有価証券報告書-第56期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、経済活動及び社会活動等の制限により4月から5月を底に急速な悪化がみられました。国内外では感染拡大の防止策を講じつつ、経済活動のレベルを段階的に引き上げていく中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあり一部で持ち直しの動きがみられたものの、長引くコロナ禍で先行きは不透明であり、国内はもとより世界経済に与える影響や金融資本市場の変動に一層留意する必要があります。
当軟包装資材業界におきましては、外出自粛等による中食・内食関連商品が引き続き堅調に推移いたしました。一方、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せない中、外食関連や化粧品・アメニティ関連を中心に需要が減少し、今後も回復には時間を要するものと見込まれます。
このような状況下、当連結会計年度の業績は、売上高は25,937百万円(前年同期比2.1%減)、営業利益は2,407百万円(同36.7%増)、経常利益は2,425百万円(同40.3%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は連結子会社Taisei Lamick Malaysia Sdn. Bhd.において、現地での新型コロナウイルス感染拡大等の影響も含めて、将来の回収可能性を検討した結果、固定資産に係る減損損失を特別損失として667百万円計上し1,127百万円(同2.0%増)となりました。
減収の主な要因は、以下の部門別概況に記載のとおりであります。増益の主な要因は、かねてより取り組んでおりました国内取引採算の改善に加え、コロナ禍での活動制限に伴う経費支出減少、原材料価格が前年同期より下回ったこと等によるものです。
部門別概況は以下のとおりであります。
[包装フィルム部門]
国内市場においては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛により需要の増加があったものの、低採算取引の見直しによる売上高減少や長梅雨による天候不順で夏物商品が不調となりました。海外市場においては、米州地域では新型コロナウイルス感染拡大影響とみられるミールキット関連や小袋需要の拡大により前年同期の売上高を上回りました。一方、コロナ禍により東アジア地域では即席麺関連が引き続き好調ではありましたが、休校措置による給食関連の不調等に加え、ASEAN地域では活動制限令によるマイナス要因をカバーしきれず、前年同期の売上高を下回りました。その結果、売上高は23,602百万円(前年同期比1.6%減)となりました。
[包装機械部門]
包装機械部門においては、各国ともにマクロ経済は厳しい状況ではありましたが、米州地域でコロナ禍での衛生面への配慮から調味料等の個包装化が進んだことによる充填機械の設備投資ニーズの高まりや、ASEAN地域における当社包装機械のブランド定着が進捗したことにより、前年同期の売上高を上回りました。一方、国内及び東アジア地域ではコロナ禍による経済低迷状況からの脱却が見通せない中、設備投資の先送りに加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動制限により設置及び検収時期が遅延したこと等により販売台数が減少し、前年同期の売上高を下回りました。その結果、売上高は2,334百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
なお、財政状態の状況は以下のとおりであります。
a. 資産
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ295百万円増加し、29,431百万円となりました。
このうち流動資産合計は、前連結会計年度末と比べ525百万円増加し、14,955百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が173百万円減少した一方で、商品及び製品が295百万円、現金及び預金が237百万円、仕掛品が161百万円増加したことによるものです。
固定資産合計は、前連結会計年度末と比べ229百万円減少し、14,475百万円となりました。これは主に、退職給付に係る資産が250百万円増加した一方で、建物及び構築物(純額)が238百万円、機械装置及び運搬具(純額)が229百万円減少したことによるものです。
b. 負債
当連結会計年度末における総負債は、前連結会計年度末と比べ408百万円減少し、7,954百万円となりました。
このうち流動負債合計は、前連結会計年度末と比べ56百万円増加し、7,389百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が403百万円減少した一方で、未払法人税等が148百万円、短期借入金が133百万円、賞与引当金が100百万円、買掛金が77百万円増加したことによるものです。
固定負債合計は、前連結会計年度末と比べ464百万円減少し、565百万円となりました。これは主に、長期借入金が488百万円減少したことによるものです。
c. 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ703百万円増加し、21,476百万円となりました。これは主に、自己株式が137百万円増加した一方で、利益剰余金が640百万円、退職給付に係る調整累計額が201百万円増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ237百万円増加し、4,961百万円となりました。
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,891百万円(前年同期比16.9%減)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,667百万円、減価償却費1,165百万円、減損損失667百万円等であります。
支出の主な内訳は、法人税等の支払額669百万円、たな卸資産の増加額462百万円、未払消費税等の減少額159百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,191百万円(前年同期比52.0%増)となりました。
これは主に、国内生産設備の改修等及び販売機能の強化を目的とした米国子会社の移転に伴う有形固定資産の取得による支出1,145百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,449百万円(前年同期比50.0%増)となりました。
収入の主な内訳は、短期借入れによる収入127百万円であります。
支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出892百万円、配当金の支払額486百万円、自己株式の取得による支出145百万円等であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、包装フィルム及び液体充填機の製造・販売事業の単一セグメントであるため、部門・区分別に記載しております。
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 包 装 フ ィ ル ム | 液体充填用フィルム | 18,167,111 | +6.2 |
