有価証券報告書-第162期(2022/01/01-2022/12/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績・財政状態に関する概況
① 経営成績の状況
a. 当期(2022年1月1日~2022年12月31日)の経営成績
<全体概況>当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限等が緩和される中、個人消費や企業収益の改善が続くなど、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界では、資源価格の高騰や為替変動の影響を大きく受けましたが、市場全体は堅調に推移しました。
このような環境の中、当社グループは3ヵ年の中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」をスタートし、3つの成長戦略である「4つの提供価値領域における成長加速」、「成長に向けた事業基盤への変革」、「変革を実現するダイナミズムの創出」にもとづく施策を推進しました。
国内事業では、ハミガキ、ハブラシ、住居用洗剤、解熱鎮痛薬等において高付加価値品の育成に重点的に取り組むとともに、海外事業では、オーラルケア、ビューティケア等のパーソナルケア分野の拡大、洗濯用洗剤等のホームケア分野の競争力強化に注力しました。併せて、国内外において販売促進の効率化やコストダウンの一層の推進など収益性の確保に努めました。
以上の結果、当期の連結業績は、売上高3,898億6千9百万円(前期比6.5%増、為替変動の影響を除いた実質前期比3.4%増)、事業利益235億5千9百万円(前期比23.8%減)、営業利益288億4千3百万円(同7.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益219億3千9百万円(同7.7%減)となりました。
<連結業績の概況>(単位:百万円)
(注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。
(注)営業利益には、連結子会社が所有していた土地の譲渡益が含まれています。(2022年1月31日付譲渡)
<セグメント別の業績>(単位:百万円)
(注)連結子会社であるライオンケミカル㈱の事業構成の変化を踏まえ、第1四半期連結会計期間より、従来「産業用
品事業」に集約していた同社の事業を「産業用品事業」と「一般用消費財事業」に分離しています。
なお、前連結会計年度のセグメント情報についても、この変更を反映したものに組み替えて表示しています。
(注)売上高構成比は、各部門の売上高から部門間の内部売上高・振替高を控除した外部顧客への売上高にもとづき算出しております。
<セグメント別概況>1) 一般用消費財事業
当事業は、「オーラルケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」で構成されています。全体の売上高は、前期比3.0%の増加となりました。セグメント利益は、前期比39.6%の減少となりました。
(注)以降、グラフの単位は億円
[売上高の分野別状況]
(オーラルケア分野)
ハミガキは、「クリニカアドバンテージ ハミガキ」が好調に推移するとともに、新製品「システマハグキプラス プレミアムハミガキ よくばりな美白」や「クリニカPRO(プロ) ハミガキ」がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を上回りました。
ハブラシは、「クリニカアドバンテージ ハブラシ」や「NONIO(ノニオ) ハブラシ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
デンタルリンスは、「NONIO(ノニオ)プラスホワイトニング デンタルリンス」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

(ビューティケア分野)
ハンドソープは、「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
ボディソープは、「hadakara(ハダカラ) ボディソープ」が堅調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

(ファブリックケア分野)
柔軟剤は、「ソフラン プレミアム消臭」が前期を下回りましたが、「ソフラン アロマリッチ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
洗濯用洗剤は、液体高濃度洗剤「トップ スーパーNANOX(ナノックス) ニオイ専用」が前期を上回りましたが、液体洗剤「香りつづくトップ」や「トップ クリアリキッド」が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。

(リビングケア分野)
台所用洗剤は、「CHARMY(チャーミー) Magica(マジカ)」が前期を下回り、全体の売上も前期を下回りました。
住居用洗剤は、浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」や「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が前期を上回りましたが、トイレ用洗剤が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。

(薬品分野)
解熱鎮痛薬は、市場が好調に推移する中、「バファリン プレミアムDX(ディーエックス)」が好調に推移するとともに「バファリンA」が前期を上回り、全体の売上も前期を上回りました。
点眼剤は、新製品が加わった「スマイル40ゴールド」シリーズが前期を上回り、全体の売上も前期を上回りました。
ニキビ薬は、「ペアアクネクリームW」が前期を下回り、全体の売上も前期を下回りました。

