有価証券報告書-第101期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/17 15:16
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158項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、労働需給の逼迫を背景とした賃金上昇やエネルギー費高騰によるインフレ圧力の継続、中国における不動産市場の低迷に加え、貿易摩擦による国際関係の緊張や地域紛争など地政学リスクの顕在化等もあり、不確実性が高まりました。
日本経済は、円安による原材料費・燃料費の高騰もありましたが、インバウンド消費などコロナ禍からの
回復による需要増にも支えられ、回復基調をたどりました。2024年3月には「17年ぶりの利上げ」という
歴史的転換点を迎え、賃金と物価の好循環の実現、さらにデフレ脱却に向けて重要な局面を迎えています。
自動車業界は、半導体供給の安定と旺盛な需要に支えられ好調に推移しました。一方で、クルマの
電動化に向けた動きは、一部で普及スピードに懐疑的な見方も広がりましたが、新興国市場での電気自動車
(BEV)のシェア拡大や新興BEVメーカーの急成長に見られるように、脱炭素に向けた電動化へのシフト
チェンジの大きな流れは継続しており、各社とも対応に向けて大きな変化が求められる1年となりました。
当社はこのような状況の下、将来にわたる持続的な事業成長を実現するための中長期経営計画として、
2023年8月に「2030事業計画」を策定しました。この計画では「高分子の可能性を追求し、より良い移動と
暮らしを未来につなぐ会社」を目指す姿とし、大きく2つの軸によって成長を目指すこととしています。
1つ目の軸としては、BEVをはじめとするCASEやMaaSなどの新モビリティ社会を支える「安心・安全」
「快適」をカタチにして社会に貢献することを掲げました。
2つ目の軸としては、豊かな地球環境を未来に残していくため、当社の強みであるゴム・樹脂の高分子技術の
知見を活かし「脱炭素」に貢献することを掲げました。
このように社会的価値と経済的価値を両立させることで、持続可能な事業の発展を目指していきます。
〈安心・安全への貢献〉
ハンドルやエアバッグなどのセーフティシステム製品は、BEVや自動運転技術の普及に伴い、機能と性能の
両面で進化が求められています。重点市場であるインドでは現地開発機能を強化し、カーメーカーへの提案の充実や対応の迅速化を進めました。また芦森工業株式会社との資本業務提携を強化し、相互の事業資産と
ノウハウを活用することで、より安全で安心なモビリティ社会の実現に貢献していきます。
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中国のエアバッグ新工場
(豊田合成(佛山)汽車部品有限公司)
豊田合成(佛山)汽車部品
有限公司においてエアバッグ
新工場が稼働開始しました。需要拡大に対応するとともに
環境にも配慮したモノづくり
を追求します。
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インドの新技術開発拠点
(豊田合成テクニカルセンターインディア)
インドにおいて、現地技術
開発拠点「豊田合成テクニカ
ルセンター インディア」を
開設しました。カーメーカー
の安全性能の向上に向けた
製品開発ニーズに対して、対応の迅速化を図っていきます。

〈快適への貢献〉
CASEやMaaSなどのモビリティの変化に対応しながら、より快適な車内空間づくりを目指します。内装や
外装製品の開発を進め、新しいモビリティの快適性向上に貢献していきます。
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ヒータ機能付きアームレスト
車内の暖房効率化のために、乗員の体の周りを局所的に温める「ヒータ機能付きアームレスト」を新規開発し、市場投入しました。熱エネルギーロスの少ない
構造設計により消費電力を
半減させ、BEVの省電力化
(電費向上)のニーズに
応えました。
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LEXUS LMのフロントグリル
新たに開発した「ホットスタンプ技術」を用いたフロントグリルを市場投入しました。生産時のCO₂排出量を2割削減するだけでなく、従来のコーティング材料が不要になるため省資源化にも貢献します。

〈脱炭素への貢献・新事業への取組み〉
樹脂やゴムの材料技術・加工技術を活用し、水素社会や循環型社会の実現に向けた取り組みを
加速します。
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大型高圧水素タンク量販燃料電池小型
トラック(CJPT社)
スマホ用ワイヤレス給電
レシーバー
CES2024
Innovation Awards
普及が期待される燃料電池トラック向けの「大型高圧水素
タンク」を市場投入しました。今後も、燃料電池の基幹部品で
ある水素タンクの開発・生産を通じ、水素社会の実現に貢献して
いきます。
Ossia社(米国)と共同で進めているワイヤレス電力供給
技術を使った「スマホ用ワイヤレス給電レシーバー」が
CES2024においてInnovation Awardsを受賞しました。

