定実効税率は、従来の33.0%から30.8%に変更されております。
2017年12月22日、米国においてThe Tax Cuts and Jobs Act(税制改革法)が成立いたしました。これを受け、2018年1月1日より、連邦法人税率は35%から21%に引下げられております。当該米国税制改革法の成立に伴い、改正後の税率による繰延税金負債の純額の再評価および繰延税金資産の回収可能性の見直しの結果、当社グループは2018年3月期において27,516百万円の税務便益を認識しております。上記における米国税制改革による影響は、現時点で入手可能な情報に基づいております。今後、法律または米国財務省の動向等を通じ、更なる解釈指針や明確化が入手可能となるに従い、これらの見積りに使用した仮定は変更され、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの実際負担税率は、2017年3月期の19.4%から2018年3月期の14.0%に減少しております。これは主に、(税率変更による影響に含まれる)米国の税制改革法の成立により、2018年3月期において一時的な税務便益が生じたためであり、主に税率の引下げによる当期の繰延税金負債の純額の再評価および米国税制改革に伴い繰越税額控除等に係る繰延税金資産の回収可能性が改善したことに関連しております。なお、これらの影響は(未認識の繰延税金資産および繰延税金負債増減に含まれる)2017年3月期の子会社の減資に伴う税金費用の減少により一部相殺されております。
(2) 繰延税金
連結財政状態計算書上の繰延税金資産および繰延税金負債は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 繰延税金資産 | 118,968 | 64,980 |
| 繰延税金負債 | 153,396 | 90,725 |
| 純額 | △34,428 | △25,745 |
繰延税金資産および繰延税金負債の内訳および増減内容は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||||
| 2016年4月 1日残高 | 当期利益への計上額 | その他の包括利益への計上額 | 企業結合による増加 | その他(注) | 2017年3月 31日残高 | |
| 委託研究費 | 60,836 | △8,111 | ― | ― | △130 | 52,595 |
| 棚卸資産 | 29,565 | 10,120 | ― | △1,135 | △98 | 38,452 |
| 有形固定資産 | △41,590 | 884 | ― | 5,796 | 1,336 | △33,574 |
| 無形資産 | △173,450 | 77,813 | ― | △149,654 | △9,617 | △254,908 |
| 売却可能金融資産 | △25,235 | ― | △2,986 | ― | △20 | △28,241 |
| 未払費用および引当金等 | 85,493 | △6,047 | ― | 1,482 | △662 | 80,266 |
| 確定給付制度 | 11,885 | 386 | △7,688 | ― | 232 | 4,815 |
| 繰延収益 | 18,504 | △1,652 | ― | 748 | △38 | 17,562 |
| 繰越欠損金 | 47,543 | △26,132 | ― | 43,126 | △1,651 | 62,886 |
| 税額控除 | 25,989 | △872 | ― | 6,469 | △2,023 | 29,563 |
| 子会社および関連会社に対する投資 | △150 | △35,311 | ― | ― | ― | △35,461 |
| その他 | 7,914 | 21,328 | △2,103 | 749 | 3,729 | 31,617 |
| 合計 | 47,304 | 32,406 | △12,777 | △92,419 | △8,942 | △34,428 |
| (単位:百万円) | ||||||
| 2017年4月 1日残高 | 当期利益への計上額 | その他の包括利益への計上額 | 企業結合による増加 | その他(注) | 2018年3月 31日残高 | |
| 委託研究費 | 52,595 | △34,007 | ― | ― | △225 | 18,363 |
| 棚卸資産 | 38,452 | △6,561 | ― | ― | 18 | 31,909 |
| 有形固定資産 | △33,574 | 656 | ― | ― | △111 | △33,029 |
| 無形資産 | △254,908 | 84,254 | ― | ― | 1,696 | △168,958 |
| 売却可能金融資産 | △28,241 | ― | 4,074 | ― | 89 | △24,078 |
| 未払費用および引当金等 | 80,266 | △10,373 | ― | ― | △1,560 | 68,333 |
| 確定給付制度 | 4,815 | △3,032 | △432 | ― | 1,027 | 2,378 |
| 繰延収益 | 17,562 | 709 | ― | ― | △503 | 17,768 |
| 繰越欠損金 | 62,886 | △16,114 | ― | ― | 915 | 47,687 |
| 税額控除 | 29,563 | 9,314 | ― | ― | △2,456 | 36,421 |
| 子会社および関連会社に対する投資 | △35,461 | 6,762 | ― | ― | 89 | △28,610 |
| その他 | 31,617 | △24,347 | △1,570 | ― | 371 | 6,071 |
| 合計 | △34,428 | 7,261 | 2,072 | ― | △650 | △25,745 |
(注)主に為替換算調整勘定、売却目的資産および負債への振替による繰延税金資産および負債の増減を示しております。
なお、2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月期の繰延税金資産および繰延税金負債の内訳および増減内容を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異または繰越欠損金の一部または全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される将来加算一時差異の取崩、予測される将来課税所得およびタックスプランニングを考慮しております。なお、認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準および繰延税金資産が認識できる期間における将来課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可能性は高いと判断しております。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金、将来減算一時差異および繰越税額控除は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 繰越欠損金 | 87,070 | 36,878 |
| 将来減算一時差異 | 984 | 11,593 |
| 繰越税額控除 | 10,442 | 7,954 |
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金および繰越税額控除の金額と繰越期限は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 繰越欠損金 | 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) |
| 1年目 | ― | ― |
| 2年目 | ― | 92 |
| 3年目 | 56 | 8,901 |
| 4年目 | 1,599 | 505 |
| 5年目 | 577 | 301 |
| 5年超 | 84,838 | 27,079 |
| 合計 | 87,070 | 36,878 |
| (単位:百万円) | ||
| 繰越税額控除 | 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) |
| 5年以内 | 4,114 | 3,201 |
| 5年超 | 6,328 | 4,753 |
| 合計 | 10,442 | 7,954 |
繰延税金資産を認識していない子会社に対する投資に係る一時差異の総額は、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ200,322百万円および140,647百万円であります。
繰延税金負債を認識していない子会社に対する投資に係る一時差異の総額は、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ178,529百万円および157,656百万円であります。
8 1株当たり利益
当社の普通株主に帰属する基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定基礎は以下のとおりであります。
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 親会社の普通株主に帰属する当期利益 | ||
| 親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) | 114,940 | 186,886 |
| 1株当たり当期利益の算定に使用する当期利益(百万円) | 114,940 | 186,886 |
| 普通株式の加重平均株式数(千株) | 781,096 | 780,812 |
| 希薄化効果の影響(千株) | 4,792 | 5,895 |
| 希薄化効果の影響調整後(千株) | 785,888 | 786,707 |
| 1株当たり当期利益 | ||
| 基本的1株当たり当期利益(円) | 147.15 | 239.35 |
| 希薄化後1株当たり当期利益(円) | 146.26 | 237.56 |
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その会計年度の発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。この計算には自己株式の平均株式数は含まれておりません。希薄化後1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その会計年度の発行済普通株式の加重平均株式数に希薄化効果を有するすべての潜在株式を普通株式に転換する際に発行されるであろう普通株式の加重平均株式数を加算した合計株式数で除して計算しております。
希薄化効果を有しないため、希薄化後1株当たり当期利益の計算に含まれなかったストック・オプション等の潜在的普通株式は、2017年3月31日においては901千株であり、2018年3月31日現在においてはありません。
9 その他の包括利益
その他の包括利益の当期発生額および組替調整額、ならびに税効果の影響は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 確定給付制度の再測定 | ||
| 当期発生額 | 23,242 | 1,156 |
| 税効果額 | △7,688 | △432 |
| 確定給付制度の再測定 | 15,554 | 724 |
| 在外営業活動体の換算差額 | ||
| 当期発生額 | △51,252 | 8,125 |
| 組替調整額 | 23 | 39,964 |
| 税効果調整前 | △51,230 | 48,089 |
| 税効果額 | △591 | △1,478 |
| 在外営業活動体の換算差額 | △51,821 | 46,611 |
| 売却可能金融資産の公正価値の変動 | ||
| 当期発生額 | 12,485 | 24,413 |
| 組替調整額 | 22 | △23,773 |
| 税効果調整前 | 12,507 | 640 |
| 税効果額 | △2,986 | 4,074 |
| 売却可能金融資産の公正価値の変動 | 9,521 | 4,714 |
| キャッシュ・フロー・ヘッジ | ||
| 当期発生額 | 6,933 | 1,670 |
| 組替調整額 | △418 | 3,425 |
| 税効果調整前 | 6,515 | 5,095 |
| 税効果額 | △2,103 | △1,570 |
| キャッシュ・フロー・ヘッジ | 4,412 | 3,525 |
| 持分法適用会社における その他の包括利益に対する持分 | ||
| 当期発生額 | △38 | 295 |
| 組替調整額 | ― | 87 |
| 税効果調整前 | △38 | 382 |
| 税効果額 | ― | ― |
| 持分法適用会社における その他の包括利益に対する持分 | △38 | 382 |
| その他の包括利益合計 | △22,370 | 55,956 |
10 有形固定資産
(1) 種類別取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額
① 取得原価
| (単位:百万円) | ||||||
| 建物及び 構築物 | 機械装置 及び運搬具 | 工具器具 及び備品 | 土地 | 建設仮勘定 | 合計 | |
| 2016年4月1日残高 | 547,039 | 423,357 | 129,303 | 81,607 | 42,533 | 1,223,839 |
| 取得 | 14,486 | 11,519 | 5,102 | ― | 41,301 | 72,407 |
| 企業結合による増加 | 2,460 | 507 | 101 | ― | ― | 3,068 |
| 振替 | 7,347 | 16,289 | 1,501 | △118 | △25,632 | △613 |
| 処分 | △9,159 | △12,758 | △7,877 | △229 | △271 | △30,295 |
| 売却目的で保有する資産への振替 (注記19) | △40,780 | △46,499 | △18,681 | △10,231 | △844 | △117,033 |
| 為替換算差額 | △3,806 | △4,584 | △1,357 | △529 | △309 | △10,585 |
| その他 | △2,385 | △3,647 | △683 | △915 | 1,273 | △6,356 |
| 2017年3月31日残高 | 515,202 | 384,184 | 107,408 | 69,585 | 58,051 | 1,134,432 |
| 取得 | 19,778 | 11,327 | 6,288 | 63 | 37,071 | 74,527 |
| 企業結合による増加 | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
| 振替 | 15,741 | 19,184 | 1,615 | 72 | △37,382 | △770 |
| 処分 | △864 | △8,459 | △9,564 | △77 | △376 | △19,340 |
| 売却目的で保有する資産への振替 (注記19) | △1,830 | △2,066 | △276 | △94 | ― | △4,266 |
| 為替換算差額 | 630 | 5,020 | 767 | 541 | 626 | 7,584 |
| その他 | △328 | △445 | 313 | △2 | △307 | △769 |
| 2018年3月31日残高 | 548,329 | 408,745 | 106,551 | 70,089 | 57,684 | 1,191,398 |
② 減価償却累計額および減損損失累計額
| (単位:百万円) | ||||||
| 建物及び 構築物 | 機械装置 及び運搬具 | 工具器具 及び備品 | 土地 | 建設仮勘定 | 合計 | |
| 2016年4月1日残高 | △237,696 | △325,977 | △107,312 | △938 | ― | △671,923 |
| 減価償却費 | △20,684 | △22,241 | △8,511 | ― | ― | △51,435 |
| 減損損失 | △723 | △1,840 | △512 | △154 | △2,619 | △5,848 |
| 振替 | 425 | △1,604 | 1,569 | ― | ― | 390 |
| 処分 | 8,460 | 11,668 | 7,749 | 146 | ― | 28,023 |
| 売却目的で保有する資産への振替 (注記19) | 23,237 | 40,691 | 16,198 | ― | ― | 80,126 |
| 為替換算差額 | 2,041 | 3,825 | 1,081 | 23 | ― | 6,970 |
| その他 | 2,145 | 3,361 | 542 | 561 | ― | 6,609 |
| 2017年3月31日残高 | △222,795 | △292,117 | △89,197 | △361 | △2,619 | △607,088 |
| 減価償却費 | △19,480 | △21,357 | △6,670 | ― | ― | △47,507 |
| 減損損失 | △13,620 | △454 | △9 | ― | △137 | △14,220 |
| 振替 | 637 | 5 | 90 | ― | ― | 732 |
| 処分 | 701 | 7,126 | 9,268 | ― | ― | 17,095 |
| 売却目的で保有する資産への振替 (注記19) | 525 | 846 | 171 | ― | ― | 1,542 |
| 為替換算差額 | △774 | △3,829 | △533 | △34 | ― | △5,170 |
| その他 | 106 | 21 | △108 | ― | ― | 19 |
| 2018年3月31日残高 | △254,699 | △309,759 | △86,988 | △395 | △2,756 | △654,597 |
③ 帳簿価額
| (単位:百万円) | ||||||
| 建物及び 構築物 | 機械装置 及び運搬具 | 工具器具 及び備品 | 土地 | 建設仮勘定 | 合計 | |
| 2016年4月1日残高 | 309,343 | 97,380 | 21,991 | 80,669 | 42,533 | 551,916 |
| 2017年3月31日残高 | 292,408 | 92,067 | 18,211 | 69,225 | 55,433 | 527,344 |
| 2018年3月31日残高 | 293,630 | 98,986 | 19,563 | 69,694 | 54,928 | 536,801 |
2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月期の有形固定資産の「取得原価」、「減価償却累計額および減損損失累計額」、および「帳簿価額」の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