(その他の分野)
ペット用品は、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が順調に推移するとともに、オーラルケア用品が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
通信販売商品は、「腸まで届けるナイスリムエッセンス ラクトフェリン」が前期を下回り、全体の売上も前期を下回りました。
上記の他、製造子会社のグループ内部売上高が大幅に増加しました。

2) 産業用品事業
当事業は、タイヤの防着剤等を取り扱う「モビリティ分野」、二次電池用導電性カーボン等の「エレクトロニクス分野」、施設・厨房向け洗浄剤等の「業務用洗浄剤分野」等で構成されており、全体の売上高は、前期比15.2%の増加となりました。セグメント利益は、前期比15.3%の増加となりました。
モビリティ分野では、タイヤの防着剤が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
エレクトロニクス分野では、二次電池用導電性カーボンが好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
業務用洗浄剤分野では、ハンドソープが前期を下回りましたが、厨房向け消毒用アルコールが好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
3) 海外事業
海外は、タイ、マレーシア等の東南アジア、韓国、中国等の北東アジアにおいて事業を展開しております。全体の売上高は、前期比18.4%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比は7.1%の増加)となりました。セグメント利益は、東南アジアで原材料価格上昇の影響を大きく受けたこともあり、前期比14.8%の減少となりました。
[地域別売上状況]
(地域別の状況)
東南アジア全体の売上高は、前期比18.1%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比は7.0%の増加)、セグメント利益は37.0%の減少となりました。
タイでは、洗濯用洗剤が前期を下回りましたが、ボディソープが好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
また、マレーシアでは洗濯用洗剤「トップ」が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
北東アジア全体の売上高は、前期比18.9%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比は7.2%の増加)、セグメント利益は22.8%の増加となりました。
韓国では、洗濯用洗剤が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
また、中国では、ハミガキ「ホワイト&ホワイト」が好調に推移するとともに、ハブラシ「システマ」が堅調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
4) その他
その他では、全体の売上高は、153億9千4百万円(前期比44.8%減)となりました。セグメント利益は、12億2百万円(前期比44.0%減)となりました。
b. 次期(2023年1月1日~2023年12月31日)の業績見通し
<連結>
(注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。
次期のわが国経済は、緩やかな景気回復が続くと想定されるものの、物価上昇や金融政策による影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況で推移するものと予想されます。
当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界は、堅調に推移するものと見込まれますが、物価上昇による消費者の買い控えなどがリスクとして想定されます。
このような中、当社グループは中長期経営戦略フレームにもとづく中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」を推進し、サステナブルな社会への貢献と事業成長の加速を目指してまいります。
次期の連結業績見通しは、売上高4,100億円(前期比5.2%増)、事業利益250億円(同6.1%増)、営業利益250億円(同13.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益175億円(同20.2%減)を予想しております。
② 財政状態に関する概況
a.財政の状況
(連結財政状態)
(注1) 親会社所有者帰属持分比率は、(資本合計-非支配持分)/資産合計で計算しております。
(注2) 1株当たり親会社所有者帰属持分は、非支配持分を含まずに計算しております。
資産合計は、使用権資産の増加等により、前期末と比較して412億5千3百万円増加し、4,692億7千8百万円となりました。資本合計は、141億5千3百万円増加し、2,791億6千8百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は56.3%となりました。
b.当期のキャッシュ・フローの状況
(連結キャッシュ・フロー) (単位:百万円)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益等により、419億6千2百万円の資金の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、195億3千5百万円の資金の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出等により、198億2千1百万円の資金の減少となりました。
以上の結果、当期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ38億2千7百万円増加し、1,010億7千8百万円となりました。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
(注) 親会社所有者帰属持分比率 :親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率 : 株式時価総額/資産合計
債務償還年数 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
c. 次期のキャッシュ・フローの見通し
営業活動によるキャッシュ・フローのうち、税引前当期利益は260億円程度と予想しております。減価償却費及び償却費は200億円程度となる見込みです。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、設備投資による支出は220億円程度を予定しております。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、配当の支払いなどにより、130億円程度の資金の減少を予想しております。
以上により、次期の現金及び現金同等物の期末残高は、当期末に比べて110億円程度の増加と予想しております。
d. 利益配分に関する基本方針
「第4 提出会社の状況 3配当政策」に記載のとおりであります。
e.生産、受注、販売の実績
[生産実績]
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は生産者販売価格で算出しております。
[受注状況]
受注生産は行っておりません。
[販売実績]
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の内部取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針およびその適用方法ならびに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しているため省略しております。
② 経営方針、経営戦略等または目標とする経営指標に照らした分析、検討内容
当社グループの経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。経営成績等の状況に関する認識・分析は以下のとおりです。
a. 売上の状況
当連結会計年度の売上高は、3,898億6千9百万円(前期比6.5%増、為替変動の影響を除いた実質前期比3.4%増)となりました。売上高は、一般用消費財はオーラルケア、ビューティケアが増収、海外ではマレーシアや韓国が成長を牽引、産業用品では二次電池向けカーボンや衛生関連品の好調によりそれぞれ増収となりました。
b. 損益の状況
当連結会計年度の損益は、事業利益235億5千9百万円(前期比23.8%減)、営業利益288億4千3百万円(同7.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益219億3千9百万円(同7.7%減)となりました。事業利益は、値上げ対応やトータルコストダウンを推進するも、原材料価格上昇の影響や減価償却費の増加等により減益となりました。営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、主に事業利益の減少により減益となりました。

