有価証券報告書-第117期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 15:38
【資料】
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【項目】
123項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、中国においては公共投資が景気を下支えする構図に変わりはありませんが、輸出においては米国向けを中心に増加傾向にあり、底入れの動きがあります。米国においては内外景気の持ち直しから製造業の景況感は回復し設備投資も持ち直しました。さらにトランプ政権の経済政策への期待等から株価は引き続き上昇、個人消費も底堅く推移しました。欧州においては製造業での持ち直しはあるものの、賃金の伸び悩み、物価上昇は個人消費の重荷になっています。また、政治情勢の不安から先行き懸念は拭えない状況となっています。一方、わが国経済においては製造業での輸出の持ち直しや株高、好業績を背景に景況感は改善、また、公共事業の増加を背景に非製造業も堅調であり、消費関連は持ち直しています。
当社グループが主要な事業基盤とする自動車業界においては、世界の自動車販売は中国及び欧州市場の主要国では堅調に推移しましたが、米国においては前年度に対し若干下回る結果となりました。一方、わが国においては年度の後半は堅調に推移し、販売台数全体では前年度と比べ上回る結果となっています。
また半導体業界においては、特にスマートフォン市場において中国メーカーが躍進しています。
その結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は3,729億19百万円(前連結会計年度比2.7%減)、営業利益535億95百万円(前連結会計年度比19.1%減)、経常利益555億59百万円(前連結会計年度比13.8%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は自動車関連において一昨年に買収したWells社ののれん等資産を、経営環境の著しい変化により減損損失として201億87百万円を特別損失に計上したこと等により256億2百万円(前連結会計年度比16.9%減)となりました。
なお、記載金額には消費税等の金額は含まれておらず、また以下の金額についても同様です。
セグメントの業績は次のとおりです。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
売上高営業利益又は
営業損失(△)
売上高営業利益又は
営業損失(△)
自動車関連(百万円)322,85671,139318,14957,988
テクニカルセラミックス関連(百万円)56,631△4,69751,305△4,441
半導体関連(百万円)23,828△7,11619,449△4,842
セラミック関連(百万円)32,8022,41931,855400
その他(百万円)3,785△1583,46449

<自動車関連>当事業は、中国を中心とする好調な新興国市場の新車販売を受け、当社販売も堅調に推移しました。また、補修用製品の販売も、中国市場及びASEAN地域での好調な販売を受け堅調に推移しました。北米については自動車販売台数の伸びは鈍化したものの、補修用製品の販売が堅調に推移しました。しかしながら、為替相場において、前年度に比べ円高に振れていることから、売上高及び営業利益の減少要因となっています。
この結果、当事業の売上高は3,181億49百万円(前連結会計年度比1.5%減)、営業利益は579億88百万円(前連結会計年度比18.5%減)となりました。
<テクニカルセラミックス関連>半導体関連
当事業は、客先所要の低迷により売上高は伸び悩みましたが、7月より収益責任を負う事業子会社を設立して生産拠点を見直し、生産性を向上させたことと、製品の選択と集中による原価低減に努め、前連結会計年度比で赤字幅を縮小しました。
この結果、当事業の売上高は194億49百万円(前連結会計年度比18.4%減)、営業損失は48億42百万円(前連結会計年度は71億16百万円の営業損失)となりました。
セラミック関連
当事業は、工作機械向け及び産業機器向けの出荷は堅調に推移したものの、前連結会計年度比で為替が円高に動いたことに加え、設備投資の増加による減価償却費負担の増加が収益を押し下げました。
この結果、当事業の売上高は318億55百万円(前連結会計年度比2.9%減)、営業利益は4億円(前連結会計年度比83.4%減)となりました。
<その他>その他の事業については、売上高は34億64百万円(前連結会計年度比8.5%減)、営業利益は49百万円(前連結会計年度は1億58百万円の営業損失)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
前連結会計年度当連結会計年度
(自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日)
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)56,46549,764
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△82,331△53,410
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)25,121△544
現金及び現金同等物の期末残高(百万円)71,15565,817

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に対して為替相場の変動による換算差額11億47百万円を控除した純額で53億38百万円減少し658億17百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローにおける収入は、前連結会計年度から67億円減少の497億64百万円となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益の減少によるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローによる支出は、前連結会計年度から289億20百万円減少の534億10百万円となりました。これは、主として前連結会計年度は連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出があったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度251億21百万円の収入に対し、5億44百万円の支出となりました。これは、主として借入れや社債の発行による資金調達が減少したこと及び自己株式の取得を実施したことによるものです。