有価証券報告書-第161期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/30 9:39
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142項目

(1) 経営成績等の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初深刻な状況におかれましたが、政府の金融政策・財政政策による下支えと、自動車やITなど需要が旺盛な業種の堅調さもあり、経済活動は持ち直しました。しかし、国内外ともに感染症は沈静化と再拡大を繰り返し、再拡大の都度、経済活動は制約を受け、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のもと当社グループといたしましては、従業員の感染症対策に努め、お客様に満足される製品・サービスの提供により、安心・安全な社会の維持に貢献するべく、消防・防災事業、航空・宇宙、工業用品事業、不動産賃貸事業の各事業活動を行ってまいりました。
当連結会計年度の売上高は、全ての事業セグメントにおいて対前期減収となりました。消防・防災事業では、東京オリンピック・パラリンピック向け資機材案件の剥落、航空・宇宙、工業用品事業では、官需大型機の受注の谷間による売上減、不動産賃貸事業では、東京都における一回目の緊急事態宣言発出時の商業施設休業に伴う賃料減額が減収の要因となっております。
利益面につきましては、在宅勤務体制の整備などITへの投資は増加したものの、感染症の影響により変動費を主として販売費及び一般管理費は大きく減少しました。その他費用についてもコスト削減に努めましたが、減収の影響は大きいことから固定費の吸収には至らず利益率は低下いたしました。
その結果、売上高は10,022百万円(前期比30.1%減)、営業利益278百万円(前期比75.6%減)、経常利益268百万円(前期比75.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益235百万円(前期比65.1%減)となりました。
当連結会計年度における報告セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(消防・防災事業)
前期の増収要因であった東京オリンピック・パラリンピック向け資機材案件の剥落と特殊車両の販売減の結果、売上高5,947百万円(前期比37.5%減)、セグメント利益(営業利益)は355百万円(前期比68.6%減)となりました。
(航空・宇宙、工業用品事業)
航空・宇宙部門では、前期に続き受注の谷間となっているエンジン用部品など金属加工製品の販売の減少に加え、民間航空機向けゴムシール材などの販売が減少しました。工業用品部門では、発電所向けホース類の販売が減少したものの、タンクシールや子会社における金属加工品の販売は増加しました。
その結果、航空・宇宙、工業用品事業の売上高は3,582百万円(前期比17.3%減)、セグメント利益(営業利益)は155百万円(前期比63.2%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
前期中に賃貸不動産として事業に組み入れた物件の通期貢献による増収はあったものの、東京都における一回目の緊急事態宣言発出時の商業施設休業に伴う賃料減額や短期催事収益の減少により売上高は減収となりました。利益面では、大規模な修繕案件が無かったことから増益となりました。
その結果、売上高は492百万円(前期比0.4%減)、セグメント利益(営業利益)は135百万円(前期比290.3%増)となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産残高は9,704百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,385百万円の減少となりました。主として、電子記録債権が268百万円、受取手形及び売掛金が1,932百万円、たな卸資産が184百万円がそれぞれ減少した一方、現金及び預金が850百万円増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産残高は5,070百万円となり、前連結会計年度末に比べ302百万円の増加となりました。主として、有形固定資産が270百万円、投資その他の資産が29百万円それぞれ増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債残高は4,606百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,290百万円の減少となりました。主として、支払手形及び買掛金が953百万円、未払法人税等が289百万円それぞれ減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債残高は2,605百万円となり、前連結会計年度末に比べ135百万円の減少となりました。主として、退職給付に係る負債が161百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産残高は7,563百万円となり、前連結会計年度末に比べ343百万円の増加となりました。主として、利益剰余金においては親会社株主に帰属する当期純利益による235百万円の増加と剰余金処分による67百万円の減少、その他の包括利益累計額においては、退職給付に係る調整累計額が137百万円増加したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より850百万円増の3,175百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,214百万円の資金の増加(前期は1,043百万円の資金の増加)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益267百万円に対し、減価償却費261百万円、売上債権の減少額2,200百万円、たな卸資産の減少額184百万円などの資金増加要因と、仕入債務の減少額953百万円、法人税等の支払額487百万円などの資金減少要因によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、504百万円の資金の減少(前期は607百万円の資金の減少)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出479百万円などによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、140百万円の資金の増加(前期は47百万円の資金の減少)となりました。これは、主として社債及び借入金による収支221百万円の増加、配当金の支払額67百万円などによるものです。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)
消防・防災事業1,338,696△20.0
航空・宇宙、工業用品事業3,235,642△18.8
合計4,574,338△19.2

