有価証券報告書-第160期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績・財政状態に関する概況
① 経営成績の状況
a. 当期(2020年1月1日~2020年12月31日)の経営成績
<全体概況>当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、企業収益が大幅に減少し雇用情勢が悪化するなど、厳しい状況で推移しました。
当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界においては、訪日観光客数の減少によるインバウンド需要の減少がありましたが、衛生関連品等の需要増などにより、市場全体は拡大しました。
このような環境の中、当社グループは、中期経営計画「LIVE(ライブ)計画(LION Value Evolution Plan)」の基本戦略である、「新価値創造による事業の拡張・進化」、「グローカライゼーションによる海外事業の成長加速」、「事業構造改革による経営基盤の強化」、「変革に向けたダイナミズムの創出」にもとづく施策を推進しました。また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、国内外の事業活動に影響が生じましたが、当社グループは社会的責任を果たすべく、感染拡大の防止と従業員の安全確保に最大限努めるとともに、商品の供給継続に注力しました。
国内事業では、主力ブランドで高付加価値の新製品を投入し、効率的なマーケティング施策等で育成を図りました。
海外事業では、洗濯用洗剤等のホームケア分野の収益性向上、オーラルケア、ビューティケア等のパーソナルケア分野の事業規模拡大に取り組みました。
以上の結果、当期の連結業績は、売上高3,553億5千2百万円(前期比2.3%増、為替変動の影響を除いた実質前期比3.2%増)、事業利益359億3千7百万円(前期比19.6%増)、営業利益440億7千4百万円(同47.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益298億7千万円(同45.3%増)となりました。
【連結業績の概況】 (単位:百万円)
(注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。
【セグメント別の業績】 (単位:百万円)
(注)売上高構成比は、各部門の売上高から部門間の内部売上高・振替高を控除した外部顧客への売上高にもとづき算出しております。
<セグメント別概況>1) 一般用消費財事業
当事業は、「オーラルケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」に分かれており、全体の売上高は、前期比4.8%の増加となりました。セグメント利益は、前期比25.5%の増加となりました。
(注)以降、グラフの単位は億円
[売上高の分野別状況]


(オーラルケア分野)
ハミガキは、前期に発売した「システマ ハグキプラス プレミアムハミガキ」がお客様のご好評をいただくとともに、‟歯に蓄積した着色汚れによるくすみ”まで除去する「システマEX(イーエックス) W ハミガキ」を新発売した「システマEX(イーエックス) ハミガキ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
ハブラシは、前期に発売した「NONIO(ノニオ) ハブラシ」がお客様のご好評をいただきましたが、「ビトイーン」が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。
デンタルリンスは、「NONIO(ノニオ) マウスウォッシュ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

(ビューティケア分野)
ハンドソープは、「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」が前期を大幅に上回るとともに、きちんと殺菌して、‟うるおいバリア”が手肌を守る新製品「キレイキレイ薬用ハンドコンディショニングソープ」がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
ボディソープは、新たにオイルインタイプを追加した「hadakara(ハダカラ) ボディソープ」が順調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
制汗剤は、新配合の高密着成分(無水硫酸ナトリウム)により、こすれに強く、高い密着力を実現した新製品「Ban(バン) 汗ブロック プラチナロールオン」がお客様のご好評をいただきましたが、「Ban(バン) 汗ブロック 足用ジェル」が前期を下回り、全体の売上は前期を下回りました。

(ファブリックケア分野)
柔軟剤は、「ソフラン プレミアム消臭」が伸び悩むとともに、「ソフラン アロマリッチ」が競争激化の影響で前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。
洗濯用洗剤は、前期に発売した液体高濃度洗剤「トップ スーパーNANOX(ナノックス) ニオイ専用」がお客様のご好評をいただきましたが、液体洗剤「トップ クリアリキッド」が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。

(リビングケア分野)
台所用洗剤は、「CHARMY(チャーミー) Magica(マジカ)」や食器洗い機専用洗剤「CHARMY(チャーミー) クリスタ」が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
住居用洗剤は、銀イオン配合の新製品が加わった浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」や浴室用カビ防止剤「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。

