有価証券報告書-第35期(2024/01/01-2024/12/31)
対処すべき課題
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、テクノロジーに立脚したバイオ医薬品企業であり、日本及び世界中のアンメットニーズにお応えし、患者さまの生活の質を向上させる新しいスペシャリティ医薬品をお届けすることを目指しています。
(2)経営環境
医薬品開発は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等により激しい競争が行われている分野であり、開発には多額の先行投資と、長期に亘る開発期間が必要となりますが、成功確率は高くありません。しかしながら、世界には、アンメットメディカルニーズが存在し、患者さまに価値をもたらす新薬が待ち望まれています。
(3)経営戦略等
創薬においては、Gタンパク質共役受容体(以下「GPCR」)を標的とする新規の低分子、ペプチド並びに抗体医薬品など、重要なアンメットメディカルニーズに応える革新的な新薬の創製に注力しています。独自のGPCR構造ベース創薬「NxWave™」プラットフォームにより、GPCRをターゲットとする新薬の設計における世界的リーダーとなり、神経疾患及び精神神経疾患、免疫疾患、炎症性疾患などの重要な治療領域をターゲットとした、自社開発あるいは提携中のプログラムを含めファーストインクラスあるいはベストインクラスとなり得る30品目を超える幅広いパイプラインを有しています。
後期開発・販売においては、日本及びAPAC(中国除く)でピヴラッツ®(一般名:クラゾセンタンナトリウム、脳血管攣縮発症抑制薬として日本では2022年に上市済、韓国では承認取得済、2025年もしくは2026年に上市見込み)及びクービビック®(一般名:ダリドレキサント、日本では2024年に不眠症治療薬として上市済)のライセンスと、Idorsia Pharmaceuticals Ltdが保有するフェーズ3段階にあるLucerastat(ファブリー病)の同地域でのライセンスの独占的オプション権を保有しています。
また上記に加えて、Novartis International AG(以下「ノバルティス社」)の呼吸器疾患製品シーブリ®、ウルティブロ®及びエナジア®のグローバルでの販売からのロイヤリティ収入を受領しています。ロイヤリティ収入は、当社グループの重要かつ安定的な資本の源泉となっています。
2024年4月1日、社名をそーせいグループ株式会社からネクセラファーマ株式会社に変更したことに伴い、「NxWave™」プラットフォーム、保有するパイプライン及び創薬・開発・商業化の能力を活用し、自社開発及び外部から取得した候補化合物を日本及び世界の患者さまに複数の治療オプションとして提供することを目指し、戦略をさらに進化させ、ブラッシュアップしました。この戦略では、以下の3つを戦略的な柱としました。
① 日本の患者さまに向けて、革新的な医薬品をお届けする
スリムでアジャイルかつ拡大可能なビジネスモデルを活用し、日本における幅広い臨床開発・商業化事業をテコに、規模が大きく成長している日本市場の患者さまに新薬をお届けするとともに、他のAPAC市場に進出するための基盤を構築する。
② 創薬デザインで創出した価値の高いプログラムを推進
患者さまの人生を変える可能性のある新薬の幅広いパイプラインを自社で、あるいは提携先と推進・強化し、日本及び世界中でアンメットメディカルニーズが高く急成長している治療領域をターゲットとした価値創造の機会を創出する。
③ 最先端のサイエンスとテクノロジーを活用
社内のイノベーションと提携を通じて、「NxWave™」プラットフォームの優位性を維持・強化 - 自社あるいは提携による開発のための新規プログラムの特定・選定を加速する。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 事業の進捗と戦略
当社グループは、テクノロジーに立脚し、医薬品の研究(創薬)から開発、さらには販売までを手掛けるバイオ医薬品企業として、日本・全世界の事業を成長させる戦略を打ち出しています。日本及びAPAC(中国除く)以外の地域では、創薬からトランスレーショナルメディシンを通じた初期臨床開発までの研究開発を自社で行い、その後はこれら自社品の主に日本及びAPAC(中国除く)以外の権利を提携先へ導出することを目指しています。日本及びAPAC(中国除く)においては、外部から開発リスクの低い承認済あるいは後期臨床開発段階の開発品を導入するとともに、中長期的には自社品の開発によりパイプラインの拡充を図る方針です。
