有価証券報告書-第159期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しているため省略しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の状況
当期のわが国経済は、生産や輸出に弱さがみられましたが、個人消費の持ち直しや雇用情勢の着実な改善が続くなど、全体としては緩やかな回復が継続しました。
当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界においては、消費税増税に伴う需要の変動がありましたが、販売単価の上昇が続き、市場は堅調に推移しました。
このような環境の中、当社グループは、中期経営計画「LIVE(ライブ)計画(LION Value Evolution Plan)」の基本戦略である、「新価値創造による事業の拡張・進化」、「グローカライゼーションによる海外事業の成長加速」、「事業構造改革による経営基盤の強化」、「変革に向けたダイナミズムの創出」にもとづく施策を推進し、国内・海外において将来を見据えた成長のための取組みを進めました。
国内事業では、ハミガキ、ハブラシ、洗濯用洗剤、柔軟剤、台所用洗剤、点眼剤等において新製品を導入し、お客様の共感につながるマーケティング施策により育成を図るとともに、消費税増税前の駆け込み需要にも対応しました。
海外事業では、洗濯用洗剤等のホームケア分野、オーラルケア、ビューティケア等のパーソナルケア分野において、事業規模の拡大を図りましたが、一部の地域では、地政学的影響を受けました。
以上の結果、当期の経営成績は、売上高3,475億1千9百万円(前期比0.5%減、為替変動の影響を除いた実質前期比0.4%減)、事業利益300億4千8百万円(前期比5.9%増)、営業利益298億3千2百万円(同12.8%減*)、親会社の所有者に帰属する当期利益205億5千9百万円(同19.7%減*)となりました。
* 前期の営業利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益には、国内外の土地売却益等が含まれております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
1) 一般用消費財事業
当事業は、「オーラルケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」に分かれており、全体の売上高は、前期比1.2%の増加となりました。セグメント利益は、前期比10.1%の増加となりました。
[売上高の分野別状況]
(オーラルケア分野)
ハミガキは、弱くて敏感な歯の根元までケアし、“大人のための予防歯科”の実践をサポートする「クリニカアドバンテージ NEXT(ネクスト) STAGE(ステージ) ハミガキ」を発売するとともに、歯周病(歯肉炎・歯周炎)予防や歯を白くするなど、8つの機能がはたらく新製品「システマ ハグキプラス プレミアムハミガキ」がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を上回りました。
ハブラシは、「システマ ハブラシ」が好調に推移する中、力の入れ過ぎを音で知らせ、ブラッシング圧をコントロールできる「クリニカアドバンテージ NEXT(ネクスト) STAGE(ステージ) ハブラシ」を発売し、全体の売上は前期を上回りました。
デンタルリンスは、「NONIO(ノニオ) マウスウォッシュ」が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
(ビューティケア分野)
ハンドソープは、「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
ボディソープは、前期に泡タイプを追加した「hadakara(ハダカラ) ボディソープ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
制汗剤は、ナノイオン制汗成分が汗の出口にフタをして、足汗が出る前にブロックする新製品「Ban(バン) 汗ブロック 足用ジェル」を発売しましたが、「Ban(バン) 汗ブロックロールオン」シリーズが前期を下回り、全体の売上は前期を下回りました。
(ファブリックケア分野)
柔軟剤は、消臭成分が繊維の奥まで入り込み、しっかり吸着する「ソフラン プレミアム消臭」、 “咲きたてアロマ製法”を新たに採用し、好きな香りが注いだときから脱ぐときまでずっと変わらずに続く「ソフラン アロマリッチ」をそれぞれ改良発売し、お客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を上回りました。
洗濯用洗剤は、超コンパクト液体洗剤「トップ スーパーNANOX(ナノックス)」が好調に推移する中、消臭科学から生まれた新製品「トップ スーパーNANOX(ナノックス) ニオイ専用」を発売し、お客様のご好評をいただきましたが、おしゃれ着洗いの「アクロン」が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。
(リビングケア分野)
台所用洗剤は、新たに酵素を配合し、こびりつき汚れもつけおき洗いでラクに落とせる新製品「CHARMY(チャーミー) Magica(マジカ) 酵素+(プラス)」がお客様のご好評をいただきましたが、全体の売上は前期比微減となりました。
住居用洗剤は、浴室用カビ防止剤「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が好調に推移するとともに、前期に発売した浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
(薬品分野)
解熱鎮痛薬は、「バファリン プレミアム」が順調に推移する中、新製品「バファリンライト」を発売し、全体の売上は前期を上回りました。
点眼剤は、「スマイル40 プレミアムDX(ディーエックス)」や「スマイル40 メディクリアDX(ディーエックス)」などの新製品がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を上回りました。
(その他の分野)
