有価証券報告書-第100期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度における日本経済は、輸出や生産に弱さがみられるものの、緩やかな回復基調で推移しました。また、世界経済につきましては、米国では個人消費の増加などから景気は回復が続いてきました。アジア地域においては、中国では景気は緩やかに減速し、タイやインドでは景気は弱い動きで推移しました。一方、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年3月以降の景気は世界的に厳しい状況にあります。
当社グループの主要な事業分野であります自動車関連市場においては、国内販売は、5,039千台で前期比4.2%の減少となりました。完成車輸出は、4,714千台で前期比2.5%の減少となりました。日本経済は、昨年10月以降、消費税10%への増税もあり、当社事業に影響を及ぼす国内自動車生産台数は伸び悩みました。
このような経営環境のもと、当社グループは持続可能な成長に向けて「真直ぐ」な姿勢の堅持、収益力の回復と向上、収益に繋がる新たな技術・商品の開発、ものづくり力の強化、安心・安全な会社、働きがいのある働きやすい職場づくりをグループの経営方針として掲げ、取り組みました。
近年、自動車関連市場では、グローバルでの競合他社との競争が激しさを増しており、当社グループの収益性に影響を与える大きな要因となっております。収益力の回復と向上は当社の重要な課題と認識しており、生産部門・販売部門・本社部門が一体となり、課題解決に取り組んでおります。
売上高は664,499百万円(前期比2.4%減)、営業利益は20,715百万円(前期比22.3%減)、経常利益は21,266百万円(前期比32.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失として減損損失4,687百万円、独占禁止法関連損失3,202百万円を計上したことから、4,612百万円(前期比35.1%減)となりました。
(2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況
新型コロナウイルス感染症の影響によるロックダウンに伴い、自動車メーカー各社が操業を停止したため、自動車関連事業の売上高が減少しております。日本、米欧、インド地域の会社は、業績に影響が生じておりますが、感染拡大による影響額を合理的に算定することは困難であります。なお、タイ、中国地域の会社の決算日は12月31日であるため、影響はございません。
[懸架ばね事業]
懸架ばね事業の売上高は126,332百万円(前期比2.0%減)、営業利益は2,708百万円(前期比56.3%減)となりました。
売上高は、前第4四半期に連結範囲に含めたNHKスプリングハンガリー社の増収はありましたが、タイ、米国、インドの数量減により懸架ばね事業全体で減収となりました。
営業利益はグローバルでの競合他社との競争激化を背景とする厳しい販売価格や合理化目的の設備投資増強に伴う償却費増により、減益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △26億円
固定費増減(償却費含む) △20億円
その他合理化ほか 12億円
[シート事業]
シート事業の売上高は302,573百万円(前期比0.2%減)、営業利益は6,960百万円(前期比56.9%増)となりました。
売上高は、主に中国の受注車種の数量減により減収となりましたが、営業利益は米国子会社の収支改善や各拠点での合理化が進んだことにより、増益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △15億円
固定費増減(償却費含む) 8億円
その他合理化ほか 32億円
[精密部品事業]
精密部品事業の売上高は142,982百万円(前期比6.5%減)、営業利益は6,243百万円(前期比36.2%減)となりました。
売上高は、米中貿易摩擦影響による自動車関連事業向け製品の数量減やHDDサスペンション市場の縮小影響により、減収となりました。また、営業利益は、数量減のほか伊那地区での設備投資など新規受注のための先行投資負担が重く、減益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △36億円
固定費増減(償却費含む) △11億円
その他合理化ほか 12億円
[産業機器ほか事業]
産業機器ほか事業の売上高は92,611百万円(前期比3.5%減)、営業利益は4,802百万円(前期比22.9%減)となりました。
売上高は、半導体市場縮小に伴う半導体プロセス部品の数量減により減収となりました。営業利益は、受注拡大対応のため宮田工場建設など先行投資の償却費増により減益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 6億円
固定費増減(償却費含む) △25億円
その他合理化ほか 5億円
(3)経営成績の分析
①売上高、営業利益
「(2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況」に記載のとおりです。
②営業外損益
営業外損益は、550百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ4,255百万円の減少となりました。為替レートの変動による為替差損が3,866百万円発生したことが主な要因となります。
③特別損益
特別損益は、減損損失および独占禁止法関連損失、非連結子会社に対する関係会社株式評価損などの計上により、9,052百万円の損失となり、前連結会計年度に比べ、2,288百万円の損失の減少となりました。
減損損失および独占禁止法関連損失の詳細につきましては、「第5[経理状況]連結損益計算書 [注記事項](連結損益計算書関係)」に記載のとおりです。
④法人税等
税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は、51.9%となり、前連結会計年度の56.3%と比べ減少いたしました。連結財務諸表提出会社の法定実効税率は30.4%でありますが、連結子会社における固定資産減損損失に係る将来減算一時差異に対する評価性引当額の計上や、損金不算入となる独占禁止法関連損失の計上などにより、税負担率との差が生じております。