(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
消防・防災事業5,965,317△36.175,424+31.4
航空・宇宙、工業用品事業3,040,456△21.02,375,710△18.6
合計9,005,773△31.72,451,134△17.6

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)
消防・防災事業5,947,303△37.5
航空・宇宙、工業用品事業3,582,478△17.3
不動産賃貸事業492,455△0.4
合計10,022,238△30.1

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
官公庁3,495,05524.42,092,86620.9


(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、前期比で減収減益となりました。減収の影響により固定費を吸収できなかったことから、営業利益率2.8%(前期7.9%)、経常利益率2.7%(前期7.7%)となり、当社グループの目標とする経営指標「連結売上高経常利益率8%の維持」は未達成となりました。
消防・防災事業は前期の一過性要因の剥落による減収減益である一方、航空・宇宙、工業用品事業では官需大型機の受注高の減少により、前期から継続して工場の稼働率低下を招いており、固定費を吸収できず原価率が上昇したことが、目標とする経営指標未達成の大きな要因となっております。なお、航空・宇宙部門の受注高減少は、エンドユーザーの中期的な計画の一環であり、新型コロナウイルス感染症の影響は主因ではありません。
販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による交通費、広告宣伝費、交際費などの減少、売上高の減少に伴う運送費の減少、役員報酬の決定方針に従い当期の支給を見送ったことによる役員賞与引当金繰入額の減少など全般的に減少となりました。
営業外損益並びに特別損益に、経営成績に対し著しい影響を与えるものはありませんでした。
税金費用については、税効果会計適用後の法人税等の負担率が11.9%となり、法定実効税率に対し△18.1%乖離しておりますが、これは減損損失に対する評価性引当額の減少が主な要因であります。
親会社株主に帰属する当期純利益は、売上高に対する純利益率2.4%(前期4.7%)、自己資本利益率(ROE)3.2%(前期9.8%)と各利益率は前期に悪化しており、当期の経営成績は一定の成果が得られたものの、コスト削減は喫緊の課題と認識しております。
報告セグメントごとの営業利益までの経営成績については次のとおりであります。
(消防・防災事業)
前期の東京オリンピック・パラリンピック向け安全対策資機材の販売増は一過性であり、その反動から当期は減収減益となり、セグメント営業利益率も6.0%(前期11.9%)まで低下しましたが、当期と前々期(2019年3月期)並びに3期前(2018年3月期)の売上高及びセグメント利益との比較では増収増益であり、同比較によるセグメント利益率も改善している為、当期の経営成績は十分なものと判断しております。
(航空・宇宙、工業用品事業)
航空・宇宙部門では、前期に続きエンドユーザーの調達計画において調達機体数が減少しており、前期に続き官需向け大型機のエンジン部品及び配管類の売上高が大きく減少しております。
工業用品部門では、発電所向け絶縁ホースの販売が減少した一方、前期に続き子会社において金型製造に加え製造設備用金属加工部品の取扱いを拡大しており、経営成績に寄与しております。
セグメント営業利益率 は4.3%(前期9.8%)と前期から悪化しております。外注費を抑制し内製化による付加価値の向上とコスト改善を実施しましたが、売上高の減少に伴う人件費など固定費吸収力の低下の影響は大きく、さらなるコスト削減が喫緊の課題であると認識しております。
(不動産賃貸事業)
新型コロナウイルス感染症拡大により、商業施設の休業に伴う賃料減額や短期催事を開催できなかったことから、約10百万円の減収となる影響があったものの、その他の賃貸物件の収益貢献により事業全体としての売上高は微減となりました。利益面では、大規模な修繕案件が無かったことに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により広告宣伝費なども抑えられたことから、セグメント営業利益率は27.5%(前期7.0%)と前期から大幅に良化しております。過去と比較しても大規模な修繕案件が無かった年度と同程度の利益率を確保しており、当期の経営成績は十分なものと判断しております。
② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(流動資産)
主要な科目残高の前期比は、現金及び預金134.1%、売上債権(受取手形及び売掛金並びに電子記録債権の合計)61.2%、棚卸資産(商品及び製品、半製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品の合計)93.5%となり、それぞれ安定した水準で維持しております。
現金及び預金は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、前期比で手元資金を厚めに維持し流動性を確保しております。