以上の結果、当連結会計年度のROEは8.5%となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. 基本的な考え方
当社グループは、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパスを起点とし、2030年に向けた経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を掲げ、その実現への企業活動を進めております。
資金については、中長期的な成長を継続させるための投資資金の確実な確保と、財務健全性の維持を基本方針とし、成長投資や運転資金の需要に合わせて、機動的に対応することとしています。また、投資や事業成長から創出した資金を、更なる成長に向けて再投資するとともに、マルチステークホルダーへの還元を強化することで、企業価値拡大スパイラルの実現を目指します。
b. 資金の需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品および製品製造のための原材料の購入、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは販売促進費、広告宣伝費および人件費等です。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、主力の製造拠点である国内工場の設備維持更新に加え、生産能力増強および生産効率向上のための設備投資です。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対しては、財務基盤の安定と資本効率の向上を図りながら対応してまいります。
剰余金の配当等の決定に関する方針は、継続的かつ安定的な利益還元を行うことを経営の最重要課題と考え、配当は連結配当性向30%を目安として継続的かつ安定的に実施し、自己株式の取得は中長期的な成長のための内部留保を総合的に判断して実施を検討してまいります。内部留保は、企業成長力の強化、永続的な事業基盤の整備を行うことを目的として、研究開発、生産設備等への投資や外部資源獲得に充当してまいります。
c. 資金調達
当社グループの運転資金および設備投資資金は、主として営業活動で得られた資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入や社債等による資金調達を行う方針であります。当社は国内格付機関である格付投資情報センター(R&I)から格付を取得しており、本報告書提出日時点における長期発行体格付はA(安定的)となっております。また、当社は複数の銀行との間で借入枠を有しており、緊急時の流動性を確保しております。これらにより、当社グループの事業運営に必要な運転資金や将来の成長に向けた投資資金は適切に調達することが可能であると考えております。
なお、当社グループでは、国内連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金を当社が貸し付けることで、資金効率の向上と支払利息の低減を図っております。
④ 経営成績等に重要な影響を与える要因
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績・財政状態に関する概況
① 経営成績の状況
a. 当期(2022年1月1日~2022年12月31日)の経営成績
<全体概況>当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限等が緩和される中、個人消費や企業収益の改善が続くなど、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界では、資源価格の高騰や為替変動の影響を大きく受けましたが、市場全体は堅調に推移しました。
このような環境の中、当社グループは3ヵ年の中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」をスタートし、3つの成長戦略である「4つの提供価値領域における成長加速」、「成長に向けた事業基盤への変革」、「変革を実現するダイナミズムの創出」にもとづく施策を推進しました。
国内事業では、ハミガキ、ハブラシ、住居用洗剤、解熱鎮痛薬等において高付加価値品の育成に重点的に取り組むとともに、海外事業では、オーラルケア、ビューティケア等のパーソナルケア分野の拡大、洗濯用洗剤等のホームケア分野の競争力強化に注力しました。併せて、国内外において販売促進の効率化やコストダウンの一層の推進など収益性の確保に努めました。
以上の結果、当期の連結業績は、売上高3,898億6千9百万円(前期比6.5%増、為替変動の影響を除いた実質前期比3.4%増)、事業利益235億5千9百万円(前期比23.8%減)、営業利益288億4千3百万円(同7.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益219億3千9百万円(同7.7%減)となりました。
<連結業績の概況>(単位:百万円)
当 期 | 売上比 | 前 期 | 売上比 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 389,869 | 366,234 | 23,635 | 6.5% | ||
事業利益 | 23,559 | 6.0% | 30,923 | 8.4% | △7,364 | △23.8% |
営業利益 | 28,843 | 7.4% | 31,178 | 8.5% | △2,334 | △7.5% |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 21,939 | 5.6% | 23,759 | 6.5% | △1,820 | △7.7% |
(注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。
(注)営業利益には、連結子会社が所有していた土地の譲渡益が含まれています。(2022年1月31日付譲渡)
<セグメント別の業績>(単位:百万円)
売上高 | セグメント利益(事業利益) | |||||||
当 期 | 前 期 | 増減額 | 増減率 | 当 期 | 前 期 | 増減額 | 増減率 | |
一般用消費財事業 | 265,555 | 257,932 | 7,623 | 3.0% | 11,454 | 18,974 | △7,519 | △39.6% |
産業用品事業 | 58,076 | 50,407 | 7,668 | 15.2% | 3,132 | 2,716 | 416 | 15.3% |
海外事業 | 129,342 | 109,253 | 20,089 | 18.4% | 5,116 | 6,005 | △889 | △14.8% |
その他 | 15,394 | 27,881 | △12,487 | △44.8% | 1,202 | 2,145 | △943 | △44.0% |
小計 | 468,368 | 445,474 | 22,894 | 5.1% | 20,904 | 29,841 | △8,937 | △29.9% |
調整額 | △78,499 | △79,240 | 741 | ― | 2,654 | 1,081 | 1,573 | ― |
合計 | 389,869 | 366,234 | 23,635 | 6.5% | 23,559 | 30,923 | △7,364 | △23.8% |
(注)連結子会社であるライオンケミカル㈱の事業構成の変化を踏まえ、第1四半期連結会計期間より、従来「産業用
品事業」に集約していた同社の事業を「産業用品事業」と「一般用消費財事業」に分離しています。
なお、前連結会計年度のセグメント情報についても、この変更を反映したものに組み替えて表示しています。
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(注)売上高構成比は、各部門の売上高から部門間の内部売上高・振替高を控除した外部顧客への売上高にもとづき算出しております。
<セグメント別概況>1) 一般用消費財事業
当事業は、「オーラルケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」で構成されています。全体の売上高は、前期比3.0%の増加となりました。セグメント利益は、前期比39.6%の減少となりました。
当期(百万円) | 前期(百万円) | 増減率 | |
売上高 | 265,555 | 257,932 | 3.0% |
セグメント利益 | 11,454 | 18,974 | △39.6% |
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(注)以降、グラフの単位は億円
[売上高の分野別状況]
当期(百万円) | 前期(百万円) | 増減率 | |
オーラルケア分野 | 72,299 | 69,418 | 4.2% |
ビューティケア分野 | 26,482 | 24,729 | 7.1% |
ファブリックケア分野 | 60,120 | 60,660 | △0.9% |
リビングケア分野 | 23,630 | 25,158 | △6.1% |
薬品分野 | 25,144 | 25,381 | △0.9% |
その他の分野 | 57,877 | 52,584 | 10.1% |
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(オーラルケア分野)
ハミガキは、「クリニカアドバンテージ ハミガキ」が好調に推移するとともに、新製品「システマハグキプラス プレミアムハミガキ よくばりな美白」や「クリニカPRO(プロ) ハミガキ」がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を上回りました。
ハブラシは、「クリニカアドバンテージ ハブラシ」や「NONIO(ノニオ) ハブラシ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
デンタルリンスは、「NONIO(ノニオ)プラスホワイトニング デンタルリンス」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