| ラミネート汎用品 | 4,543,257 | △13.2 | |
| その他 | 268,468 | △23.4 | |
| 計 | 22,978,836 | +1.3 | |
| 包 装 機 械 | 包装機械 | 936,092 | △17.3 |
| 周辺機器 | 485,085 | △13.5 | |
| その他 | 740,247 | +10.2 | |
| 計 | 2,161,425 | △8.6 | |
| 合計 | 25,140,261 | +0.3 | |
(注) 1. 上記の金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2. 包装フィルムのその他には、版代等が含まれております。
3. 包装機械のその他には、包装機械本体及び周辺機器を除く部品等が含まれております。
b. 製品仕入実績
当連結会計年度における製品仕入実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 製品仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
| 汎用フィルム | 482,970 | △2.9 |
| 合計 | 482,970 | △2.9 |
(注) 上記の金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 包 装 フ ィ ル ム | 液体充填用フィルム | 17,764,137 | +4.0 | 1,959,206 | △6.7 |
| ラミネート汎用品 | 4,706,801 | △12.4 | 1,868,504 | +6.7 | |
| その他 | 931,320 | △9.8 | 604,553 | +11.8 | |
| 計 | 23,402,258 | △0.4 | 4,432,265 | +0.9 | |
| 包 装 機 械 | 包装機械 | 946,515 | △5.0 | 297,274 | +7.8 |
| 周辺機器 | 513,466 | △0.6 | 174,701 | +46.8 | |
| その他 | 771,165 | +19.3 | 168,144 | +56.8 | |
| 計 | 2,231,147 | +3.3 | 640,119 | +27.5 | |
| 合計 | 25,633,406 | △0.0 | 5,072,385 | +3.7 | |
(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 包装フィルムのその他には、版代等が含まれております。
3. 包装機械のその他には、包装機械本体及び周辺機器を除く部品等が含まれております。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 包 装 フ ィ ル ム | 液体充填用フィルム | 18,005,646 | +3.4 |
| ラミネート汎用品 | 4,594,158 | △16.1 | |
| その他 | 1,002,780 | △8.2 | |
| 計 | 23,602,585 | △1.6 | |
| 包 装 機 械 | 包装機械 | 1,102,444 | △15.5 |
| 周辺機器 | 515,666 | △11.1 | |
| その他 | 716,701 | +13.1 | |
| 計 | 2,334,812 | △7.3 | |
| 合計 | 25,937,398 | △2.1 | |
(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 包装フィルムのその他には、版代等が含まれております。
3. 包装機械のその他には、包装機械本体及び周辺機器を除く部品等が含まれております。
4. 主要顧客については、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](追加情報)」に記載しております。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は前連結会計年度と比較して558百万円減少し、25,937百万円(前年同期比2.1%減)となりました。なお、売上高の減少要因については、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
営業利益は、前連結会計年度と比較して647百万円増加し、2,407百万円(同36.7%増)となりました。営業利益率は9.3%となり、前年同期比2.7%上昇しました。その主な要因は、かねてより取り組んでおりました国内取引採算の改善に加え、コロナ禍での活動制限に伴う経費支出減少、原材料価格が前年同期より下回ったこと等によるものです。
経常利益は、前連結会計年度と比較して696百万円増加し、2,425百万円(同40.3%増)となりました。経常利益率は9.4%となり、前年同期比2.9%上昇しました。その主な要因は、営業利益が647百万円増加したことに加え、為替差損が38百万円、支払補償費が29百万円減少したこと等によるものです。
特別利益は、前連結会計年度と比較して17百万円減少し、1百万円(同92.4%減)となりました。その主な要因は、前期に保有株式の売却による投資有価証券売却益12百万円があったことによるものです。
特別損失は、前連結会計年度と比較して707百万円増加し、760百万円(前年同期は52百万円)となりました。その主な要因は、連結子会社Taisei Lamick Malaysia Sdn. Bhd.において、現地での新型コロナウイルス感染拡大等の影響も含めて、将来の回収可能性を検討した結果、固定資産に係る減損損失を特別損失として667百万円計上したこと等によるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して22百万円増加し、1,127百万円(前年同期比2.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益率は4.3%となり、前年同期比0.1%上昇しました。その主な要因は、当期純利益が64百万円減少した一方で、非支配株主に帰属する当期純損失が86百万円増加したこと等によるものです。
当社グループの当連結会計年度の財政状態の分析については、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性のキャッシュ・フロー分析については、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入金により資金調達を行っております。このうち、運転資金は自己資金及び短期借入金、設備投資資金は長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)により調達しております。短期借入金及び長期借入金の当連結会計年度末の合計残高は914百万円で、すべて金融機関からの借入によるものです。
また、新型コロナウイルス感染症による影響については、現状において事業活動に必要十分な手許資金を保有しており、資金調達手段についても確保しているため、特段影響を与えることはないと考えております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、収益率の向上と健全な財務体質が企業の安定成長に重要であると考え、営業利益等の損益項目を重視しております。