(薬品分野)
解熱鎮痛薬は、「バファリン プレミアム」が順調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
点眼剤は、「スマイル40 プレミアムDX(ディーエックス)」や「スマイル40 メディクリアDX(ディーエックス)」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
皮膚用薬は、かゆみに悩む方が、部位を手がかりに症状に適した薬を選びやすいようにした新製品「メソッド」シリーズを発売し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
ニキビ薬、足用冷却シートの売上は、訪日観光客数の減少に伴うインバウンド需要の減少により、前期を下回りました。

(その他の分野)
通信販売商品は、「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」が前期を下回り、全体の売上は前期を下回りました。
ペット用品は、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が堅調に推移するとともに、オーラルケア用品が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

2) 産業用品事業
当事業は、タイヤの防着剤等を取り扱う「自動車分野」、2次電池向け導電性カーボン等の「電気・電子分野」、施設・厨房向け洗浄剤等の「業務用洗浄剤分野」等で構成されており、全体の売上高は、前期比0.2%の減少となりました。セグメント利益は、前期比23.7%の増加となりました。
(自動車分野)
タイヤの防着剤や自動車部品用カーボンが前期を下回り、全体の売上は前期を下回りました。
(電気・電子分野)
機能性材料や導電性樹脂の需要が減少し、全体の売上は前期を下回りました。
(業務用洗浄剤分野)
食器洗浄機用洗浄剤等が前期を下回りましたが、厨房向け消毒用アルコールやハンドソープが前期を大幅に上回り、全体の売上は前期を上回りました。
3) 海外事業
海外は、タイ、マレーシア等の東南アジア、韓国、中国等の北東アジアにおいて事業を展開しております。全体の売上高は、前期比0.5%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比4.0%の増加)となりました。セグメント利益は、前期比5.4%の減少となりました。
(地域別の状況)
東南アジア全体の売上高は、前期比4.4%の減少となりました。
タイでは、ハンドソープが好調に推移しましたが、洗濯用洗剤が前期を下回り、円貨換算後の全体の売上は前期を下回りました。
また、マレーシアでは洗濯用洗剤が前期を上回りましたが、為替変動の影響を受け円貨換算後の全体の売上は前期を下回りました。
北東アジア全体の売上高は、前期比11.5%の増加となりました。
韓国では、ハンドソープが前期を大幅に上回り、円貨換算後の全体の売上は前期を上回りました。
また、中国では、「システマ」ハブラシが好調に推移するとともに、ハンドソープや日本からの輸入品の販売が大幅に増加し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
4) その他
その他では、全体の売上高は、348億2千万円(前期比1.5%減)となりました。セグメント利益は、23億1千5百万円(前期比52.2%増)となりました。
b. 次期(2021年1月1日~2021年12月31日)の業績見通し
【連結】
(注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。
次期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の収束が見通せない中、感染拡大の防止策や経済対策等により持ち直しが期待されるものの、依然として厳しい状況が続くものと予想されます。当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界においては、引き続き衛生関連品等への高い需要が見込まれるものの、市場全体としては先行き不透明な状況にあります。このような中、当社グループは新たに策定した中長期経営戦略フレーム「Vision(ビジョン)2030」の下、サステナビリティ重要課題への取組みと成長戦略を相乗的に推進し、事業を通じて社会課題の解決に貢献し続ける企業への変革を加速します。
次期の連結業績見通しは、売上高3,650億円(前期比2.7%増)、事業利益300億円(同16.5%減)、営業利益300億円(同31.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益210億円(同29.7%減)を予想しております。
② 財政状態に関する概況
a.財政の状況
(連結財政状態)
(注1) 親会社所有者帰属持分比率は、(資本合計-非支配持分)/資産合計で計算しております。
(注2) 1株当たり親会社所有者帰属持分は、非支配持分を含まずに計算しております。
資産合計は、有形固定資産の増加等により、前期末と比較して547億9千9百万円増加し、4,355億1百万円となりました。資本合計は、236億5千4百万円増加し、2,448億5千6百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は53.2%となりました。
b.当期のキャッシュ・フローの状況
(連結キャッシュ・フロー) (単位:百万円)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益等により、407億2千9百万円の資金の増加(前期は367億6千2百万円の資金の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、198億6千8百万円の資金の減少(前期は207億5千4百万円の資金の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当の支払いによる支出等により、91億4千万円の資金の減少(前期は105億6千1百万円の資金の減少)となりました。
以上の結果、当期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ111億2千7百万円増加し(前期は54億3千3百万円の資金の増加)、1,215億3千4百万円となりました。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
(注) 親会社所有者帰属持分比率 :親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率 : 株式時価総額/資産合計
債務償還年数 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※IFRSへの移行日を2017年1月1日とし、2018年12月期よりIFRSを適用しているため、2016年12月期以前につきましては記載しておりません。
c. 次期のキャッシュ・フローの見通し
営業活動によるキャッシュ・フローのうち、税引前当期利益は315億円程度と予想しております。減価償却費及び償却費は135億円程度となる見込みです。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、設備投資による支出は355億円程度を予定しております。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、配当の支払いなどにより、100億円程度の資金の減少を予想しております。
以上により、次期の現金及び現金同等物の期末残高は、当期末に比べて5億円程度の減少と予想しております。
d. 利益配分に関する基本方針
「第4 提出会社の状況 3配当政策」に記載のとおりであります。
e.生産、受注、販売の実績
[生産実績]
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は生産者販売価格で算出しており、消費税等は含んでおりません。
[受注状況]
受注生産は行っておりません。
[販売実績]
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の内部取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3 金額は消費税等を含んでおりません。
(2) 経営者視点による経営成績等の状況に関する分析
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針およびその適用方法ならびに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しているため省略しております。
② 経営方針、経営戦略等または目標とする経営指標に照らした分析、検討内容
当社グループの経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。経営成績等の状況に関する認識・分析は以下のとおりです。
a. 売上の状況
当連結会計年度の売上高は、3,553億5千2百万円(前期比2.3%増、為替変動の影響を除いた実質前期比3.2%増)となりました。新型コロナウイルスの影響により、ハンドソープを中心とする衛生関連品等の売上が増加しました。
b. 損益の状況
当連結会計年度の損益は、事業利益359億3千7百万円(前期比19.6%増)、営業利益440億7千4百万円(同47.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益298億7千万円(同45.3%増)となりました。売上増および売上構成変化による粗利増、コストダウンの推進等により事業利益は増加し、事業利益率も上昇しました。固定資産(本社土地)譲渡益等により、営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は前期に対して大幅に増加しました。

