有価証券報告書-第27期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 11:30
【資料】
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【項目】
57項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
バイオ医薬品事業を営む当社グループは、設立以来の技術移転事業を通じて培ったグローバルなネットワークと独自の各種プロジェクトによってパイプラインの充実と各品目の研究開発の促進を図っております。必要とされる医薬品を早期に世の中に提供することを通じて、国や地域という枠を超えたグローバルな医薬品企業として更なる発展を目指し、人々の健康を支え、豊かで幸福な生活の実現に寄与してまいります。
(2) 経営環境
医薬品開発は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等により激しい競争が行われている分野であり、開発には多額の先行投資と、長期に亘る開発期間が必要となりますが、成功確率は高くありません。しかしながら、世界には、未だ満たされていない医療ニーズ(アンメットニーズ)が存在し、患者さんに価値をもたらす新薬が待ち望まれております。
(3) 対処すべき課題
① 革新的医薬品の早期開発による成長の実現
「日本発のグローバルなバイオ医薬品企業になる」という当社グループの企業理念の実現のためには、将来の安定的な収益基盤となり、アンメットメディカルニーズを満たすことができる、ファースト・イン・クラス又はベスト・イン・クラスの可能性を秘めた開発品による、強力かつバランスのとれたパイプラインを構築するために継続的に投資することが不可欠です。
成長の軸はHeptares社であり、同社の持つ特徴的な技術の強化、パイプラインの拡充や開発の促進に努め、中長期的には商業化まで手掛けることを視野に入れた研究開発投資を成長戦略の中核としてまいります。
② 事業機会の拡大、リスクの分散及び資金調達の安定化
当社グループは、事業機会の拡大を図るため、パイプラインを拡充し、研究開発を進展させるとともに、Heptares社の基盤技術を補完する技術を取得する為、企業買収にも取り組んでまいります。
また、当社グループは、既に実現している世界大手製薬企業に対する開発初期段階のパイプライン導出や、開発後期段階へ進めた上での導出など、複数の収益モデルを持つことでリスクの分散化を図ってまいります。また、さらに開発を進め、最終的には製品の商業化に関わることにより持続可能な収益の実現を目指します。当社グループは、事業基盤の強化のため、今後も多様かつ適切な資金調達の方法を検討してまいります。
③ 株主価値の創造
当社グループは、研究開発への積極的な投資及び企業買収等の戦略投資を行うことが事業基盤の強化及び長期的な株主価値の向上につながるものと考えております。今後、財務状況を踏まえつつこれらの目標にむけて最大限の努力をいたします。
当社グループは、研究開発活動に重点をおく中で、株主の皆様へのより多くの利益還元を可能にするさまざまな成長機会のために当面は内部留保を優先させることが必要であると考えております。
④ コーポレートガバナンスの強化
当社グループは、日本、英国を中心に、グローバルな事業展開を進めておりますが、各国の規制に厳密に対応するために効果的なコーポレートガバナンス体制を構築し、ステークホルダーの皆様の期待に応えることが重要な経営課題の一つであると認識しております。
社外取締役の活用や監査委員会、会計監査人及び内部監査部門における連携を図り、取締役会の経営戦略策定・監督、リスクマネジメント及びコンプライアンス活動に対する機能を十分に発揮するとともに、説明責任を果たすことなどで、経営の公正性、透明性を高め、より一層信頼される企業集団となることを目指してまいります。