有価証券報告書-第58期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/27 14:25
【資料】
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【項目】
105項目

対処すべき課題

当社グループは、中核子会社である杏林製薬㈱の創業100周年に当たる2023年を見据えた長期ビジョン「HOPE100」を平成22年に策定し、最終年度である平成35年度までの期間を3つのステージ(ステージ1;平成22年度~平成27年度、ステージ2;平成28年度~平成31年度、ステージ3;平成32年度~平成35年度)に分け、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めています。今般、長期ビジョン実現に向けたセカンドステップと位置付ける4ヵ年の新中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」を策定し、平成28年度にスタートいたしました。「ステージ1」で種を蒔き、芽吹いたものを育成するとともに今後の環境変化をいち早く捉え、意識を変え、業務の変革を成し遂げます。
近年、医療用医薬品事業を取り巻く外部環境は、ジェネリック80%時代の到来、薬価制度改革等により市場構造の変化が予想され、一層厳しさを増しています。さらにその中で、当社グループは、主力品の特許切れを迎えるなど、これまでに経験したことのない大きな経営環境の変化に直面しています。
このように変動が大きい環境の下では、既存の考え方だけで課題に対応することは困難であり、これまでの業務遂行の仕組みをダイナミックに創り変え、過去の延長線上にはない新たな取り組みを創造・実行していくべく、新中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」においては、ステートメントを「長期ビジョン実現に向けて、変革(変化と革新)を行い、持続成長を図る」とし、以下の事業戦略と組織化戦略に取り組み、目標とする経営指標の達成に向け邁進いたします。
①事業戦略(Strategy)
医療用医薬品事業では持続成長を可能とする医薬事業モデルの進化を図り、ヘルスケア事業※1では核となる事業作りに向け、4つの重点戦略、2つの育成戦略を推進いたします。
(a)重点戦略
・創薬力の強化:ファースト・イン・クラス創薬への取り組み
・新薬群比率の向上:新薬群の普及の最大化による新薬群比率の大幅な向上
・特色を活かしたジェネリック事業の推進
・ローコスト強化:グループ内最適化によるコスト構造の変革
(b)育成戦略
・海外進出:自社で創出した革新的な新薬の展開(欧米への早期導出)、アジアを中心に将来の直接的進出(医
療用医薬品およびヘルスケア事業※1)の礎を築く
・ヘルスケア事業※1:環境衛生の事業成長と既存事業との連携強化により核となる事業を作る
②組織化戦略(Organization)
当社グループは長期ビジョンにおいて、社員を大切にし、人と組織を活力化することが事業戦略を遂行し、成果を具現するための最重要課題と位置付けています。「ステージ2」においても、社員にとって「働きがいNo.1企業」の実現を目指し、人材マネジメントの基本方針の下、グループ各社ごとの人材マネジメントシステム(採用、配属、育成、評価、異動、報酬、福利厚生等)の再構築と人材育成の強化に取り組みます。
③目標とする経営指標(Performance)
新中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」では、平成28年度から最終年度である平成31年度までの、連結売上高 年平均成長率3%以上、連結営業利益率15%以上を数値目標としています。
株主還元につきましては、現状の配当水準をベースに「安定的な配当」を目指してまいります。
※1:スキンケア、環境衛生、一般用医薬品他のヘルスケア事業