通信販売商品は、「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」が前期を下回り、全体の売上は前期を下回りました。
ペット用品は、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が順調に推移するとともに、オーラルケア用品が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
2) 産業用品事業
当事業は、タイヤの防着剤等を取り扱う「自動車分野」、2次電池向け導電性カーボン等の「電気・電子分野」、施設・厨房向け洗浄剤等の「業務用洗浄剤分野」等で構成されており、全体の売上高は、前期比4.8%の減少となりました。セグメント利益は、前期比25.5%の減少となりました。
自動車分野では、自動車部品用カーボンが順調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
電気・電子分野では、市況の悪化により半導体搬送材料向け導電樹脂が前期を下回り、全体の売上は前期を下回りました。
業務用洗浄剤分野では、厨房向け消毒用アルコールが順調に推移するとともに、ハンドソープが好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
3) 海外事業
海外は、タイ、マレーシア等の東南アジア、韓国、中国等の北東アジアにおいて事業を展開しております。全体の売上高は、前期比3.8%の減少(為替変動の影響を除いた実質前期比3.2%の減少)となりました。セグメント利益は、前期比9.8%の増加となりました。
[地域別売上状況]
(地域別の状況)
東南アジア全体の売上高は、前期比0.9%の減少となりました。
タイでは、ハミガキ、ハブラシが堅調に推移するとともに、「植物物語」ボディソープが好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を上回りました。
また、マレーシアでは洗濯用洗剤「トップ」が伸び悩むとともに、洗剤原料の製造子会社が事業の合弁化により前期に連結対象から外れたため、円貨換算後の全体の売上は前期を下回りました。
北東アジア全体の売上高は、前期比9.5%の減少となりました。
韓国では、事業環境の悪化により洗濯用洗剤やハンドソープが前期を下回り、円貨換算後の全体の売上は前期を下回りました。
また、中国では、「システマ」ハブラシが伸び悩みましたが、「システマ」ハミガキが好調に推移するとともに日本からの輸入品の販売が大幅に増加し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
4) その他
その他では、全体の売上高は、353億3千7百万円(前期比3.7%増)となりました。セグメント利益は、15億2千1百万円(前期比11.4%減)となりました。
② 財政状態の状況
資産合計は、有形固定資産の増加等により、前期末と比較して253億3千6百万円増加し、3,807億1百万円となりました。資本合計は、169億2千9百万円増加し、2,212億1百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は54.7%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益等により、367億6千2百万円の資金の増加(前期は318億7千9百万円の資金の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、207億5千4百万円の資金の減少(前期は89億8千9百万円の資金の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当の支払いによる支出等により、105億6千1百万円の資金の減少(前期は87億5千4百万円の資金の減少)となりました。
以上の結果、当期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ54億3千3百万円増加し(前期は135億7千万円の資金の増加)、1,104億6百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は生産者販売価格で算出しており、消費税等は含んでおりません。
2) 受注状況
受注生産は行っておりません。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の内部取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3 金額は消費税等を含んでおりません。
(3) 経営成績等に重要な影響を与える要因
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループでは、グループキャッシュマネジメントシステムを国内連結子会社に導入しており、グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金は当社が貸し付けることで、資金効率の向上と支払利息の低減を図っております。
なお、資金の流動性については、「(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5) 経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標に照らした分析、検討内容
当社グループの経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における取組みとして、国内事業では、ハミガキ、ハブラシ、洗濯用洗剤、柔軟剤、台所用洗剤、点眼剤等において新製品を導入し、お客様の共感につながるマーケティング施策により育成を図るとともに、消費税増税前の駆け込み需要にも対応しました。海外事業では、洗濯用洗剤等のホームケア分野、オーラルケア、ビューティケア等のパーソナルケア分野において、事業規模の拡大を図りましたが、一部の地域では、地政学的影響を受けました。
以上の結果、当連結会計年度の連結ROEにつきましては、10.3%となり、目標としている連結ROE12%水準を下回りました。