(2) ファイナンス・リースによるリース資産
有形固定資産に含まれている、ファイナンス・リースによるリース資産の帳簿価額は、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||
| 建物及び構築物 | 機械装置及び運搬具 | 工具器具及び備品 | |
| 2016年4月1日残高 | 48,564 | 3,948 | 1,044 |
| 2017年3月31日残高 | 61,375 | 2,702 | 494 |
| 2018年3月31日残高 | 55,941 | 1,523 | 330 |
(3) 減損損失
連結純損益計算書にて認識している減損損失は、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 売上原価 | △1,079 | △365 |
| 販売費及び一般管理費 | ― | ― |
| 研究開発費 | △678 | ― |
| その他の営業費用 | △4,090 | △13,855 |
| 合計 | △5,848 | △14,220 |
2017年3月期の減損損失は、主に製造中の製品に関して、製造中止の決定を行った製造設備建設に係る建設仮勘定の減損に関連しております。2018年3月期の減損損失は、主に研究開発体制の変革にかかる戦略に関して、十分に活用できていない建物や構造物等の研究装置の減損に関連しております。
減損した資産の帳簿価額は回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値(売却予定価額等)により測定しており、当該公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3であります。
11 のれん
(1) 取得原価および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額
① 取得原価
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 期首残高 | 779,316 | 1,020,471 |
| 企業結合による増加(注記31) | 273,627 | 3,256 |
| 連結除外 | ― | △899 |
| 為替換算差額 | △32,472 | 6,512 |
| 売却目的で保有する資産への振替 (注記19) | ― | △49 |
| 期末残高 | 1,020,471 | 1,029,291 |
② 減損損失累計額
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 期首残高 | ― | △897 |
| 減損損失 | △903 | ― |
| 連結除外 | ― | 899 |
| 為替換算差額 | 6 | △45 |
| 期末残高 | △897 | △43 |
③ 帳簿価額
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 期首残高 | 779,316 | 1,019,574 |
| 期末残高 | 1,019,574 | 1,029,248 |
2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月期におけるのれんの「取得原価」、「減損損失累計額」、および「帳簿価額」の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
(2) のれんの減損テスト
資金生成単位グループに配分された重要なのれんの帳簿価額は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 資金生成単位グループ | 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) |
| 全世界においての医療用医薬品 | 554,658 | 527,481 |
| 米国及び日本を除く医療用医薬品 | 391,889 | 429,363 |
| その他 | 73,026 | 72,404 |
| 合計 | 1,019,574 | 1,029,248 |
2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月期におけるのれんの「資金生成単位グループに配分された重要なのれんの帳簿価額」の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
のれんの減損損失は、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に認識しております。回収可能価額は、売却コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額であります。使用価値は、経営陣によって承認された3年間の事業計画と適切な成長率および割引率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。
回収可能価額(使用価値)の算定に用いた重要な仮定は以下のとおりであります。
| 成長率 | 割引率(税引後) | 割引率(税引前) | |
| 資金生成単位グループが属する国もしくは市場の長期平均成長率による算定 | 資産生成単位グループが属する国もしくは市場の加重平均資本コストによる算定 | 資産生成単位グループが属する国もしくは市場の加重平均資本コストによる算定 | |
| 2017年3月期 | 1.5%~2.7% | 4.9%~13.5% | 7.0%~16.9% |
| 2018年3月期 | 1.5%~3.2% | 5.6%~14.4% | 8.0%~18.0% |
2017年3月期においては、903百万円の減損損失を「その他の営業費用」に計上しております。2018年3月期において認識した減損損失はありません。
使用価値は、各資金生成単位グループの帳簿価額を十分に上回っており、使用価値算定に用いた成長率および割引率について合理的な範囲で変動があった場合にも、重要な減損が発生する可能性は低いと判断しております。
12 無形資産
(1) 種類別取得原価、償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額
① 取得原価
| (単位:百万円) | ||||
| ソフトウェア | 製品に係る 無形資産 | その他 | 合計 | |
| 2016年4月1日残高 | 62,143 | 1,556,854 | 23,813 | 1,642,810 |
| 取得 | 12,990 | 62,282 | 463 | 75,735 |
| 企業結合による増加(注記31) | ― | 433,047 | ― | 433,047 |
| 処分 | △3,152 | △47,368 | △8 | △50,528 |
| 売却目的で保有する資産への振替 (注記19) | △1,774 | ― | △1,048 | △2,822 |
| 為替換算差額 | △1,053 | △27,219 | 117 | △28,155 |
| 2017年3月31日残高 | 69,153 | 1,977,596 | 23,337 | 2,070,087 |
| 取得 | 16,934 | 32,594 | 1 | 49,529 |
| 企業結合による増加(注記31) | ― | 41,764 | ― | 41,764 |
| 処分 | △1,975 | △4,517 | △8 | △6,500 |
| 売却目的で保有する資産への振替 (注記19) | △158 | △2,655 | ― | △2,813 |
| 連結除外 | ― | △2,356 | ― | △2,356 |
| 為替換算差額 | 830 | △21,565 | △1,126 | △21,861 |
| 2018年3月31日残高 | 84,785 | 2,020,861 | 22,204 | 2,127,850 |
② 償却累計額および減損損失累計額
| (単位:百万円) | ||||
| ソフトウェア | 製品に係る 無形資産 | その他 | 合計 | |
| 2016年4月1日残高 | △42,871 | △845,242 | △11,568 | △899,682 |
| 償却費 | △6,312 | △112,459 | △300 | △119,071 |
| 減損損失 | ― | △44,609 | ― | △44,609 |
| 処分 | 2,796 | 41,908 | 266 | 44,971 |
| 売却目的で保有する資産への振替 (注記19) | 657 | ― | 510 | 1,167 |
| 為替換算差額 | 719 | 9,280 | 174 | 10,174 |
| 2017年3月31日残高 | △45,011 | △951,122 | △10,917 | △1,007,050 |
| 償却費 | △8,045 | △126,108 | △41 | △134,194 |
| 減損損失 | △88 | △19,080 | ― | △19,168 |
| 減損損失の戻入 | ― | 23,057 | ― | 23,057 |
| 処分 | 1,242 | 2,397 | 6 | 3,645 |
| 売却目的で保有する資産への振替 (注記19) | 118 | 2,079 | ― | 2,197 |
| 連結除外 | ― | 2,356 | ― | 2,356 |
| 為替換算差額 | 13 | 15,557 | 1 | 15,571 |
| 2018年3月31日残高 | △51,771 | △1,050,864 | △10,951 | △1,113,586 |
③ 帳簿価額
| (単位:百万円) | ||||
| ソフトウェア | 製品に係る 無形資産 | その他 | 合計 | |
| 2016年4月1日残高 | 19,272 | 711,612 | 12,245 | 743,128 |
| 2017年3月31日残高 | 24,143 | 1,026,474 | 12,420 | 1,063,037 |
| 2018年3月31日残高 | 33,014 | 969,997 | 11,253 | 1,014,264 |
各決算日において重要な自己創設無形資産はありません。
製品に係る無形資産の構成は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||
| 上市後製品 | 仕掛研究開発品 | 帳簿価額の合計 | |
| 2016年4月1日残高 | 617,269 | 94,343 | 711,612 |
| 2017年3月31日残高 | 645,449 | 381,025 | 1,026,474 |
| 2018年3月31日残高 | 698,329 | 271,668 | 969,997 |
2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月期の「取得原価」、「償却累計額および減損損失累計額」、「帳簿価額」、および「製品に係る無形資産の構成」の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
上市後製品とは、主に販売可能となった製品に関連するライセンスであります。当社は、ナイコメッド社取得によりパントプラゾールを始めとする製品に係る無形資産を、2017年3月31日および2018年3月31日現在において、それぞれ340,396百万円および318,281百万円保有しております。また、アリアド・ファーマシューティカルズ Inc.取得によりbrigatinib、アイクルシグを始めとする製品に係る無形資産を2017年3月31日および2018年3月31日現在において、それぞれ134,872百万円および204,378百万円保有しております。
なお、2018年3月31日現在、ナイコメッド社取得に関連する無形資産の残存償却年数は4~9年、アリアド・ファーマシューティカルズ Inc.取得に関連する無形資産の残存償却年数は9~13年であります。
研究開発局面にあるものは開発中の製品及び、当社グループのライセンス(導入)契約および共同研究開発契約に関連して獲得した開発中の製品に関する販売ライセンスであります(注記13)。当該無形資産は償却の対象となっておりません。また、アリアド・ファーマシューティカルズInc.取得によりbrigatinibを始めとする製品に係る無形資産を2017年3月31日および2018年3月31日現在において、それぞれ288,189百万円および182,002百万円保有しております。
(2) 減損損失
当社グループの無形資産の減損評価には、見積販売価格およびコスト、規制当局による承認の可能性、想定している市場および当該市場における当社グループのシェア等、回収可能価額の見積りにおいて経営者による重要な判断が必要となります。上市後製品に関連する無形資産の最も重要な仮定は治療領域の製品市場シェアおよび見積価格であり、開発中製品および研究開発局面に関連する無形資産の最も重要な仮定は規制当局による承認の可能性であります。当該仮定の変更は、期中に計上される減損損失の金額に重大な影響を及ぼす可能性があります。例えば、臨床試験が否定的な結果となった場合は、仮定の変更により減損が生じる可能性があり、臨床試験が失敗に終わり開発資産を代替使用できない場合には、開発中製品に関連する無形資産を全額減損処理する可能性があります。
当社グループは、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ44,609百万円および△3,889百万円の減損損失(戻入控除後)を計上しております。これらの損失は、主に連結純損益計算書上の「製品に係る無形資産償却費及び減損損失」に計上されております。
当社グループは、2017年3月期において、競合製品の発売によりコルクリスの予想収益性が低下したことから、16,003百万円の減損損失を計上しております。また、オンコロジー(がん)製品の開発中止により7,889百万円およびワクチン製品の開発中止により3,359百万円の減損損失を計上しております。
当社グループは、2018年3月期において、コルクリスに関連して過去に減損した22,553百万円を、販売実績の向上に伴い戻し入れております。当該戻入は、オンコロジ―(がん)製品の開発中止により計上した10,679百万円およびニューロサイエンス(神経精神疾患)製品の開発中止により計上した1,897百万円の減損損失と相殺されております。
減損損失は帳簿価額から回収可能価額を控除して計算されます。回収可能価額(使用価値)の算定に用いた重要な仮定は以下のとおりであります。
| 割引率(税引後) | 割引率(税引前) | |
| 2017年3月期 | 5.7%~13.5% | 8.3%~16.9% |
| 2018年3月期 | 6.5%~14.4% | 9.4%~18.5% |
回収可能価額のうち一部は処分コスト控除後の公正価値(売却見込額等)により測定しており、当該公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3であります。
13 共同研究開発契約およびライセンス契約
当社グループは、共同研究開発契約およびライセンス契約を締結しております。
通常、これらの契約では、提携企業の製品または開発中の製品の販売権を獲得し、その対価として、契約締結時の一時金の支払いの他、将来の開発、規制当局からの承認取得、またはコマーシャルマイルストンおよびロイヤルティの支払いに対する義務を負います。これらの契約においては、当社グループおよびライセンシーは、ライセンス製品の開発および販売に積極的に関与しており、晒されるリスクおよび得られる経済的価値はその商業的な成功に依存する場合があります。
これらの共同研究開発契約およびライセンス契約の条件に基づいて、当社グループは、各年度において以下の支払いを行いました。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 契約一時金およびマイルストン | 62,282 | 32,594 |
| 共同研究開発およびライセンス(導入)パートナーの株式取得 | 2,480 | 15,074 |
当社グループは、2018年3月31日現在、ライセンスの対象となっている製品の将来の開発や販売に係る共同研究開発およびライセンス(導入)パートナーの株式取得による企業買収オプションを有しており、当該オプションの行使により最大で約800億円を支払う可能性があります。
(1) 共同研究開発契約およびライセンス(導入)契約
当社グループが締結している重要な共同研究開発契約は以下のとおりであります。
① Mersana Therapeutics(以下、「Mersana社」)
2014年3月、当社グループとMersana社は、抗体薬物複合体(ADC)の開発に関する契約を締結し、2015年1月および2016年2月に両社間における提携を拡大しました。当該契約において、当社グループおよびMersana社は、いくつかの新薬候補物質を特定し、両社間における開発および販売権に関する条件について合意しました。新薬候補物質によって権利の内容は異なりますが、当社グループは、開発権(独占、非独占、およびMersana社主導の開発)および販売権(全世界および特定地域限定)を組み合せた権利を有します。また、契約に基づき、Mersana社に対して、契約一時金、Mersana社への株式投資、将来のマイルストンおよび製品販売に対するロイヤルティの支払いが求められます。
② TESARO, Inc.(以下、「TESARO社」)
2017年7月、当社グループとTESARO社は、TESARO社の有するポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬niraparibについて、独占的開発・販売に関するライセンス契約を締結いたしました。当該契約により、当社グループは、日本におけるniraparibに関する全てのがんに関して、また、韓国、台湾、ロシア、およびオーストラリアにおける前立腺がんを除く全てのがんに関して独占的開発・販売権を有しております。当該契約に基づき、TESARO社は、契約一時金を受領し、今後の承認および販売の成果に応じた追加的なマイルストン支払いを受領する権利を有します。また、同社は売上に応じた二桁台のロイヤルティを受領する権利を有しております。
③ Denali Therapeutics(以下、「Denali社」)
