有価証券報告書-第100期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、企業理念を経営の基本方針として、常にお客様に魅力ある商品・サービスを提供して健全な成長を図ることにより、お客様、株主の皆様、協力先をはじめ社会から常にベストと認められる企業集団を目指しております。
企業理念の背景として、当社は自動車関連事業と情報通信関連事業の二大事業構造の確立を経営戦略の主眼とし、自動車部品分野で長年培った「ばねの挙動解析」「金属材料ノウハウ」「金属加工技術」に、情報通信部品分野における「精密・微細加工技術」などの新しいコアコンピタンスを加えた次世代技術を駆使し、自動車及び情報通信分野へ多くのキーパーツを提供することにより、企業の永続と企業価値を最大化することを目標としております。
今後も世界最適調達がますます進むものと見込まれる自動車産業・情報通信産業において、顧客対応力に優れたグローバルサプライヤーとしての確固たる地位を築くと同時に、全てのステークホルダーの方々と良好な関係を維持できるよう努めてまいります。
(2)経営戦略等
当社グループでは、2020年度を最終年度とする中期経営計画「2020中計」を2017年度にスタートさせました。この「2020中計」におきまして、既存拠点の収益向上と海外拠点の充実、現製品の拡販による売上増により、新製品・新拠点に対する積極的な設備投資を継続しつつ、最高益の更新を目標としました。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「2020中計」で2020年度の経営目標を下記の表のとおり定めております。
2020年度目標経営指標
主な前提条件:全世界自動車生産台数105百万台、HDD生産台数300百万台、105円/米$
(4)経営環境
当連結会計年度におきまして、世界経済は米中貿易摩擦、地政学的リスク等により経済成長が鈍化し、成長率もリーマンショック以来の低水準となりました。国内経済は、世界経済減速の影響で弱まった外需を堅調な内需が補い、かろうじて回復基調を維持してきましたが、10月の消費税率引き上げを機に転換期にさしかかり、さらに新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、一気に景気が下押しされております。
このようなグローバルな経済の減速、景気後退の影響を受け、当連結会計年度の自動車生産台数は、以下のとおり、軒並み前年を下回っており、当社グループの主要な事業分野であります自動車関連事業につきましても影響は不可避な状況にあります。
全世界:89,421千台(前年比△8.8%)、内日系 28,262千台(前年比△6.3%)
国別 :日本国内 9,476千台(前年比△1.9%)、北米(米国・カナダ)12,132千台(前年比△9.0%)、内日系 4,453千台(前年比△2.0%)
メキシコ 3,857千台(前年比△5.7%)、内日系 1,161千台(前年比△13.5%)
中国 25,656千台(前年比△10.7%)、内日系 4,593千台(前年比△6.6%)
タイ 2,030千台(前年比△6.5%)、内日系 1,855千台(前年比△6.4%)
*上記台数は各拠点の決算期に応じた集計
競合他社との受注競争は激しさを増しており、また自動車メーカー各社からの価格協力要請もあり、受注価格は引き続き厳しいものとなっております。
なお、当社グループの財務数値に対する新型コロナウイルス感染症の影響につきまして、日本国内は企業の生産調整、稼働調整が2020年4月以降となりましたので、当連結会計年度への影響は軽微なものにとどまっております。一方、米欧では、ロックダウンによる得意先の稼働調整が2020年3月半ばから始まりましたことを受け、2020年3月の当社グループ米欧拠点の売上高は想定に対し30%程度落ち込んでおりますが、メキシコ、中国、タイ、マレーシアの拠点は決算日が12月31日であるため、当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受けておりません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