当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界においては、高付加価値品の拡大等が見込まれるものの、引き続き激しい競争が続くものと想定されます。このような中、当社グループは中期経営計画「LIVE(ライブ)計画(LION Value Evolution Plan)」の戦略をスピーディに推進するとともに、将来の企業価値向上に向けた成長投資を強化します。
一般用消費財事業は、主要分野において、付加価値の高い商品を育成し、市場地位の向上と収益性の強化に努めるとともに、お客様へ新しい価値を提案してまいります。また、オーラルケア分野を中心とした生産能力の拡充を進めるとともに、さらなる生産体制の効率化にも取り組みます。
産業用品事業は、自動車、電気・電子等の重点分野への経営資源の集中を図り、事業基盤の強化に努めます。また、業務用洗浄剤分野では、引き続き、野菜洗浄システムの新規顧客開拓に注力します。
海外事業は、パーソナルケア分野を中心に積極的なマーケティング活動を展開するとともに、Eコマースチャネルでの販売強化を図り、事業規模の拡大に努めます。
(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
① 売上高
日本基準では、一部の売上にかかわる割戻金等について、販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、IFRSでは売上高の控除として認識しております。この結果、当連結会計年度において売上高が72,038百万円減少しております。
② 無形資産
日本基準では、耐用年数を確定できない無形資産は、耐用年数を10年として定額法により償却しておりましたが、IFRSでは償却を行っていないため、利益剰余金に調整が反映されております。この結果、当連結会計年度において無形資産が6,560百万円増加しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しているため省略しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の状況
当期のわが国経済は、生産や輸出に弱さがみられましたが、個人消費の持ち直しや雇用情勢の着実な改善が続くなど、全体としては緩やかな回復が継続しました。
当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界においては、消費税増税に伴う需要の変動がありましたが、販売単価の上昇が続き、市場は堅調に推移しました。
このような環境の中、当社グループは、中期経営計画「LIVE(ライブ)計画(LION Value Evolution Plan)」の基本戦略である、「新価値創造による事業の拡張・進化」、「グローカライゼーションによる海外事業の成長加速」、「事業構造改革による経営基盤の強化」、「変革に向けたダイナミズムの創出」にもとづく施策を推進し、国内・海外において将来を見据えた成長のための取組みを進めました。
国内事業では、ハミガキ、ハブラシ、洗濯用洗剤、柔軟剤、台所用洗剤、点眼剤等において新製品を導入し、お客様の共感につながるマーケティング施策により育成を図るとともに、消費税増税前の駆け込み需要にも対応しました。
海外事業では、洗濯用洗剤等のホームケア分野、オーラルケア、ビューティケア等のパーソナルケア分野において、事業規模の拡大を図りましたが、一部の地域では、地政学的影響を受けました。
以上の結果、当期の経営成績は、売上高3,475億1千9百万円(前期比0.5%減、為替変動の影響を除いた実質前期比0.4%減)、事業利益300億4千8百万円(前期比5.9%増)、営業利益298億3千2百万円(同12.8%減*)、親会社の所有者に帰属する当期利益205億5千9百万円(同19.7%減*)となりました。
* 前期の営業利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益には、国内外の土地売却益等が含まれております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
1) 一般用消費財事業
当事業は、「オーラルケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」に分かれており、全体の売上高は、前期比1.2%の増加となりました。セグメント利益は、前期比10.1%の増加となりました。
当期(百万円) | 前期(百万円) | 増減率 | |
売上高 | 234,357 | 231,594 | 1.2% |
セグメント利益(事業利益) | 19,634 | 17,834 | 10.1% |
[売上高の分野別状況]
当期(百万円) | 前期(百万円) | 増減率 | |
オーラルケア分野 | 64,555 | 59,503 | 8.5% |
ビューティケア分野 | 22,350 | 21,024 | 6.3% |
ファブリックケア分野 | 60,780 | 59,790 | 1.7% |
リビングケア分野 | 19,766 | 17,891 | 10.5% |
薬品分野 | 26,222 | 29,228 | △10.3% |
その他の分野 | 40,682 | 44,156 | △7.9% |
(オーラルケア分野)
ハミガキは、弱くて敏感な歯の根元までケアし、“大人のための予防歯科”の実践をサポートする「クリニカアドバンテージ NEXT(ネクスト) STAGE(ステージ) ハミガキ」を発売するとともに、歯周病(歯肉炎・歯周炎)予防や歯を白くするなど、8つの機能がはたらく新製品「システマ ハグキプラス プレミアムハミガキ」がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を上回りました。
ハブラシは、「システマ ハブラシ」が好調に推移する中、力の入れ過ぎを音で知らせ、ブラッシング圧をコントロールできる「クリニカアドバンテージ NEXT(ネクスト) STAGE(ステージ) ハブラシ」を発売し、全体の売上は前期を上回りました。
デンタルリンスは、「NONIO(ノニオ) マウスウォッシュ」が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
(ビューティケア分野)
