有価証券報告書-第98期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/18 16:15
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、2019年末に発生した新型コロナウイルス(以下「コロナ」)の感染が世界各国に広がり、
2020年度前半は景気が大きく後退しました。年央以降、景気は回復傾向に転じましたが、コロナは未だ収束の
見通しは立っていない状況です。
日本経済も同様にコロナの影響を大きく受けましたが、これを契機としてデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」)が加速し、テレワークなど働き方が大きく見直しされました。また、2020年9月に発足した
菅内閣による2050年カーボンニュートラル宣言もあり、社会全体がCO2削減に向け大きく動き出しました。
自動車業界は、年度前半は過年度から続く市場減退に加え、欧米をはじめとする世界各国でコロナ感染拡大
によるロックダウンで工場の稼働停止を余儀なくされ大幅に生産が減少しました。年度後半からは急速に生産が回復してきたものの、生産台数は国内、海外ともに前年割れとなりました。
このような情勢のなか当社グループは、年度前半はグループ全体で緊急モードと位置づけて、売上減少に対応すべく緊急収益対策に傾注しました。年度後半からは外部環境が激変するなか、中長期計画である
「2025事業計画」の実現に向けたリソーセス投入を優先し、「活動の3本柱」を軸とした成長戦略に取り組んで
います。
活動の柱Iは「イノベーション・新モビリティへの挑戦」であり、革新的な技術により従来と異なる新領域
での早期事業化に取り組んでいます。
まず、事業化を加速させるべく、2020年1月に先行開発機能を強化するなど開発部門を見直しました。
また、事業環境の大きな変化に対応し、持続的な成長を実現するため、2018年度に創設したCVC
(コーポレートベンチャーキャピタル)を活用したスタートアップ企業への出資は2020年度も積極的に進め、
長年培ったコア技術と外部の知見の融合による新事業の創出や自動車領域でのCASE・MaaSに対応した新製品の
開発に注力しています。
新技術の一つである深紫外LEDは、高付加価値LEDとして2017年から開発を進めてきましたが、照射により
コロナウイルスが不活化することを確認し、ウィズコロナ時代の安全・安心な暮らしに貢献すべく、2020年11月
にWOTA株式会社の水循環型のポータブル手洗いスタンド「WOSH」に搭載する「深紫外LED水浄化ユニット」の
販売を開始、続いて同年12月には空気を除菌する「UVC空間除菌装置」を販売し、個人ユーザ様向けの商品展開
を開始しました。
また、三重県のいなべ工場では2020年11月にトヨタ自動車株式会社の燃料電池車「MIRAI」向けの高圧水素
タンクの生産を開始するなど、新領域での事業を一歩進めることができました。
活動の柱Ⅱは「伸びる市場・伸ばせる分野へ重点戦略」であり、米州、アジアを重点地域と位置付け、エアバッグ、樹脂フューエルフィラーパイプ、ラジエータグリルなどの高付加価値製品を重点製品として、
トヨタ自動車株式会社のみならず、本田技研工業株式会社をはじめとする日系カーメーカー、デトロイト3など
外資系カーメーカーにも積極的に拡販を進めています。
また、重点地域の一つとして位置付けているアジアの一角であるインドでは域内の子会社を統合し、事業を
一体運営することで成長市場であるインドでの拡販と経営の効率化により収益拡大を進めていきます。
活動の柱Ⅲは「生産現場のモノづくり革新」であり、IoT活用によるロス低減やリモート生産準備など生産
部門の業務効率化を進め、DXを通じたモノづくりと省人・自働化に取り組んでいます。また、Web会議や
テレワークなど、主として間接部門の業務効率化も進めました。
当期の売上収益は、中国における主要顧客の自動車生産台数の増加による増販はあったものの、その他の
地域全般における年度前半でのコロナによる減販、前期にドイツの生産子会社である豊田合成メテオール
有限会社(以下「TGM」)を連結範囲から除外したことや円高による為替の影響等により、 7,214億円
(前期比 11.2%減)と減収となりました。
利益については、コロナによる減販影響や英国子会社のリストラクチャリング引当金の計上はあったものの、政府補助金の活用を含む合理化努力や労務費・経費の抑制、前期にTGMの全株式を外部に譲渡し事業整理損失を
計上したことの反動により、営業利益は 364億円(前期比 103.9%増)、英国子会社にて生産終了を前提に
労使交渉を開始したことを踏まえ繰延税金資産を計上したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は
352億円(前期比 213.6%増)と増益となりました。
当期末における総資産は、主に有形固定資産の増加に伴い、前期末に比べ 659億円増加し、7,751億円と
なりました。また、負債は主に営業債務及びその他の債務等の増加により、前期末に比べ 157億円増加し、
3,547億円となりました。
資本については、主に利益剰余金の増加等により、前期末に比べ 501億円増加し、4,204億円となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
a.日本
売上収益は、コロナによる減販影響等により 3,580億円(前期比 11.6%減)となりました。
利益については、コロナによる減販影響等はあったものの、徹底した労務費・経費の削減等に加え、前期にTGM全株式を外部に譲渡し事業整理損失を計上したことの反動により、セグメント利益は 120億円
(前期損失 50億円)となりました。
b.米州
売上収益は、コロナ、半導体不足および米国寒波による減販影響等により 2,034億円(前期比 16.5%減)と
なりました。
利益については、労務費削減(政府補助金等)はあったものの、減販影響等により、セグメント利益は
138億円(前期比 16.7%減)となりました。
c.アジア
売上収益は、タイやインドネシアでの減販影響等はあったものの、中国での主要顧客の増販効果等により
1,904億円(前期比 1.2%増)となりました。
利益については、タイやインドネシアでの減販影響等はあったものの、中国での増販効果や原価改善等に
より、セグメント利益は 144億円(前期比 36.4%増)となりました。
d.欧州・アフリカ
売上収益は、前期の第3四半期にTGMを連結から除外したことや、コロナによる減販影響等により 262億円
(前期比 28.2%減)となりました。
利益については、英国子会社のリストラクチャリング引当金の計上はあったものの、TGMを連結から除外した
ことや労務費削減(政府補助金等)により、セグメント損失は 39億円(前期損失 42億円)と、損失額が
縮小しました。

②キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物は、前期末 1,279億円に比べ 60億円増加し、1,340億円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは 672億円の収入となり、前期に比べ 20億円収入が増加しました。
これは主に、営業債権及びその他の債権の増減額で 316億円収入が減少したものの、営業債務及びその他の
債務の増減額で 251億円、引当金の増減額で 46億円、法人所得税の支払額が 37億円、それぞれ支出が
減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは 499億円の支出となり、前期に比べ 42億円支出が減少しました。
これは主に、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が 32億円、定期預金の預入による支出が 24億円
それぞれ増加したものの、前期発生した子会社株式の売却による支出 114億円が当期はなく減少したこと等に
よるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは 130億円の支出となり、前期に比べ 255億円支出が増加しました。
これは主に、短期借入れによる収入が 316億円減少し、短期借入金の返済による支出が 73億円減少した
結果、短期借入収入と支出のネットで 243億円の資金の流出となったこと等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本347,672△12.4
米州198,210△17.0
アジア161,5790.1
欧州・アフリカ25,632△26.7
合計733,094△11.9

(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
b.受注実績
当社グループ(当社および連結子会社。以下同じ。)は、主にトヨタ自動車株式会社をはじめとして各納入先より生産計画の提示をうけ、生産能力を勘案して生産計画を立て生産しています。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本332,258△12.1
米州199,650△16.6
アジア164,0692.4
欧州・アフリカ25,520△27.9
合計721,498△11.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主な相手先への販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
トヨタ自動車㈱234,95528.9208,50928.9

3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等について、売上収益は、7,214億円(前期比 11.2%減)と
中国における主要顧客の自動車生産台数の増加による増販はあったものの、その他の地域全般における年度
前半でのコロナによる減販、前期にドイツの生産子会社であるTGMを連結範囲から除外したことや円高による
為替の影響等により、減収となりました。
利益について、営業利益は 364億円(前期比 103.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は
352億円(前期比 213.6%増)と増益となりました。営業利益については、コロナによる減販影響や英国
子会社のリストラクチャリング引当金の計上はあったものの、政府補助金の活用を含む合理化努力に加え、労務費・経費の抑制、さらに前期にTGMの全株式を外部に譲渡したことによる事業整理損失の反動により増益
となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益の増加は、英国子会社にて生産終了を前提に労使交渉を
開始したことを踏まえ繰延税金資産を計上したことによるものです。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」
に記載しています。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、以下のとおりです。
a.当社グループの財務方針
当社グループは2018年5月に公表した「2025事業計画」でROE10%を目標として掲げました。
これは、株主資本コストを安定的に上回るROEを達成することで株主価値を向上させていくこと、加えて
現在の資本市場において当社グループが選ばれるために必要な資本効率を達成することを目的として設定
したものです。
当社グループは、これまでの安定的な利益の積み重ねの結果、自己資本比率は50%前後で推移しており、安全性の観点からは十分な財務体質を有していると認識しています。一方、財務レバレッジの観点から
ROE10%を達成するためには一定のコントロールが必要であると考え、2018年11月に以下の3点からなる
財務方針を公表しました。
まず「株主還元」ですが、足元はコロナショックの影響で急激に事業環境が悪化していますが、成長の
ための投資資金を確保した上で、「連結配当性向30%以上を基本」とし、「様々な観点からトータルとして
株主に報いる」との株主還元の方針を定めました。
次に「設備投資」については、足元のコロナショックへの対応として当面は必要性を精査し不要不急の
投資を控えていきますが、成長のための投資資金として年500億円程度を確保する考えです。
年500億円は過去最高水準の設備投資額ですが、変革期にある自動車産業の中にあっても持続的な成長を
実現していくために必要なものと考えています。
最後に「手許資金」については、金融危機や自然災害などが発生した際に当面の事業運営が行える水準と
してのリスク対応資金も含め、「連結月商+300億円程度の現預金((一年以内の)短期借入金は除外)」を
確保する考えです。
b.資金需要
当社グループでは、当連結会計年度において、465億円の設備投資を実施しています。
今後も、市場のグローバル化や成長市場における事業強化などへの対応を含め、国内外における
設備投資、出資などについて長期的な視野で資金需要を認識していきます。
c.資金調達方法
当社グループは、円滑な事業活動に必要な資金の流動性確保と財務の安定性・健全性維持を資金調達の
基本としており、金融機関からの借入や社債の起債など資金効率を考えた多様な資金調達を行っています。
また一部の地域のグループ子会社では、キャッシュ・マネジメント・システムの導入により域内の資金効率
も図っています。
なお、当連結会計年度末における社債および借入金を含む有利子負債の残高は 1,522億円となって
います。
d.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前期末 1,279億円に比べ 60億円増加し、1,340億円と
なりました。これは、安定した営業キャッシュ・フローを創出する中、事業拡大に向け継続的な投資を実施
した結果によるものです。当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等
の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
セグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。

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