<懸架ばね事業>ばね事業はグローバル市場において事業環境が大きく変化してきており、特に米国、中国などの保護主義の拡大とその対立が世界経済や材料調達にも影響を及ぼしております。加えて、日本、米欧をはじめ競合他社の参入によりグローバル市場において価格競争が益々厳しくなってきております。米欧拠点につきまして、省人化等による収益改善を目的とした設備投資が当初の計画通りに成果を出せておらず、さらに競争激化の影響もあって、収益力が低下しております。この米欧拠点の収益力の回復を懸架ばね事業の最重要課題として対応をしてまいります。
さらに、電動化、自動運転車両への対応として、懸架ばねの需要そのものには大きな影響は無いと考えておりますが、軽量化、高品質化のニーズが一層高まっております。このニーズに対応すべく、加工技術の開発、新鋼種の開発等を進めてまいります。主にハイブリッド自動車等に使用されるブレーキ用アキュムレータにつきましては、軽量化を図った新世代製品の本格量産を開始いたしました。
<シート事業>競争激化の影響、海外拠点の人件費上昇等による固定費増により従来のレベルの収益を確保することが難しくなっておりますが、VA等の推進による原価低減、生産性の改善等により収益力の強化に努めてまいります。
また、2021年度上期稼働開始を計画しております米国NHKシーティングオブアメリカ社新工場につきましては、スムーズな稼働開始を図るべく準備を進めてまいります。
当該事業におきましても、現状での軽量化のニーズは大きく、これは電動化、自動運転車両にもつながるニーズと考えております。乗り心地を向上させ軽量化を図るべく開発を継続しております。
<精密部品事業>自動車関連事業につきましては、トランスミッション関連の線ばねの需要増を見込み、長野県伊那地区において能力増強を進めてまいりましたが、中国市場の伸びの弱さ等により計画通りの受注を確保できず、固定費の負担が増える結果となっております。今後、既存設備と新規設備との生産の最適化を図り、収益力の向上を目指してまいります。また、電動化のキーパーツであるモーターの部品としてモーターコアの納入を行っております。工法の見直し等を進め、収益力の向上に努め、採算性を見極めながら拡販による事業規模拡大を進めてまいります。
情報通信関連事業のHDD用サスペンションにつきましては、開発力・技術力・品質によりお客様の信頼を得ております。今後も高容量化は進み、サスペンションに要求される機能が高まり、かつ需要も増加すると考えております。引き続き開発力・技術力・品質を維持しつつ、適切な能力増強対応を行い収益確保に努めてまいります。さらなる競争力向上を目指し、AIを活用したAOIの導入も検討中であります。
<産業機器ほか事業>半導体プロセス部品につきましては、将来的な需要拡大に対応するため、2017年度に宮田工場の建設を決定し2019年度稼働を目標に進めてまいりました。しかしながら2019年度はシリコンサイクルの影響で一時的に需要が低迷したため稼働を延期いたしました。今後、需要の回復を見込んでおりますので、宮田工場をスムーズに稼働開始し、既存工場との最適配分による収益力向上に取り組んでまいります。
<事業全般>2020年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大が世界的な景気の下押し要因となると想定しております。受注状況に合わせた適切な生産対応、固定費等の効率的なコントロールに努めてまいります。
当社グループは、公正取引委員会及び米国司法省から独占禁止法違反の被疑を受け、2018年2月に、公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。また、2019年7月に、米国シャーマン法(独占禁止法)に違反したとして、罰金を支払うこと等を内容とする司法取引契約を米国司法省と合意した後、略式裁判による判決が確定し、当連結会計年度に31億円の罰金の支払いを行いました。この度の命令及び判決を厳粛かつ真摯に受け止め、改めて企業倫理の重要性を認識し、独占禁止法をはじめとする法令順守に関する社内研修やモニタリング体制の一層の強化・充実を進め、再発防止、コーポレートガバナンスの充実、法令順守のさらなる徹底に努めてまいります。
(1)経営方針
当社グループは、企業理念を経営の基本方針として、常にお客様に魅力ある商品・サービスを提供して健全な成長を図ることにより、お客様、株主の皆様、協力先をはじめ社会から常にベストと認められる企業集団を目指しております。