⑤非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,691百万円に対し、1,256百万円となりました。
⑥親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、4,612百万円で前期比35.1%の減益となりました。1株当たり当期純利益は19.46円となり、前連結会計年度に比べ10.51円減少しました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は74,314百万円で前期比24.5%の減少となりました。
営業活動の結果得られた資金は36,621百万円で、前期と比べ173百万円の減少となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の減少により法人税等の支払額が減少した一方で、仕入債務が減少したことによるものです。
投資活動の結果支出した資金は45,809百万円で、前期と比べ3,510百万円の増加となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものです。
財務活動の結果支出した資金は16,950百万円で、前期と比べ24,278百万円の増加となりました。これは主に長期借入金の返済及び転換社債型新株予約権付社債の償還によるものです。
営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは△9,188百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ24,088百万円減少し、74,314百万円となりました。また、有利子負債は前期末に比べて10,623百万円減少し、57,591百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記の生産実績は、製造会社における生産実績を販売価額により表示しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月26日)現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の報告金額、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り及び仮定を設定する必要があります。当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
① 収益の認識
当社グループの売上高は、通常、発注書に基づき顧客に対して製品が出荷された時点、又はサービスが提供された時点に計上されます。ある特定のケースでは、売買契約書で顧客の検査に合格することが要求されており、その場合には顧客が当社グループの製品を検収した時点で売上を計上しております。特許料収入は、ライセンシーからの特許料計算書に基づいて計上されます。
② 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に再建計画などを考慮したうえで、回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
新型コロナウイルス感染症の影響による一般債権の貸倒は当連結会計年度末時点では生じていないため、貸倒引当金の計上の際の貸倒実績率には含まれておりませんが、その後の経済環境の変化による貸倒率の増加や再建計画の変更により回収可能額が減少する可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループが有する固定資産について、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認しております。この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。
回収可能価額は、不動産鑑定結果などに基づく売却可能価額または将来の経営計画に基づく将来キャッシュ・フローの割引現在価値で算出しており、経済環境の変化などによる、時価の変動、経営計画との乖離、割引率の変動により、減損額の算定に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響については、減損の兆候の有無への大きな影響は与えていないものの、将来キャッシュ・フローの算出における仮定に対して影響を与えております。
当連結会計年度までに一部の連結子会社において、収益性の低下に伴う固定資産の減損処理を行ってまいりましたが、当連結会計年度末で得られていた将来の経営計画に基づく仮定に対して、その後の得意先の稼働調整などにより大きな差が生じているため、今後の固定資産の減損処理に影響を与える可能性があります。
④ 投資の減損
当社グループは、投資の評価にあたっては、時価の回復可能性があると認められる場合を除き、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に減損処理を実施し、下落率が30%以上50%未満の場合には時価の回復可能性の判定を行い、回復可能性がないと判断した場合は減損処理を行っております。
回復可能性の判断においては、帳簿価額を下回った期間の長さ及び下落幅、当該会社の財務状況及び将来の展望を考慮しますが、市場の変化や経済環境の変化などにより投資の評価額が影響を受ける可能性があります。
新型コロナウイルス感染症による影響に関して、特に上場有価証券の当連結会計年度末時点における時価の下落については、当連結会計年度の連結財務諸表に反映されておりますが、その後の市場や経済環境の変化による影響や非上場有価証券の純資産価値の下落が影響を与える可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたっては、連結会計年度末時点の将来減算一時差異に対して翌期以降で適用される法定実効税率を用いて計上しておりますが、将来的な課税当局による法定実効税率の変更により、繰延税金資産が増減し、利益を増減させる可能性があります。
