有価証券報告書-第55期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境に改善がみられ、緩やかな景気回復傾向にありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により足元で大幅に下押しされており、国内はもとより世界経済に与える影響や金融資本市場の変動に一層留意する必要があります。
当軟包装資材業界におきましては、ライフスタイルの変化に伴う新たな包装形態に対し底堅い需要はあるものの、原油価格の変動による原材料価格への影響、天候不順による機会損失、環境問題を背景に脱プラスチック等の対応、流通業界でのフードロス削減に伴う供給量の最適化や賞味期限延長への取り組み等が顕在化し影響を受け始めております。
このような状況下、当社グループのビジネスモデルである「フィルム・液体充填機DANGAN・オペレーション」をワン・ストップで提供する体制を一層推進するため、国内では仙台営業所を移転しDANGANデモルームを併設、海外では東アジアでのさらなる拡販とSE体制の現地化を目的に韓国支店を開設いたしました。また、販売面では市場環境の変化から数量が伸び悩む中、前期より取り組んでおりました販売価格の見直し効果が徐々に表れ、生産面では働き方改革に伴う生産体制の見直しやコスト削減活動等により、収益確保に努めました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高は26,495百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益は1,760百万円(同21.2%増)、経常利益は1,728百万円(同16.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,105百万円(同13.1%増)となりました。
[包装フィルム部門]
国内市場においては、夏物商品の出足が好調となりましたが、その後の天候不順や市場環境の変化により前年同期の売上高を下回りました。海外市場においては、世界各所で経済・貿易の不透明感が増す中、為替における円高進行等の影響があったものの、前期に新工場の稼働を開始したTaisei Lamick Malaysia Sdn. Bhd.の業績が改善し、前年同期の売上高を上回りました。
その結果、売上高は23,977百万円(前年同期比1.4%減)となりました。
なお、包装フィルム部門において、新型コロナウイルスの感染拡大による業績への影響は軽微であります。
[包装機械部門]
包装機械部門においては、国内外の展示会への出展及び新規顧客の開拓等、積極的な営業活動に取り組みましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い商談及び設置時期が遅延したこと等により販売台数が減少した結果、売上高は2,518百万円(前年同期比8.1%減)となりました。
なお、財政状態の状況は以下のとおりであります。
a. 資産
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ576百万円減少し、29,135百万円となりました。
このうち流動資産合計は、前連結会計年度末と比べ118百万円減少し、14,430百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,432百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が976百万円、商品及び製品が382百万円、仕掛品が157百万円減少したことによるものです。
固定資産合計は、前連結会計年度末と比べ457百万円減少し、14,705百万円となりました。これは主に、建設仮勘定が133百万円増加した一方で、機械装置及び運搬具(純額)が349百万円、建物及び構築物(純額)が233百万円減少したことによるものです。
b. 負債
当連結会計年度末における総負債は、前連結会計年度末と比べ865百万円減少し、8,363百万円となりました。
このうち流動負債合計は、前連結会計年度末と比べ656百万円減少し、7,333百万円となりました。これは主に、未払法人税等が129百万円増加した一方で、買掛金が495百万円、短期借入金が163百万円、1年内返済予定の長期借入金が106百万円減少したことによるものです。
固定負債合計は、前連結会計年度末と比べ208百万円減少し、1,030百万円となりました。これは主に、長期借入金が182百万円減少したことによるものです。
c. 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ288百万円増加し、20,772百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が180百万円、非支配株主持分が114百万円減少した一方で、利益剰余金が618百万円増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ1,736百万円増加し、4,724百万円となりました。
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,478百万円(前年同期比80.0%増)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,695百万円、減価償却費1,227百万円、売上債権の減少額955百万円、たな卸資産の減少額529百万円等であります。
支出の主な内訳は、法人税等の支払額539百万円、仕入債務の減少額476百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は783百万円(前年同期比27.7%増)となりました。
これは主に、生産設備更新等に伴う有形固定資産の取得による支出967百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は966百万円(前年同期比3.9%増)となりました。
収入の主な内訳は、海外連結子会社資金調達等に伴う長期借入れによる収入800百万円、短期借入れによる収入600百万円等であります。
支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出1,088百万円、短期借入金の返済による支出756百万円、配当金の支払額486百万円等であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、包装フィルム及び液体充填機の製造・販売事業の単一セグメントであるため、部門・区分別に記載しております。
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 包 装 フ ィ ル ム | 液体充填用フィルム | 17,104,742 | △0.7 |
| ラミネート汎用品 | 5,233,755 | △15.6 | |
| その他 | 350,382 | +4.8 | |
| 計 | 22,688,880 | △4.5 | |
| 包 装 機 械 | 包装機械 | 1,131,410 | △20.6 |
| 周辺機器 | 560,746 | △12.5 | |
| その他 | 671,711 | +15.3 | |
| 計 | 2,363,867 | △10.8 | |
| 合計 | 25,052,748 | △5.1 | |