② 当社グループの認識するリスクへの対応
当社グループは、自らが事業を展開している製薬業界特有のさまざまなリスクを負っており、当社グループの事業、財政状態及び業績は、これらのリスクにより悪影響を受ける可能性があります。当社グループは、「3.事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの財政状態及び経営成績に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を認識しており、これらのリスクに対する必要な対策を講じています。
③ 価値創造
医薬品業界では、特許の失効、承認の負担増大、継続的なコストの増加など、大手企業は多くの困難に直面し、急速な変化が起こっています。これにより、医薬品開発における財務上・商業上のリスクを取って研究開発を目指す事業者の数が減少しています。業界全体を通じて、効率よく外部のイノベーションを確保することが新しい戦略として重視されています。さらに、多くの先進国での高齢化の進行により、差別化されたより良い治療法の必要性が高まっています。その結果、大手製薬・バイオ医薬品企業は、研究、創薬及び開発活動全体にわたり、技術に立脚した比較的小規模な企業との提携により、研究開発における課題への革新的ソリューションを見出そうとする傾向が強くなっており、当社グループは有利な立場にあります。このように業界の状況が変化する中で、当社グループは、事業拡大と価値創造の機会を定期的に認識、評価し、持続的にビジネス機会を創出する資本効率の良いビジネスモデルを追求しています。
④ コーポレート・ガバナンス
当社グループは複数の地域において事業活動を行っており、コーポレート・ガバナンス体制の重要性を認識しています。各国の規制に対応するため、体制やプロセス強化の方策について継続的に検討しています。さらに、最高水準の透明性、完全性、説明責任にコミットする企業文化の強化に引き続き取り組みます。当社の取締役会は、規範と説明責任を維持するために、経営の監督とリスク管理及びコンプライアンス活動に責任を有しており、取締役の過半数は独立社外取締役です。執行役は、当社の長期的かつ持続可能な成長を達成し、株主価値を創出するために、取締役会との緊密な連携のもと、取締役会の委任を受けて取締役会が定める経営方針と戦略に沿った事業戦略と重要な業務執行について決定し、執行します。
(1)経営方針
当社グループは、テクノロジーに立脚したバイオ医薬品企業であり、日本及び世界中のアンメットニーズにお応えし、患者さまの生活の質を向上させる新しいスペシャリティ医薬品をお届けすることを目指しています。
(2)経営環境
医薬品開発は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等により激しい競争が行われている分野であり、開発には多額の先行投資と、長期に亘る開発期間が必要となりますが、成功確率は高くありません。しかしながら、世界には、アンメットメディカルニーズが存在し、患者さまに価値をもたらす新薬が待ち望まれています。
(3)経営戦略等
創薬においては、Gタンパク質共役受容体(以下「GPCR」)を標的とする新規の低分子、ペプチド並びに抗体医薬品など、重要なアンメットメディカルニーズに応える革新的な新薬の創製に注力しています。独自のGPCR構造ベース創薬「NxWave™」プラットフォームにより、GPCRをターゲットとする新薬の設計における世界的リーダーとなり、神経疾患及び精神神経疾患、免疫疾患、炎症性疾患などの重要な治療領域をターゲットとした、自社開発あるいは提携中のプログラムを含めファーストインクラスあるいはベストインクラスとなり得る30品目を超える幅広いパイプラインを有しています。
後期開発・販売においては、日本及びAPAC(中国除く)でピヴラッツ®(一般名:クラゾセンタンナトリウム、脳血管攣縮発症抑制薬として日本では2022年に上市済、韓国では承認取得済、2025年もしくは2026年に上市見込み)及びクービビック®(一般名:ダリドレキサント、日本では2024年に不眠症治療薬として上市済)のライセンスと、Idorsia Pharmaceuticals Ltdが保有するフェーズ3段階にあるLucerastat(ファブリー病)の同地域でのライセンスの独占的オプション権を保有しています。
また上記に加えて、Novartis International AG(以下「ノバルティス社」)の呼吸器疾患製品シーブリ®、ウルティブロ®及びエナジア®のグローバルでの販売からのロイヤリティ収入を受領しています。ロイヤリティ収入は、当社グループの重要かつ安定的な資本の源泉となっています。