2018年1月、当社グループとDenali社は、3つの神経変性疾患治療薬候補の開発および販売に関して提携契約を締結いたしました。各治療薬候補の開発プログラムは、アルツハイマー病やその他の神経変性疾患に対する遺伝学的に検証されたターゲットを対象にしており、Denali社が有する脳へのバイオ治療薬移行性を高めるAntibody Transport Vehicle(ATV)プラットフォーム技術を用います。当該契約に基づき、当社グループはオプション権およびDenali社の株式購入対価として契約一時金を支払っております。またDenali社は、開発および販売のマイルストン支払いを受領する権利を有しております。Denali社は、新薬治験許可申請前における3つそれぞれのプログラムに対する全ての開発活動およびそれに伴う費用を負担しております。当社グループは、3つのプログラムそれぞれについて共同開発および共同販売のオプション権を有しております。当社グループがオプション権を行使した場合、両社は共同で開発を行い、均等に費用を負担することになります。Denali社は早期臨床開発をリードし、当社グループは後期臨床開発をリードいたします。当社グループとDenali社は米国および中国において共同で販売活動を行い、当社グループはその他全ての市場における独占的販売権を有しております。両社はグローバルにおける利益を均等に分配いたします。
(2) アウトライセンス(導出)契約
当社グループは、さまざまな導出契約を締結し、特定の製品または知的財産権に関するライセンスを付与し、その対価として、パートナーの株式、契約一時金、開発マイルストン、販売マイルストン、ロイヤルティ等を受領しております。
14 持分法で会計処理されている投資
(1) 重要性のある関連会社
武田テバファーマ株式会社(以下「武田テバファーマ」)は、当社とイスラエルに本社をおくTeva Pharmaceutical Industries Ltd.(以下「テバ社」)が設立した合弁会社であります。
当社は、2016年4月1日付で、当社の特許期間および再審査期間が満了した日本における医療用医薬品事業(以下「長期収載品事業」)を会社分割(吸収分割)により武田テバファーマの連結子会社である武田テバ薬品株式会社(以下「武田テバ薬品」)に承継し、対価として武田テバファーマの発行済株式総数の49.0%の株式の交付を受けました。武田テバファーマの残りの株式は、テバ社の子会社が所有しています。なお、承継した長期収載品事業の処分日における帳簿価額は3,755百万円でありました。当社は、武田テバファーマに対して重要な影響力を有していると判断しており、持分法を適用しております。当社グループは、IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」に従って、受領した対価(武田テバファーマの株式)の公正価値と当該事業の帳簿価額との差額のうち、実現した範囲で譲渡益を認識し、49%の譲渡益は繰り延べております。2017年3月期において115,363百万円を事業譲渡益としてその他の営業収益に計上しており、そのうち102,899百万円は承継時点で認識しております。未実現利益は、取得価格の配分過程にて識別した無形資産と同じ15年にわたり償却しております。未実現利益の償却はその他の営業収益に計上しております。
武田テバファーマはジェネリック医薬品事業を営んでおり、長期収載品事業およびジェネリック医薬品事業を営む武田テバ薬品と日本において一体となって事業を行っております。当社は、武田テバ薬品に対して長期収載品の供給を行うことにより製品売上収益を認識するとともに、武田テバファーマおよび武田テバ薬品のジェネリック医薬品も含めた製品を当社がその流通網を通じて医療機関に提供することにより役務収益を認識しております。
武田テバ薬品を含めた武田テバファーマの要約連結財務情報は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 売上収益 | 105,547 | 103,719 |
| 当期利益(△は損失) | △4,132 | △66,301 |
| その他の包括利益 | ― | ― |
| 当期包括利益合計 | △4,132 | △66,301 |
| 当期包括利益合計(49.0%) | △2,025 | △32,487 |
| その他の連結調整 | △121 | △137 |
| 当期包括利益合計の当社グループ持分 | △2,145 | △32,624 |
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 非流動資産 | 255,179 | 163,979 |
| 流動資産 | 107,656 | 97,865 |
| 非流動負債 | △57,412 | △31,901 |
| 流動負債 | △25,019 | △20,119 |
| 資本 | 280,404 | 209,824 |
| 資本のうち当社グループ持分 | 137,398 | 102,814 |
| のれん | 66,094 | 66,094 |
| 未実現利益 | △86,519 | △73,554 |
| 持分法で会計処理されている投資の帳簿価額 | 116,973 | 95,354 |
2018年3月期において、武田テバ薬品を含めた武田テバファーマの当期損失には、日本における2018年の薬価制度改革や事業環境の変化に伴い計上された減損損失104,753百万円が含まれており、当社グループの持分相当は35,725百万円であります。
2017年3月期において、当社グループが武田テバファーマから受領した配当金はありません。2018年3月期において、当社グループは武田テバファーマから4,159百万円の配当金を受領しております。武田テバファーマが配当を行うには、合弁会社2社の合意が必要であります。
(2) 個々に重要性のない関連会社
個々に重要性のない関連会社に関する財務情報は、以下のとおりであります。
なお、これらの金額は、当社グループの持分比率勘案後のものであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 当期利益(△は損失) | 599 | 425 |
| その他の包括利益 | △38 | 382 |
| 当期包括利益合計 | 562 | 807 |
個々に重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額は、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 持分法で会計処理されている投資の帳簿価額 | 9,439 | 12,595 |
15 その他の金融資産
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| デリバティブ資産 | 2,960 | 3,289 |
| 売却可能金融資産 | 164,490 | 171,884 |
| 拘束性預金 | 52,530 | 87,381 |
| 定期預金 | 1,131 | ― |
| その他 | 12,207 | 14,528 |
| 合計 | 233,319 | 277,082 |
| その他の金融資産(非流動) | 176,636 | 196,436 |
| その他の金融資産(流動) | 56,683 | 80,646 |
2017年3月31日および2018年3月31日現在、売却可能金融資産には上場会社への投資がそれぞれ155,368百万円および163,030百万円含まれており、注記27で定義されている公正価値ヒエラルキーはレベル1と判断しております。残りの売却可能金融資産は主に、共同研究開発契約の締結に伴い取得した投資に関連しております(注記13)。
拘束性預金は、主に買収予定案件に関連して締結された契約により預託した現金であります。2017年3月31日および2018年3月31日現在の残高には、それぞれUnipharm Inc.からの事業の取得、およびTiGenix NVの買収(注記33)に関連する預託金が含まれております。
16 棚卸資産
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 商品及び製品 | 94,282 | 86,254 |
| 仕掛品 | 61,951 | 63,145 |
| 原材料及び貯蔵品 | 69,816 | 63,545 |
| 合計 | 226,048 | 212,944 |
2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月31日の棚卸資産の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
費用として計上された棚卸資産の評価損は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ11,621百万円および 10,292百万円であります。
17 売上債権及びその他の債権
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 売上債権 | 366,181 | 369,652 |
| その他 | 66,952 | 59,414 |
| 貸倒引当金 | △9,728 | △8,819 |
| 合計 | 423,405 | 420,247 |
18 現金及び現金同等物
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 現金及び預金 | 278,488 | 243,324 |
| 短期投資 | 40,967 | 51,198 |
| 合計 | 319,455 | 294,522 |
19 売却目的で保有する資産または処分グループ
(1) 売却目的で保有する資産
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 建物及び構築物 | 349 | 98 |
| 機械装置及び運搬具 | 477 | ― |
| 工具器具及び備品 | 23 | ― |
| 土地 | 227 | 65 |
| 投資不動産 | 15,836 | ― |
| 持分法で会計処理されている投資 | ― | 18 |
| 合計 | 16,911 | 181 |
当社グループは、財政状態計算書において特定の資産を売却目的保有に分類しております。非流動資産および処分グループの帳簿価額が主に売却により回収される見込みであり、売却の可能性が非常に高いと考えられる場合に、売却目的保有資産に振り替えております。売却目的保有資産は、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で計上しております。
2017年3月31日現在における売却目的で保有する資産は主に投資不動産であり、経営者による売却の意思決定に基づき売却目的保有に分類したものであります。当該投資不動産の売却目的保有への振替により生じた減損損失はありません。2018年3月期において、当該建物を売却し、16,022百万円をその他の営業収益に計上しております。
2018年3月31日現在における売却目的保有資産は主に建物および構築物であり、2018年3月期に経営者による売却の意思決定に基づき売却目的保有に分類されたものであります。当該建物および構築物の売却目的保有への分類により生じた減損損失はありません。
資産の公正価値は売却目的保有資産が所在する地域における適切な専門家としての資格を有する独立した鑑定人による評価に基づいております。その評価は、当該資産の所在する地域の評価基準に従った類似の資産の取引価格についての市場証拠に基づいたものであります。売却目的で保有する資産の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3であります。
(2) 売却目的で保有する処分グループ
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 | 当年度 | |
| (2017年3月31日) | (2018年3月31日) | |
| 有形固定資産 | 36,634 | ― |
| 無形資産 | 1,655 | ― |
| 棚卸資産 | 22,223 | 1,202 |
| 売上債権及びその他の債権 | 28,978 | 1,466 |
| 現金及び現金同等物 | 21,797 | 451 |
| その他 | 10,108 | 692 |
| 資産合計 | 121,395 | 3,811 |
| 社債及び借入金 | 60,000 | ― |
| 退職給付に係る負債 | 2,372 | ― |
| 引当金 | 107 | 1,066 |
| 繰延税金負債 | 832 | ― |
| 仕入債務及びその他の債務 | 14,999 | 165 |
| その他 | 10,346 | 1,983 |
| 負債合計 | 88,656 | 3,214 |
売却目的保有に分類された資産又は処分グループを、帳簿価額と、売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で計上する際に測定される利得又は損失は、その他の営業費用に計上しております。
2017年3月31日現在における売却目的で保有する処分グループは、主に当社の連結子会社である和光純薬工業株式会社に関連する資産および負債のグループであります。2016年12月15日付で、当社は当該子会社を富士フイルム株式会社に売却する契約を締結し、処分グループを売却目的保有に振替しました。当該売却は、当社グループの主要な事業活動との整合が薄れたためであり、処分グループの売却目的保有への分類時点で減損損失は計上しておりません。売却時点において和光純薬工業株式会社の資本の帳簿価額は僅少であり、当社グループは、2018年3月期に和光純薬工業株式会社の株式を売却し、その他の営業収益に株式売却益106,337百万円を計上しております。この売却収入は処分された現金21,782百万円と相殺され、2018年3月期に計上された事業売却による収入85,080百万円の大部分を構成しております。
2018年3月31日現在の売却目的で保有する処分グループは、主に当社の連結子会社であるMultilab Indústria e Comércio de Produtos Farmacêuticos Ltda.,に関連する資産、負債、その他の包括利益のグループであり、売却目的保有に振替されたものであります。当該子会社株式は2019年3月期上半期に売却される予定であります。
当社グループは、2018年3月期において、処分グループを売却目的保有に分類したことにより3,213百万円の損失を計上しております。売却目的保有に分類された資産又は処分グループの公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル2であります。
20 社債及び借入金
| 前年度 (2017年3月31日) (百万円) | 当年度 (2018年3月31日) (百万円) | 平均利率 (%) (注)1 | 返済期限 | |
| 社債 (注)2 | 179,836 | 172,889 | 1.2 | 2019年7月~ 2022年1月 |
| 短期借入金 | 405,054 | 18 | 1.1 | ― |
| 長期借入金 | 560,000 | 812,755 | 0.5 | 2019年7月~ 2027年4月 |
| 合計 | 1,144,890 | 985,662 | ― | ― |
| 社債及び借入金(非流動) | 599,862 | 985,644 | ― | ― |
| 社債及び借入金(流動) | 545,028 | 18 | ― | ― |
(注) 1 「平均利率」については、当年度末残高に対する加重平均利率を記載しております。また、長期借入金の一部については、金利スワップ後の固定金利を適用しております。
2 社債の発行条件の要約は以下のとおりであります。
| 銘柄 | 発行年月日 | 前年度 (2017年3月31日) (百万円) | 当年度 (2018年3月31日) (百万円) | 利率 (%) | 担保 | 償還期限 |
| 第13回 無担保社債 | 2012年 3月22日 | 59,974 | ― | 0.5 | 無担保 | 2018年 3月22日 |
| 第14回 無担保社債 | 2013年 7月19日 | 59,942 | 59,967 | 0.5 | 無担保 | 2019年 7月19日 |
| 第15回 無担保社債 | 2013年 7月19日 | 59,920 | 59,944 | 0.7 | 無担保 | 2020年 7月17日 |
| 米ドル建 無担保普通社債(※) (2022年償還) | 2017年 7月18日 | ― | 52,978 [500百万米ドル] | 2.5 | 無担保 | 2022年 1月18日 |
| 合計 | ― | 179,836 | 172,889 | ― | ― | ― |
(※)米ドル建無担保普通社債は、海外市場において発行したものであるため、外貨建ての金額を[付記]しております。また、上記のうち200百万米ドルの当該社債の償還額および利息の支払額については、発行と同時に通貨スワップにより、円貨額を確定させております。
21 その他の金融負債
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| デリバティブ負債 | 9,893 | 8,871 |
| ファイナンス・リース債務 | 58,811 | 53,149 |
| 企業結合による条件付対価(注記31) | 28,976 | 30,569 |
| その他 | 12,996 | 28,247 |
| 合計 | 110,676 | 120,836 |
| その他の金融負債(非流動) | 81,778 | 91,223 |
| その他の金融負債(流動) | 28,898 | 29,613 |
ファイナンス・リース債務に係る将来の最低リース料の内訳は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||
| 最低リース料総額 | 最低リース料総額の現在価値 | |||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 1年以内 | 4,995 | 4,808 | 2,111 | 2,127 |
| 1年超5年以内 | 17,647 | 14,335 | 7,297 | 4,704 |
| 5年超 | 87,473 | 80,018 | 49,403 | 46,318 |
| 合計 | 110,116 | 99,161 | 58,811 | 53,149 |
| 控除:財務費用 | 51,305 | 46,012 | ||
| 最低リース料の現在価値 | 58,811 | 53,149 | ||
| ファイナンス・リース債務(非流動) | 56,700 | 51,022 | ||
| ファイナンス・リース債務(流動) | 2,111 | 2,127 | ||
ファイナンス・リース債務(非流動)の当年度末残高に対する加重平均利率は 5.0%、ファイナンス・リース債務(流動)の当年度末残高に対する加重平均利率は5.6%であります。
22 従業員給付
(1) 確定給付制度
当社および当社の一部連結子会社では、確定給付制度として、退職一時金、確定給付型年金制度等を採用しております。従業員が退職時、退職後に受け取る給付額は、通常、従業員の年齢、勤続年数、報酬、職位および役務に応じて稼得したポイント等の複数の要因によって算定されております。
当社グループの確定給付債務および制度資産の大半は、当社における確定給付制度によるものです。当社は確定給付型企業年金制度および退職一時金制度を採用しております。
確定給付型年金制度
当社の確定給付型企業年金制度は積立型の確定給付年金制度であり、我が国の年金法の一つである確定給付企業年金法の定めに従い運用されております。従業員の勤続年数および当社への貢献度に応じ、一定期間(通常3年以上)勤務した従業員に給付が支払われます。