売上債権は、例年、消防・防災事業の販売が顧客予算との関連性から年度後半に集中するため、期末の残高が増加する傾向にありますが、当期は消防・防災事業並びに航空・宇宙、工業用品事業の減収により売上債権の残高は減少しております。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う債権回収の遅延や貸倒リスクの上昇は認識しておりません。
棚卸資産は、受注の減少により残高が減少しておりますが、金額ベースでみる在庫回転は悪化しており、調達及び生産の効率化に向けた取り組みが必要と認識しております。
(固定資産)
有形固定資産の当期投資額は517百万円(建設仮勘定を除く)となりました。当期の減価償却費259百万円に対し、投資額が大きく超過しております。これは、設備更新投資に加え、大田原製作所の生産合理化投資や本店隣接地の土地建物取得を実施した結果であり、中長期的な投資として適切であると判断しております。
(流動負債、固定負債)
支払手形及び買掛金残高は前期比66.8%と減少しております。売上債権と同様に、消防・防災事業の販売取引が年度後半に集中することと相関して購買取引も増加する傾向にありますが、当期は消防・防災事業並びに航空・宇宙、工業用品事業の減収により、結果として支払手形及び買掛金残高は前期比で減少となっております。
資金調達関連として、社債、長期借入金並びに短期借入金の合計残高は前期比107.1%となりました。当期は前期に続き土地取得に関する支出の発生と、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し手元資金を前期比で厚めにしたことから、有利子負債残高は増加しております。
(純資産)
当期の経営成績と内部留保とのバランスを考慮した配当の実施により、株主資本残高は前期比102.3%と微増しております。また、その他の包括利益累計額については、株式市況の上昇により残高を回復しております。
自己資本比率は51.2%(前期45.5%)と前期に比べ良化し、経営基盤の安定性は引き続き確保しているものと判断しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当期のキャッシュ・フローの状況は、営業活動による資金収入の範囲内で設備投資支出を実施しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、手元資金を厚めに維持し流動性を確保しております。その結果、現金及び現金同等物の残高は前期比136.6%となっております。
資金調達については、金融機関からの借入を基本としております。調達した資金は自己資金とあわせ、原材料や商品購入資金、人件費や経費支払いなどの運転資金と、研究開発費や設備投資資金に充当しております。長期借入を行う場合、借入期間は原則5年以内としておりますが、不動産取得など投資資金については、投資回収期間を考慮し借入期間を別途設定する場合があります。なお、当社は運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行5行と当座貸越契約を締結しており、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響も含め、突発的な資金需要が発生した場合の手許流動性を確保する手段を準備しております。当期末日現在の当座貸越契約の未実行残高は1,490百万円であります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産、負債の報告数値及び報告期間における収益、費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。見積りを行った時点で合理的と考えられる仮定に基づき判断を行いますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる可能性があります。
当期の連結財務諸表に対して、重要な会計上の見積りとして認識している項目は以下のとおりであります。
(棚卸資産の評価)
棚卸資産について適正な価値で貸借対照表に計上するため、評価を行っております。過剰、滞留、陳腐化した棚卸資産ついては、合理的な見積り在庫回転期間に基づき評価損を計上しております。また、収益性の低下した棚卸資産については、将来の需要や販売価格等の見積りに基づき、正味実現可能価額まで評価損を計上しております。
(有形固定資産及び無形固定資産の減損)
有形固定資産及び無形固定資産について、その帳簿価額が回収できないという兆候を示す事象や経営状況の変化が発生した場合、減損の判定を行っております。将来キャッシュ・フローの見積りに基づき減損の判定を行い、減損の認識が必要と判断した場合、帳簿価額が回収可能価額を上回る部分について減損損失を計上しております。
(繰延税金資産)
繰延税金資産について、将来の課税所得の見積りやタックス・プランニングに基づき、一定期間における回収可能性が高いと判断した部分に限り計上しております。回収可能性が見込めないと判断した部分については評価性引当金を計上しております。将来の課税所得の見積りやタックス・プランニングは、事業計画を基礎として過去の業績等も考慮し策定しておりますが、経済情勢の変動、経営成績の悪化、事業計画の変更などにより、適宜、見直しが行われます。繰延税金資産の回収可能性についても定期的に検討を行い、繰延税金資産の計上額及び税金費用に適切に反映しております。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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