有価証券報告書-第158期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 13:56
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(1) 経営成績等の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の緩やかな回復と拡大を背景に、企業収益や雇用環境の改善など堅調に推移しました。一方、国内では人手不足感の高止まり、海外では各国の政治・経済政策動向の不透明感、資源価格の上昇など先行きに慎重さを求められる状況が続いております。
このような状況のもと当社グループといたしましては、引き続き国内外の新規市場並びに新規顧客の開拓、新事業の展開、既存事業の掘り起しなどの積極的な営業活動と、付加価値の高い製品の企画・開発、一層のコスト削減活動及び生産効率の向上などの努力をいたしました。
その結果として、売上高は103億9千2百万円(前期比5.9%増)、営業利益8億3百万円(前期比15.0%減)、経常利益8億8百万円(前期比11.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益5億6千7百万円(前期比0.3%増)となりました。
当連結会計年度における報告セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(消防・防災事業)
消防・防災事業では、消防用ホースの販売が減少したものの、防災資機材、テロ対策資機材、防災用特殊車両の販売が増加したことにより、売上高48億1千3百万円(前期比15.8%増)、セグメント利益(営業利益)は1億9千9百万円(前期比49.4%増)となりました。
(航空・宇宙、工業用品事業)
航空・宇宙部門では、民間機用ゴムシール材の販売が大幅に増加しました。工業用品部門では、金型関連は堅調だったものの、タンクシールは交換需要が大幅に減少しており販売減となりました。
その結果、航空・宇宙、工業用品事業の売上高は51億1百万円(前期比1.3%減)、セグメント利益(営業利益)は8億1千1百万円(前期比19.4%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業は、売上高は4億7千7百万円(前期比1.6%減)、セグメント利益(営業利益)は修繕費の増加により1億円(前期比13.6%減)となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産残高は90億7千万円となり、前連結会計年度末に比べ2億8百万円の増加となりました。主として、現金及び預金が2千5百万円、受取手形及び売掛金が1億6千8百万円それぞれ増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産残高は41億8千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ2千4百万円の増加となりました。主として、有形固定資産が1千1百万円減少した一方、投資その他の資産が3千7百万円増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債残高は48億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ5千6百万円の減少となりました。主として、支払手形及び買掛金が1億2百万円、1年内償還予定の社債が1億8千4百万円それぞれ増加した一方、未払法人税等が6千4百万円、短期借入金が9千万円それぞれ減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債残高は20億8千万円となり、前連結会計年度末に比べ1億6千6百万円の減少となりました。主として、退職給付に係る負債が6千1百万円増加した一方、社債が1億2千万円、長期借入金が4千1百万円、役員退職慰労引当金が4千7百万円それぞれ減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産残高は63億7千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億5千5百万円の増加となりました。主として、利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益による5億6千7百万円の増加と配当金支払のための剰余金処分による4千9百万円の減少、その他の包括利益累計額においては、その他有価証券評価差額金1千万円の増加と退職給付に係る調整累計額1千7百万円の減少によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より3千5百万円増の20億4千9百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、5億5千2百万円の資金の増加(前期は4億3千万円の資金の増加)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益8億3千6百万円に対し、減価償却費2億6千7百万円、仕入債務の増加額1億2百万円などの資金増加要因と、売上債権の増加額1億6千8百万円、たな卸資産の増加額8百万円、法人税等の支払額3億5千3百万円などの資金減少要因によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3億1千9百万円の資金の減少(前期は1億2千7百万円の資金の減少)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出3億7千3百万円などによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億9千7百万円の資金の減少(前期は3億9千3百万円の資金の減少)となりました。これは、主として借入金による収支1億4千8百万円の減少、配当金の支払額4千6百万円などによるものです。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)
消防・防災事業1,658,204△7.3
航空・宇宙、工業用品事業4,505,499+1.1
合計6,163,703△1.3

(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
消防・防災事業4,823,336+16.5108,577+10.1
航空・宇宙、工業用品事業5,038,837+3.13,850,323△1.3
合計9,862,173+9.33,958,900△1.1

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)
消防・防災事業4,813,384+15.8
航空・宇宙、工業用品事業5,101,160△1.3
不動産賃貸事業477,898△1.6
合計10,392,443+5.9

