有価証券報告書-第56期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 13:56
【資料】
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【項目】
105項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、大企業の収益改善や訪日外国人の購買意欲に支えられ、回復を続けております。その一方で、中国経済の減速等により、進行していた円安・株高に歯止めがかかり、景気減速の動きも見られました。
世界経済は、米国や欧州などの先進国で回復傾向にありますが、新興国や資源国では減速が見られ、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社を取り巻く業界では、AV関連においては、外国人観光客向けの家電販売が好調でした。しかし、スマートフォンでは販売不振が見られ、部品の生産や輸出も減少傾向にあります。自動車関連においては、原油価格の下落を背景に、景気回復の続く米国や欧州向けを中心に輸出は増加しております。一方で、軽自動車税増税に伴う駆け込み需要の反動から、国内販売の伸び悩みが続いております。
このような経済環境のなか、当社グループにおきましては、前連結会計年度から生産合理化に伴う配置転換や人員削減等の固定費削減、品質向上によるロスの低減に取り組む一方、付加価値の高い金型販売の強化や医療関連製品など新規市場開拓を積極的に行いました。しかし、収益改善に至らず、当連結会計年度における業績は、売上高は224億7千4百万円と前年同期と比べ5千4百万円(0.2%)の減収、営業損失は4億7千2百万円(前年同期は営業損失9千8百万円)、経常損失は2億1千5百万円(前年同期は経常利益3千5百万円)となりました。また、当社及び連結子会社において収益力の低下による減損会計の適用により固定資産の減損損失18億6千2百万円を特別損失として計上したことにより親会社株主に帰属する当期純損失は22億5千4百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益2千万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① プラスチック成形事業
当セグメントにおきましては、金型の販売強化により自動車向け外装部品をはじめ、血圧計や血糖値計など新規市場である医療分野においても金型製作・試作が順調に売上を伸ばしております。また、ベトナムの連結子会社において、主力のデジタルカメラ部品や自動車部品に加え、健康医療機器や釣り具、ICレコーダーなど多種に金型・量産の売上が増加いたしましたが、電子ペンの生産準備や工場認定の遅れにより大幅に受注が減少いたしました。その結果、当連結会計年度におきましては、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて199億2千2百万円と前年同期と比べ1億3千5百万円(0.7%)の減収となり、セグメント損失(営業損失)は4億9千9百万円(前年同期はセグメント損失(営業損失)7千6百万円)となりました。
② 精密プレス部品事業
当セグメントにおきましては、マレーシアの連結子会社において自動車向けオーディオ部品の売上が好調に推移いたしました。また、従来のカメラ向け金型製作・試作の受注に加えて、ノートパソコン向け光ドライブ用部品の量産の新規受注などにより、今後の売上増加が見込まれます。その結果、当連結会計年度におきましては、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて24億2千万円と前年同期と比べ1億2千9百万円(5.6%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は2千7百万円(前年同期はセグメント損失(営業損失)6千6百万円)となりました。
③ プリント基板事業
当セグメントにおきましては、デジタルカメラや液晶テレビなど市場の海外流出が進む中、プリント配線板におきましても海外生産化により国内事業は厳しい状況が続いております。このような中、企画開発部を立ち上げ3D-MIDの設計用設備を導入し、展示会等で積極的にPR活動を行いました。また、PCB設計においては、ムトーベトナムCO.,LTD.との協力体制により、パッケージ基板設計の受注拡大に向けて新規開拓を推し進めております。しかし、当連結会計年度において、収益の増加には至らず、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて2億7千3百万円と前年同期と比べ5千万円(15.6%)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は0百万円と前年同期と比べ4千3百万円(99.7%)の減益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は46億3千8百万円と前連結会計年度末と比べ1億3千4百万円(3.0%)の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、非資金費用である減価償却費16億7千9百万円、減損損失18億6千2百万円及び税金等調整前当期純損失20億8千2百万円(前年同期は税金等調整前当期純利益5千6百万円)等により、営業活動全体として14億9千3百万円の収入となり、前連結会計年度と比べ収入が8億2千4百万円(123.4%)の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、有形固定資産の取得による支出20億3百万円、無形固定資産の取得による支出7千5百万円及び有価証券の純減額1億8千3百万円等により、投資活動全体として18億3千万円の支出となり、前連結会計年度と比べ支出が8億2百万円(78.0%)の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、短期借入金の純増額6億9千9百万円、長期借入れによる収入15億円及び長期借入金の返済による支出11億7百万円等により、財務活動全体として8億9千万円の収入となり、前連結会計年度と比べ収入が7億5千7百万円(567.1%)の増加となりました。