当社の年金基金(以下、「基金」という。)は、我が国の年金法に従って、当社から独立した組織として設立されており、当社グループは掛金の拠出が義務付けられております。基金の理事には、法令、法令に基づく厚生労働大臣および地方厚生局長からの通達、基金の規約および代議員会の議決を遵守し、基金のために忠実に業務を遂行する責務が課されております。また、掛金拠出額は法令が認める範囲で定期的に見直され、必要に応じて調整を行っております。
IAS第19号「従業員給付」に従って、確定給付債務の現在価値は、割引率、予定昇給率(給付の増加率)等の様々な数理計算上の仮定に基づき毎年算定されております。確定給付制度に関連して営業費用として計上している勤務費用は、現役加入者が当会計年度において稼得した年金給付から生じる確定給付債務の増加を表しております。当社グループは、投資およびその他の業績上のリスクに晒されており、定期拠出金、予想投資収益、および保有資産からの給付額が十分でないと予想される場合は、追加の拠出金が必要となる場合があります。
当社グループのその他の確定給付型年金制度については、現地の法令に基づき、上記と同様の方法で設立および運営されております。
連結純損益計算書および連結財政状態計算書で認識した金額は以下のとおりであります。
連結純損益計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 国内 | 6,779 | 4,582 |
| 海外 | 5,210 | 5,772 |
| 確定給付費用合計 | 11,989 | 10,354 |
連結財政状態計算書
| (単位:百万円) | ||||||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |||||
| 国内 | 海外 | 合計 | 国内 | 海外 | 合計 | |
| 確定給付債務の現在価値 | 217,026 | 90,424 | 307,450 | 198,686 | 99,174 | 297,860 |
| 制度資産の公正価値 | 246,952 | 18,079 | 265,031 | 230,421 | 21,207 | 251,628 |
| 退職給付に係る負債(注) | 10,846 | 72,427 | 83,273 | 9,604 | 78,007 | 87,611 |
| 退職給付に係る資産(注) | 40,772 | 82 | 40,854 | 41,339 | 40 | 41,379 |
| 連結財政状態計算書における資産および負債の純額 | △29,926 | 72,345 | 42,419 | △31,735 | 77,967 | 46,232 |
(注)退職給付に係る資産は、連結財政状態計算書上、「その他の非流動資産」に含まれております。ただし、退職給付に係る資産の前年度の数値には、「売却目的で保有する資産」1,210百万円が含まれております。また退職給付に係る負債の前年度の数値には、「売却目的で保有する資産に直接関連する負債」2,372百万円が含まれております(注記19)。
① 確定給付債務
各会計年度における確定給付債務の現在価値増減の要約は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |||||
| 国内 | 海外 | 合計 | 国内 | 海外 | 合計 | |
| 期首残高 | 236,957 | 94,135 | 331,092 | 217,026 | 90,424 | 307,450 |
| 当期勤務費用 | 6,015 | 3,601 | 9,616 | 4,866 | 4,295 | 9,161 |
| 利息費用 | 964 | 1,515 | 2,479 | 1,424 | 1,713 | 3,137 |
| 確定給付制度の再測定 | ||||||
| 人口統計上の仮定の変化による数理計算上の差異 | △5,264 | △349 | △5,613 | 3,294 | △1,179 | 2,115 |
| 財務上の仮定の変化による数理計算上の差異 | △9,824 | △1,826 | △11,650 | △3 | 782 | 779 |
| 実績修正 | 259 | 601 | 860 | 466 | 297 | 763 |
| 過去勤務費用 | 823 | 294 | 1,117 | 11 | 5 | 16 |
| 清算 | ― | ― | ― | △2,515 | 2,346 | △169 |
| 給付支払額 | △12,847 | △2,871 | △15,718 | △13,134 | △3,093 | △16,227 |
| 企業結合及び処分の影響額 | △57 | △185 | △242 | △12,749 | 81 | △12,668 |
| 為替換算差額 | ― | △4,491 | △4,491 | ― | 3,503 | 3,503 |
| 期末残高 | 217,026 | 90,424 | 307,450 | 198,686 | 99,174 | 297,860 |
確定給付債務の加重平均存続期間は、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ14.1年および14.4 年であります。
(ⅱ) 現在価値の算定に用いた重要な数理計算上の仮定
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | ||
| 割引率 | 国内 | 0.7% | 0.7% |
| 海外 | 1.8% | 1.7% | |
| 昇給率 | 国内 | 0.2% | 0.2% |
| 海外 | 2.5% | 2.7% | |
(ⅲ) 感応度分析
重要な数理計算上の仮定が0.5%変動した場合に、退職給付債務の現在価値に与える影響は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |||
| 割引率 | 国内 | 0.5%上昇した場合 | △12,910 | △12,250 |
| 0.5%低下した場合 | 14,475 | 13,778 | ||
| 海外 | 0.5%上昇した場合 | △6,761 | △7,371 | |
| 0.5%低下した場合 | 7,543 | 8,247 | ||
| 昇給率 | 国内 | 0.5%上昇した場合 | 593 | 517 |
| 0.5%低下した場合 | △559 | △477 | ||
| 海外 | 0.5%上昇した場合 | 485 | 479 | |
| 0.5%低下した場合 | △654 | △665 | ||
② 制度資産
確定給付制度に関する基金は当社グループから独立しておりますが、当社グループからの拠出のみを財源としております。制度資産の運用は、現在または将来の加入者に対する年金給付等の支払を将来にわたり確実に行うため、許容されるリスクのもとで必要とされる総合収益を長期的に確保することを目的としております。また掛金等の収入と給付支出の中長期的な動向とその変動を考慮するとともに、制度資産の投資収益率の不確実性の許容される程度について中長期的な動向ならびに拠出および給付額の変動を考慮し、十分な検討を行うこととしております。この目的、検討を踏まえ、投資対象としてふさわしい資産を選択するとともに、その期待収益率・リスク等を考慮した上で、将来にわたる最適な資産の組み合わせである基本資産配分を策定しております。
(ⅰ) 公正価値の増減
各会計年度における制度資産の公正価値増減の要約は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 期首残高 | 262,977 | 265,031 |
| 制度資産に係る利息収益 | 1,224 | 1,959 |
| 確定給付制度の再測定 | ||
| 制度資産に係る収益 | 6,839 | 4,813 |
| 事業主による拠出 | 5,852 | 4,753 |
| 清算 | ― | △3,564 |
| 給付支払額 | △12,068 | △11,507 |
| 企業結合及び処分の影響額 | ― | △11,225 |
| 為替換算差額 | 208 | 1,368 |
| 期末残高 | 265,031 | 251,628 |
2019年3月期における、確定給付制度への拠出金額は4,694百万円と予測しております。
(ⅱ) 公正価値の資産種類別内訳
| (単位:百万円) | ||||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |||
| 活発な市場での 市場価格が あるもの | 活発な市場での 市場価格が ないもの | 活発な市場での 市場価格が あるもの | 活発な市場での 市場価格が ないもの | |
| 株式 | ||||
| 国内 | 16,761 | 2,838 | 15,494 | 2,804 |
| 海外 | 16,136 | 44,992 | 6,396 | 58,286 |
| 債券 | ||||
| 国内 | 6,125 | 29,235 | 1,568 | 19,157 |
| 海外 | 8,057 | 26,086 | 2,278 | 38,716 |
| 生命保険一般勘定 | ― | 70,799 | ― | 68,551 |
| 現金及び現金同等物 | 7,409 | ― | 8,452 | ― |
| その他 | 14,533 | 22,060 | 514 | 29,412 |
| 制度資産合計 | 69,021 | 196,010 | 34,702 | 216,926 |
生命保険一般勘定とは、生命保険会社が複数の契約の資金を合同運用する勘定であり、元本および一定の予定利率が保証されています。
(2) 確定拠出制度
当社および一部の連結子会社は確定拠出制度を採用しております。確定拠出制度の給付額は、拠出額、各加入者が選択した投資の運用実績、および加入者が選択した給付金の受給形式に基づいております。これらの制度への拠出は、通常、独立して管理されている基金に対して行われます。これらの制度について、当社グループが支払う拠出金は営業費用として計上しております。当社グループは、確定拠出制度について、投資リスクやその他の業績上のリスクに晒されておりません。
確定拠出制度に関して費用として計上された金額は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ20,897百万円および19,525百万円であります。なお、これらの金額には公的制度への拠出に関して費用として認識した金額を含んでおります。
(3) その他の従業員給付費用
退職給付以外の従業員給付に係る費用のうち主なものは、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 給料 | 226,985 | 215,256 |
| 賞与 | 68,935 | 70,708 |
| その他 | 75,949 | 81,616 |
上記には解雇給付費用を含んでおりません。
23 引当金
引当金の内訳および増減内容は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||||
| 訴訟引当金 (注記32) | 事業構造再編に係る引当金 | 売上割戻及び返品調整に関する引当金 | その他 | 合計 | |
| 2016年4月1日残高 | 37,949 | 10,215 | 78,652 | 22,945 | 149,762 |
| 期中増加額 | 1,410 | 28,465 | 267,566 | 13,413 | 310,854 |
| 期中減少額(目的使用) | △7,471 | △10,554 | △247,594 | △10,895 | △276,513 |
| 期中減少額(戻入) | △376 | △632 | △9,202 | △2,642 | △12,852 |
| 連結範囲の変更による増減 | 2,567 | ― | 1,645 | 214 | 4,427 |
| 売却目的で保有する資産に直接関連する負債への振替 | ― | ― | ― | △107 | △107 |
| 為替換算差額 | △634 | △375 | △197 | △459 | △1,666 |
| 2017年3月31日残高 | 33,446 | 27,118 | 90,870 | 22,470 | 173,904 |
| 期中増加額 | 3,692 | 5,935 | 310,070 | 14,009 | 333,706 |
| 期中減少額(目的使用) | △12,372 | △19,183 | △284,164 | △11,579 | △327,298 |
| 期中減少額(戻入) | △286 | △128 | △9,557 | △2,045 | △12,016 |
| 連結範囲の変更による増減 | ― | △133 | ― | △107 | △240 |
| 売却目的で保有する資産に直接関連する負債への振替 | △676 | ― | ― | △390 | △1,066 |
| 為替換算差額 | △622 | △993 | △5,378 | 826 | △6,167 |
| 2018年3月31日残高 | 23,182 | 12,616 | 101,841 | 23,184 | 160,823 |
引当金のうち流動負債に計上されている金額は、2016年4月1日、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ115,341百万円、135,796百万円、132,781百万円であり、引当金のうち非流動負債に計上されている金額は、2016年4月1日、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ34,421百万円、38,108百万円、28,042百万円であります。
2018年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、2017年3月期の引当金の内訳および増減内容の金額を遡及修正しております。遡及修正の内容については、企業結合(注記31)をご参照ください。
事業構造再編に係る引当金
当社グループは、2017年3月期および2018年3月期に、研究開発体制の変革およびその運営体制の効率性の改善に関連して、様々な事業構造再編の取組みを開始しております。これらの取組みには、事業拠点および部門の統廃合および従業員の削減が含まれております。事業構造再編に係る引当金については、従業員への全体計画の伝達を含めて、詳細な公式計画を有した時点で認識しております。当社グループは、その計画の見積りコストに基づき引当金および関連費用を計上しております。見積りコストは、取組みの実施時期および予想される従業員のリテンションを含む様々な仮定に基づいております。計画に基づく最終的なコストおよび支払時期は、実際の再編実施時期および事業再編により影響を受ける従業員の活動により影響を受けます。なお、非流動負債にかかる事業構造再編に係る引当金の支払時期は概ね4年以内と見込んでおります。
各報告年度において計上された事業構造再編に係る費用は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 資金取引 | ||
| 退職手当 | 32,290 | 6,397 |
| コンサルタント費用 | 7,271 | 7,205 |
| その他 | 11,611 | 16,528 |
| 資金取引合計額 | 51,172 | 30,130 |
| 非資金取引 | ||
| 減価償却費および減損損失 | 3,417 | 14,606 |
| 非資金取引合計額 | 54,589 | 44,736 |
その他の事業構造再編に係るコストは主に契約解除費用に関連するものであります。
売上割戻および返品調整
当社グループは、主に販売した製商品の売上割戻、返品調整等に係る引当金を認識しており、これには米国での医療制度等に関する売上連動リベートを含んでおります。これらの費用は通常1年以内に支払われることが見込まれております。売上割戻および返品調整については、月次で、または金額に重要な変動があった場合に、見直しおよび調整を行っております。
その他
その他の引当金は、主に資産除去債務、契約解除費用および不利な契約に関連するものであります。
24 その他の負債
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 未払費用(注)1 | 219,749 | 231,497 |
| 繰延収益(注)2 | 62,918 | 52,527 |
| その他 | 51,276 | 48,206 |
| 合計 | 333,943 | 332,230 |
| その他の負債(非流動) | 77,437 | 68,300 |
| その他の負債(流動) | 256,506 | 263,930 |
(注)1 未払費用には、従業員給付に係る未払費用が2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ110,988百万円および108,766百万円含まれております。
2 繰延収益には、有形固定資産の取得に関して受領した政府補助金が、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ26,215百万円および23,937百万円含まれております。このうち主なものは、当社グループの新型インフルエンザワクチンの開発・生産体制整備への投資の一部を補助するものであり、設備への投資額の返還を受けております。この政府補助金は、関連設備の耐用年数にわたって、「売上原価」、「販売費及び一般管理費」、および「研究開発費」に含まれる減価償却費の減額として純損益に認識しております。また、2017年3月31日および2018年3月31日現在の繰延収益には、共同プロモーション手数料の前受金がそれぞれ26,453百万円および21,656百万円含まれております。当該共同プロモーション手数料の前受金は、計画に沿った按分計算により純損益に認識され、販売費および一般管理費と相殺されます。
25 仕入債務及びその他の債務
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 仕入債務 | 125,713 | 133,705 |
| 未払金 | 114,910 | 106,554 |
| 合計 | 240,623 | 240,259 |
仕入債務は、当社グループの製造に係る費用に関連しており、未払金は業務に係るその他の費用に関連したものであります。
26 資本及びその他の資本項目
(1) 授権株式数および発行済株式数
(単位:千株)
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 授権株式数 | 3,500,000 | 3,500,000 |
| 発行済株式数 | ||
| 期首 | 790,284 | 790,521 |
| ストック・オプションの行使による増加 | 237 | 617 |
| 新株発行による増加 | ― | 3,550 |
| 期末 | 790,521 | 794,688 |