(ビューティケア分野)
ハンドソープは、「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
ボディソープは、「hadakara(ハダカラ) ボディソープ」が堅調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

(ファブリックケア分野)
柔軟剤は、「ソフラン プレミアム消臭」が前期を下回りましたが、「ソフラン アロマリッチ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
洗濯用洗剤は、液体高濃度洗剤「トップ スーパーNANOX(ナノックス) ニオイ専用」が前期を上回りましたが、液体洗剤「香りつづくトップ」や「トップ クリアリキッド」が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。

(リビングケア分野)
台所用洗剤は、「CHARMY(チャーミー) Magica(マジカ)」が前期を下回り、全体の売上も前期を下回りました。
住居用洗剤は、浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」や「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が前期を上回りましたが、トイレ用洗剤が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。

(薬品分野)
解熱鎮痛薬は、市場が好調に推移する中、「バファリン プレミアムDX(ディーエックス)」が好調に推移するとともに「バファリンA」が前期を上回り、全体の売上も前期を上回りました。
点眼剤は、新製品が加わった「スマイル40ゴールド」シリーズが前期を上回り、全体の売上も前期を上回りました。
ニキビ薬は、「ペアアクネクリームW」が前期を下回り、全体の売上も前期を下回りました。

(その他の分野)
ペット用品は、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が順調に推移するとともに、オーラルケア用品が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
通信販売商品は、「腸まで届けるナイスリムエッセンス ラクトフェリン」が前期を下回り、全体の売上も前期を下回りました。
上記の他、製造子会社のグループ内部売上高が大幅に増加しました。