当期の売上収益は、日本、米州を中心とした顧客の生産台数増加等により、1兆711億円(前期比 12.5%増)と増収となりました。
利益については、増販効果や合理化努力等により、営業利益は 677億円(前期比 93.1%増)、親会社の
所有者に帰属する当期利益は 514億円(前期比 221.5%増)となりました。
当期末における総資産は、主に現金及び現金同等物の増加に伴い、前期末に比べ 680億円増加し、9,333億円
となりました。また、負債は主に社債及び借入金の減少により、前期末に比べ 123億円減少し、3,666億円と
なりました。
資本については、主に利益剰余金の増加により、前期末に比べ 803億円増加し、5,667億円となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
a.日本
売上収益は、顧客の生産台数増加等により 4,434億円(前期比 12.5%増)となりました。
営業利益については、増販効果や合理化努力等により、159億円(前期比 151.4%増)となりました。
b.米州
売上収益は、顧客の生産台数増加等により 3,973億円(前期比 20.6%増)となりました。
営業利益については、増販効果や合理化努力等により、262億円(前期比 64.3%増)となりました。
c.アジア
売上収益は、中国の顧客の生産台数減少はあるものの、インドの生産台数増加等により、2,869億円
(前期比 3.1%増)となりました。
営業利益については、インドの増販効果等により、227億円(前期比 36.3%増)となりました。
d.欧州・アフリカ
売上収益は、顧客の生産台数増加等により 345億円(前期比 20.9%増)となりました。
営業利益については、増販効果や一過性要因等により、27億円(前期は営業損失 37億円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物は、前期末 1,052億円に比べ 407億円増加し、1,460億円と
なりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは 1,283億円(前期比 137.8%増)の収入となりました。
これは主に、税引前利益 718億円、減価償却費及び償却費 508億円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは 406億円(前期比 27.3%増)の支出となりました。
これは主に、政策保有株式の縮減等による投資の売却による収入 127億円等により収入が増加したものの、有形固定資産及び無形資産の取得による支出 467億円等により支出が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは 530億円(前期比 85.8%増)の支出となりました。
これは主に、BEV向けの製品の開発・生産を推進する資金として社債の発行による収入 49億円等により収入が
増加したものの、外部借入金の圧縮を進めたことで、長期借入金の返済による支出 277億円等により支出が
増加したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本415,56510.4
米州333,9663.2
アジア235,568△0.3
欧州・アフリカ33,30219.1
合計1,018,4025.6

(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
b.受注実績
当社グループ(以下「当社および連結子会社」)は、主にトヨタ自動車株式会社をはじめとして
各納入先より生産計画の提示を受け、生産能力を勘案して生産計画を立て生産しています。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本403,26212.8
米州394,23521.0
アジア240,493△0.3
欧州・アフリカ33,11620.9
合計1,071,10712.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主な相手先への販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
トヨタ自動車㈱198,26520.8243,54422.7

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる
見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針、4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等について、売上収益は、日本、米州を中心とした顧客の生産
台数増加等により、1兆711億円(前期比 12.5%増)と増収となりました。
利益については、増販効果や合理化努力等により、営業利益は 677億円(前期比 93.1%増)、親会社の
所有者に帰属する当期利益は 514億円(前期比 221.5%増)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、以下のとおりです。
a.当社グループの財務方針
2023年8月に公表した「2030事業計画」策定にあたり、成長性・安全性・効率性のバランスをとりながら
企業価値向上につなげる新たな財務方針を策定しました。これまでP/L偏重で、特に資産・資本効率の観点
が不足していましたが、改めて資本コストを意識した効率的な事業運営を進める、バランスシート
マネジメントを強化する考えを掲げています。
(成長性)
研究開発も含めた投資は、高成長・高収益が期待できる分野に重点的にリソーセス配分をしていき
ます。事業軸ではセーフティシステム・内外装、地域軸では米州・インドです。
例えば、成長が著しいインドでは、特にセーフティシステム分野での伸びが期待できます。新たな
法規制として6エアバッグ化が予定されており、従来の運転席エアバッグ、助手席エアバッグに加えて、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグも装着義務化されます。量、質ともに需要が倍増していくと
見込んでおり、研究開発体制、生産体制を拡充するとともに、地域特性を加味したマーケティング
も強化していきます。
(安全性)
成長機会を逃さぬよう、あらゆる投資機会に機動的に対応できる自己資金および資金調達力を確保して
いきます。手元資金に関して、安全性を重視する観点に変化はありませんが、グローバルでは、現金と
借入が両建てとなっており非効率な状況でした。グループファイナンスの導入により本社主導で資金の
効率化と平準化を進め、連結月商1か月に見直ししております。
(効率性)
資本コストを意識した効率的な事業運営を進めるため、TG-ROICと名付けた当社独自のROIC計算式を
用い、各事業・地域の固定資産・棚卸資産のリソーセスに見合ったリターンを追求するとともに効率化を
進めていきます。2030年のROE10%を目指して、連結でのTG-ROIC20%を目標に、各事業・地域の目標値を
設定し、事業ポートフォリオの改善につなげていきます。
株主還元については、安定的かつ継続的な増配を実現するため、DOE(株主資本配当率:配当額÷株主
資本(連結))2.5%を下限目標に設定しました。また、適切な資本構成を構築するため、機動的な自己
株式の取得にも取り組み、従来以上に資本効率向上も意識して、投資家の皆様の期待に応えていきます。
加えて、非財務情報を含む積極的な情報開示や、株主構成の多様化、特に個人株主の増加を図ることで
株主資本コストの低減にも努めていきます。
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b.資金需要
当社グループでは、当連結会計年度において、494億円の設備投資を実施しています。
今後も、重点とする各事業、地域を中心に、TG-ROICをモノサシにメリハリをつけた設備投資を実施する
とともに、安定的かつ継続的な増配を基本とした株主還元も実施します。また、事業環境や成長機会に
応じたM&Aやアライアンス、もしくは資本効率向上の観点からの追加的な株主還元に回すなど戦略的に配分
していきます。
c.資金調達方法
当社グループは、円滑な事業活動に必要な資金の流動性確保と財務の安定性・健全性維持を資金調達の
基本としており、金融機関からの借入や社債の起債など資金効率を考えた多様な資金調達を行っています。
また、グループファイナンスの導入により、グローバルでの資金効率も図っています。
当連結会計年度末における社債および借入金を含む有利子負債の残高は 1,383億円となっています。
d.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前期末 1,052億円に比べ 407億円増加し、1,460億円と
なりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要
②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
セグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。

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