(注)当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であります。
上記の発行済株式数に含まれる自己株式数は、2016年4月1日、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ6,745千株、9,680千株、13,379千株であります。このうち、株式付与ESOP信託および役員報酬BIP信託が所有する自社の株式数は2018年3月31日現在、13,133千株であり、2018年3月期において6,804千株を取得し、3,116千株を売却しております。
2017年度において、当社は、当社グループ子会社のESOP信託である日本マスタートラスト信託銀行株式会社に対する第三者割当により、新たに3,550千株を発行しております。新株発行により、当社の資本金および資本剰余金は、それぞれ11,388百万円および11,286百万円増加しております。日本マスタートラスト信託銀行株式会社は、株式付与ESOP信託契約の共同受託者であります。当該新株発行は取締役会において決議されております。なお当社は、株式報酬制度に基づく株式交付を目的として本株式をESOP信託口より再取得しており、連結財政状態計算書において自己株式が22,773百万円増加しております。
(2) 配当
| 配当金の総額 (百万円) | 1株当たり配当額 (円) | 基準日 | 効力発生日 | |
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | ||||
| 2016年6月29日 定時株主総会 | 71,112 | 90.00 | 2016年3月31日 | 2016年6月30日 |
| 2016年10月28日 取締役会 | 71,122 | 90.00 | 2016年9月30日 | 2016年12月1日 |
| 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | ||||
| 2017年6月28日 定時株主総会 | 71,133 | 90.00 | 2017年3月31日 | 2017年6月29日 |
| 2017年11月1日 取締役会 | 71,165 | 90.00 | 2017年9月30日 | 2017年12月1日 |
なお、配当の効力発生日が翌年度となるものは以下のとおりであります。
| 配当金の総額 (百万円) | 1株当たり配当額 (円) | 基準日 | 効力発生日 | |
| 2018年6月28日 定時株主総会 | 71,507 | 90.00 | 2018年3月31日 | 2018年6月29日 |
27 金融商品
(1) 資本リスク管理
当社グループの資本は、株主資本(注記26)、負債(注記20)および現金(注記18)で構成されております。当社グループは、経営の健全性・効率性を堅持し、持続的な成長を実現するため、安定的な財務基盤を構築および維持することを資本リスク管理の基本方針としております。当該方針に沿い、競争力のある製品の開発・販売を通じて獲得している潤沢な営業キャッシュ・フローを基盤として、事業上の投資、配当等による株主還元、借入返済を実施しております。当社グループは、資本と負債のバランスを考慮しつつ、保守的な財務政策を順守しております。また、当社グループは、中期的なEBITDAに対する純負債の比率が2倍以下になることを目的として資本と負債のバランスを監視しております。
(2) 財務上のリスク管理
① リスク管理方針
当社グループは、事業活動を行う過程において生じる財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っております。当社グループは、主に取引先の信用リスク、流動性リスクおよび市場環境の変動により生じる市場リスク(為替リスク・金利リスク・価格変動リスク)に晒されております。これらのリスクは、当社グループのリスク管理方針に基づきコントロールしております。
② 金融商品の内容およびそのリスク
(ⅰ) 金融資産
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 現金及び現金同等物 | 319,455 | 294,522 |
| 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(デリバティブ) | 2,960 | 762 |
| ヘッジ会計を適用している デリバティブ | ― | 2,527 |
| 貸付金及び債権 | 489,274 | 522,157 |
| 売却可能金融資産 | 164,490 | 171,884 |
(ⅱ) 金融負債
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債(デリバティブ) | 7,418 | 5,373 |
| 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債(企業結合による条件付対価) | 28,976 | 30,569 |
| ヘッジ会計を適用している デリバティブ | 2,474 | 3,498 |
| その他の金融負債(社債及び借入金含む) | 1,457,320 | 1,307,317 |
(3) 信用リスク
① 信用リスク管理
当社グループは、営業活動における信用リスク(主に売上債権)、銀行等の金融機関への預金および外国為替取引ならびにその他の金融商品取引を含む財務活動における信用リスクに晒されております。売上債権およびその他の債権は顧客の信用リスクに晒されております。
当社グループは、債権管理に係る社内規程に従い、取引先ごとに期日管理および残高管理を行うとともに、主要な取引先の信用状況を定期的に把握し、回収懸念の早期把握や潜在的な信用リスクの軽減を図っております。さらに必要に応じて、担保・保証などの保全措置も講じております。
当社グループの手元資金につきましては、その大部分を、プーリングを通じて当社および米欧の地域財務管理拠点に集中しております。この資金は、資金運用に係る社内規程に従い、格付の高い短期の銀行預金および債券等に限定し、格付・運用期間などに応じて設定している限度額に基づいて運用しているため、信用リスクは僅少であります。
プーリングの対象としていない資金につきましては、連結子会社において当社の規程に準じた管理を行っております。
デリバティブの利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っております。
決算日現在における、保有する担保の評価額を考慮に入れない場合の最大の信用リスク額は、信用リスクに晒される金融資産の連結財政状態計算書上の帳簿価額としております。
② 期日が経過しているが減損していない金融資産
期日が経過しているが減損していない金融資産の残高は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||||
| 合計 | 期日経過額 | |||||
| 30日以内 | 30日超 60日以内 | 60日超 90日以内 | 90日超 1年以内 | 1年超 | ||
| 2017年3月31日残高 | 8,955 | 2,746 | 1,912 | 369 | 2,696 | 1,232 |
| 2018年3月31日残高 | 16,222 | 6,453 | 2,243 | 782 | 5,042 | 1,702 |
上表の金額は貸倒引当金を控除しております。過去の支払状況及び顧客の信用リスクを幅広く分析した結果、期日を経過している未減損の額は全額回収可能であると判断しております。
③ 貸倒引当金
貸倒引当金の増減は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 期首残高 | 9,165 | 9,733 |
| 期中増加額 | 2,438 | 1,946 |
| 期中減少額(目的使用) | △1,185 | △1,941 |
| 期中減少額(戻入) | △712 | △1,130 |
| 売却目的で保有する資産への振替 | △40 | △45 |
| 為替換算差額 | 67 | 262 |
| 期末残高 | 9,733 | 8,825 |
(4) 流動性リスク
① 流動性リスク管理
当社グループは流動性リスクを管理しており、当社グループの短期、中期、長期の資金と流動性の管理のための、適切な流動性リスク管理のフレームワークを設定しております。
当社グループは、予算と実際のキャッシュ・フローおよび売却可能金融資産残高を継続的に監視することにより、流動性リスクを管理しております。また、流動性リスクに備えるため、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。
② 金融負債の期日別残高
金融負債の期日別残高は以下のとおりであります。なお、契約上の金額は利息支払額を含んだ割引前のキャッシュ・フローを記載しております。
(単位:百万円)
| 帳簿残高 | 契約上 の金額 | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
| 2017年3月31日 | ||||||||
| 社債及び借入金 | ||||||||
| 社債 | 179,836 | 182,459 | 61,068 | 746 | 60,520 | 60,125 | ― | ― |
| 借入金 | 965,054 | 973,043 | 486,862 | 1,005 | 60,937 | 70,849 | 878 | 352,512 |
| 仕入債務及びその他の債務 | 240,623 | 240,623 | 240,623 | ― | ― | ― | ― | ― |
| ファイナンス・リース | 58,811 | 110,116 | 4,995 | 5,839 | 5,272 | 3,678 | 2,858 | 87,473 |
| デリバティブ負債 | 9,893 | 9,880 | 8,413 | 731 | 552 | 184 | ― | ― |
| デリバティブ資産 | △2,960 | △2,960 | △2,960 | ― | ― | ― | ― | ― |
| 2018年3月31日 | ||||||||
| 社債及び借入金 | ||||||||
| 社債 | 172,889 | 179,567 | 2,050 | 61,824 | 61,429 | 54,264 | ― | ― |
| 借入金 | 812,773 | 872,738 | 5,556 | 66,611 | 76,879 | 6,881 | 81,882 | 634,929 |
| 仕入債務及びその他の債務 | 240,259 | 240,259 | 240,259 | ― | ― | ― | ― | ― |
| ファイナンス・リース | 53,149 | 99,161 | 4,808 | 5,410 | 3,495 | 2,709 | 2,721 | 80,018 |
| デリバティブ負債 | 8,871 | 6,364 | 5,639 | 40 | △336 | 1,021 | ― | ― |
| デリバティブ資産 | △3,289 | △33,590 | △3,049 | △3,383 | △3,729 | △3,698 | △3,699 | △16,032 |
外貨建ての社債および借入金について、通貨スワップを行いヘッジ会計を適用しております。ヘッジ会計を適用している外貨建社債の契約額は、2017年3月31日においてはゼロであり、2018年3月31日現在においては21,287百万円(200百万米ドル)であります。ヘッジ会計を適用している外貨建借入金の契約額は、2017年3月31日においてはゼロであり、2018年3月31日現在においては98,451百万円(925百万米ドル)であります。
(5) 市場リスク
市場環境が変動するリスクにおいて、当社グループが晒されている主要なものには①為替リスク、②金利リスク、③商品価格変動リスクがあります。市場リスクの影響を受ける金融商品には、貸付金及び借入金、預金、売却可能金融資産ならびにデリバティブ金融商品が含まれております。これらのリスクに対応するため、先物為替予約等のデリバティブ取引を行っております。
なお、当社グループは、取引権限および取引限度額を定めた社内規程に基づき、デリバティブおよびヘッジ取引を行っております。
① 為替リスク
当社グループは、主に事業活動(収益および費用が外貨建ての場合)および当社の在外子会社に対する純投資により、為替変動リスクに晒されております。当社は為替リスクを集約して管理しており、当社グループの子会社は為替レートの変動によるリスクを負っておりません。
為替リスクは、通貨別・月別に想定される売掛金および買掛金のネットポジションに見合うよう先物為替予約等のデリバティブ取引を利用してヘッジしております。
金額的に重要で、かつ、取引が個別に認識できる一部の外貨建取引について、先物為替予約、通貨スワップおよび通貨オプションを利用しております。また、在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクについて、外貨建借入金および社債を利用してヘッジを行っております。
前年度(2017年3月31日)
| (単位:百万円) | |||
| 契約額等 | 契約額等の うち1年超 | 公正価値 | |
| 先物為替予約 | |||
| 売建 | |||
| ユーロ | 130,322 | ― | 1,690 |
| 米ドル | 54,389 | ― | △1,481 |
| 人民元 | 20,231 | ― | △2,013 |
| 台湾ドル | 930 | ― | △60 |
| タイバーツ | 945 | ― | △53 |
| 買建 | |||
| ユーロ | 119,874 | ― | △2,814 |
| 米ドル | 8,833 | ― | 656 |
| ポンド | 2,839 | ― | △134 |
| シンガポールドル | 1,074 | ― | 28 |
| 通貨オプション | |||
| 買建 プット | |||
| ロシアルーブル | 1,496 | ― | △276 |
(注)上記の他に、2017年3月期に在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクの一部をヘッジする目的で米ドル建ての外貨建借入金をヘッジ手段に指定し、純投資のヘッジを適用しております。当該外貨建借入金の公正価値は2017年3月31日現在において97,928百万円であります。
当年度(2018年3月31日)
| (単位:百万円) | |||
| 契約額等 | 契約額等の うち1年超 | 公正価値 | |
| 先物為替予約 | |||
| 売建 | |||
| ユーロ | 98,198 | ― | △894 |
| 米ドル | 39,799 | ― | 100 |
| 人民元 | 20,528 | ― | △1,211 |
| 台湾ドル | 944 | ― | 14 |
| タイバーツ | 910 | ― | △15 |
| 買建 | |||
| ユーロ | 173,627 | ― | △964 |
| 米ドル | 9,585 | ― | △19 |
| タイバーツ | 2,388 | ― | 71 |
| ポンド | 1,601 | ― | 41 |
| シンガポールドル | 938 | ― | △16 |
| 人民元 | 178 | ― | △1 |
| 通貨スワップ | |||
| 買建 | |||
| 米ドル | 124,028 | 123,993 | △1,773 |
上記の通貨スワップは、当社がキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定した外貨建社債および借入金に関連するものであります。
上記の他に、2018年3月期に在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクの一部をヘッジする目的で米ドル建ての外貨建借入金および社債をヘッジ手段に指定し、純投資のヘッジを適用しております。当該外貨建借入金および外貨建社債の公正価値は、2018年3月31日現在においてそれぞれ61,200百万円、31,930百万円であります。
当社グループは主に米ドルとユーロの為替リスクに晒されております。
当社グループが決算日現在において保有する金融商品について、円が米ドルおよびユーロに対して5%円安となった場合に、純損益が受ける影響は2017年3月期、2018年3月期においてそれぞれ5,156百万円、12,533百万円であります。
なお、機能通貨建ての金融商品、および在外営業活動体の資産および負債、収益および費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。また、その他の変動要因、特に金利は一定であることを前提としております。上記以外の通貨の為替変動リスクに対する当社のエクスポージャーに重要性はありません。
② 金利リスク
当社グループは、変動利付負債について市場金利の変動リスクに晒されております。
当社グループは、金利変動リスクを抑制するため、金利スワップを実施して支払金利の固定化を図っております。各会計年度末における金利スワップは以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||
| 契約額等 | 契約額等の うち1年超 | 公正価値 | |
| 前年度(2017年3月31日) | 170,000 | 120,000 | △2,474 |
| 当年度(2018年3月31日) | 300,938 | 300,938 | △970 |
当社グループは、上記の金利スワップにキャッシュ・フロー・ヘッジを適用しております。
金利の感応度分析は以下のとおりであります。この分析は、その他の変動要因、特に為替レートは一定であることを前提としております。
| (単位:百万円) | ||||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |||
| 1%増加 | 1%減少 | 1%増加 | 1%減少 | |
| その他の包括利益(税効果考慮前)への影響 | 2,653 | △2,653 | 16,543 | △16,543 |
変動利付負債は、金利スワップを利用して支払金利の固定化を図っているため、利益に与える影響に重要性はありません。
③ 価格変動リスク
保有している資本性金融商品については、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握することで、金融商品の価格変動リスクを管理しております。
当社グループが、決算日現在において保有する資本性金融商品および資本性金融商品への投資を保有することになる信託への投資について、市場価格が10%上昇した場合には、その他の包括利益(税効果考慮前)が受ける影響は、2017年3月期、2018年3月期においてそれぞれ15,537百万円、16,303百万円であります。なお、その他の変動要因、特に金利と為替レートは一定であることを前提としております。
(6) 財務活動から生じた金融負債の調整表
