有価証券報告書-第80期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
前連結会計年度末に比べ、流動資産は1,811,673千円増加し15,608,692千円、固定資産は256,045千円増加し5,755,459千円、資産合計は2,067,719千円増加し21,364,152千円となりました。
また、流動負債は1,694,540千円増加し9,863,276千円、固定負債は162,561千円減少し418,411千円、負債合計は1,531,979千円増加し10,281,688千円となりました。
純資産は前連結会計年度末に比べ535,739千円増加し11,082,463千円となりました。
②経営成績の状況
当連結会計年度の売上高は25,572,238千円(前期比4.6%増)、売上総利益は3,543,220千円(前期比9.1%増)となりました。営業利益は886,860千円(前期比32.6%増)、経常利益は966,387千円(前期比33.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は611,832千円(前期比35.7%増)となりました。
セグメント情報を記載していないため、事業部門別の経営成績を示すと次のとおりであります。
まず、みがき棒鋼部門におきましては、売上高は16,463,550千円(前期比5.9%増)となりました。
次に、冷間圧造用鋼線部門におきましては、売上高は9,108,688千円(前期比2.4%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、4,700,030千円となり、前連結会計年度末に比べ1,570,969千円増加いたしました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は3,116,138千円(前年同期は1,417,700千円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の増加437,245千円、法人税等の支払額275,122千円等で資金が減少した一方、税金等調整前当期純利益966,524千円の計上、仕入債務の増加2,258,706千円及び減価償却費418,811千円等により資金が増加したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は605,875千円(前年同期は522,014千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出576,633千円、無形固定資産の取得による支出50,789千円により資金が減少したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は939,293千円(前年同期は684,711千円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の純減額590,000千円、長期借入金の返済による支出172,216千円、配当金の支払額133,270千円等により資金が減少したためであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、みがき棒鋼及び冷間圧造用鋼線事業の単一セグメントでありますので、セグメント情報に代えて事業部門別情報を記載いたします。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は製造原価により表示しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は仕入金額により表示しております。
c.受注状況
当連結会計年度の受注状況を示すと、次のとおりであります。
(注)1.みがき棒鋼部門は、見込み生産をしておりますので記載しておりません。
2.金額は、販売金額によっております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績、及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
a.流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は15,608,692千円となり、前連結会計年度末比1,811,673千円増加いたしました。これは主に、受取手形が488,483千円減少いたしましたが、現金及び預金が1,570,969千円、電子記録債権が244,570千円、原材料及び貯蔵品が414,678千円それぞれ増加したことによるものであります。
b.固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は5,755,459千円となり、前連結会計年度末比256,045千円増加いたしました。これは主に、建設仮勘定が21,130千円減少いたしましたが、建物及び構築物が222,979千円、投資有価証券が10,332千円、繰延税金資産が31,896千円それぞれ増加したことによるものであります。
なお、当連結会計年度における設備投資の総額は656,373千円であり、また、減価償却実施額は418,811千円であります。
c.流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は9,863,276千円となり、前連結会計年度末比1,694,540千円増加いたしました。これは主に、短期借入金が590,000千円減少いたしましたが、支払手形及び買掛金が481,017千円、電子記録債務が1,752,154千円それぞれ増加したことによるものであります。
d.固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は418,411千円となり、前連結会計年度末比162,561千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が163,368千円減少したことによるものであります。
なお、有利子負債の残高は総額で1,127,919千円となり、前連結会計年度末比776,459千円減少いたしました。
e.純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は11,082,463千円となり、前連結会計年度末比535,739千円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が478,854千円増加したことによるものであります。
(経営成績の分析)
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要に支えられ、緩やかに回復いたしましたが、継続する物価上昇に加え、日中関係の緊張化や米国トランプ政権の関税政策、更には年度末の米国とイスラエルによるイランへの攻撃などの不安定な国際情勢による景気下振れリスクの高まりを受け、依然として厳しい状況が続きました。
わが国のみがき棒鋼、及び冷間圧造用鋼線業界(当業界)の主要需要分野である自動車業界におきましては、米国トランプ政権の関税政策の影響もあり、回復力の乏しい状況が続いておりましたが、下期には概ね回復基調となりました。また、建産機業界でも同様に下期には一部で回復基調となりました。その結果、2025年暦年における当業界の生産量は1,449千トンと前年に比し4千トン増加いたしました(前年比0.3%増)。
このような経営環境下、当社グループは全社を挙げて販売数量の確保、コスト削減、及び生産性の向上を推し進めるとともに、労務費・物流コスト等の上昇を吸収すべく24年7月以降に実施した加工賃是正のフル浸透、製品歩留りの改善、及びエネルギー原単位の削減等に努め、収益の確保に取り組みました。
