有価証券報告書-第208期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 13:48
【資料】
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【項目】
157項目
<指標及び目標>□気候変動への取り組みと新目標
当社グループは2021年4月に「2050年までにカーボンニュートラル達成」を宣言し、グループの二酸化炭素などの温室効果ガス(以下GHG:Greenhouse Gas)の排出量削減目標を制定しました。その後も世界は、地球温暖化の進行により自然災害の激化や生物多様性への影響が懸念されているなか、脱炭素社会の実現に向け、自然共生型のサステナブルな経済活動への転換が求められています。また国際的な枠組みであるパリ協定は、世界全体の気温上昇を2℃以下に抑えるとともに、さらに努力目標として1.5℃までに留めることを求めています。
当社グループでは、2021年度よりGHG排出量削減の活動を進めてまいりましたが、活動が順調に進捗し、当初定めた2030年度のマイルストーンである2019年度比GHG排出量30%削減目標を、2024年度末に達成する見込みとなりました。そこで、地球環境への影響のさらなる軽減を目指し、気温上昇を1.5℃までに留めるパリ協定の努力目標にチャレンジするため、2024年4月に新たな目標を制定しました。
新目標(2024年4月)
自社排出量(スコープ1+2)2030年度にGHG排出量を2021年度比で42%削減
2050年度にカーボンニュートラル(実質ゼロ)を達成
サプライチェーン排出量(スコープ3)※2030年度にGHG排出量を2021年度比で25%削減

※原材料の調達、スコープ1,2に含まれないエネルギー関連活動、販売した製品の使用カテゴリが対象

□GHG排出量の削減における進捗状況と実績
当社グループでは主要なGHGであるCO2排出量の削減活動を、①脱炭素につながるものづくりへの転換、②グループ全体における徹底した省エネルギー、③再生可能エネルギーの積極的活用の3本柱で進めております。
① 脱炭素につながるものづくりへの転換
製造時のCO2排出量が特に多い製品については、カーボンニュートラルにむけての当社の重点課題ととらえ、事業の選択と集中を行い、統廃合による一部製品の販売終了、生産拠点の集約により、CO2排出量の削減に寄与しました。生産を継続する製品についてもCO2排出量の少ないエネルギーへの転換はもとより、製法の低炭素化を検討し、全社で排出量の削減に努めております。
② グループ全体における徹底した省エネルギー
省エネ活動は、従来から実施しておりますが、
・自社省エネ技術・製品の活用
・各種省エネ機器の導入、設備更新、燃料転換の実施
・全製造ラインでの不良低減・生産性向上活動によるエネルギーの無駄削減
・全従業員の意識・行動による日々の省エネ徹底
を、ひとつひとつやり切ることを目標に活動をリスタートしております。
また、省エネ活動の更なる活性化のため、国内製造拠点を対象として「自責CO2削減活動」の表彰制度を2023年度より開始いたしました。2024年度は海外製造拠点にも拡大し、省エネを推進してまいります。さらにCO2排出量の削減につながる投資を促進するため、2021年度に省エネ設備投資ガイドラインを策定し、2024年度も社内炭素価格(インターナルカーボンプライシング)を継続採用しております。社内炭素価格の効果もあり、2023年度に投資した設備により約9,500t-CO2/年の削減が見込まれます(CO2排出量削減目標の基準年度である2021年度CO2排出量の約3.7%に相当)。
③ 再生可能エネルギーの積極的活用
製造建屋の屋根上などへの太陽光発電装置の設置を積極的に進めており、国内外の製造拠点において、2025年度までに約4,700t-CO2/年の削減を目標に活動しております。また、地域の再生可能エネルギー由来電力、環境証書の購入などを推進しており2023年度は当社本社ビルや㈱熊本ニチアスなどの事業所で再生可能エネルギー比率100%を達成しました。なお、当社グループ全体における2023年度の電力に対する再生可能エネルギー比率は5.2%(前年度比 173.0%)となっております。
2023年度GHG排出量実績
(単位:万tCO2-eq)
2021年度(基準年度)2023年度削減量削減率(%)
スコープ112.810.82.015.6
スコープ212.811.61.29.4