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
川重商事㈱1,178,78812.01,169,82011.3
三菱重工業㈱989,17510.1
官公庁1,094,20510.5

(注) 前連結会計年度の官公庁、当連結会計年度の三菱重工業㈱については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産、負債の報告数値及び報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。
経営陣は、貸倒債権、たな卸資産、投資、引当金、退職給付債務、法人税等(繰延税金資産の回収可能性を含む)及び財務活動等に関する見積り及び判断に対して継続して評価を行っております。また、過去の実績や状況に応じて合理的だと考えられる見積り及び判断を行いますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は前期比増収となったものの、営業利益並びに経常利益は前期比減益となりました。この結果、営業利益率7.7%(前期9.6%)、経常利益率は7.8%(前期9.3%)となり、当社グループの目標とする経営指標「連結売上高経常利益率8%以上の維持」は、わずかながら未達成となりました。売上原価の増加は主に販売構成比の変動に起因し、販売費及び一般管理費の増加は主に研究開発用設備の減価償却費と、前期設立し当期より通期連結となった子会社の固定費に起因しております。また、人材確保と雇用環境改善への継続的な対処の結果、人件費は上昇し売上原価並びに販売費及び一般管理費に影響を与えております。
経常利益率に関する目標は未達成となりましたが、当期における雇用環境改善コストや研究開発コストの増加は、持続的な成長と企業価値の向上に資するものと判断しております。
特別損益は、政策保有株式の定期的な見直しに基づく投資有価証券の売却益計上、固定資産の更新や整理に伴う除売却損益を計上しております。
税金費用では、税効果会計適用後の法人税等の負担率が32.2%となりました。当期は、留保金課税による負担率上昇要因があったものの、人件費の上昇や研究開発コストの増加に対する税額控除の適用と税効果会計上の評価性引当額の減少が負担率を低下させる要因となり、前期と比較して法定実効税率との差異は縮小しております。
親会社株主に帰属する当期純利益は、上述の各要因から前期比同水準の微増となり、売上高に対する純利益率5.5%(前期5.8%)、自己資本利益率(ROE)9.2%(前期10.0%)と前期に比べ若干低下したものの、当期の経営成績は一定の成果が得られたものと認識しております。
報告セグメントごとの営業利益までの経営成績では次のとおりであります。
(消防・防災事業)
積極的な営業活動により売上高は大きく増収となりましたが、消防ホースの販売減と資機材や車両の販売増という販売構成比の変動は、購入比率や外注比率の上昇によって当社グループの付加価値率が低下し、売上原価増加と粗利率低下の要因となっております。販売費及び一般管理費については、通期連結となった子会社の固定費が増加要因となっております。
これらの要因により、粗利率の低下はあったものの売上高の増収効果により粗利高を大きく確保し、販売費及び一般管理費の増加を吸収することができました。その結果、セグメント営業利益率4.1%と前期から良化、セグメント営業利益は前期比49.4%増加して経営成績に影響しております。
(航空・宇宙、工業用品事業)
航空・宇宙部門は、受注残が前期比では減少してはいるものの、引き続き高い水準の受注残を維持しており、生産と納品を滞りなく消化することが販売実績へとつながる状況にあります。工業用品部門は、子会社における金型製造販売などが顧客の設備投資状況の改善により販売増となりましたが、当社製品のタンクシール材の交換需要期終了による販売減をはじめ、その他の工業用ゴム製品についても当期はコンスタントな受注に至らず販売が減少し、航空・宇宙、工業用品事業全体として売上高は減少となっております。
当事業は、当社グループ内生産品の販売が売上高に占める割合の高さが特徴ですが、航空・宇宙部門の生産拡大による外注費の増加、工業用品部門の子会社における金型製造や防水塗装工事等の外注費の増加、また、全社に共通する人件費の上昇などが売上原価増加と粗利率低下の要因となっております。販売費及び一般管理費についても、営業活動注力のための人材確保による人件費上昇に加え、研究用設備の減価償却費が当期は非常に増加しており、その結果、セグメント営業利益率は15.9%と前期から悪化し、セグメント営業利益は前期比19.4%減少して当期の経営成績に影響しております。
(不動産賃貸事業)