(注) 1. 上記の金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2. 包装フィルムのその他には、版代等が含まれております。
3. 包装機械のその他には、包装機械本体及び周辺機器を除く部品等が含まれております。
b. 製品仕入実績
当連結会計年度における製品仕入実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 製品仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
| 汎用フィルム | 497,604 | +5.7 |
| 合計 | 497,604 | +5.7 |
(注) 上記の金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 包 装 フ ィ ル ム | 液体充填用フィルム | 17,077,691 | △0.1 | 2,099,340 | △9.9 |
| ラミネート汎用品 | 5,375,681 | △13.8 | 1,750,984 | △6.5 | |
| その他 | 1,032,574 | +1.9 | 540,681 | +14.4 | |
| 計 | 23,485,947 | △3.5 | 4,391,006 | △6.1 | |
| 包 装 機 械 | 包装機械 | 996,206 | △30.8 | 275,789 | △38.7 |
| 周辺機器 | 516,322 | △12.1 | 119,032 | △24.7 | |
| その他 | 646,297 | +9.5 | 107,206 | +12.0 | |
| 計 | 2,158,826 | △17.5 | 502,028 | △28.6 | |
| 合計 | 25,644,774 | △4.9 | 4,893,034 | △9.0 | |
(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 包装フィルムのその他には、版代等が含まれております。
3. 包装機械のその他には、包装機械本体及び周辺機器を除く部品等が含まれております。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 包 装 フ ィ ル ム | 液体充填用フィルム | 17,410,752 | +1.4 |
| ラミネート汎用品 | 5,474,474 | △10.2 | |
| その他 | 1,091,935 | +4.8 | |
| 計 | 23,977,162 | △1.4 | |
| 包 装 機 械 | 包装機械 | 1,304,854 | △12.1 |
| 周辺機器 | 579,980 | △16.9 | |
| その他 | 633,948 | +13.4 | |
| 計 | 2,518,784 | △8.1 | |
| 合計 | 26,495,946 | △2.0 | |
(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 包装フィルムのその他には、版代等が含まれております。
3. 包装機械のその他には、包装機械本体及び周辺機器を除く部品等が含まれております。
4. 主要顧客については、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](追加情報)」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症に関しては、不確実性が高く、収束の時期等を予測することは困難なことから、当連結会計年度末現在で入手可能な情報を踏まえ、今後、2021年3月期末には概ね収束すると仮定して、会計上の見積りを行っております。
しかし、実際の結果は見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は前連結会計年度と比較して553百万円減少し、26,495百万円(前年同期比2.0%減)となりました。なお、売上高の増加要因については、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
営業利益は、前連結会計年度と比較して308百万円増加し、1,760百万円(同21.2%増)となりました。営業利益率は6.6%となり、前年同期比1.2%上昇しました。その主な要因は、販売費及び一般管理費が19百万円増加したものの、販売面では市場環境の変化から数量が伸び悩む中、前期より取り組んでおりました販売価格の見直し効果が徐々に表れ、生産面では働き方改革に伴う生産体制の見直しやコスト削減活動等が寄与し、売上総利益が327百万円増加したことによるものです。
経常利益は、前連結会計年度と比較して239百万円増加し、1,728百万円(同16.1%増)となりました。経常利益率は6.5%となり、前年同期比1.0%上昇しました。その主な要因は、支払補償費が33百万円、為替差損が31百万円増加したものの、営業利益が308百万円増加したこと等によるものです。
特別利益は、前連結会計年度と比較して13百万円増加し、19百万円(同220.4%増)となりました。その主な要因は、保有株式の売却により投資有価証券売却益12百万円があったことによるものです。
特別損失は、前連結会計年度と比較して11百万円増加し、52百万円(同29.0%増)となりました。その主な要因は、投資有価証券評価損が14百万円減少したものの、執行役員制度変更に伴う特別退職金22百万円があったこと等によるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して128百万円増加し、1,105百万円(同13.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益率は4.2%となり、前年同期比0.6%上昇しました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益が240百万円増加したこと等によるものです。
当社グループの当連結会計年度の財政状態の分析については、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性のキャッシュ・フロー分析については、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入金により資金調達を行っております。このうち、運転資金は自己資金及び短期借入金、設備投資資金は長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)により調達しております。長期借入金の当連結会計年度末の残高は1,674百万円で、すべて金融機関からの借入によるものです。
なお、当連結会計年度において、金融機関からの借入金の資金使途として連結子会社Taisei Lamick USA, Inc.に対し、米州でのさらなる売上拡大のために販売機能強化を目的とした新事務所への移転費用として484百万円の増資を行っております。
また、新型コロナウイルス感染症による影響については、現状において事業活動に必要十分な手許資金を保有しており、資金調達手段についても確保しているため、特段影響を与えることはないと考えております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、収益率の向上と健全な財務体質が企業の安定成長に重要であると考え、営業利益等の損益項目を重視しております。