有価証券報告書-第101期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度は、日本、米国において、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気は厳しい状況で推移しましたが、後半より持ち直しつつあります。
中国でも同様の影響から経済活動は大幅に縮小しましたが、他の地域に比べ早期に景気は持ち直しています。一方で、タイの景気は、下げ止まりつつあるものの厳しい状況が続きました。
当社グループの主要な事業分野である自動車関連市場においては、国内の自動車生産台数は7,745千台で前期比15.7%の減少となりました。また、北米(米国・カナダ)においては10,220千台で前期比17.9%の減少、中国では25,048千台で前期比3.2%の減少、タイでは1,412千台で前期比30.4%の減少となりました(いずれも台数は各拠点の決算期に応じた集計)。
もう一方の主要な事業分野である情報通信関連市場につきましては、HDD(ハードディスクドライブ)の世界生産台数は前期比で減少しましたが、高容量のデータセンター向けが堅調に推移したことにより、当社の主力製品であるサスペンションの総需要は増加いたしました。
このような経営環境のもと、当社グループは持続可能な成長に向けて「真直ぐ」な姿勢の堅持、収益力の向上、収益に繋がる新たな技術・商品の開発、ものづくり力強化のスピードアップ、安心・安全な会社、働きがいのある働きやすい職場づくりをグループの経営方針として掲げ、取り組みました。
近年、自動車関連市場では、グローバルでの競合他社との競争が激しさを増しており、当社グループの収益性に影響を与える大きな要因となっております。収益力の回復と向上は当社グループの重要な課題と認識しており、生産部門・販売部門・本社部門が一体となり、課題解決に取り組んでおります。
以上の事業環境及びグループ内の取り組みの結果、売上高は572,639百万円(前期比13.8%減)、営業利益は10,463百万円(前期比49.5%減)、経常利益は14,533百万円(前期比31.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,396百万円(前期比103.7%増)となりました。
(2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況
新型コロナウイルス感染症によるロックダウンに伴い自動車メーカーが操業停止したこと、需要低迷及び半導体供給不足を背景とする生産調整により自動車生産台数が減少したことから、自動車関連事業の売上高は前期に比べ減少しております。
一方、HDD関連部品においてデータセンター向けが堅調に推移したこと、市場拡大に伴い半導体プロセス部品が好調に推移したことから、情報通信関連事業の売上高は前期に比べ増加しております。
[懸架ばね事業]
懸架ばね事業の売上高は102,071百万円(前期比19.2%減)、営業損失は4,687百万円(前期は営業利益2,708百万円)となりました。
売上高については、新型コロナウイルス感染症拡大、需要低迷及び半導体供給不足の影響を受けて自動車メーカー各社が生産調整を実施し、自動車生産台数が減少したことで減収となりました。営業損益については、固定費削減に取り組んだものの、減収による影響が大きく事業全体で減益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △164億円
固定費増減(償却費含む) 74億円
合理化ほか 17億円
[シート事業]
シート事業の売上高は242,514百万円(前期比19.8%減)、営業利益は1,972百万円(前期比71.7%減)となりました。
売上高は、懸架ばね事業と同様の状況により減収となりました。また営業利益についても懸架ばね事業と同様の状況により減益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △131億円
固定費増減(償却費含む) 46億円
合理化ほか 35億円
[精密部品事業]
精密部品事業の売上高は138,529百万円(前期比3.1%減)、営業利益は6,833百万円(前期比9.4%増)となりました。
売上高については、HDD関連部品は堅調に推移したものの、自動車生産台数の減少による自動車関連事業の減収影響が大きく、事業全体で減収となりました。営業利益については、自動車関連事業の減収影響がある一方、HDD関連部品が堅調に推移したこと、固定費削減効果等により事業全体で増益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △45億円
固定費増減(償却費含む) 48億円
合理化ほか 3億円
[産業機器ほか事業]
産業機器ほか事業の売上高は89,523百万円(前期比3.3%減)、営業利益は6,344百万円(前期比32.1%増)となりました。
売上高については、半導体プロセス部品は好調に推移したものの、自動車関連事業の減収影響が大きく、事業全体で減収となりました。営業利益については、自動車関連事業の減収影響がある一方、半導体プロセス部品が好調に推移したこと、固定費削減効果等により事業全体で増益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △4億円
固定費増減(償却費含む) 10億円
合理化ほか 9億円
(3)経営成績の分析
①売上高、営業利益
「(2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況」に記載のとおりです。
②営業外損益
営業外損益は、4,069百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ3,518百万円の増加となりました。為替レートの変動による為替差損がなくなった一方で、為替差益が1,229百万円発生したことが主な要因となります。
③特別損益
特別損益は、225百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ9,278百万円の損益改善となりました。独占禁止法関連損失の計上がなくなり、減損損失が大きく減少したほか、投資有価証券売却益を計上したことが主な要因となります。
減損損失及び前期に計上した独占禁止法関連損失の詳細につきましては、「第5[経理の状況]連結損益計算書の[注記事項](連結損益計算書関係)」をご参照ください。
④法人税等
税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は29.2%となり、前連結会計年度の51.9%と比べ大きく減少いたしました。連結子会社における固定資産減損損失に係る将来減算一時差異に対する評価性引当額の計上が大きく減少したことや、損金不算入となる独占禁止法関連損失の計上がなくなったことにより、負担率が大きく減少いたしました。
⑤非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,256百万円に対し1,044百万円となりました。