2) 産業用品事業
当事業は、タイヤの防着剤等を取り扱う「モビリティ分野」、二次電池用導電性カーボン等の「エレクトロニクス分野」、施設・厨房向け洗浄剤等の「業務用洗浄剤分野」等で構成されており、全体の売上高は、前期比15.2%の増加となりました。セグメント利益は、前期比15.3%の増加となりました。
当期(百万円) | 前期(百万円) | 増減率 | |
売上高 | 58,076 | 50,407 | 15.2% |
セグメント利益 | 3,132 | 2,716 | 15.3% |
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モビリティ分野では、タイヤの防着剤が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
エレクトロニクス分野では、二次電池用導電性カーボンが好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
業務用洗浄剤分野では、ハンドソープが前期を下回りましたが、厨房向け消毒用アルコールが好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
3) 海外事業
海外は、タイ、マレーシア等の東南アジア、韓国、中国等の北東アジアにおいて事業を展開しております。全体の売上高は、前期比18.4%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比は7.1%の増加)となりました。セグメント利益は、東南アジアで原材料価格上昇の影響を大きく受けたこともあり、前期比14.8%の減少となりました。
当期(百万円) | 前期(百万円) | 増減率 | |
売上高 | 129,342 | 109,253 | 18.4% |
セグメント利益 | 5,116 | 6,005 | △14.8% |
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[地域別売上状況]
当期(百万円) | 前期(百万円) | 増減率 | |
東南アジア 売上高 | 81,249 | 68,795 | 18.1% |
セグメント利益 | 2,378 | 3,777 | △37.0% |
北東アジア 売上高 | 48,093 | 40,458 | 18.9% |
セグメント利益 | 2,737 | 2,228 | 22.8% |
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(地域別の状況)
東南アジア全体の売上高は、前期比18.1%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比は7.0%の増加)、セグメント利益は37.0%の減少となりました。
タイでは、洗濯用洗剤が前期を下回りましたが、ボディソープが好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
また、マレーシアでは洗濯用洗剤「トップ」が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
北東アジア全体の売上高は、前期比18.9%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比は7.2%の増加)、セグメント利益は22.8%の増加となりました。
韓国では、洗濯用洗剤が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
また、中国では、ハミガキ「ホワイト&ホワイト」が好調に推移するとともに、ハブラシ「システマ」が堅調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
4) その他
その他では、全体の売上高は、153億9千4百万円(前期比44.8%減)となりました。セグメント利益は、12億2百万円(前期比44.0%減)となりました。
当期(百万円) | 前期(百万円) | 増減率 | |
売上高 | 15,394 | 27,881 | △44.8% |
セグメント利益 | 1,202 | 2,145 | △44.0% |
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b. 次期(2023年1月1日~2023年12月31日)の業績見通し
<連結>
次期予想 | 当期 | 増減額 | 増減率 | |
売上高(百万円) | 410,000 | 389,869 | 20,130 | 5.2% |
事業利益(百万円)(注) | 25,000 | 23,559 | 1,440 | 6.1% |
営業利益(百万円) | 25,000 | 28,843 | △3,843 | △13.3% |
親会社の所有者に帰属する 当期利益(百万円) | 17,500 | 21,939 | △4,439 | △20.2% |
基本的1株当たり当期利益(円) | 61.45 | 77.04 | △15.59 | △20.2% |
(注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。
次期のわが国経済は、緩やかな景気回復が続くと想定されるものの、物価上昇や金融政策による影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況で推移するものと予想されます。
当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界は、堅調に推移するものと見込まれますが、物価上昇による消費者の買い控えなどがリスクとして想定されます。
このような中、当社グループは中長期経営戦略フレームにもとづく中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」を推進し、サステナブルな社会への貢献と事業成長の加速を目指してまいります。
次期の連結業績見通しは、売上高4,100億円(前期比5.2%増)、事業利益250億円(同6.1%増)、営業利益250億円(同13.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益175億円(同20.2%減)を予想しております。
② 財政状態に関する概況
a.財政の状況
(連結財政状態)
当期 | 前期 | 増減額 | |
資産合計(百万円) | 469,278 | 428,025 | 41,253 |
資本合計(百万円) | 279,168 | 265,014 | 14,153 |
親会社所有者帰属持分比率(%)(注1) | 56.3 | 58.8 | △2.5 |
1株当たり親会社所有者帰属持分(円)(注2) | 929.72 | 865.31 | 64.41 |
(注1) 親会社所有者帰属持分比率は、(資本合計-非支配持分)/資産合計で計算しております。
(注2) 1株当たり親会社所有者帰属持分は、非支配持分を含まずに計算しております。