| 社債 | 長期 借入金 | 短期 借入金 | ファイナンス・リース 債務 | 負債のヘッジに用いられるデリバティブ 資産 | 負債のヘッジに用いられるデリバティブ 負債 | 合計 | |
| 2017年4月1日残高 | 179,836 | 560,000 | 405,054 | 58,811 | - | - | 1,203,701 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | |||||||
| 短期借入金の純増減額 | - | - | △403,931 | - | - | - | △403,931 |
| 長期借入れによる収入 | - | 337,955 | - | - | - | △801 | 337,154 |
| 長期借入金の返済による支出 | - | △80,000 | - | - | - | - | △80,000 |
| 社債の発行による収入 | 55,951 | - | - | - | 348 | - | 56,299 |
| 社債の償還による支出 | △60,000 | - | - | - | - | - | △60,000 |
| ファイナンス・リース債務の返済による支出 | - | - | - | △2,658 | - | - | △2,658 |
| 利息の支払額 | - | - | - | △2,855 | - | - | △2,855 |
| 非資金項目 | |||||||
| 為替レートの変動 | △3,019 | △5,244 | △1,105 | △2,610 | - | - | △11,978 |
| 公正価値の変動 | - | - | - | - | △528 | 2,754 | 2,226 |
| その他 | 121 | 44 | - | 2,461 | - | - | 2,626 |
| 2018年3月31日残高 | 172,889 | 812,755 | 18 | 53,149 | △180 | 1,953 | 1,040,584 |
「その他」には、償却原価法の適用による債務の増加額が含まれております。
(7) 金融商品の公正価値
① 公正価値の算定方法
(ⅰ) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産および金融負債
ヘッジ会計を適用していないデリバティブの公正価値は、市場価格もしくは、評価技法への重要なインプットが観察可能な市場情報に基づいている、取引先金融機関から入手した時価情報によっております。
企業結合による条件付対価は、企業結合における取得日時点の公正価値で測定しております。条件付対価が金融負債の定義を満たす場合は、その後の各報告日において公正価値で再測定しております。公正価値は割引後のキャッシュ・フローを基礎として算定しており、主な仮定として、各業績目標の達成可能性および割引係数が考慮されております。
企業結合による条件付対価の公正価値については、企業結合(注記31)で記載しております。
(ⅱ) 貸付金及び債権
貸付金及び債権については、短期間で決済されるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
(ⅲ) 売却可能金融資産
売却可能金融資産の公正価値は、市場価格もしくは取引先金融機関から入手した時価情報によっております。
(ⅳ) ヘッジ会計を適用しているデリバティブ
ヘッジ会計を適用しているデリバティブの公正価値は、評価技法への重要なインプットが観察可能な市場情報に基づいている、取引先金融機関から入手した時価情報によっております。
(ⅴ) その他の金融負債
社債の公正価値は、取引先金融機関から入手した時価情報によっております。
借入金およびファイナンス・リースの公正価値は、一定の期間ごとに区分した債務ごとに、その将来キャッシュ・フローを信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値によっております。
上記以外の債務については、流動項目は短期間で決済され、また非流動項目は実勢金利であるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
② 公正価値の階層(公正価値ヒエラルキー)
レベル1:活発に取引される市場で公表価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接、または間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
③ 取得原価で計上される金融商品の公正価値
各決算日における、連結財政状態計算書上において公正価値で測定されない金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |||
| 帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | |
| 社債 | 179,836 | 182,068 | 172,889 | 172,872 |
| 長期借入金 | 560,000 | 559,748 | 812,755 | 815,865 |
| ファイナンス・リース | 58,811 | 58,811 | 53,149 | 53,690 |
社債、借入金およびファイナンス・リースには、1年内返済および償還予定の残高を含んでおります。なお、社債、借入金およびファイナンス・リースの公正価値のレベルはレベル2であります。
なお、帳簿価額が公正価値に極めて近似している金融商品については、上記の表から除外しております 。
④ 連結財政状態計算書において認識された公正価値の測定
(単位:百万円)
| 2017年3月31日 | レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 |
| 資産: | ||||
| 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(デリバティブ) | ― | 2,960 | ― | 2,960 |
| 売却可能金融資産 | 155,368 | 64 | ― | 155,431 |
| 合計 | 155,368 | 3,024 | ― | 158,391 |
| 負債: | ||||
| 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債(デリバティブ) | ― | 7,418 | ― | 7,418 |
| ヘッジ会計を適用している デリバティブ | ― | 2,474 | ― | 2,474 |
| 企業結合による条件付対価 | ― | ― | 28,976 | 28,976 |
| 合計 | ― | 9,893 | 28,976 | 38,869 |
(単位:百万円)
| 2018年3月31日 | レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 |
| 資産: | ||||
| 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(デリバティブ) | ― | 762 | ― | 762 |
| ヘッジ会計を適用している デリバティブ | ― | 2,527 | ― | 2,527 |
| 売却可能金融資産 | 163,030 | 34 | ― | 163,064 |
| 合計 | 163,030 | 3,323 | ― | 166,353 |
| 負債: | ||||
| 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債(デリバティブ) | ― | 5,373 | ― | 5,373 |
| ヘッジ会計を適用している デリバティブ | ― | 3,498 | ― | 3,498 |
| 企業結合による条件付対価 | ― | ― | 30,569 | 30,569 |
| 合計 | ― | 8,871 | 30,569 | 39,440 |
公正価値を信頼性をもって測定できない売却可能金融資産およびデリバティブについては、上記の表から除外しております。これらの資産の帳簿価額は、2017年3月31日および2018年3月31日現在において、それぞれ9,059百万円、8,820百万円であります。これらの資産は主に非上場株式であり、株式市場にて取引が行われていないため、公正価値を信頼性をもって測定することができません。
連結会計年度中に発生した公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各連結会計年度末において生じたものとして認識しております。各報告期間において、レベル1、2および3の間の振替はありません。
企業結合による条件付対価に関するその他の注記については、企業結合(注記31)で記載しております。
28 株式報酬
当社グループは、当社グループの取締役および一部の従業員に対し、株式に基づく報酬制度を採用しております。2017年3月期および2018年3月期において、連結純損益計算書に計上した株式に基づく報酬制度に係る報酬費用の総額は、それぞれ17,414百万円および22,172百万円であります。
(1) 持分決済型株式報酬(ストック・オプション制度)
当社グループは、2014年3月期まで、取締役、コーポレート・オフィサーおよび上級幹部に対するストック・オプション制度を有しておりました。前会計年度および当会計年度において付与されたストック・オプションはありません。また、過去に付与されたストック・オプションはすべて権利が確定しております。当該ストック・オプションは、通常付与日から3年後に権利が確定するものであります。取締役に対するストップ・オプションの権利行使期間は付与日から10年間、コーポレート・オフィサーおよび上級幹部に対するストック・オプションの権利行使期間は付与日から20年間であります。ストック・オプションを行使する者は、行使時において当社の取締役または従業員であることを要します。ただし、任期満了により退任、定年退職またはその他正当な理由により退職した場合はこの限りではありません。
ストック・オプション制度に関して計上された費用は、2017年3月期において63百万円であります。2018年3月期については、ストック・オプションはすべて権利確定済みであるため、計上された報酬費用はありません。
各会計年度におけるストック・オプション数の変動及び加重平均行使価格の要約は以下のとおりであります。
(ⅰ) ストック・オプション数の変動および加重平均行使価格
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |||
| オプション数(株) | 加重平均 行使価格(円) | オプション数(株) | 加重平均 行使価格(円) | |
| 期首未行使残高 | 4,258,000 | 3,920 | 4,020,900 | 4,026 |
| 権利行使 | △237,100 | 2,121 | △617,100 | 3,876 |
| 期末未行使残高 | 4,020,900 | 4,026 | 3,403,800 | 4,054 |
| 期末行使可能残高 | 4,020,900 | 4,026 | 3,403,800 | 4,054 |
(ⅱ) ストック・オプションの行使の状況
ストック・オプション行使時の加重平均株価は2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ4,939円および5,965円であります。
未行使のストック・オプションの加重平均行使価格は2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ4,026円、4,054円であり、加重平均残存契約年数はそれぞれ15年、14年であります。
(2) 持分決済型株式報酬(株式付与制度)
当社グループは、当社グループの取締役および上級幹部に対して株式に基づく2つのインセンティブ報酬制度を導入しております。
役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」)
BIP信託とは、当社の取締役を対象とした株式に基づくインセンティブプランであり、当社の取締役に対して報酬(1ポイント=1株)が付与されます。当該BIP信託による報酬のうち、50%については付与日から3年間にわたって3分の1ずつ権利が確定し、残りの50%については、付与日から3年目に権利が確定します。報酬の決済は、株価、外国為替レート(日本国外の場合)、および当社の配当金に基づいて行われます。業績連動型株式報酬(パフォーマンスシェア)については、報酬付与日において設定される連結売上収益、営業フリー・キャッシュ・フロー、1株当たり利益および研究開発に係る目標等の、透明性が高く客観的な目標の達成度に応じて決済が行われます。当社グループは、当社が完全保有している信託を通じて、付与日において市場から当社株式を取得し、その株式を用いて報酬の決済を行っております。個人が受領する株式数(株式現物または株式の換価処分金相当額の金銭)は、業績目標の達成度および権利の確定に基づいております。BIP信託は、日本国内に在住する個人について株式交付により決済を行い、日本国外に在住する個人については、その個人が権利を有する株式の売却による換価相当の金銭を支払うことで決済しております。
株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下「ESOP信託」)
ESOP信託とは、上級幹部を対象とした株式に基づくインセンティブプランであり、従業員に対して報酬(1ポイント=1株)が付与されます。一部の上級幹部については、BIP信託と同様に権利が確定し、それ以外の従業員については権利付与日から3年間にわたって毎年3分の1ずつ権利が確定します。報酬の決済は、株価、外国為替レート(日本国外の場合)、および当社の配当金に基づいて行われます。業績連動型株式報酬(パフォーマンスシェア)については、報酬付与日において設定される連結売上収益、営業フリー・キャッシュ・フロー、1株当たり利益および研究開発に係る目標等の、透明性が高く客観的な目標の達成度に応じて決済が行われます。当社グループは、当社が完全保有している信託を通じて、付与日において市場から当社株式を取得し、その株式を用いて報酬の決済を行っております。個人が受領する株式数(株式現物または株式の換価処分金相当額の金銭)は、業績目標の達成度および権利の確定に基づいております。ESOP信託は、日本国内に在住する個人に対しては株式を交付して決済を行い、日本国外に在住する個人については、その個人が権利を有する株式の売却による換価相当の金銭を支払うことで決済しております。
株式付与制度に関して認識された費用の総額は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ15,322百万円および18,610百万円であります。
付与された報酬ポイントの公正価値は以下のとおりであります。
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| BIP信託: | ||
| 付与日の公正価値 | 4,664 | 5,709 |
| 加重平均公正価値 | 4,664 | 5,709 |
| ESOP信託: | ||
| 付与日の公正価値 | 4,438 | 5,709 |
| 加重平均公正価値 | 4,438 | 5,709 |
付与日の公正価値は、付与日の当社株式の株価に近似していると判断されたことから、付与日の株価を使用して算定しております。
各会計年度における株式付与制度における報酬ポイント数の変動は以下のとおりであります。
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |||
| ESOP信託 (ポイント数) | BIP信託 (ポイント数) | ESOP信託 (ポイント数) | BIP信託 (ポイント数) | |
| 期首残高 | 4,809,442 | 281,154 | 6,471,104 | 414,933 |
| 権利付与 | 4,328,364 | 192,818 | 3,944,938 | 188,695 |
| 権利失効 | △849,886 | ― | △602,245 | ― |
| 権利行使 | △1,816,816 | △59,039 | △2,922,035 | △170,368 |
| 期末残高 | 6,471,104 | 414,933 | 6,891,762 | 433,260 |
| 期末行使可能残高 | ― | ― | ― | ― |
ポイントの加重平均残存契約年数は、2017年3月31日現在、BIP信託が1年、ESOP信託が1年であり、2018年3月31日現在、BIP信託が1年、ESOP信託が1年であります。
(3) 現金決済型株式報酬
当社グループは、特定の従業員に対して、擬似株式増価受益権(PSAR:Phantom Stock Appreciation Right)および譲渡制限付株式ユニット(RSU:Restricted Stock Unit)を付与しております。これらの株式報酬は、当社株式の価格に連動しており、現金で決済されます。これらの現金決済型の株式報酬に関して計上された費用は、2017年3月期および2018年3月期において、それぞれ2,029百万円および3,562百万円であり、連結財政状態計算書に認識された負債は、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ7,350百万円および4,872百万円であります。
① 擬似株式増価受益権(PSAR)
PSAR(PSAR:Phantom Stock Appreciation Right)は、付与日の属する連結会計年度末から3年間にわたって毎年付与数の3分の1ずつ権利が確定します。権利行使期間は、付与日の属する連結会計年度末から10年間であります。株式報酬は、付与日における当社の株価と権利行使日における株価との差額を現金で支払うことで決済されます。
各年度におけるPSARの権利数および加重平均行使価格の変動は以下のとおりであります。
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |||
| PSAR(権利数) | 加重平均行使価格(円) | PSAR(権利数) | 加重平均行使価格(円) | |
| 期首残高 | 10,257,155 | 5,063 | 9,282,080 | 5,017 |
| 権利付与 | ― | ― | ― | ― |
| 権利失効 | ― | ― | ― | ― |
| 権利行使 | △618,494 | 4,706 | △4,335,961 | 5,072 |
| 権利満期消滅 | △356,581 | 5,012 | △361,182 | 5,505 |
| 期末残高 | 9,282,080 | 5,017 | 4,584,937 | 4,650 |
| 期末行使可能残高 | 9,282,080 | 5,017 | 4,584,937 | 4,650 |
② 譲渡制限付株式ユニット(RSU)
