有価証券報告書-第113期(令和2年11月1日-令和3年10月31日)

【提出】
2022/01/27 13:13
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【項目】
151項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 特定市場への依存リスク
光事業の売上はデジタルカメラ市場への依存度が高く、従前から続く市場の縮小がリスクとなっております。今後、デジタルカメラ市場の縮小が一層進んだり、国内外における競合他社との競争激化などにより、売上及び利益率が下落する可能性があります。今後も品質、価格、納期対応でお客様に満足していただけることを第一と考えて業務革新・効率化を推進し、高効率の生産体制を築くことで、光事業の柱を強固としていくとともに、エレクトロニクス事業の製品ラインナップを強化していくことで事業の拡大に努めてまいりますが、その成否によっては業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定顧客への依存リスク
当社グループは、専門性の高い光学ガラス及び特殊ガラスを供給しておりますが、高度な専門性、特殊性が故、一部の特定顧客への売上依存度が高い傾向にあります。今後も新規分野への研究開発並びに新規顧客の獲得を目指して積極的な活動を継続してまいりますが、これらの特定顧客からの発注数量が急激に減少した場合には、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替相場の変動リスク
当社グループの生産及び販売活動はアジア地域を中心にグローバルに展開しており、外貨建ての取引を含んでいるため為替相場の変動による影響があります。これらのリスクに備えるため為替予約等を利用しておりますが、すべてのリスクを排除することは不可能であり、また、急激な円高は製品の価格競争力も低下させますので、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 金利の変動リスク
当連結会計年度末における当社グループの連結有利子負債残高は6,073百万円であります。有利子負債は、前連結会計年度比で、借入金を返済したことなどにより減少しておりますが、財務体質良化のため、削減を推し進めてまいります。金利情勢やその他金融市場が急激に変動する場合には、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 海外での事業展開に係るリスク
当社グループはアジア地域を中心として積極的な海外事業展開を図っており、海外売上高は連結売上高の約51%となっております。海外市場への事業進出には、予期しない法律又は規制の変更、税法の改定・移転価格税制などによる課税、不利な政治又は経済要因、人材の採用と確保の難しさ、テロ、戦争その他の要因による社会的混乱などのリスクが内在しており、それらが発生した場合には、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、生産ライン及び営業拠点は概ね日本を含めた複数の地域で稼働させており、リスクによる影響を低減させる取組みを行っております。また新型コロナウイルス感染症による影響については、一部地域においてワクチン接種が進んでいるものの、変異株による感染の再拡大も懸念されることから、今後もこの状況が継続する場合、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 訴訟に関するリスク
一般的に、当社グループの事業活動に関し、訴訟、紛争、その他の法的手続きの対象となるリスクを排除することは不可能です。当連結会計年度において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、将来において提起された場合には、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、当社グループの行動規範及び事業活動に関する法令を周知・教育することにより、訴訟に関するリスクの低減に努めております。
(7) 資本上位会社に関するリスク
(セイコーホールディングス株式会社について)
セイコーホールディングス株式会社は当社の筆頭株主(2021年10月末現在、発行済株式総数(自己株式を除く。)に対する所有割合19.3%)であり、当社は同社の持分法適用関連会社であり、同社は当社の「その他の関係会社」であります。
当社は、同社グループから、現在社外取締役1名、社外監査役1名を受け入れておりますが、第112期、第113期において営業取引は軽微です。
一方、当社は、同社株式を、2021年10月末現在51,261株(同社発行済株式総数に対する所有割合0.1%)を保有しております。これは、将来、当社と同社グループの関係強化を目的としたものであります。
当社は同社に対し、今後も安定株主としての役割並びに将来の関係強化を期待しておりますが、今後、同社と当社の良好な関係が維持できなければ当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(キヤノン株式会社について)
キヤノン株式会社は当社の第2位株主(2021年10月末現在、発行済株式総数(自己株式を除く。)に対する所有割合19.3%)であり、当社は同社の持分法適用関連会社であり、同社は当社の「その他の関係会社」であります。
当社は、同社グループから、現在社外取締役1名、社外監査役1名を受け入れており、第112期、第113期における取引状況は「関連当事者情報」に記載のとおりであります。なお、当社製品の販売についての価格、その他の取引条件は、市場価格、総原価などを勘案して交渉の上、決定しており、特に利益相反等は生じておりません。
一方、当社は、同社株式を、2021年10月末現在729,658株(同社発行済株式総数に対する所有割合0.1%)を保有しております。これは、当社と同社グループの取引関係の維持強化を目的としたものであります。
当社は同社に対し、今後も安定株主としての役割並びに将来の関係強化を期待しておりますが、今後、同社と当社の良好な関係が維持できなければ当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(8) 原材料に関するリスク
当社グループが使用している原材料の中には、メーカーや産地の限られているものがあり、入手困難により生産に支障が生ずる可能性があります。また、原材料価格は生産状況、為替相場、市況の変動などにより高騰する可能性があり、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。一部の原材料については、市場価格を見極めつつ、短期的な変動の影響を避けるため、在庫の保有レベルを高く設定しております。
(9) 地震やその他の自然災害、事故等によるリスク
当社グループでは、地震や大規模な水害、火山の噴火などの自然災害や事故、新型インフルエンザ等の感染症の流行等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質の製品やサービスの安定的供給等の当社グループの事業活動の継続のために、事業継続計画を策定しております。また、耐震対策や定期点検、防災訓練等の取り組みも実施しております。
しかし、想定を超える自然災害や事故等が発生した場合、当社グループの機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、サプライチェーンへの被害等により、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 環境問題に関するリスク
当社グループは、省エネルギー、大気・水質の汚染、化学物質の使用、廃棄物処理、リサイクル、製品含有化学物質及び土壌・地下水汚染等を規制する様々な環境法令の適用を受けながら事業を展開しており、事業活動と環境の調和を経営の重要課題のひとつとして位置付け、法規制の遵守、業界等の行動規範を遵守するとともに自主基準を制定して管理するなど、様々な環境マネジメント活動を進めております。
しかし、将来において法令規制強化への対応費用の増大、あるいは環境問題の発生から、損害賠償や対策費用を負担する可能性があります。
(11) 新型コロナウイルス感染症の拡大によるリスク
新型コロナウイルス感染症の終息時期は不透明であり、今後の感染症の拡大により、工場の稼働停止やサプライチェーンの停滞に起因する生産の減少、営業活動の制限等、事業活動に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、従業員その他のステークホルダーの安全を確保するため、策定したガイドラインに従って、体温確認などの健康管理、手指消毒、Web会議の導入など、日頃の感染予防対策を徹底するとともに、感染症が拡大傾向である場合には、政府や地域行政の要請等を踏まえた不要不急の出張制限や時差出勤、在宅勤務等の対応を採ることにより、事業活動への影響の低減を図ることとしております。