また、繰延税金資産を回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来減算一時差異の解消スケジュール、将来の経営計画に基づく課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、経営環境・経営計画の変化により、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産の調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響については、次のとおりです。
日本地区においては、前連結会計年度までに一部の連結子会社において、収益性の低下に伴う繰延税金資産の取崩しを行ってまいりましたが、当連結会計年度末で得られていた将来の経営計画に基づく課税所得の計画に対して、その後の得意先の稼働調整などにより大きな差が生じているため、今後の繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
米欧地区においては、前連結会計年度までに評価性引当額を計上し繰延税金資産の全額取崩しを行っていることから、当連結会計年度および今後の経営成績への影響は軽微であります。
アジア地区においては、タイ・中国・マレーシアに所在する会社における決算日が12月31日であることから、当連結会計年度への影響はありませんが、今後の処理に影響を与える可能性があります。
⑥ 退職給付費用
当社グループにおける退職給付費用及び債務は、その計算の際に使われた仮定により変動いたします。これらの仮定には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の期待収益率及び死亡率などの要因が含まれております。
割引率は、国債などの低リスクの債券の利回りに基づいて設定しており、年金資産の期待収益率は、企業年金基金などの年金資産における長期の収益率を基に設定しております。
これらの仮定と実際の結果との差額は連結包括利益計算書を通じて即時認識されます。当社グループは使用した仮定が妥当なものだと考えておりますが、実績との差異又は仮定自体の変更により、退職給付費用及び退職給付に係る資産・負債に影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、株価の変動などにより、当連結会計年度末において年金資産の時価が下落し、退職給付に係る資産が減少いたしました。今後の年金資産の時価が変動する可能性や想定した収益率に達しない可能性があり、退職給付費用および退職給付に係る資産・負債に影響を与える可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。
② 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値向上のために、適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本としており、強固な財務体質及び高い資本効率を兼ね備えることが重要だと考えております。
当社グループは、自己資本比率の水準を50%程度に保つことで、「シングルA-」の信用格付(格付投資情報センター(R&I)による格付)を維持し、リスク耐性の強化を図ってまいります。
また、営業キャッシュ・フローによる債務償還能力に留意しつつ、金融機関からの外部借入を有効に活用し、資本コストの低減にも努めてまいります。
一方、株主還元についても、株主の皆様への利益配当を最重要事項と認識しており、連結業績及び配当性向等を総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本としております。2020年2月の当社取締役会において、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行し、資本効率を向上させ株主還元に資することを目的に、株式数で3,700千株、取得価額で3,000百万円を上限とした自己株式取得を決議し、取得を進めてまいりました。その結果、3,511千株、2,690百万円の自己株式を取得いたしました。今後も、純資産の効率的な運用を目指すための選択肢の一つとして、財務状況や事業環境などを考慮しながら、機動的な自己株式の取得を検討してまいります。
③ 資金調達の考え方
当社グループ製品製造のための材料及び部品、研究開発費等、事業活動にかかる運転資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については、コマーシャル・ペーパーや銀行借入によって、連結売上高の1.5~2ヶ月分を目安に流動性の保持を図ります。
設備投資資金については、設備投資計画に基づき、国内外での資金調達について、市場金利動向や為替動向、あるいは既存借入金の返済時期等を総合的に勘案し、銀行借入及び社債の発行等によって資金を賄っております。
また、当社グループでは、グループ間融資によって資金融通を行う事で資金効率を高めております。一部の海外関係会社については、現地金融機関より各社の使用する現地通貨にて調達をしております。その際、当社が関係会社の借入に対し債務保証の差入れを行うことがあります。
なお、新型コロナウィルス感染症の影響が長期化した場合に備えて、コミットメントライン契約の増額及び当座貸越枠の増額等、資金調達枠の確保に努めてまいります。
(1)業績
当連結会計年度における日本経済は、輸出や生産に弱さがみられるものの、緩やかな回復基調で推移しました。また、世界経済につきましては、米国では個人消費の増加などから景気は回復が続いてきました。アジア地域においては、中国では景気は緩やかに減速し、タイやインドでは景気は弱い動きで推移しました。一方、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年3月以降の景気は世界的に厳しい状況にあります。
当社グループの主要な事業分野であります自動車関連市場においては、国内販売は、5,039千台で前期比4.2%の減少となりました。完成車輸出は、4,714千台で前期比2.5%の減少となりました。日本経済は、昨年10月以降、消費税10%への増税もあり、当社事業に影響を及ぼす国内自動車生産台数は伸び悩みました。