これらの結果、販売数量は前年度に対して1.6%増加し、売上高は25,572,238千円(前期比4.6%増)と増収となりました。損益につきましても、人財確保に向けた賃金アップ等による影響があったものの、先述の加工賃是正に加え鋼材値上げによる製品販売価格改定のフル浸透、及びエネルギー原単位の削減等により、営業利益は886,860千円(同32.6%増)、経常利益は966,387千円(同33.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は611,832千円(同35.7%増)と増益となりました。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当連結会計年度における収益、財務体質の各目標とそれに対する実績は次のとおりです。
当社グループは、主要需要家である自動車業界の生産活動が回復基調になったことや、建産機業界の需要も一部で回復の兆しが見えたことから、販売数量は前期比で増加し、また、人財確保に向けた賃金アップ等によるコストの増加があったものの、加工賃の是正や鋼材値上げに伴う製品販売価格改定のフル浸透、製品歩留まりの改善等により、売上高経常利益率は目標を上回りました。
なお、自己資本比率につきましては、仕入債務が大幅に増加したことから、自己資本比率は目標を下回りました。
株主還元につきましては、剰余金の配当は「連結配当性向年間30%」を目標としております。2025年度の連結配当性向は29.6%と目標をほぼ達成いたしました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
b.キャッシュ・フロー指標のトレンド
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値(もしくは最終気配値)×期末発行済株式数(自己株式数を除く。)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
c.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金、及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましても、自己資金、及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金、及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,127,919千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,700,030千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断、減損の兆候の判定等について、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
前連結会計年度末に比べ、流動資産は1,811,673千円増加し15,608,692千円、固定資産は256,045千円増加し5,755,459千円、資産合計は2,067,719千円増加し21,364,152千円となりました。
また、流動負債は1,694,540千円増加し9,863,276千円、固定負債は162,561千円減少し418,411千円、負債合計は1,531,979千円増加し10,281,688千円となりました。
純資産は前連結会計年度末に比べ535,739千円増加し11,082,463千円となりました。
②経営成績の状況
当連結会計年度の売上高は25,572,238千円(前期比4.6%増)、売上総利益は3,543,220千円(前期比9.1%増)となりました。営業利益は886,860千円(前期比32.6%増)、経常利益は966,387千円(前期比33.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は611,832千円(前期比35.7%増)となりました。
セグメント情報を記載していないため、事業部門別の経営成績を示すと次のとおりであります。
まず、みがき棒鋼部門におきましては、売上高は16,463,550千円(前期比5.9%増)となりました。
次に、冷間圧造用鋼線部門におきましては、売上高は9,108,688千円(前期比2.4%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、4,700,030千円となり、前連結会計年度末に比べ1,570,969千円増加いたしました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は3,116,138千円(前年同期は1,417,700千円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の増加437,245千円、法人税等の支払額275,122千円等で資金が減少した一方、税金等調整前当期純利益966,524千円の計上、仕入債務の増加2,258,706千円及び減価償却費418,811千円等により資金が増加したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は605,875千円(前年同期は522,014千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出576,633千円、無形固定資産の取得による支出50,789千円により資金が減少したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は939,293千円(前年同期は684,711千円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の純減額590,000千円、長期借入金の返済による支出172,216千円、配当金の支払額133,270千円等により資金が減少したためであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、みがき棒鋼及び冷間圧造用鋼線事業の単一セグメントでありますので、セグメント情報に代えて事業部門別情報を記載いたします。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業部門の名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年比(%) |
| みがき棒鋼及び冷間圧造用鋼線事業 | ||
| みがき棒鋼部門 | 10,653,109 | 6.7 |
| 冷間圧造用鋼線部門 | 8,384,962 | 1.9 |
| 合 計(千円) | 19,038,072 | 4.6 |
(注)金額は製造原価により表示しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業部門の名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年比(%) |
| みがき棒鋼及び冷間圧造用鋼線事業 | ||
| みがき棒鋼部門 | 2,967,723 | △4.9 |
| 冷間圧造用鋼線部門 | 1,112 | △43.2 |
| 合 計(千円) | 2,968,835 | △4.9 |
(注)金額は仕入金額により表示しております。
c.受注状況
当連結会計年度の受注状況を示すと、次のとおりであります。
| 事業部門の名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||
| 受注高 (千円) | 前年比(%) | 受注残高 (千円) | 前年比(%) | |
| みがき棒鋼及び冷間圧造用鋼線事業 | ||||
| 冷間圧造用鋼線部門 | 9,076,841 | 2.2 | 130,943 | △20.9 |
| 合 計 | 9,076,841 | 2.2 | 130,943 | △20.9 |
(注)1.みがき棒鋼部門は、見込み生産をしておりますので記載しておりません。
2.金額は、販売金額によっております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業部門の名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年比(%) |
| みがき棒鋼及び冷間圧造用鋼線事業 | ||
| みがき棒鋼部門 | 16,463,550 | 5.9 |
| 冷間圧造用鋼線部門 | 9,108,688 | 2.4 |