以上の結果、当連結会計年度のROEにつきましては13.6%となり、LIVE計画目標である連結ROE12%水準を上回りました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. 基本的な考え方
当社グループは、経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を2030年までの実現に向けて、中長期的な事業成長を継続するための投資資金の確保と財務基盤の健全性の維持を基本方針としています。経営資源投下の「選択と重点化」を徹底して収益体質の強化を図るとともに、資本効率を高めていくことで企業価値の向上を目指しております。
b. 資金の需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品および製品製造のための原材料の購入、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは販売促進費、広告宣伝費および人件費等です。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、主力の製造拠点である国内工場の設備維持更新に加え、生産能力増強および生産効率向上のための設備投資です。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対しては、財務基盤の安定と資本効率の向上を図りながら対応してまいります。
剰余金の配当等の決定に関する方針は、継続的かつ安定的な利益還元を行うことを経営の最重要課題と考え、配当は連結配当性向30%を目安として継続的かつ安定的に実施し、自己株式の取得は中長期的な成長のための内部留保を総合的に判断して実施を検討してまいります。内部留保は、企業成長力の強化、永続的な事業基盤の整備を行うことを目的として、研究開発、生産設備等への投資や外部資源獲得に充当してまいります。
c. 資金調達
当社グループの運転資金および設備投資資金は、主として営業活動で得られた資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入や社債等による資金調達を行う方針であります。当社は国内格付機関である格付投資情報センター(R&I)から格付を取得しており、本報告書提出日時点における長期発行体格付はA(安定的)となっております。また、当社は複数の銀行との間で借入枠を有しており、緊急時の流動性を確保しております。これらにより、当社グループの事業運営に必要な運転資金や将来の成長に向けた投資資金は適切に調達することが可能であると考えております。
なお、当社グループでは、国内連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金を当社が貸し付けることで、資金効率の向上と支払利息の低減を図っております。
④ 経営成績等に重要な影響を与える要因
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績・財政状態に関する概況
① 経営成績の状況
a. 当期(2020年1月1日~2020年12月31日)の経営成績
<全体概況>当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、企業収益が大幅に減少し雇用情勢が悪化するなど、厳しい状況で推移しました。
当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界においては、訪日観光客数の減少によるインバウンド需要の減少がありましたが、衛生関連品等の需要増などにより、市場全体は拡大しました。
このような環境の中、当社グループは、中期経営計画「LIVE(ライブ)計画(LION Value Evolution Plan)」の基本戦略である、「新価値創造による事業の拡張・進化」、「グローカライゼーションによる海外事業の成長加速」、「事業構造改革による経営基盤の強化」、「変革に向けたダイナミズムの創出」にもとづく施策を推進しました。また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、国内外の事業活動に影響が生じましたが、当社グループは社会的責任を果たすべく、感染拡大の防止と従業員の安全確保に最大限努めるとともに、商品の供給継続に注力しました。
国内事業では、主力ブランドで高付加価値の新製品を投入し、効率的なマーケティング施策等で育成を図りました。
海外事業では、洗濯用洗剤等のホームケア分野の収益性向上、オーラルケア、ビューティケア等のパーソナルケア分野の事業規模拡大に取り組みました。
以上の結果、当期の連結業績は、売上高3,553億5千2百万円(前期比2.3%増、為替変動の影響を除いた実質前期比3.2%増)、事業利益359億3千7百万円(前期比19.6%増)、営業利益440億7千4百万円(同47.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益298億7千万円(同45.3%増)となりました。
【連結業績の概況】 (単位:百万円)
当 期 | 売上比 | 前 期 | 売上比 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 355,352 | 347,519 | 7,832 | 2.3% | ||
事業利益 | 35,937 | 10.1% | 30,048 | 8.6% | 5,889 | 19.6% |
営業利益 | 44,074 | 12.4% | 29,832 | 8.6% | 14,242 | 47.7% |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 29,870 | 8.4% | 20,559 | 5.9% | 9,311 | 45.3% |
(注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。
【セグメント別の業績】 (単位:百万円)
売上高 | セグメント利益(事業利益) | |||||||
当 期 | 前 期 | 増減額 | 増減率 | 当 期 | 前 期 | 増減額 | 増減率 | |
一般用消費財事業 | 245,493 | 234,357 | 11,135 | 4.8% | 24,647 | 19,634 | 5,012 | 25.5% |
産業用品事業 | 55,069 | 55,164 | △94 | △0.2% | 2,171 | 1,755 | 416 | 23.7% |
海外事業 | 101,651 | 101,095 | 555 | 0.5% | 7,144 | 7,552 | △407 | △5.4% |
その他 | 34,820 | 35,337 | △516 | △1.5% | 2,315 | 1,521 | 793 | 52.2% |
小計 | 437,034 | 425,954 | 11,080 | 2.6% | 36,278 | 30,464 | 5,814 | 19.1% |
調整額 | △81,682 | △78,435 | △3,247 | ― | △340 | △416 | 75 | ― |
合計 | 355,352 | 347,519 | 7,832 | 2.3% | 35,937 | 30,048 | 5,889 | 19.6% |
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(注)売上高構成比は、各部門の売上高から部門間の内部売上高・振替高を控除した外部顧客への売上高にもとづき算出しております。
<セグメント別概況>1) 一般用消費財事業
当事業は、「オーラルケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」に分かれており、全体の売上高は、前期比4.8%の増加となりました。セグメント利益は、前期比25.5%の増加となりました。
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(注)以降、グラフの単位は億円
[売上高の分野別状況]