このような経営環境のもと、当社グループは持続可能な成長に向けて「真直ぐ」な姿勢の堅持、収益力の回復と向上、収益に繋がる新たな技術・商品の開発、ものづくり力の強化、安心・安全な会社、働きがいのある働きやすい職場づくりをグループの経営方針として掲げ、取り組みました。
近年、自動車関連市場では、グローバルでの競合他社との競争が激しさを増しており、当社グループの収益性に影響を与える大きな要因となっております。収益力の回復と向上は当社の重要な課題と認識しており、生産部門・販売部門・本社部門が一体となり、課題解決に取り組んでおります。
売上高は664,499百万円(前期比2.4%減)、営業利益は20,715百万円(前期比22.3%減)、経常利益は21,266百万円(前期比32.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失として減損損失4,687百万円、独占禁止法関連損失3,202百万円を計上したことから、4,612百万円(前期比35.1%減)となりました。
(2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況
新型コロナウイルス感染症の影響によるロックダウンに伴い、自動車メーカー各社が操業を停止したため、自動車関連事業の売上高が減少しております。日本、米欧、インド地域の会社は、業績に影響が生じておりますが、感染拡大による影響額を合理的に算定することは困難であります。なお、タイ、中国地域の会社の決算日は12月31日であるため、影響はございません。
[懸架ばね事業]
懸架ばね事業の売上高は126,332百万円(前期比2.0%減)、営業利益は2,708百万円(前期比56.3%減)となりました。
売上高は、前第4四半期に連結範囲に含めたNHKスプリングハンガリー社の増収はありましたが、タイ、米国、インドの数量減により懸架ばね事業全体で減収となりました。
営業利益はグローバルでの競合他社との競争激化を背景とする厳しい販売価格や合理化目的の設備投資増強に伴う償却費増により、減益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △26億円
固定費増減(償却費含む) △20億円
その他合理化ほか 12億円
[シート事業]
シート事業の売上高は302,573百万円(前期比0.2%減)、営業利益は6,960百万円(前期比56.9%増)となりました。
売上高は、主に中国の受注車種の数量減により減収となりましたが、営業利益は米国子会社の収支改善や各拠点での合理化が進んだことにより、増益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △15億円
固定費増減(償却費含む) 8億円
その他合理化ほか 32億円
[精密部品事業]
精密部品事業の売上高は142,982百万円(前期比6.5%減)、営業利益は6,243百万円(前期比36.2%減)となりました。
売上高は、米中貿易摩擦影響による自動車関連事業向け製品の数量減やHDDサスペンション市場の縮小影響により、減収となりました。また、営業利益は、数量減のほか伊那地区での設備投資など新規受注のための先行投資負担が重く、減益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △36億円
固定費増減(償却費含む) △11億円
その他合理化ほか 12億円
[産業機器ほか事業]
産業機器ほか事業の売上高は92,611百万円(前期比3.5%減)、営業利益は4,802百万円(前期比22.9%減)となりました。
売上高は、半導体市場縮小に伴う半導体プロセス部品の数量減により減収となりました。営業利益は、受注拡大対応のため宮田工場建設など先行投資の償却費増により減益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 6億円
固定費増減(償却費含む) △25億円
その他合理化ほか 5億円
(3)経営成績の分析
①売上高、営業利益
「(2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況」に記載のとおりです。
②営業外損益
営業外損益は、550百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ4,255百万円の減少となりました。為替レートの変動による為替差損が3,866百万円発生したことが主な要因となります。
③特別損益
特別損益は、減損損失および独占禁止法関連損失、非連結子会社に対する関係会社株式評価損などの計上により、9,052百万円の損失となり、前連結会計年度に比べ、2,288百万円の損失の減少となりました。
減損損失および独占禁止法関連損失の詳細につきましては、「第5[経理状況]連結損益計算書 [注記事項](連結損益計算書関係)」に記載のとおりです。
④法人税等
税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は、51.9%となり、前連結会計年度の56.3%と比べ減少いたしました。連結財務諸表提出会社の法定実効税率は30.4%でありますが、連結子会社における固定資産減損損失に係る将来減算一時差異に対する評価性引当額の計上や、損金不算入となる独占禁止法関連損失の計上などにより、税負担率との差が生じております。
⑤非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,691百万円に対し、1,256百万円となりました。
⑥親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、4,612百万円で前期比35.1%の減益となりました。1株当たり当期純利益は19.46円となり、前連結会計年度に比べ10.51円減少しました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は74,314百万円で前期比24.5%の減少となりました。