資産合計は、使用権資産の増加等により、前期末と比較して412億5千3百万円増加し、4,692億7千8百万円となりました。資本合計は、141億5千3百万円増加し、2,791億6千8百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は56.3%となりました。
b.当期のキャッシュ・フローの状況
(連結キャッシュ・フロー) (単位:百万円)
当期 | 前期 | 増減額 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 41,962 | 19,296 | 22,665 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △19,535 | △34,177 | 14,641 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △19,821 | △10,225 | △9,595 |
換算差額等 | 1,222 | 822 | 400 |
増減 | 3,827 | △24,283 | 28,111 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 101,078 | 97,250 | 3,827 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益等により、419億6千2百万円の資金の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、195億3千5百万円の資金の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出等により、198億2千1百万円の資金の減少となりました。
以上の結果、当期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ38億2千7百万円増加し、1,010億7千8百万円となりました。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
2018年 12月期 | 2019年 12月期 | 2020年 12月期 | 2021年 12月期 | 2022年 12月期 | |
親会社所有者帰属持分比率(%) | 53.8 | 54.7 | 53.2 | 58.8 | 56.3 |
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) | 185.7 | 162.3 | 166.8 | 104.4 | 91.7 |
債務償還年数(年) | 0.2 | 0.3 | 0.3 | 0.6 | 0.8 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ | 259.3 | 431.9 | 719.4 | 564.8 | 1,021.4 |
(注) 親会社所有者帰属持分比率 :親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率 : 株式時価総額/資産合計
債務償還年数 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
c. 次期のキャッシュ・フローの見通し
営業活動によるキャッシュ・フローのうち、税引前当期利益は260億円程度と予想しております。減価償却費及び償却費は200億円程度となる見込みです。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、設備投資による支出は220億円程度を予定しております。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、配当の支払いなどにより、130億円程度の資金の減少を予想しております。
以上により、次期の現金及び現金同等物の期末残高は、当期末に比べて110億円程度の増加と予想しております。
d. 利益配分に関する基本方針
「第4 提出会社の状況 3配当政策」に記載のとおりであります。
e.生産、受注、販売の実績
[生産実績]
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | |
金額(百万円) | 前期比(%) | |
一般用消費財事業 | 206,155 | △3.9 |
産業用品事業 | 24,654 | 21.4 |
海外事業 | 117,420 | 10.9 |
その他 | ― | ― |
計 | 348,230 | 2.2 |
(注) 金額は生産者販売価格で算出しております。
[受注状況]
受注生産は行っておりません。
[販売実績]
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | |
金額(百万円) | 前期比(%) | |
一般用消費財事業 | 230,520 | 0.4 |
産業用品事業 | 37,849 | 8.8 |
海外事業 | 118,042 | 19.6 |
その他 | 3,475 | 8.8 |
計 | 389,887 | 6.4 |
(注) 1 セグメント間の内部取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
㈱PALTAC | 96,837 | 26.4 | 101,628 | 26.1 |
㈱あらた | 45,254 | 12.4 | 43,363 | 11.1 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針およびその適用方法ならびに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しているため省略しております。
② 経営方針、経営戦略等または目標とする経営指標に照らした分析、検討内容
当社グループの経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。経営成績等の状況に関する認識・分析は以下のとおりです。
a. 売上の状況
当連結会計年度の売上高は、3,898億6千9百万円(前期比6.5%増、為替変動の影響を除いた実質前期比3.4%増)となりました。売上高は、一般用消費財はオーラルケア、ビューティケアが増収、海外ではマレーシアや韓国が成長を牽引、産業用品では二次電池向けカーボンや衛生関連品の好調によりそれぞれ増収となりました。
b. 損益の状況
当連結会計年度の損益は、事業利益235億5千9百万円(前期比23.8%減)、営業利益288億4千3百万円(同7.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益219億3千9百万円(同7.7%減)となりました。事業利益は、値上げ対応やトータルコストダウンを推進するも、原材料価格上昇の影響や減価償却費の増加等により減益となりました。営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、主に事業利益の減少により減益となりました。