(オーラルケア分野)
ハミガキは、前期に発売した「システマ ハグキプラス プレミアムハミガキ」がお客様のご好評をいただくとともに、‟歯に蓄積した着色汚れによるくすみ”まで除去する「システマEX(イーエックス) W ハミガキ」を新発売した「システマEX(イーエックス) ハミガキ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
ハブラシは、前期に発売した「NONIO(ノニオ) ハブラシ」がお客様のご好評をいただきましたが、「ビトイーン」が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。
デンタルリンスは、「NONIO(ノニオ) マウスウォッシュ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

(ビューティケア分野)
ハンドソープは、「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」が前期を大幅に上回るとともに、きちんと殺菌して、‟うるおいバリア”が手肌を守る新製品「キレイキレイ薬用ハンドコンディショニングソープ」がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
ボディソープは、新たにオイルインタイプを追加した「hadakara(ハダカラ) ボディソープ」が順調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
制汗剤は、新配合の高密着成分(無水硫酸ナトリウム)により、こすれに強く、高い密着力を実現した新製品「Ban(バン) 汗ブロック プラチナロールオン」がお客様のご好評をいただきましたが、「Ban(バン) 汗ブロック 足用ジェル」が前期を下回り、全体の売上は前期を下回りました。

(ファブリックケア分野)
柔軟剤は、「ソフラン プレミアム消臭」が伸び悩むとともに、「ソフラン アロマリッチ」が競争激化の影響で前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。
洗濯用洗剤は、前期に発売した液体高濃度洗剤「トップ スーパーNANOX(ナノックス) ニオイ専用」がお客様のご好評をいただきましたが、液体洗剤「トップ クリアリキッド」が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。

(リビングケア分野)
台所用洗剤は、「CHARMY(チャーミー) Magica(マジカ)」や食器洗い機専用洗剤「CHARMY(チャーミー) クリスタ」が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
住居用洗剤は、銀イオン配合の新製品が加わった浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」や浴室用カビ防止剤「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。

(薬品分野)
解熱鎮痛薬は、「バファリン プレミアム」が順調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
点眼剤は、「スマイル40 プレミアムDX(ディーエックス)」や「スマイル40 メディクリアDX(ディーエックス)」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
皮膚用薬は、かゆみに悩む方が、部位を手がかりに症状に適した薬を選びやすいようにした新製品「メソッド」シリーズを発売し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
ニキビ薬、足用冷却シートの売上は、訪日観光客数の減少に伴うインバウンド需要の減少により、前期を下回りました。

(その他の分野)
通信販売商品は、「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」が前期を下回り、全体の売上は前期を下回りました。
ペット用品は、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が堅調に推移するとともに、オーラルケア用品が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