| 当社の企業理念 |
| グローバルな視野に立ち、常に新しい考え方と行動で企業の成長をめざすと共に、魅力ある企業集団の実現を通じて豊かな社会の発展に貢献する。 |
企業理念の背景として、当社は自動車関連事業と情報通信関連事業の二大事業構造の確立を経営戦略の主眼とし、自動車部品分野で長年培った「ばねの挙動解析」「金属材料ノウハウ」「金属加工技術」に、情報通信部品分野における「精密・微細加工技術」などの新しいコアコンピタンスを加えた次世代技術を駆使し、自動車及び情報通信分野へ多くのキーパーツを提供することにより、企業の永続と企業価値を最大化することを目標としております。
今後も世界最適調達がますます進むものと見込まれる自動車産業・情報通信産業において、顧客対応力に優れたグローバルサプライヤーとしての確固たる地位を築くと同時に、全てのステークホルダーの方々と良好な関係を維持できるよう努めてまいります。
(2)経営戦略等
当社グループでは、2020年度を最終年度とする中期経営計画「2020中計」を2017年度にスタートさせました。この「2020中計」におきまして、既存拠点の収益向上と海外拠点の充実、現製品の拡販による売上増により、新製品・新拠点に対する積極的な設備投資を継続しつつ、最高益の更新を目標としました。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「2020中計」で2020年度の経営目標を下記の表のとおり定めております。
2020年度目標経営指標
| 2020年度 目 標 | |
| 売上高 | 7,100億円 |
| 営業利益 | 540億円 |
| 経常利益 | 570億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 380億円 |
| 経常利益率 | 8%以上 |
| ROE | 10%以上 |
| 配当性向 | 30%程度 |
主な前提条件:全世界自動車生産台数105百万台、HDD生産台数300百万台、105円/米$
(4)経営環境
当連結会計年度におきまして、世界経済は米中貿易摩擦、地政学的リスク等により経済成長が鈍化し、成長率もリーマンショック以来の低水準となりました。国内経済は、世界経済減速の影響で弱まった外需を堅調な内需が補い、かろうじて回復基調を維持してきましたが、10月の消費税率引き上げを機に転換期にさしかかり、さらに新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、一気に景気が下押しされております。
このようなグローバルな経済の減速、景気後退の影響を受け、当連結会計年度の自動車生産台数は、以下のとおり、軒並み前年を下回っており、当社グループの主要な事業分野であります自動車関連事業につきましても影響は不可避な状況にあります。
全世界:89,421千台(前年比△8.8%)、内日系 28,262千台(前年比△6.3%)
国別 :日本国内 9,476千台(前年比△1.9%)、北米(米国・カナダ)12,132千台(前年比△9.0%)、内日系 4,453千台(前年比△2.0%)
メキシコ 3,857千台(前年比△5.7%)、内日系 1,161千台(前年比△13.5%)
中国 25,656千台(前年比△10.7%)、内日系 4,593千台(前年比△6.6%)
タイ 2,030千台(前年比△6.5%)、内日系 1,855千台(前年比△6.4%)
*上記台数は各拠点の決算期に応じた集計
競合他社との受注競争は激しさを増しており、また自動車メーカー各社からの価格協力要請もあり、受注価格は引き続き厳しいものとなっております。
なお、当社グループの財務数値に対する新型コロナウイルス感染症の影響につきまして、日本国内は企業の生産調整、稼働調整が2020年4月以降となりましたので、当連結会計年度への影響は軽微なものにとどまっております。一方、米欧では、ロックダウンによる得意先の稼働調整が2020年3月半ばから始まりましたことを受け、2020年3月の当社グループ米欧拠点の売上高は想定に対し30%程度落ち込んでおりますが、メキシコ、中国、タイ、マレーシアの拠点は決算日が12月31日であるため、当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受けておりません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