以上の結果、当連結会計年度のROEは8.5%となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. 基本的な考え方
当社グループは、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパスを起点とし、2030年に向けた経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を掲げ、その実現への企業活動を進めております。
資金については、中長期的な成長を継続させるための投資資金の確実な確保と、財務健全性の維持を基本方針とし、成長投資や運転資金の需要に合わせて、機動的に対応することとしています。また、投資や事業成長から創出した資金を、更なる成長に向けて再投資するとともに、マルチステークホルダーへの還元を強化することで、企業価値拡大スパイラルの実現を目指します。
b. 資金の需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品および製品製造のための原材料の購入、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは販売促進費、広告宣伝費および人件費等です。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、主力の製造拠点である国内工場の設備維持更新に加え、生産能力増強および生産効率向上のための設備投資です。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対しては、財務基盤の安定と資本効率の向上を図りながら対応してまいります。
剰余金の配当等の決定に関する方針は、継続的かつ安定的な利益還元を行うことを経営の最重要課題と考え、配当は連結配当性向30%を目安として継続的かつ安定的に実施し、自己株式の取得は中長期的な成長のための内部留保を総合的に判断して実施を検討してまいります。内部留保は、企業成長力の強化、永続的な事業基盤の整備を行うことを目的として、研究開発、生産設備等への投資や外部資源獲得に充当してまいります。
c. 資金調達
当社グループの運転資金および設備投資資金は、主として営業活動で得られた資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入や社債等による資金調達を行う方針であります。当社は国内格付機関である格付投資情報センター(R&I)から格付を取得しており、本報告書提出日時点における長期発行体格付はA(安定的)となっております。また、当社は複数の銀行との間で借入枠を有しており、緊急時の流動性を確保しております。これらにより、当社グループの事業運営に必要な運転資金や将来の成長に向けた投資資金は適切に調達することが可能であると考えております。
なお、当社グループでは、国内連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金を当社が貸し付けることで、資金効率の向上と支払利息の低減を図っております。
④ 経営成績等に重要な影響を与える要因
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。