有価証券報告書-第58期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/27 14:25
【資料】
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【項目】
105項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針及び見積りによる判断をおこなっております報告数値があり、実際の結果は見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。
当社グループにおいては、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成において重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。
①その他有価証券で時価のあるものの評価基準及び評価方法
その他有価証券の評価差額は全部純資産直入法により処理しており、損益認識を行う場合とは親会社株主に帰属する当期純利益が異なってまいります。
②貸倒引当金
貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収不能見込み額を計上しておりますが、一般債権について
は、過去の貸倒実績率による見積額を計上しております。従いまして、厳しい経済情勢下においては各取引先の財政状態の変化により追加引当が必要となる可能性があります。
③退職給付に係る負債
従業員退職給付費用および退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合には認識される費用及び債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得見込額等により回収可能性が高いと判断した金額を計上しておりますが、将来の予測に基づくため不可避の不確実性を内包していると認識しております。
(2)経営成績の分析
①売上高
新医薬品については、「フルティフォーム」の売上が前年同期に対して36億円増加したほか、「キプレ
ス」、過活動膀胱治療剤「ウリトス」も前年を上回る実績で推移する一方、長期収載品である「ペンタサ」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」は前年の売上を下回り、売上高は926億95百万円(前年同期比1.8%増)となりました。後発医薬品については、後発医薬品の使用促進策の浸透、オーソライズド・ジェネリックの発売等の影響により市場が拡大する中で、自社販売による売上は増加したものの、他社受託ビジネスの売上が減少し、売上高は154億65百万円(前年同期比0.1%減)となりました。この結果、前連結会計年度に比較して63億62百万円増加(前年同期比5.6%増)し、1,194億83百万円となりました。
②売上原価
売上原価は、国内における売上高増加等により、前連結会計年度に比較して7億62百万円増加(前年同期比1.6%増)し、473億60百万円となりました。また、原価率は、薬価改定の影響、医薬品事業における製品の売上構成の変化等により1.6ポイント低下しました。
③販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)治療剤「エクリラ ジェヌエア」、「キプレスOD
錠(口腔内崩壊錠)」、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ペンタサ顆粒94%」の上市に伴う販売費の増加等により前連結会計年度に比較して7億00百万円増加(前年同期比1.4%増)し、524億86百万円となりました。
④営業損益
営業利益は、上記売上高、売上原価、販売費及び一般管理費の状況から前連結会計年度に比較して48億98百万円増加(前年同期比33.2%増)し、196億36百万円となりました。
⑤営業外損益
営業外損益は、営業外収益が前連結会計年度に比較して2億36百万円減少し5億31百万円に、営業外費用が前連結会計年度に比較して1億56百万円増加し1億72百万円となりました。営業外損益の主な内容は、営業外収益が受取配当金2億90百万円、補助金収入1億15百万円、受取利息22百万円、営業外費用が為替差損1億26百万円、持分法による投資損失24百万円、支払利息17百万円であります。
⑥特別損益
特別損益は、特別利益が前連結会計年度に比較して25億64百万円減少し19億40百万円に、特別損失が前連結会計年度に比較して6億86百万円増加し31億20百万円となりました。特別損益の主な内容は、特別利益が固定資産売却益18億81百万円、特別損失が工場閉鎖損失26億95百万円であります。
⑦税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比較して12億53百万円増加し、188億15百万円となりました。
⑧法人税等
法人税等は、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計額が前連結会計年度に比較して3億21百万円減少し、51億75百万円となりました。
⑨親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比較して15億75百万円増加し、136億39百万円となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、固定資産除売却損益14億67百万円、売上債権の増加12億88百万円、たな卸資産の増加17億36百万円、未払消費税等の減少14億46百万円、法人税等の支払45億04百万円等がありましたが、税金等調整前当期純利益188億15百万円、減価償却費37億
30百万円、工場閉鎖損失26億95百万円等により、111億37百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出68億12百万円、投資有価証券の取得による支出80億08百万円等がありましたが、有価証券の売却及び償還による収入51億00百万円、有形固定資産の売却による収入20億66百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入83億01百万円等により、6億50百万円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入28億53百万円がありましたが、配当金の支払38億76百万円等により、22億45百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して93億15百万円増加し、450億43百万円となりました。
②資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原料・材料の購入、商品購入のほか、製造費用、研究開発費、人件費の支払いであります。
また、継続的に設備投資を行っておりますが、当連結会計年度において72億18百万円の設備投資を実施いたしました。
③財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び借入金等により賄っております。
平成29年3月期においては、新製剤開発センターの建設等、固定資産取得による支出約48億円を予定しております。