有価証券報告書-第99期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/30 9:23
【資料】
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【項目】
124項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度においては、世界経済は、欧州や米国では個人消費や雇用情勢の改善等を背景に回復基調で推移し、中国では各種政策効果もあり持ち直しの動きが続きました。国内経済も、個人消費や雇用情勢、企業収益等の改善により、緩やかに回復してきました。
このような中、当社グループ(当社及び連結子会社)においては、「電子・情報」の分野では、液晶ディスプレイ(LCD)用基板ガラスは、堅調な需要の下、第2四半期連結会計期間(平成29年4月1日~平成29年6月30日)から中国(福清市)の加工合弁事業を通じた新規顧客向けの出荷が本格化したことなどにより、販売が増加しました。モバイル端末用カバーガラス(化学強化専用ガラス)は、安定的に推移しました。電子デバイス用ガラスでは、生活家電や自動車関連の堅調な需要を背景に機能性粉末ガラスやイメージセンサ用カバーガラスなどが伸長しました。光関連ガラスでは、一部の製品を除き販売は堅調でした。太陽電池用基板ガラスは、安定的に推移しました。
「機能材料・その他」の分野では、ガラスファイバは、自動車部品向け高機能樹脂用途を中心に需要は堅調に推移しました。また、PPG Industries, Inc.より取得した欧州及び米国のガラス繊維事業の寄与もあり、過去最高の売上高を記録しました。耐熱ガラスや医薬用管ガラスの販売は堅調であったものの、建築用ガラスは国内大型物件向けの販売が伸び悩みました。また、当連結会計年度においては、ガラス製造設備の販売がありました。これらにより、当連結会計年度の売上高は2,824億47百万円(前連結会計年度比18.0%増)となりました。
損益面では、生産性の改善や売上高の増加、LCD用基板ガラスの価格下落の緩和等が営業利益の押し上げ要因となりました。また、前連結会計年度(平成28年1月1日~平成28年12月31日)において、当社から中国子会社への融資に係る債権及び債務の評価替えによる為替差損がありましたが、当連結会計年度においては為替差益に転じました。これらにより、営業利益は322億1百万円(同64.5%増)、経常利益は341億30百万円(同144.3%増)となりました。特別損益においては、藤沢事業場跡地の環境改善工事に係る事業場閉鎖損などを特別損失に計上した一方で、若狭上中事業場跡地売却に伴う固定資産売却益及び投資有価証券売却益を特別利益に計上しました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は271億84百万円(同447.1%増)となりました。
なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前当期純利益が増加しました。減価償却費は高水準ですが前連結会計年度比で減少しました。一方、売上債権及びたな卸資産が増加しました。これらの結果、当連結会計年度において営業活動によって得られた資金は461億59百万円(前連結会計年度比21億1百万円の収入減)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
国内外の設備の増強や米国ガラス繊維事業取得などにより、当連結会計年度において投資活動に使用した資金は686億44百万円(同325億5百万円の支出増)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
社債の償還や、株主への配当金及び子会社における非支配株主への配当金を支払った一方で、長期借入れによる収入などにより、当連結会計年度において財務活動によって得られた資金は97億97百万円(同274億21百万円の支出減)となりました。
上記に、現金及び現金同等物に係る換算差額3億55百万円を合わせ、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べ123億31百万円減少し、1,138億35百万円となりました。