ハンドソープは、「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
ボディソープは、前期に泡タイプを追加した「hadakara(ハダカラ) ボディソープ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
制汗剤は、ナノイオン制汗成分が汗の出口にフタをして、足汗が出る前にブロックする新製品「Ban(バン) 汗ブロック 足用ジェル」を発売しましたが、「Ban(バン) 汗ブロックロールオン」シリーズが前期を下回り、全体の売上は前期を下回りました。
(ファブリックケア分野)
柔軟剤は、消臭成分が繊維の奥まで入り込み、しっかり吸着する「ソフラン プレミアム消臭」、 “咲きたてアロマ製法”を新たに採用し、好きな香りが注いだときから脱ぐときまでずっと変わらずに続く「ソフラン アロマリッチ」をそれぞれ改良発売し、お客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を上回りました。
洗濯用洗剤は、超コンパクト液体洗剤「トップ スーパーNANOX(ナノックス)」が好調に推移する中、消臭科学から生まれた新製品「トップ スーパーNANOX(ナノックス) ニオイ専用」を発売し、お客様のご好評をいただきましたが、おしゃれ着洗いの「アクロン」が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。
(リビングケア分野)
台所用洗剤は、新たに酵素を配合し、こびりつき汚れもつけおき洗いでラクに落とせる新製品「CHARMY(チャーミー) Magica(マジカ) 酵素+(プラス)」がお客様のご好評をいただきましたが、全体の売上は前期比微減となりました。
住居用洗剤は、浴室用カビ防止剤「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が好調に推移するとともに、前期に発売した浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
(薬品分野)
解熱鎮痛薬は、「バファリン プレミアム」が順調に推移する中、新製品「バファリンライト」を発売し、全体の売上は前期を上回りました。
点眼剤は、「スマイル40 プレミアムDX(ディーエックス)」や「スマイル40 メディクリアDX(ディーエックス)」などの新製品がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を上回りました。
(その他の分野)
通信販売商品は、「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」が前期を下回り、全体の売上は前期を下回りました。
ペット用品は、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が順調に推移するとともに、オーラルケア用品が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
2) 産業用品事業
当事業は、タイヤの防着剤等を取り扱う「自動車分野」、2次電池向け導電性カーボン等の「電気・電子分野」、施設・厨房向け洗浄剤等の「業務用洗浄剤分野」等で構成されており、全体の売上高は、前期比4.8%の減少となりました。セグメント利益は、前期比25.5%の減少となりました。
当期(百万円) | 前期(百万円) | 増減率 | |
売上高 | 55,164 | 57,958 | △4.8% |
セグメント利益(事業利益) | 1,755 | 2,357 | △25.5% |
自動車分野では、自動車部品用カーボンが順調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
電気・電子分野では、市況の悪化により半導体搬送材料向け導電樹脂が前期を下回り、全体の売上は前期を下回りました。
業務用洗浄剤分野では、厨房向け消毒用アルコールが順調に推移するとともに、ハンドソープが好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
3) 海外事業
海外は、タイ、マレーシア等の東南アジア、韓国、中国等の北東アジアにおいて事業を展開しております。全体の売上高は、前期比3.8%の減少(為替変動の影響を除いた実質前期比3.2%の減少)となりました。セグメント利益は、前期比9.8%の増加となりました。
当期(百万円) | 前期(百万円) | 増減率 | |
売上高 | 101,095 | 105,043 | △3.8% |
セグメント利益(事業利益) | 7,552 | 6,875 | 9.8% |
[地域別売上状況]
当期(百万円) | 前期(百万円) | 増減率 | |
東南アジア | 69,557 | 70,205 | △0.9% |
北東アジア | 31,537 | 34,838 | △9.5% |
(地域別の状況)
東南アジア全体の売上高は、前期比0.9%の減少となりました。
タイでは、ハミガキ、ハブラシが堅調に推移するとともに、「植物物語」ボディソープが好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を上回りました。
また、マレーシアでは洗濯用洗剤「トップ」が伸び悩むとともに、洗剤原料の製造子会社が事業の合弁化により前期に連結対象から外れたため、円貨換算後の全体の売上は前期を下回りました。
北東アジア全体の売上高は、前期比9.5%の減少となりました。
韓国では、事業環境の悪化により洗濯用洗剤やハンドソープが前期を下回り、円貨換算後の全体の売上は前期を下回りました。
また、中国では、「システマ」ハブラシが伸び悩みましたが、「システマ」ハミガキが好調に推移するとともに日本からの輸入品の販売が大幅に増加し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
4) その他
その他では、全体の売上高は、353億3千7百万円(前期比3.7%増)となりました。セグメント利益は、15億2千1百万円(前期比11.4%減)となりました。
当期(百万円) | 前期(百万円) | 増減率 | |