営業活動の結果得られた資金は36,621百万円で、前期と比べ173百万円の減少となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の減少により法人税等の支払額が減少した一方で、仕入債務が減少したことによるものです。
投資活動の結果支出した資金は45,809百万円で、前期と比べ3,510百万円の増加となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものです。
財務活動の結果支出した資金は16,950百万円で、前期と比べ24,278百万円の増加となりました。これは主に長期借入金の返済及び転換社債型新株予約権付社債の償還によるものです。
営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは△9,188百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ24,088百万円減少し、74,314百万円となりました。また、有利子負債は前期末に比べて10,623百万円減少し、57,591百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 懸架ばね事業 | 123,363 | △1.5 |
| シート事業 | 287,340 | 6.8 |
| 精密部品事業 | 153,142 | △6.6 |
| 産業機器ほか事業 | 31,883 | △9.5 |
| 合計 | 595,728 | 0.4 |
(注)1 上記の生産実績は、製造会社における生産実績を販売価額により表示しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前期比 (%) |
| 懸架ばね事業 | 116,410 | △10.9 | 19,147 | △34.1 |
| シート事業 | 285,735 | △6.0 | 33,034 | △33.8 |
| 精密部品事業 | 143,608 | △4.3 | 26,724 | 2.4 |
| 産業機器ほか事業 | 94,765 | 0.1 | 8,844 | 32.2 |
| 合計 | 640,519 | △5.7 | 87,751 | △21.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 懸架ばね事業 | 126,332 | △2.0 |
| シート事業 | 302,573 | △0.2 |
| 精密部品事業 | 142,982 | △6.5 |
| 産業機器ほか事業 | 92,611 | △3.5 |
| 合計 | 664,499 | △2.4 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額 (百万円) | 割合 (%) | 金額 (百万円) | 割合 (%) | |
| ㈱SUBARU | 60,944 | 8.95 | 68,294 | 10.28 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月26日)現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の報告金額、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り及び仮定を設定する必要があります。当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
① 収益の認識
当社グループの売上高は、通常、発注書に基づき顧客に対して製品が出荷された時点、又はサービスが提供された時点に計上されます。ある特定のケースでは、売買契約書で顧客の検査に合格することが要求されており、その場合には顧客が当社グループの製品を検収した時点で売上を計上しております。特許料収入は、ライセンシーからの特許料計算書に基づいて計上されます。
② 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に再建計画などを考慮したうえで、回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
新型コロナウイルス感染症の影響による一般債権の貸倒は当連結会計年度末時点では生じていないため、貸倒引当金の計上の際の貸倒実績率には含まれておりませんが、その後の経済環境の変化による貸倒率の増加や再建計画の変更により回収可能額が減少する可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループが有する固定資産について、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認しております。この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。
回収可能価額は、不動産鑑定結果などに基づく売却可能価額または将来の経営計画に基づく将来キャッシュ・フローの割引現在価値で算出しており、経済環境の変化などによる、時価の変動、経営計画との乖離、割引率の変動により、減損額の算定に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響については、減損の兆候の有無への大きな影響は与えていないものの、将来キャッシュ・フローの算出における仮定に対して影響を与えております。
当連結会計年度までに一部の連結子会社において、収益性の低下に伴う固定資産の減損処理を行ってまいりましたが、当連結会計年度末で得られていた将来の経営計画に基づく仮定に対して、その後の得意先の稼働調整などにより大きな差が生じているため、今後の固定資産の減損処理に影響を与える可能性があります。
④ 投資の減損
当社グループは、投資の評価にあたっては、時価の回復可能性があると認められる場合を除き、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に減損処理を実施し、下落率が30%以上50%未満の場合には時価の回復可能性の判定を行い、回復可能性がないと判断した場合は減損処理を行っております。