当事業の主たる収益は、当社の本社所在地に隣接する商業施設の固定賃料並びに歩合賃料収入となっております。商業施設全体の販売促進活動をテナントと一体となり実施しておりますが、歩合賃料の減収が当期の売上高に影響しております。また、オープンからまもなく40年を迎える商業施設は、過去にも規模の大きい修繕や改修を実施しておりますが、継続的なメンテナンスが必要な状況にあり、前期に比べ増加した修繕費や保険料を要因として、セグメント営業利益率は21.1%と前期から悪化し、セグメント営業利益は前期比13.6%減少して当期の経営成績に影響しております。
③ 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(流動資産)
主要な科目残高の前期比は、現金及び預金101.2%、受取手形及び売掛金104.0%、棚卸資産(商品及び製品、半製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品の合計)100.4%となり、それぞれ安定した水準を維持しております。
受取手形及び売掛金は、消防・防災事業の販売が顧客予算との関連性から年度後半に集中し会計年度末に向かって残高が増加したこと、航空・宇宙、工業用品事業は、航空・宇宙部門の販売が好調であるものの他の事業と比較して回収サイトが長い傾向であることが現在の状況の要因となっております。
棚卸資産は、航空・宇宙、工業用品事業の航空・宇宙部門において、好調な受注、生産、販売の状況から現在の在庫水準となっておりますが、対処すべき課題に記載のとおり、さらなる資材調達の最適化、生産リードタイムの短縮、在庫回転の良化が必要であると認識しております。
(固定資産)
有形固定資産の当期投資額2億5千6百万円に対し、有形・無形固定資産の減価償却費2億6千7百万円となり、当期の投資額が償却費の範囲内となった結果、財政状態に重要な影響を与える要因はありませんでした。
(流動負債、固定負債)
支払手形及び買掛金残高は前期比107.2%となり増加しておりますが、主に消防・防災事業において、売上原価に占める購入比率と外注比率が上昇したことと、販売が年度後半に集中したことに相関して購買取引も会計年度末に向かって増加したことが要因となっております。
資金調達関連として、社債(1年内償還予定含む)、長期借入金(1年内返済予定含む)、短期借入金の合計残高は前期比97.4%となりましたが、前記のとおり現金及び預金残高を前期比微増の水準に維持しつつ有利子負債を圧縮しており、有効な資金調達を実現していると認識しております。
引当金関連(退職給付に係る負債含む)の合計残高は前期比100.7%となりました。主に、役員退職慰労引当金は退任役員への慰労金支給により減少しましたが、退職給付に係る負債は外部要因による割引率の低下と雇用環境改善による内部要因から認識すべき債務が増加しております。
(純資産)
株主資本は、新株発行等による資本増強はない一方、機動的な資本政策の遂行を可能とするため、取締役会決議に基づく自己株式の取得を実施しております。利益の配分については、配当政策に基づいた剰余金の配当実施と内部留保の充実を図り、株主資本の残高は前期比107.7%となりました。その他の包括利益累計額については、財政状態に重要な影響を及ぼすものはありませんでした。
この結果、自己資本比率は48.1%(前期45.4%)となり、雇用環境改善、設備投資や研究開発など、ヒト、モノへの投資を展開しつつ、経営基盤の安定性を確保したものと判断しております。
④ キャッシュ・フローの状況、資本の財源及び資金の流動性に関する認識及び分析・検討内容
現金及び現金同等物の期末残高は前期比101.8%となり、前期比同水準の資金の流動性を確保しております。当期は、営業活動によるキャッシュ・フローの資金収入を資金調達源として、その収入の範囲内において、投資活動並びに財務活動によるキャッシュ・フローを資金支出としており、営業と投資並びに財務のバランスを保持した資金の流動性確保であると認識しております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、購買・生産・販売に関する経営成績の状況並び財政状態の状況とキャッシュ・フローの状況は相関性をもっており、その他の項目についても当期のキャッシュ・フローに重要な影響を与える事象はなく、資金収入は適切に確保したと認識しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出3億7千3百万円が主たる支出の要因ですが、有形固定資産の当期投資額2億5千6百万円に対し支出が超過している部分は、前期の年度後半に取得した資産の決済が当期に実行された結果によるものです。なお、重要な資本的支出の予定はありません。
財務活動によるキャッシュ・フローは、資金の流動性を確保したうえで、有利子負債の圧縮や自己株式の取得を実施しており、当期の営業活動並びに投資活動に対する資本の効率性に配慮した結果と判断しております。

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