売上高 | 35,337 | 34,067 | 3.7% |
セグメント利益(事業利益) | 1,521 | 1,717 | △11.4% |
② 財政状態の状況
資産合計は、有形固定資産の増加等により、前期末と比較して253億3千6百万円増加し、3,807億1百万円となりました。資本合計は、169億2千9百万円増加し、2,212億1百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は54.7%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益等により、367億6千2百万円の資金の増加(前期は318億7千9百万円の資金の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、207億5千4百万円の資金の減少(前期は89億8千9百万円の資金の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当の支払いによる支出等により、105億6千1百万円の資金の減少(前期は87億5千4百万円の資金の減少)となりました。
以上の結果、当期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ54億3千3百万円増加し(前期は135億7千万円の資金の増加)、1,104億6百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | |
金額(百万円) | 前期比(%) | |
一般用消費財事業 | 192,032 | 1.4 |
産業用品事業 | 26,575 | △13.7 |
海外事業 | 104,714 | 0.5 |
その他 | ─ | ─ |
計 | 323,322 | △0.3 |
(注) 金額は生産者販売価格で算出しており、消費税等は含んでおりません。
2) 受注状況
受注生産は行っておりません。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | |
金額(百万円) | 前期比(%) | |
一般用消費財事業 | 219,380 | 1.9 |
産業用品事業 | 32,954 | △3.2 |
海外事業 | 91,741 | △3.2 |
その他 | 3,427 | △35.0 |
計 | 347,503 | △0.6 |
(注) 1 セグメント間の内部取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
㈱PALTAC | 80,219 | 23.0 | 87,831 | 25.3 |
㈱あらた | 43,516 | 12.5 | 44,592 | 12.8 |
3 金額は消費税等を含んでおりません。
(3) 経営成績等に重要な影響を与える要因
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループでは、グループキャッシュマネジメントシステムを国内連結子会社に導入しており、グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金は当社が貸し付けることで、資金効率の向上と支払利息の低減を図っております。
なお、資金の流動性については、「(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5) 経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標に照らした分析、検討内容
当社グループの経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における取組みとして、国内事業では、ハミガキ、ハブラシ、洗濯用洗剤、柔軟剤、台所用洗剤、点眼剤等において新製品を導入し、お客様の共感につながるマーケティング施策により育成を図るとともに、消費税増税前の駆け込み需要にも対応しました。海外事業では、洗濯用洗剤等のホームケア分野、オーラルケア、ビューティケア等のパーソナルケア分野において、事業規模の拡大を図りましたが、一部の地域では、地政学的影響を受けました。
以上の結果、当連結会計年度の連結ROEにつきましては、10.3%となり、目標としている連結ROE12%水準を下回りました。
当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界においては、高付加価値品の拡大等が見込まれるものの、引き続き激しい競争が続くものと想定されます。このような中、当社グループは中期経営計画「LIVE(ライブ)計画(LION Value Evolution Plan)」の戦略をスピーディに推進するとともに、将来の企業価値向上に向けた成長投資を強化します。
一般用消費財事業は、主要分野において、付加価値の高い商品を育成し、市場地位の向上と収益性の強化に努めるとともに、お客様へ新しい価値を提案してまいります。また、オーラルケア分野を中心とした生産能力の拡充を進めるとともに、さらなる生産体制の効率化にも取り組みます。
産業用品事業は、自動車、電気・電子等の重点分野への経営資源の集中を図り、事業基盤の強化に努めます。また、業務用洗浄剤分野では、引き続き、野菜洗浄システムの新規顧客開拓に注力します。
海外事業は、パーソナルケア分野を中心に積極的なマーケティング活動を展開するとともに、Eコマースチャネルでの販売強化を図り、事業規模の拡大に努めます。
(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
① 売上高
日本基準では、一部の売上にかかわる割戻金等について、販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、IFRSでは売上高の控除として認識しております。この結果、当連結会計年度において売上高が72,038百万円減少しております。
② 無形資産
日本基準では、耐用年数を確定できない無形資産は、耐用年数を10年として定額法により償却しておりましたが、IFRSでは償却を行っていないため、利益剰余金に調整が反映されております。この結果、当連結会計年度において無形資産が6,560百万円増加しております。