2) 産業用品事業
当事業は、タイヤの防着剤等を取り扱う「自動車分野」、2次電池向け導電性カーボン等の「電気・電子分野」、施設・厨房向け洗浄剤等の「業務用洗浄剤分野」等で構成されており、全体の売上高は、前期比0.2%の減少となりました。セグメント利益は、前期比23.7%の増加となりました。
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(自動車分野)
タイヤの防着剤や自動車部品用カーボンが前期を下回り、全体の売上は前期を下回りました。
(電気・電子分野)
機能性材料や導電性樹脂の需要が減少し、全体の売上は前期を下回りました。
(業務用洗浄剤分野)
食器洗浄機用洗浄剤等が前期を下回りましたが、厨房向け消毒用アルコールやハンドソープが前期を大幅に上回り、全体の売上は前期を上回りました。
3) 海外事業
海外は、タイ、マレーシア等の東南アジア、韓国、中国等の北東アジアにおいて事業を展開しております。全体の売上高は、前期比0.5%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比4.0%の増加)となりました。セグメント利益は、前期比5.4%の減少となりました。
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(地域別の状況)
東南アジア全体の売上高は、前期比4.4%の減少となりました。
タイでは、ハンドソープが好調に推移しましたが、洗濯用洗剤が前期を下回り、円貨換算後の全体の売上は前期を下回りました。
また、マレーシアでは洗濯用洗剤が前期を上回りましたが、為替変動の影響を受け円貨換算後の全体の売上は前期を下回りました。
北東アジア全体の売上高は、前期比11.5%の増加となりました。
韓国では、ハンドソープが前期を大幅に上回り、円貨換算後の全体の売上は前期を上回りました。
また、中国では、「システマ」ハブラシが好調に推移するとともに、ハンドソープや日本からの輸入品の販売が大幅に増加し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
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4) その他
その他では、全体の売上高は、348億2千万円(前期比1.5%減)となりました。セグメント利益は、23億1千5百万円(前期比52.2%増)となりました。
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b. 次期(2021年1月1日~2021年12月31日)の業績見通し
【連結】
次期予想 | 当期 | 増減額 | 増減率 | |
売上高(百万円) | 365,000 | 355,352 | 9,647 | 2.7% |
事業利益(百万円)(注) | 30,000 | 35,937 | △5,937 | △16.5% |
営業利益(百万円) | 30,000 | 44,074 | △14,074 | △31.9% |
親会社の所有者に帰属する 当期利益(百万円) | 21,000 | 29,870 | △8,870 | △29.7% |
基本的1株当たり当期利益(円) | 72.24 | 102.75 | △30.51 | △29.7% |
(注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。
次期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の収束が見通せない中、感染拡大の防止策や経済対策等により持ち直しが期待されるものの、依然として厳しい状況が続くものと予想されます。当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界においては、引き続き衛生関連品等への高い需要が見込まれるものの、市場全体としては先行き不透明な状況にあります。このような中、当社グループは新たに策定した中長期経営戦略フレーム「Vision(ビジョン)2030」の下、サステナビリティ重要課題への取組みと成長戦略を相乗的に推進し、事業を通じて社会課題の解決に貢献し続ける企業への変革を加速します。
次期の連結業績見通しは、売上高3,650億円(前期比2.7%増)、事業利益300億円(同16.5%減)、営業利益300億円(同31.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益210億円(同29.7%減)を予想しております。
② 財政状態に関する概況
a.財政の状況
(連結財政状態)
当期 | 前期 | 増減額 | |
資産合計(百万円) | 435,501 | 380,701 | 54,799 |
資本合計(百万円) | 244,856 | 221,201 | 23,654 |
親会社所有者帰属持分比率(%)(注1) | 53.2 | 54.7 | △1.5 |
1株当たり親会社所有者帰属持分(円)(注2) | 797.08 | 716.94 | 80.14 |
(注1) 親会社所有者帰属持分比率は、(資本合計-非支配持分)/資産合計で計算しております。
(注2) 1株当たり親会社所有者帰属持分は、非支配持分を含まずに計算しております。
資産合計は、有形固定資産の増加等により、前期末と比較して547億9千9百万円増加し、4,355億1百万円となりました。資本合計は、236億5千4百万円増加し、2,448億5千6百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は53.2%となりました。
b.当期のキャッシュ・フローの状況
(連結キャッシュ・フロー) (単位:百万円)
当期 | 前期 | 増減額 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 40,729 | 36,762 | 3,967 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △19,868 | △20,754 | 886 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △9,140 | △10,561 | 1,420 |
換算差額等 | △593 | △12 | △580 |