RSU(RSU:Restricted Stock Unit)は、付与日の属する連結会計年度末から3年間にわたって毎年付与数の3分の1ずつ権利が確定し、権利確定時における株価相当額に権利確定期間中の配当金相当額を加味した金額を現金で支払うことにより決済されます。RSUには、権利保有者が支払うべき行使価格はありません。
各年度におけるRSUの権利数の変動は以下のとおりであります。
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| RSU(権利数) | RSU(権利数) | |
| 期首残高 | 1,220,234 | 448,286 |
| 権利付与 | 255,116 | 254,710 |
| 権利失効 | △148,502 | △82,388 |
| 権利行使 | △878,562 | △222,129 |
| 期末残高 | 448,286 | 398,479 |
| 期末行使可能残高 | ― | ― |
期末日現在で権利が確定した現金決済型株式報酬制度に関する本源的価値は、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ1,965百万円および2,442百万円であります。
29 子会社および関連会社
2018年3月期において、連結子会社は法人の設立等により3社増加し、和光純薬工業株式会社を含む売却等により20社減少いたしました。また、持分法適用関連会社は法人の新規設立等により3社増加し、売却等により7社減少いたしました。
2018年3月31日時点の当社グループの連結子会社および持分法適用関連会社の内訳は、以下のとおりであります。
(連結子会社(パートナーシップを含む))
| 会社名 | 国名 | 議決権所有割合(%) |
| 武田ファーマシューティカルズ ・インターナショナル Inc. | 米国 | 100.0 |
| 武田ファーマシューティカルズUSA Inc. | 米国 | 100.0 |
| ミレニアム・ファーマシューティカルズ Inc. | 米国 | 100.0 |
| アリアド・ファーマシューティカルズ Inc. | 米国 | 100.0 |
| 武田カリフォルニア Inc. | 米国 | 100.0 |
| 武田ワクチン Inc. | 米国 | 100.0 |
| 米州武田開発センター Inc. | 米国 | 100.0 |
| 武田ベンチャー投資 Inc. | 米国 | 100.0 |
| 武田ヨーロッパ・ホールディングス B.V. | オランダ | 100.0 |
| 武田 A/S | デンマーク | 100.0 |
| 武田ファーマシューティカルズ ・インターナショナル AG | スイス | 100.0 |
| 武田 GmbH | ドイツ | 100.0 |
| 武田ファルマ Vertrieb GmbH & Co. KG | ドイツ | 100.0 |
| 武田イタリア S.p.A. | イタリア | 100.0 |
| 武田オーストリア GmbH | オーストリア | 100.0 |
| 武田ファルマ Ges.m.b.H | オーストリア | 100.0 |
| 武田フランス S.A.S. | フランス | 100.0 |
| 武田 Pharma A/S | デンマーク | 100.0 |
| 武田 AS | ノルウェー | 100.0 |
| 武田ベルギー SCA/CVA | ベルギー | 100.0 |
| 英国武田 Limited | 英国 | 100.0 |
| 武田 Oy | フィンランド | 100.0 |
| 武田ファルマ AG | スイス | 100.0 |
| 武田 Farmaceutica Espana S.A. | スペイン | 100.0 |
| 会社名 | 国名 | 議決権所有割合(%) |
| 武田オランダ B.V. | オランダ | 100.0 |
| 武田 Pharma AB | スウェーデン | 100.0 |
| 武田 Pharma Sp. z o.o. | ポーランド | 100.0 |
| 武田 Hellas S.A. | ギリシャ | 100.0 |
| 武田アイルランド Limited | アイルランド | 100.0 |
| 欧州武田開発センター Ltd. | 英国 | 100.0 |
| 武田カナダ Inc. | カナダ | 100.0 |
| 武田ファーマシューティカルズ Limited Liability Company | ロシア | 100.0 |
| 武田 Yaroslavl Limited Liability Company | ロシア | 100.0 |
| 武田ウクライナ LLC | ウクライナ | 100.0 |
| 武田カザフスタン LLP | カザフスタン | 100.0 |
| 武田 Distribuidora Ltda. | ブラジル | 100.0 |
| Multilab Indústria e Comércio de Produtos Farmacêuticos Ltda. | ブラジル | 100.0 |
| 武田 Pharma Ltda. | ブラジル | 100.0 |
| 武田メキシコ S.A. de C.V. | メキシコ | 100.0 |
| 武田 Pharma, S.A. | アルゼンチン | 100.0 |
| 武田(中国)投資有限公司 | 中国 | 100.0 |
| 武田ファーマシューティカルズ (アジア・パシフィック) Pte. Ltd. | シンガポール | 100.0 |
| 広東テックプール・ バイオファーマ Co., Ltd. | 中国 | 51.3 |
| 武田薬品(中国)有限公司 | 中国 | 100.0 |
| 天津武田薬品有限公司 | 中国 | 100.0 |
| 武田ファーマシューティカルズ 韓国 Co., Ltd. | 韓国 | 100.0 |
| タイ武田 Ltd. | タイ | 52.0 |
| 台湾武田 Ltd. | 台湾 | 100.0 |
| P.T. インドネシア武田 | インドネシア | 70.0 |
| 武田ヘルスケア・フィリピン Inc. | フィリピン | 100.0 |
| アジア武田開発センター Pte. Ltd. | シンガポール | 100.0 |
| 会社名 | 国名 | 議決権所有割合(%) |
| 武田ワクチン Pte. Ltd. | シンガポール | 100.0 |
| 武田 (Pty.) Ltd. | 南アフリカ | 100.0 |
| 武田ファーマシューティカルズ・ オーストラリア Pty. Ltd. | オーストラリア | 100.0 |
| 武田 İlaç Sağlık Sanayi Ticaret Limited Şirketi | トルコ | 100.0 |
| 武田コンシューマーヘルスケア㈱ | 日本 | 100.0 |
| 日本製薬㈱ | 日本 | 87.3 |
| 武田ヘルスケア㈱ | 日本 | 100.0 |
| アクセリード ドラッグディスカバリーパートナーズ㈱ | 日本 | 100.0 |
| その他71社 |
(持分法適用関連会社)
| 会社名 | 国名 | 議決権所有割合(%) |
| セレバンスLLC | 米国 | 27.8 |
| 武田テバファーマ㈱ | 日本 | 49.0 |
| 天藤製薬㈱ | 日本 | 30.0 |
| その他12社 |
30 関連当事者取引
(1) 関連会社との取引
武田テバファーマ株式会社は、当社グループの主要な関連会社の1つであり、当社グループは武田テバファーマ株式会社に対して製品販売および販売代行を行っております。2017年3月期および2018年3月期における当該関連会社との取引額の合計は、それぞれ15,685百万円および18,166百万円であります。債権債務の残高は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 売上債権 | 5,703 | 4,187 |
| 未収入金 | 1,427 | 1,507 |
| 未払金 | 28,745 | 30,066 |
関連当事者との取引条件は、市場価格を勘案して一般的取引条件と同様に決定しております。また、上記の債権債務は通常の決済条件と同様、現金によって決済しております。
担保・保証取引の残高は無く、債権に対して貸倒引当金は設定しておりません。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
主要な経営幹部に対する報酬は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 基本報酬及び賞与 | 1,478 | 1,332 |
| 株式報酬 | 948 | 1,176 |
| 退職後給付 | 38 | 26 |
| 合計 | 2,464 | 2,534 |
31 企業結合
(1) 重要な企業結合
前年度(自2016年4月1日 至2017年3月31日)
アリアド・ファーマシューティカルズ Inc.の取得
当社グループは、米国時間の2017年2月16日付で、がん関連医薬品の研究開発、販売を行うアリアド・ファーマシューティカルズ Inc.(以下「アリアド社」)の議決権付株式の100%を現金を対価とする株式公開買付けにより取得いたしました。
アリアド社は、希少がん患者のための精密治療の発見、開発および販売に従事しています。アリアド社の買収は非常に戦略的であり、固形がん分野への拡大と血液がん分野のさらなる強化によって、当社のグローバルなオンコロジーポートフォリオとパイプラインを変革します。brigatinib(米国製品名「ALUNBRIG」)は、非小細胞肺がんに対する低分子ALK阻害薬であり、本買収後の2017年4月には、米国食品医薬品局(FDA)より、本剤の販売許可を取得しました。慢性骨髄性白血病およびフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病治療剤「アイクルシグ」はグローバルに販売中であります(米国外の一部地域における販売権は導出)。これら2つのターゲットを絞った革新的な治療薬は、コストシナジーも伴い、当社グループのオンコロジー(がん)領域のバリュードライバーとなることが期待されます。また、同社は、力強い早期ステージのパイプラインを有しており、当社グループは同社の研究開発能力や基盤技術を活用します。本買収は、当社の医薬品事業における短期的および長期的な成長に貢献します。
取得した資産、引き受けた負債の公正価値および移転された対価は、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | |
| 金額 | |
| 無形資産 | 433,047 |
| その他の資産 | 43,490 |
| 繰延税金負債 | △92,419 |
| その他の負債 | △38,852 |
| のれん | 273,627 |
| 合計 | 618,893 |
移転された対価は、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | |
| 金額 | |
| 現金 | 531,917 |
| 新株予約権付社債の引き受け | 59,155 |
| 株式報酬取引に係る負債の引き受け | 27,820 |
| 合計 | 618,893 |
| (控除) | |
| 取得資産に含まれる現金 | △29,868 |
| 支払対価に含まれる未払金額 | △1,509 |
| キャッシュ・フロー・ヘッジによる収入 | △4,411 |
| 移転された対価の純額 | 583,104 |
のれんは、今後の事業展開により期待される将来の超過収益力を反映したものであります。のれんは、税務上の控除の対象とはなっておりません。
2017年3月期において、取得した資産および引き受けた負債の公正価値について暫定的な会計処理を行っておりましたが、2018年3月期において取得対価の配分が完了しております。上記の取得対価の配分は、暫定的に算定された金額から修正され、公正価値を反映しております。暫定的に算定された金額からの修正に伴い、取得日ののれんは3,198百万円減少しており、その他の負債は2,827百万円増加、無形資産、その他の資産および繰延税金負債はそれぞれ2,853百万円、3,114百万円および11,992百万円減少しております。
当該企業結合により生じた仲介手数料および法務関係の手数料等を含む取得関連費用3,194百万円を、発生時に「販売費及び一般管理費」に計上しております。
2017年3月期の連結純損益計算書で認識している、取得日以降のアリアド社の売上収益、当期損失は軽微であります。また、取得日が2016年4月1日であったと仮定した場合の、2017年3月期の当社グループの売上収益、当期利益に与える影響は軽微であります。
当社グループは、2017年3月期において、アリアド社の取得に加えて他の事業の取得を6,040百万円で行っており、アリアド社の取得との合計の現金支出の純額は589,144百万円であります。
当年度(自2017年4月1日 至2018年3月31日)
28,328百万円を対価とした事業の取得を行っており、その全額を現金により支払っております。
(2) 条件付対価
特定の企業結合の対価には、開発マイルストンおよび販売目標の達成等の将来の事象を条件とする金額が含まれております。各報告日において、企業結合による条件付対価の公正価値は、リスク調整後の将来のキャッシュ・フローを適切な割引率を用いて割り引いた金額に基づいて再測定しております。次に記載のある条件付対価は、主として、2012年6月におけるURLファーマ Inc.(以下「URLファーマ社」)の買収に伴い取得した「コルクリス」(痛風治療剤)に係る事業(以下「コルクリス事業」)の業績に応じて、一定期間支払われるロイヤルティの現在価値であります。なお、コルクリス事業の業績に応じて支払われるロイヤルティについては、支払額の上限がなく、将来の業績見通しに基づき支払見込額を算出しております。
条件付対価の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3であります。なお、公正価値のヒエラルキーについては金融商品(注記27)に記載しております。
① 増減
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| 期首残高 | 64,182 | 28,976 |
| 企業結合による増加額 | ― | 3,164 |
| 期中公正価値変動額(未実現) | ||
| URLファーマ社 | △8,417 | 11,149 |
| その他 | △6,331 | 1,635 |
| 期中決済額 | ||
| URLファーマ社 | △7,610 | △11,475 |
| その他 | △8,015 | △1,131 |
| 未払金への振替 | △2,370 | ― |
| 為替換算差額 | △2,088 | △1,243 |
| その他 | △376 | △506 |
| 期末残高 | 28,976 | 30,569 |
② 期日別支払予定額(割引前)
| (単位:百万円) |
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 1年以内 | 9,635 | 10,620 |
| 1年超3年以内 | 17,571 | 18,584 |
| 3年超5年以内 | 3,263 | 4,641 |
| 5年超 | 4,838 | 2,831 |
③ 感応度分析
条件付対価の公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合に、条件付対価の公正価値に与える影響は以下のとおりです。
| (単位:百万円) |
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | ||
| コルクリス事業から生じる売上収益 | 5%上昇した場合 | 871 | 862 |
| 5%低下した場合 | △872 | △862 | |
| 割引率 | 0.5%上昇した場合 | △229 | △257 |
| 0.5%低下した場合 | 263 | 256 | |
32 コミットメントおよび偶発負債
(1) オペレーティング・リース
当社グループは、借手として、主にオフィス、その他の施設および特定のオフィス機器のオペレーティング・リース契約を締結しております。
2017年3月31日および2018年3月31日現在、当初または残存リース期間が1年を超える解約不能オペレーティング・リースに基づく将来の最低支払リース料の支払期日別の内訳は、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (2017年3月31日) | 当年度 (2018年3月31日) | |
| 1年以内 | 11,880 | 12,053 |
| 1年超5年以内 | 31,686 | 31,278 |
| 5年超 | 37,470 | 33,720 |
| 合計 | 81,037 | 77,051 |
解約不能サブリース契約のもとで受け取ると予想される将来の最低サブリース料は、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ12,036百万円および34,482百万円であります。
純損益に認識したオペレーティング・リース契約のリース料および受取サブリース料は、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前年度 (自2016年4月1日 至2017年3月31日) | 当年度 (自2017年4月1日 至2018年3月31日) | |
| リース料 | 11,758 | 21,384 |
| 受取サブリース料 | △108 | △2,493 |
| 合計 | 11,649 | 18,891 |
(2) 購入コミットメント
有形固定資産の取得に関するコミットメントは、2017年3月31日および2018年3月31日現在、それぞれ24,786百万円および14,078百万円であります。
(3) マイルストン支払い
注記13に記載のとおり、当社グループは、2017年3月31日および2018年3月31日現在、無形資産の取得に関して最大でそれぞれ364,907百万円および517,017百万円の支払いを要する契約上の取決めを有しております。当該コミットメントは、開発中のパイプラインに関しては開発マイルストンを、上市した製品に関してはコマーシャルマイルストンの最大支払額を含めております。なお、開発中のパイプラインに関しては、コマーシャルマイルストンの支払条件が達成されるかどうかの不確実性が高いため、上記コミットメント金額にコマーシャルマイルストンは含めておりません。
(4) 債務保証
2017年3月31日および2018年3月31日現在、偶発負債の残高は、それぞれ349百万円および186百万円であります。これらは金融機関との取引に関する債務保証であり、履行可能性が低いため、連結財政状態計算書上において金融負債として認識しておりません。
(5) 訴訟
当社グループは、複数の訴訟および行政手続に当事者として関与しておりますが、最も重要な事案は以下のとおりであります。
当社グループが関与する重要な訴訟等のなかには、それらの最終的な結果により財務上の影響があると見込まれる場合であっても、その額を信頼性をもって見積ることが不可能である場合があります。信頼性のある見積りが不可能な訴訟等については、引当金の計上は行わず以下に適切な情報を開示しております。