回復可能性の判断においては、帳簿価額を下回った期間の長さ及び下落幅、当該会社の財務状況及び将来の展望を考慮しますが、市場の変化や経済環境の変化などにより投資の評価額が影響を受ける可能性があります。
新型コロナウイルス感染症による影響に関して、特に上場有価証券の当連結会計年度末時点における時価の下落については、当連結会計年度の連結財務諸表に反映されておりますが、その後の市場や経済環境の変化による影響や非上場有価証券の純資産価値の下落が影響を与える可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたっては、連結会計年度末時点の将来減算一時差異に対して翌期以降で適用される法定実効税率を用いて計上しておりますが、将来的な課税当局による法定実効税率の変更により、繰延税金資産が増減し、利益を増減させる可能性があります。
また、繰延税金資産を回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来減算一時差異の解消スケジュール、将来の経営計画に基づく課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、経営環境・経営計画の変化により、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産の調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響については、次のとおりです。
日本地区においては、前連結会計年度までに一部の連結子会社において、収益性の低下に伴う繰延税金資産の取崩しを行ってまいりましたが、当連結会計年度末で得られていた将来の経営計画に基づく課税所得の計画に対して、その後の得意先の稼働調整などにより大きな差が生じているため、今後の繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
米欧地区においては、前連結会計年度までに評価性引当額を計上し繰延税金資産の全額取崩しを行っていることから、当連結会計年度および今後の経営成績への影響は軽微であります。
アジア地区においては、タイ・中国・マレーシアに所在する会社における決算日が12月31日であることから、当連結会計年度への影響はありませんが、今後の処理に影響を与える可能性があります。
⑥ 退職給付費用
当社グループにおける退職給付費用及び債務は、その計算の際に使われた仮定により変動いたします。これらの仮定には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の期待収益率及び死亡率などの要因が含まれております。
割引率は、国債などの低リスクの債券の利回りに基づいて設定しており、年金資産の期待収益率は、企業年金基金などの年金資産における長期の収益率を基に設定しております。
これらの仮定と実際の結果との差額は連結包括利益計算書を通じて即時認識されます。当社グループは使用した仮定が妥当なものだと考えておりますが、実績との差異又は仮定自体の変更により、退職給付費用及び退職給付に係る資産・負債に影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、株価の変動などにより、当連結会計年度末において年金資産の時価が下落し、退職給付に係る資産が減少いたしました。今後の年金資産の時価が変動する可能性や想定した収益率に達しない可能性があり、退職給付費用および退職給付に係る資産・負債に影響を与える可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。
② 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値向上のために、適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本としており、強固な財務体質及び高い資本効率を兼ね備えることが重要だと考えております。
当社グループは、自己資本比率の水準を50%程度に保つことで、「シングルA-」の信用格付(格付投資情報センター(R&I)による格付)を維持し、リスク耐性の強化を図ってまいります。
また、営業キャッシュ・フローによる債務償還能力に留意しつつ、金融機関からの外部借入を有効に活用し、資本コストの低減にも努めてまいります。
一方、株主還元についても、株主の皆様への利益配当を最重要事項と認識しており、連結業績及び配当性向等を総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本としております。2020年2月の当社取締役会において、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行し、資本効率を向上させ株主還元に資することを目的に、株式数で3,700千株、取得価額で3,000百万円を上限とした自己株式取得を決議し、取得を進めてまいりました。その結果、3,511千株、2,690百万円の自己株式を取得いたしました。今後も、純資産の効率的な運用を目指すための選択肢の一つとして、財務状況や事業環境などを考慮しながら、機動的な自己株式の取得を検討してまいります。
③ 資金調達の考え方
当社グループ製品製造のための材料及び部品、研究開発費等、事業活動にかかる運転資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については、コマーシャル・ペーパーや銀行借入によって、連結売上高の1.5~2ヶ月分を目安に流動性の保持を図ります。
設備投資資金については、設備投資計画に基づき、国内外での資金調達について、市場金利動向や為替動向、あるいは既存借入金の返済時期等を総合的に勘案し、銀行借入及び社債の発行等によって資金を賄っております。
また、当社グループでは、グループ間融資によって資金融通を行う事で資金効率を高めております。一部の海外関係会社については、現地金融機関より各社の使用する現地通貨にて調達をしております。その際、当社が関係会社の借入に対し債務保証の差入れを行うことがあります。
なお、新型コロナウィルス感染症の影響が長期化した場合に備えて、コミットメントライン契約の増額及び当座貸越枠の増額等、資金調達枠の確保に努めてまいります。