増減 | 11,127 | 5,433 | 5,693 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 121,534 | 110,406 | 11,127 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益等により、407億2千9百万円の資金の増加(前期は367億6千2百万円の資金の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、198億6千8百万円の資金の減少(前期は207億5千4百万円の資金の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当の支払いによる支出等により、91億4千万円の資金の減少(前期は105億6千1百万円の資金の減少)となりました。
以上の結果、当期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ111億2千7百万円増加し(前期は54億3千3百万円の資金の増加)、1,215億3千4百万円となりました。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
2017年 12月期 | 2018年 12月期 | 2019年 12月期 | 2020年 12月期 | |
親会社所有者帰属持分比率(%) | 52.7 | 53.8 | 54.7 | 53.2 |
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) | 183.1 | 185.7 | 162.3 | 166.8 |
債務償還年数(年) | 0.3 | 0.2 | 0.3 | 0.3 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ | 148.7 | 259.3 | 431.9 | 719.4 |
(注) 親会社所有者帰属持分比率 :親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率 : 株式時価総額/資産合計
債務償還年数 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※IFRSへの移行日を2017年1月1日とし、2018年12月期よりIFRSを適用しているため、2016年12月期以前につきましては記載しておりません。
c. 次期のキャッシュ・フローの見通し
営業活動によるキャッシュ・フローのうち、税引前当期利益は315億円程度と予想しております。減価償却費及び償却費は135億円程度となる見込みです。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、設備投資による支出は355億円程度を予定しております。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、配当の支払いなどにより、100億円程度の資金の減少を予想しております。
以上により、次期の現金及び現金同等物の期末残高は、当期末に比べて5億円程度の減少と予想しております。
d. 利益配分に関する基本方針
「第4 提出会社の状況 3配当政策」に記載のとおりであります。
e.生産、受注、販売の実績
[生産実績]
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | |
金額(百万円) | 前期比(%) | |
一般用消費財事業 | 190,700 | △0.7 |
産業用品事業 | 27,714 | 4.3 |
海外事業 | 101,803 | △2.8 |
その他 | ― | ― |
計 | 320,218 | △1.0 |
(注) 金額は生産者販売価格で算出しており、消費税等は含んでおりません。
[受注状況]
受注生産は行っておりません。
[販売実績]
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | |
金額(百万円) | 前期比(%) | |
一般用消費財事業 | 229,746 | 4.7 |
産業用品事業 | 31,563 | △4.2 |
海外事業 | 91,210 | △0.6 |
その他 | 2,827 | △17.5 |
計 | 355,348 | 2.3 |
(注) 1 セグメント間の内部取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
㈱PALTAC | 87,831 | 25.3 | 93,397 | 26.3 |
㈱あらた | 44,592 | 12.8 | 46,952 | 13.2 |
3 金額は消費税等を含んでおりません。
(2) 経営者視点による経営成績等の状況に関する分析
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針およびその適用方法ならびに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しているため省略しております。
② 経営方針、経営戦略等または目標とする経営指標に照らした分析、検討内容
当社グループの経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。経営成績等の状況に関する認識・分析は以下のとおりです。
a. 売上の状況
当連結会計年度の売上高は、3,553億5千2百万円(前期比2.3%増、為替変動の影響を除いた実質前期比3.2%増)となりました。新型コロナウイルスの影響により、ハンドソープを中心とする衛生関連品等の売上が増加しました。
b. 損益の状況
当連結会計年度の損益は、事業利益359億3千7百万円(前期比19.6%増)、営業利益440億7千4百万円(同47.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益298億7千万円(同45.3%増)となりました。売上増および売上構成変化による粗利増、コストダウンの推進等により事業利益は増加し、事業利益率も上昇しました。固定資産(本社土地)譲渡益等により、営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は前期に対して大幅に増加しました。