以下に記載している訴訟等については、引当金を計上しているものを除き、現段階において当社グループは信頼性をもって財務上の影響額を見積ることは不可能であります。原告側の請求額に関する情報が入手できた場合でも、訴訟等に関する見積りにおいては有用な情報ではないと考えております。これは審理の進行段階、当事者に決定を争う権利があるか否か、ならびに責任、損害の算定および適用される法律といった論点等、複数の要因を考慮する必要があるためです。
訴訟等に関連して発生した法務費用および訴訟等に係る費用は、販売費及び一般管理費に計上しております。法律およびその他の専門家からの適切な助言をもとに、資源が流出する可能性が高く、訴訟の帰結について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を計上しております。一部の製造物責任に係る請求については、過去に請求および和解に関する十分な実績があり、経営者が未請求の損害賠償請求に対する引当金を信頼性をもって見積ることができる場合に、引当金を計上しております。2018年3月31日現在、当社グループの訴訟に係る引当金の合計は23,182百万円であります。
法的請求による最終的な負債の額は、訴訟手続、調査、および和解交渉の帰結によって、引当額と異なる可能性があります。
当社グループの状況は時間の経過とともに変化する可能性があります。したがって、いずれの訴訟等についてもそれらの結果として実際に生じる損失が当連結財務諸表に計上されている引当金の金額を大きく上回ることはないという保証はありません。
製造物責任訴訟および関連する損害賠償請求
規制当局の承認後の製品の使用に係る人体への安全性および有効性を確認するため、製品開発中に前臨床試験および臨床試験が実施されております。しかしながら、医薬品およびワクチンの上市後に、予想されていなかった安全性に関する問題が明らかになる、または第三者からの訴えにより明らかになる場合があります。当社グループは、当社グループの製品に関連して多数の製造物責任訴訟を提起されております。製造物責任訴訟および関連する損害賠償請求について、当社グループは、引当金が計上されている事案を除き、現時点において予想される財務上の影響額を信頼性をもって見積ることはできません。
① アクトス
当社グループは、米国の連邦裁判所および州裁判所において、2型糖尿病治療剤ピオグリタゾンを含有する製剤(米国製品名「アクトス」)に起因する膀胱がんまたはその他の傷病を発症したと主張する原告により提訴されております。また、一時期米国においてアクトスを共同販売していたイーライリリー・アンド・カンパニー(イーライリリー社)も、アクトスに関連する多くの訴訟において被告として提訴されております。当社グループは、両社の共同販促(co-promotion)契約に基づき、米国内の事案についてイーライリリー社を弁護し、補償することに同意しております。また、米国外においても、同様の傷病を主張する人々により訴訟および損害賠償請求が提起されております。
2015年4月、当社グループと原告代理人は、米国内における当社グループおよびイーライリリー社に対する、アクトスに関する係争中の製造物責任訴訟の大多数について和解することで合意に至りました。当該和解は、和解が成立した日において米国の裁判所で係争中の膀胱がんに関する損害賠償請求のすべてを対象としております。また、米国内で未提訴の損害賠償請求者についても、和解が成立した日および和解が成立した日の翌日から3日以内に、代理人を通じて和解プログラムに参加する資格を有しておりました。提訴済みおよび未提訴を併せ損害賠償請求者の95%が和解プログラムに参加したことによって、和解が成立いたしました。当社グループは、この広範な和解プログラムに関連し、和解基金へ24億ドル(約2,880億円)を支払っております。当社グループは、当社グループに対する製造物責任訴訟を補償範囲としている複数の保険契約により、約580億円の保険金を受領しております。当社グループは、未だ係争中のアクトス訴訟および損害賠償請求に関して引当金を計上しております。
上記の未だ係争中の製造物責任訴訟に加え、当社グループは以下の通り消費者および公共または民間の第三者支払人(医療保険会社など患者のため医療費の補填や立替払いをする事業者)から経済損失の賠償を請求する訴訟を提起されております。
全米の消費者および第三者支払人に代わって全員が支払ったアクトスの薬剤費の払い戻しを集団(クラス)として請求するPainters’Fund訴訟が、カリフォルニア州の連邦裁判所において提起されております。2018年4月、裁判所は当該訴訟を棄却しましたが、原告側は控訴しております。
Painters’Fund訴訟と同様のカリフォルニア州での集団(クラス)訴訟が、同州の連邦裁判所に提起されております。
ミシシッピ州およびルイジアナ州は、当社グループおよびイーライリリー社がアクトス服用による膀胱がんおよびその他のリスクに関する警告を怠ったと主張し、両社に対して訴訟を提起しております。当該訴訟においては、州がメディケイド等のプログラムを通じ、患者のために負担したアクトスの薬剤費の払戻し、アクトスに起因する傷病の治療費、弁護士およびその他の費用の補償、並びに懲罰的損害賠償が請求されております。裁判所は、当社グループによるルイジアナ州の請求棄却の申し立てを認めましたが、この判決については控訴されております。
② プレバシド
当社グループは、2018年3月31日現在、米国連邦裁判所および州裁判所において1,100件以上のプレバシドおよび(または)デクスラントに関連した製造物責任訴訟を提起されております。この連邦訴訟について、広域係属訴訟(MDL)制度に係る公判前整理手続がニュージャージー州地区連邦裁判所に統合されております。原告側は、プレバシドまたはデクスラントの使用により腎臓障害を発症し、当社グループが潜在的な危険性についての適切な警告を怠ったと主張しております。しかし、これらの原告のうち、当社グループのプロトンポンプ阻害薬(PPI)を服用した人数は依然として不明であります。アストラゼネカ社、プロクター・アンド・ギャンブル社およびファイザー社等の、プレバシドおよびデクスラントと同じくプロトンポンプ阻害薬クラスに属する製品を製造している他の製薬会社に対して、類似の訴訟が係争中となっております。また、今後の当社グループに対する新たな訴訟件数についても予測できておりません。現時点において、引当金を計上するに足る蓋然性を欠いており、引当金の見積りは不可能であります。
カナダでは、ケベック州、オンタリオ州、およびサスカチェワン州の3つの州において、3件の集団訴訟が提起されております。当該提訴には、当社グループ、アストラゼネカ社、および複数の後発品製薬会社が被告側として含まれております。
知的財産権
知的財産権の侵害訴訟には、当社グループの様々な製品または製法に関する特許権の有効性および法的強制力に対する異議の申し立て、ならびに当該特許権に対する非侵害の主張が含まれております。知的財産権の侵害訴訟に敗訴することにより、対象となった製品に係る特許権の保護の喪失につながる可能性があり、結果として該当製品の売上が大幅に減少し、当社グループの将来の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
① プレバシド
2018年1月、当社グループは、Zydus社から、SoluTabの後発品の申請を修正したという通知を受けました。これに関し、当社グループはZydus社に対する特許侵害訴訟を提起いたしました。それを受けてZydus社は、Zydus社のANDA(簡略新薬申請)の修正を行った製品に対する当社グループの当該訴訟提起は独占禁止法に違反すると主張する反訴を提起しております。当社グループは、当該反訴の法的根拠はないと考えております。
2009年6月、カナダのトロントにおいて、Apotex社は、Apotex社に対する以前の特許侵害訴訟によりApotex社の後発品(ランソプラゾールカプセル)の市場参入が遅れたとして、当社グループとアボット・ラボラトリーズ(アボット社)に対して損害賠償請求訴訟を提起しました。この損害賠償請求訴訟に先立って、アボット社および当社グループは、Apotex社が、カナダにおけるランソプラゾールカプセルの後発品に関連する様々な特許権が満了する前にApotex社の後発品の販売許可を求め、カナダの保健大臣へ承認を申請したことに関し、Apotex社に対する特許侵害訴訟を提起しておりました。
2008年9月、アボット社および当社グループとApotex社は上記特許侵害訴訟について和解し、Apotex社は2009年5月1日よりカナダにおいて当該後発品の販売を開始することが認められました。当該和解条件の中で、Apotex社は、上記侵害訴訟により市場参入が遅れたことに対して損害賠償を請求できる権利を保持しておりました。
② パントプラゾール
2016年1月15日、マイラン社は、当社グループが以前マイラン社に対して請求したPM(NOC)訴訟(カナダ薬事当局による後発品承認の差し止めを求め先発メーカーが提起する訴訟)が棄却されたことを受けて、カナダ連邦裁判所において当社グループに対する損害賠償請求訴訟を提起しました。マイラン社は、2013年6月27日から2015年6月15日の期間において、マイラン社のパントプラゾール・マグネシウム後発品を販売できなかったとして損害賠償請求をしておりました。2018年5月に両当事者間において和解が成立しております。
③ アミティーザ
Sucampo社(当社グループのライセンサー)は、2017年3月にAmneal Pharmaceuticals社から、2017年8月にテバ社から、アミティーザに対するParagraph IV証明を受領しました。当該両当事者は、FDAのオレンジブックに掲載されているアミティーザの特許は無効であること、また彼らのANDA製品による特許侵害はないことを主張しました。これに関し、Sucampo社および当社グループは、当該両当事者に対する特許侵害訴訟を提起しました。アミティーザに対してそれ以前にANDAの提出を行っていたその他の後発医薬品製薬会社に対する特許侵害訴訟については、既に和解が成立しております。
④ トリンテリックス
当社グループは、トリンテリックスの後発品の販売を求める後発医薬品製薬会社16社から、Paragraph IV証明を添付してANDAを提出したとの通知を受領しました。その中で、現時点において、少なくとも後発医薬品製薬会社4社が、2026年に特許期間が満了するトリンテリックスの化合物(有効成分)であるvortioxetineをカバーする特許の無効を申し立てております。当社グループは、デラウェア州の連邦裁判所においてANDAを提出した当事者に対する特許侵害訴訟を提起しております。
⑤ Entyvio
ロシュ社は、Entyvioがロシュ社のドイツにおける特許を侵害しているとして、当社グループに対する特許侵害訴訟をドイツで提起しております。当社グループは、当該訴訟に対して徹底的な対抗措置をとっております。また、当社グループは、英国において同国内でのロシュ社の特許の無効を主張する訴訟を提起しております。さらに、当社グループは、デラウェア州裁判所において、当社グループとジェネンテック社間の従前の合意により、ロシュ社の特許のライセンスを当社グループが取得していることを主張する訴訟をジェネンテック社に対して提起しております。
⑥ その他
上記の個別の特許訴訟に加えて、当社グループは、他の製薬企業が当社グループの他の医薬品の後発品を販売する目的でParagraph IV証明を添付してANDAの提出を行った旨の通知を受領し、多数の訴訟事案の当事者となっております。これらの事案には、ColcrysおよびAlogliptinといった製品が含まれます。当社グループは、このような事例に関与する当事者に対して特許侵害訴訟を提起しております。
販売・営業および規制
当社グループは、当社グループの製品および営業活動に関連する訴訟に関与しており、その中で最も重要なものは以下のとおりであります。
① 反トラスト
ニューヨーク州連邦裁判所において、当社グループおよび複数の後発品会社に対して、アクトス後発品の市場参入を阻害する反競争的行為があると主張する最終消費者および卸売業者による集団訴訟が提起されました。2015年9月、裁判所は、最終消費者が主張する反トラストの訴えに係る被告側からの請求棄却の申し立てを認めましたが、これに対し最終消費者は、連邦第二巡回控訴裁判所に控訴しました。卸売業者による訴訟は、最終消費者の訴訟に関する控訴審判決が出るまで保留されておりました。2017年2月、控訴裁判所は、最終消費者の訴えの棄却を部分的に取り消し、原告側の反トラストに関する見解の1つについて第一審裁判所において審理を進めることを認めました。具体的には、控訴裁判所は、FDAのオレンジブックに掲載されている当社グループの2件の特許に関する分類が誤っており、そのためにテバ社のアクトス後発品の発売が遅れたという原告の主張は妥当であると判断しました。当社グループは、係る主張に同意しておらず、オレンジブックの記載は正確であったと確信しております。一方で、控訴裁判所は、第一審裁判所によるその他の反トラストに関する訴えの棄却については支持する見解を示しました。最終消費者による訴えは、卸売業者の訴えと共に、第一審裁判所で審理が進められておりますが、当社グループは残りの訴えについて棄却の申し立てをしております。
② 患者支援プログラムに関する調査
2017年3月期に当社グループが買収したアリアド社は、買収に先立つ2016年11月、米国司法省ボストン地方検事局から、召喚状が発行され(subpoena)、2010年1月から現在に至るまでの間のアリアド社がMedicareプログラム上の患者の自己負担にかかる財政支援を行う非営利団体(501(c)(3) co-payment foundations)に行った寄付、Medicare受益者向け財務支援プログラムおよび無償薬剤提供プログラム、ならびに上記の非営利団体と特定薬局、拠点または医療プログラムサービス提供機関との間の関係に関する情報の提出を求められております。アリアド社は当該調査に協力しております。
33 後発事象
(1) Shire plcの買収について
当社は、Shire plc(以下、「Shire社」)との間で、2018年5月8日、当社がShire社の発行済普通株式及び発行予定普通株式の全てを取得する取引(以下、「本件買収」)に関する提案について合意しました。
Shire社は、希少疾患及びその他の高度な専門性を要する疾病向けの製品に注力しているグローバルなバイオテクノロジー分野のリーディングカンパニーです。
本件買収においては、Shire社株主は、Shire社の株式1株に対し、30.33米ドル及び当社新株式0.839株又は当社のADS(米国預託株式)1.678株のいずれかを対価として受領します。2018年4月23日(Shire取締役が原則として本件買収の対価を推奨する意図がある旨の公表を行った日の前日)における当社株式の終値4,923円並びに為替レート1ポンド151.51円及び1ポンド1.3945米ドルに基いて計算する場合、予想される買収対価総額は、約460億ポンド(為替レート1ポンド151.51円で換算すると、約6兆9,600億円)になります。また、本件買収完了直後に、Shire社株主は、当社とShire社の結合後のグループの約50%を所有する予定です。本件買収は、ジャージー管区の裁判所の認可、Shire社及び当社双方の株主の承認並びにその他の関連する規制当局の許可を受けること等を条件としており、2019年前半に完了することが予定されています。
当社は、一定の条件において、本件買収が完了しない場合には、英国の企業買収・合併に関するシティ・コード(the City Code on Takeovers and Mergers)に従い当社が行った、本件買収に関する確定的な提案についての2018年5月8日付けの公表文に記載の基準により算出される、買収対価総額の1%から2%の間の割合(事由により適用される割合が定まります)に相当する額のブレイクフィーを、Shire社に支払う必要があります。
さらに、当社は、本件買収に必要な資金を調達するため、2018年5月8日、総借入限度額308.5億米ドルの “364-Day Bridge Credit Agreement”(以下「ブリッジクレジット契約」)を締結しました。ブリッジクレジット契約に基づき調達する資金は、今後、他の資金により減額又は借換えが行われる予定です。当社は、2018年6月8日、本件買収に必要な資金の一部を調達するため、総借入限度額75億米ドルの “Term Loan Credit Agreement”(以下「タームローンクレジット契約」)を締結しました。タームローンクレジット契約を締結したことに伴い、ブリッジクレジット契約の総借入限度額は75億米ドル分減少いたします。
(2) 広東テックプール・バイオファーマCo., Ltd.株式の譲渡について
当社グループが保有する広東テックプール・バイオファーマCo., Ltd.(以下「テックプール社」)の51.34%分の株式について、当社グループはその全てを約280百万米ドル(約300億円) で譲渡する契約を2018年5月21日に締結しました。テックプール社は、尿タンパク由来のバイオ医薬品の研究、創薬、販売、および救命救急領域のバイオ医薬品の生産におけるリーディングカンパニーです。なお、本契約は、中国の国家市場監督管理総局による認可を条件としております。
(3) TiGenix NVの買収について
当社は、2018年4月30日に、当社グループが未だ保有していないTiGenix NV (以下、「タイジェニクス社」)の全ての発行済普通株式、新株予約権および米国預託株式(以下、普通株式、新株予約権および米国預託株式を総称して「有価証券」)の現金による任意の株式公開買付けを開始しました。2018年6月8日、当該第1回目の株式公開買付けに申込みがなされた有価証券を470.2百万ユーロ(約639億円)で取得し、当社グループが公開買付け前から保有するタイジェニクス社の普通株式と合わせて、90.83%の議決権を取得しました。
タイジェニクス社は、重篤な疾患に対して幹細胞を用いた新たな治療薬の開発を行うバイオ医薬品企業です。本買収により、非活動期又は軽度活動期のクローン病(CD)に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬として治験実施中の、同種異系の脂肪由来幹細胞(eASC)の懸濁液であるCx601(一般名:darvadstrocel)に関する米国における権利が得られ、当社グループの開発後期にある消化器系疾患(GI)パイプラインが拡充されることになります。
当社グループがタイジェニクス社の取得日直前に保有していた同社の普通株式の取得日公正価値は20.7百万ユーロ(1株当たり1.78ユーロ)であります。
当社は、ベルギーにおける法規制に基づき、最初の公開買付けに申し込まなかった有価証券の保有者のために、第2回目の公開買付け期間を設けることが義務付けられており、第2回目の公開買付けは、その期間が延長されない限り、2018年7月3日に終了する予定です。
当該買収が実行された時期に起因し、財務諸表の発行が承認される時点で企業結合の当初の会計処理が完了していないため、取得した資産および引き受けた負債の公正価値を開示しておりません。