| 合 計(千円) | 25,572,238 | 4.6 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績、及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 日鉄物産株式会社 | 2,847,189 | 11.6 | 2,729,159 | 10.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
a.流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は15,608,692千円となり、前連結会計年度末比1,811,673千円増加いたしました。これは主に、受取手形が488,483千円減少いたしましたが、現金及び預金が1,570,969千円、電子記録債権が244,570千円、原材料及び貯蔵品が414,678千円それぞれ増加したことによるものであります。
b.固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は5,755,459千円となり、前連結会計年度末比256,045千円増加いたしました。これは主に、建設仮勘定が21,130千円減少いたしましたが、建物及び構築物が222,979千円、投資有価証券が10,332千円、繰延税金資産が31,896千円それぞれ増加したことによるものであります。
なお、当連結会計年度における設備投資の総額は656,373千円であり、また、減価償却実施額は418,811千円であります。
c.流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は9,863,276千円となり、前連結会計年度末比1,694,540千円増加いたしました。これは主に、短期借入金が590,000千円減少いたしましたが、支払手形及び買掛金が481,017千円、電子記録債務が1,752,154千円それぞれ増加したことによるものであります。
d.固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は418,411千円となり、前連結会計年度末比162,561千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が163,368千円減少したことによるものであります。
なお、有利子負債の残高は総額で1,127,919千円となり、前連結会計年度末比776,459千円減少いたしました。
e.純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は11,082,463千円となり、前連結会計年度末比535,739千円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が478,854千円増加したことによるものであります。
(経営成績の分析)
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要に支えられ、緩やかに回復いたしましたが、継続する物価上昇に加え、日中関係の緊張化や米国トランプ政権の関税政策、更には年度末の米国とイスラエルによるイランへの攻撃などの不安定な国際情勢による景気下振れリスクの高まりを受け、依然として厳しい状況が続きました。
わが国のみがき棒鋼、及び冷間圧造用鋼線業界(当業界)の主要需要分野である自動車業界におきましては、米国トランプ政権の関税政策の影響もあり、回復力の乏しい状況が続いておりましたが、下期には概ね回復基調となりました。また、建産機業界でも同様に下期には一部で回復基調となりました。その結果、2025年暦年における当業界の生産量は1,449千トンと前年に比し4千トン増加いたしました(前年比0.3%増)。
このような経営環境下、当社グループは全社を挙げて販売数量の確保、コスト削減、及び生産性の向上を推し進めるとともに、労務費・物流コスト等の上昇を吸収すべく24年7月以降に実施した加工賃是正のフル浸透、製品歩留りの改善、及びエネルギー原単位の削減等に努め、収益の確保に取り組みました。
これらの結果、販売数量は前年度に対して1.6%増加し、売上高は25,572,238千円(前期比4.6%増)と増収となりました。損益につきましても、人財確保に向けた賃金アップ等による影響があったものの、先述の加工賃是正に加え鋼材値上げによる製品販売価格改定のフル浸透、及びエネルギー原単位の削減等により、営業利益は886,860千円(同32.6%増)、経常利益は966,387千円(同33.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は611,832千円(同35.7%増)と増益となりました。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当連結会計年度における収益、財務体質の各目標とそれに対する実績は次のとおりです。
| 2025年度(実績) | 2025年度(目標) | ||
| 売上高経常利益率(ROS) | 3.8% | 2.5% | |
| 自己資本比率 | 48.4% | 52.6% |
当社グループは、主要需要家である自動車業界の生産活動が回復基調になったことや、建産機業界の需要も一部で回復の兆しが見えたことから、販売数量は前期比で増加し、また、人財確保に向けた賃金アップ等によるコストの増加があったものの、加工賃の是正や鋼材値上げに伴う製品販売価格改定のフル浸透、製品歩留まりの改善等により、売上高経常利益率は目標を上回りました。
なお、自己資本比率につきましては、仕入債務が大幅に増加したことから、自己資本比率は目標を下回りました。
株主還元につきましては、剰余金の配当は「連結配当性向年間30%」を目標としております。2025年度の連結配当性向は29.6%と目標をほぼ達成いたしました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
b.キャッシュ・フロー指標のトレンド
| 第77期 | 第78期 | 第79期 | 第80期 | |
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 47.3 | 48.2 | 51.1 | 48.4 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 20.7 | 17.5 | 15.6 | 19.6 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 3.9 | 2.3 | 1.3 | 0.4 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 121.4 | 185.2 | 149.7 | 262.9 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値(もしくは最終気配値)×期末発行済株式数(自己株式数を除く。)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
c.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金、及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましても、自己資金、及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金、及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,127,919千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,700,030千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断、減損の兆候の判定等について、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる可能性があります。