以上の結果、当連結会計年度のROEにつきましては13.6%となり、LIVE計画目標である連結ROE12%水準を上回りました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. 基本的な考え方
当社グループは、経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を2030年までの実現に向けて、中長期的な事業成長を継続するための投資資金の確保と財務基盤の健全性の維持を基本方針としています。経営資源投下の「選択と重点化」を徹底して収益体質の強化を図るとともに、資本効率を高めていくことで企業価値の向上を目指しております。
b. 資金の需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品および製品製造のための原材料の購入、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは販売促進費、広告宣伝費および人件費等です。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、主力の製造拠点である国内工場の設備維持更新に加え、生産能力増強および生産効率向上のための設備投資です。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対しては、財務基盤の安定と資本効率の向上を図りながら対応してまいります。
剰余金の配当等の決定に関する方針は、継続的かつ安定的な利益還元を行うことを経営の最重要課題と考え、配当は連結配当性向30%を目安として継続的かつ安定的に実施し、自己株式の取得は中長期的な成長のための内部留保を総合的に判断して実施を検討してまいります。内部留保は、企業成長力の強化、永続的な事業基盤の整備を行うことを目的として、研究開発、生産設備等への投資や外部資源獲得に充当してまいります。
c. 資金調達
当社グループの運転資金および設備投資資金は、主として営業活動で得られた資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入や社債等による資金調達を行う方針であります。当社は国内格付機関である格付投資情報センター(R&I)から格付を取得しており、本報告書提出日時点における長期発行体格付はA(安定的)となっております。また、当社は複数の銀行との間で借入枠を有しており、緊急時の流動性を確保しております。これらにより、当社グループの事業運営に必要な運転資金や将来の成長に向けた投資資金は適切に調達することが可能であると考えております。
なお、当社グループでは、国内連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金を当社が貸し付けることで、資金効率の向上と支払利息の低減を図っております。
④ 経営成績等に重要な影響を与える要因
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。