2024年4月1日、社名をそーせいグループ株式会社からネクセラファーマ株式会社に変更したことに伴い、「NxWave™」プラットフォーム、保有するパイプライン及び創薬・開発・商業化の能力を活用し、自社開発及び外部から取得した候補化合物を日本及び世界の患者さまに複数の治療オプションとして提供することを目指し、戦略をさらに進化させ、ブラッシュアップしました。この戦略では、以下の3つを戦略的な柱としました。
① 日本の患者さまに向けて、革新的な医薬品をお届けする
スリムでアジャイルかつ拡大可能なビジネスモデルを活用し、日本における幅広い臨床開発・商業化事業をテコに、規模が大きく成長している日本市場の患者さまに新薬をお届けするとともに、他のAPAC市場に進出するための基盤を構築する。
② 創薬デザインで創出した価値の高いプログラムを推進
患者さまの人生を変える可能性のある新薬の幅広いパイプラインを自社で、あるいは提携先と推進・強化し、日本及び世界中でアンメットメディカルニーズが高く急成長している治療領域をターゲットとした価値創造の機会を創出する。
③ 最先端のサイエンスとテクノロジーを活用
社内のイノベーションと提携を通じて、「NxWave™」プラットフォームの優位性を維持・強化 - 自社あるいは提携による開発のための新規プログラムの特定・選定を加速する。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 事業の進捗と戦略
当社グループは、テクノロジーに立脚し、医薬品の研究(創薬)から開発、さらには販売までを手掛けるバイオ医薬品企業として、日本・全世界の事業を成長させる戦略を打ち出しています。日本及びAPAC(中国除く)以外の地域では、創薬からトランスレーショナルメディシンを通じた初期臨床開発までの研究開発を自社で行い、その後はこれら自社品の主に日本及びAPAC(中国除く)以外の権利を提携先へ導出することを目指しています。日本及びAPAC(中国除く)においては、外部から開発リスクの低い承認済あるいは後期臨床開発段階の開発品を導入するとともに、中長期的には自社品の開発によりパイプラインの拡充を図る方針です。
② 当社グループの認識するリスクへの対応
当社グループは、自らが事業を展開している製薬業界特有のさまざまなリスクを負っており、当社グループの事業、財政状態及び業績は、これらのリスクにより悪影響を受ける可能性があります。当社グループは、「3.事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの財政状態及び経営成績に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を認識しており、これらのリスクに対する必要な対策を講じています。
③ 価値創造
医薬品業界では、特許の失効、承認の負担増大、継続的なコストの増加など、大手企業は多くの困難に直面し、急速な変化が起こっています。これにより、医薬品開発における財務上・商業上のリスクを取って研究開発を目指す事業者の数が減少しています。業界全体を通じて、効率よく外部のイノベーションを確保することが新しい戦略として重視されています。さらに、多くの先進国での高齢化の進行により、差別化されたより良い治療法の必要性が高まっています。その結果、大手製薬・バイオ医薬品企業は、研究、創薬及び開発活動全体にわたり、技術に立脚した比較的小規模な企業との提携により、研究開発における課題への革新的ソリューションを見出そうとする傾向が強くなっており、当社グループは有利な立場にあります。このように業界の状況が変化する中で、当社グループは、事業拡大と価値創造の機会を定期的に認識、評価し、持続的にビジネス機会を創出する資本効率の良いビジネスモデルを追求しています。
④ コーポレート・ガバナンス
当社グループは複数の地域において事業活動を行っており、コーポレート・ガバナンス体制の重要性を認識しています。各国の規制に対応するため、体制やプロセス強化の方策について継続的に検討しています。さらに、最高水準の透明性、完全性、説明責任にコミットする企業文化の強化に引き続き取り組みます。当社の取締役会は、規範と説明責任を維持するために、経営の監督とリスク管理及びコンプライアンス活動に責任を有しており、取締役の過半数は独立社外取締役です。執行役は、当社の長期的かつ持続可能な成長を達成し、株主価値を創出するために、取締役会との緊密な連携のもと、取締役会の委任を受けて取締役会が定める経営方針と戦略に沿った事業戦略と重要な業務執行について決定し、執行します。