<懸架ばね事業>ばね事業はグローバル市場において事業環境が大きく変化してきており、特に米国、中国などの保護主義の拡大とその対立が世界経済や材料調達にも影響を及ぼしております。加えて、日本、米欧をはじめ競合他社の参入によりグローバル市場において価格競争が益々厳しくなってきております。米欧拠点につきまして、省人化等による収益改善を目的とした設備投資が当初の計画通りに成果を出せておらず、さらに競争激化の影響もあって、収益力が低下しております。この米欧拠点の収益力の回復を懸架ばね事業の最重要課題として対応をしてまいります。
さらに、電動化、自動運転車両への対応として、懸架ばねの需要そのものには大きな影響は無いと考えておりますが、軽量化、高品質化のニーズが一層高まっております。このニーズに対応すべく、加工技術の開発、新鋼種の開発等を進めてまいります。主にハイブリッド自動車等に使用されるブレーキ用アキュムレータにつきましては、軽量化を図った新世代製品の本格量産を開始いたしました。
<シート事業>競争激化の影響、海外拠点の人件費上昇等による固定費増により従来のレベルの収益を確保することが難しくなっておりますが、VA等の推進による原価低減、生産性の改善等により収益力の強化に努めてまいります。
また、2021年度上期稼働開始を計画しております米国NHKシーティングオブアメリカ社新工場につきましては、スムーズな稼働開始を図るべく準備を進めてまいります。
当該事業におきましても、現状での軽量化のニーズは大きく、これは電動化、自動運転車両にもつながるニーズと考えております。乗り心地を向上させ軽量化を図るべく開発を継続しております。
<精密部品事業>自動車関連事業につきましては、トランスミッション関連の線ばねの需要増を見込み、長野県伊那地区において能力増強を進めてまいりましたが、中国市場の伸びの弱さ等により計画通りの受注を確保できず、固定費の負担が増える結果となっております。今後、既存設備と新規設備との生産の最適化を図り、収益力の向上を目指してまいります。また、電動化のキーパーツであるモーターの部品としてモーターコアの納入を行っております。工法の見直し等を進め、収益力の向上に努め、採算性を見極めながら拡販による事業規模拡大を進めてまいります。
情報通信関連事業のHDD用サスペンションにつきましては、開発力・技術力・品質によりお客様の信頼を得ております。今後も高容量化は進み、サスペンションに要求される機能が高まり、かつ需要も増加すると考えております。引き続き開発力・技術力・品質を維持しつつ、適切な能力増強対応を行い収益確保に努めてまいります。さらなる競争力向上を目指し、AIを活用したAOIの導入も検討中であります。
<産業機器ほか事業>半導体プロセス部品につきましては、将来的な需要拡大に対応するため、2017年度に宮田工場の建設を決定し2019年度稼働を目標に進めてまいりました。しかしながら2019年度はシリコンサイクルの影響で一時的に需要が低迷したため稼働を延期いたしました。今後、需要の回復を見込んでおりますので、宮田工場をスムーズに稼働開始し、既存工場との最適配分による収益力向上に取り組んでまいります。
<事業全般>2020年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大が世界的な景気の下押し要因となると想定しております。受注状況に合わせた適切な生産対応、固定費等の効率的なコントロールに努めてまいります。
当社グループは、公正取引委員会及び米国司法省から独占禁止法違反の被疑を受け、2018年2月に、公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。また、2019年7月に、米国シャーマン法(独占禁止法)に違反したとして、罰金を支払うこと等を内容とする司法取引契約を米国司法省と合意した後、略式裁判による判決が確定し、当連結会計年度に31億円の罰金の支払いを行いました。この度の命令及び判決を厳粛かつ真摯に受け止め、改めて企業倫理の重要性を認識し、独占禁止法をはじめとする法令順守に関する社内研修やモニタリング体制の一層の強化・充実を進め、再発防止、コーポレートガバナンスの充実、法令順守のさらなる徹底に努めてまいります。