⑥親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は9,396百万円で、前期比103.7%の増益となりました。1株当たり当期純利益は40.45円となり、前連結会計年度に比べ20.99円増加しました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は78,986百万円で前期比6.3%の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上により、29,636百万円の増加(前期は36,621百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出により、24,107百万円の減少(前期は45,809百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に新型コロナウイルス感染症の拡大に備えた手元流動性確保のための短期借入れにより、2,792百万円の増加(前期は16,950百万円の減少)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは5,528百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前期末に比べ4,671百万円増加し、78,986百万円となりました。また、有利子負債は69,264百万円と前期末に比べて11,673百万円増加しました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記の生産実績は、製造会社における生産実績を販売価額により表示しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)前連結会計年度に記載しております株式会社SUBARUについては、当連結会計年度においては当該割合が100分の10未満であったため、記載を省略しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月28日)現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の報告金額、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り及び仮定を設定する必要があります。当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
また、当連結会計年度末時点において行った重要な会計上の見積もりのうち、翌年度以降の連結財務諸表に特に重要な影響を及ぼすリスクがあると考えている項目については、「第5[経理の状況](重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
① 収益の認識
当社グループの売上高は、原則として顧客が当社グループの製品を検収した時点、又はサービスの提供が完了した時点に計上されます。
② 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に再建計画などを考慮した上で、回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
新型コロナウイルス感染症の影響による一般債権の貸倒は当連結会計年度末時点では生じていないため、貸倒引当金の計上の際の貸倒実績率には含まれておりませんが、その後の経済環境の変化による貸倒率の増加や再建計画の変更により回収可能額が減少する可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループが有する固定資産について、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認しております。この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。
回収可能価額は、不動産鑑定結果などに基づく売却可能価額又は将来の経営計画に基づく将来キャッシュ・フローの割引現在価値で算出しており、経済環境の変化などによる、時価の変動、経営計画との乖離、割引率の変動により、減損額の算定に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による自動車生産台数の減少に関して、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、2022年3月期の一定期間にわたり当影響が引き続き影響するものとの仮定に基づいております。これらの仮定に対して、その後の得意先の稼働調整などにより大きな差が生じた場合には、今後の固定資産の減損処理に影響を与える可能性があります。
④ 投資の減損
当社グループは、投資の評価にあたっては、時価の回復可能性があると認められる場合を除き、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に減損処理を実施し、下落率が30%以上50%未満の場合には時価の回復可能性の判定を行い、回復可能性がないと判断した場合は減損処理を行っております。
回復可能性の判断においては、帳簿価額を下回った期間の長さ及び下落幅、当該会社の財務状況及び将来の展望を考慮しますが、市場の変化や経済環境の変化などにより投資の評価額が影響を受ける可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたっては、連結会計年度末時点の将来減算一時差異に対して翌期以降で適用される法定実効税率を用いて計上しておりますが、将来的な課税当局による法定実効税率の変更により、繰延税金資産が増減し、利益を増減させる可能性があります。
また、繰延税金資産を、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来減算一時差異の解消スケジュール、将来の経営計画に基づく課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、経営環境・経営計画の変化により、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産の調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による自動車生産台数の減少に関して、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、2022年3月期の一定期間にわたり当影響が引き続き継続するものとの仮定に基づいております。これらの仮定に対して、その後の得意先の稼働調整などにより大きな差が生じた場合には、今後の繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
⑥ 退職給付費用
当社グループにおける退職給付費用及び債務は、その計算の際に使われた仮定により変動いたします。これらの仮定には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の期待収益率及び死亡率などの要因が含まれております。
割引率は、国債などの低リスクの債券の利回りに基づいて設定しており、年金資産の期待収益率は、企業年金基金などの年金資産における長期の収益率を基に設定しております。
これらの仮定と実際の結果との差額や、年金資産の時価の増減による影響は連結包括利益計算書を通じて即時認識されます。当社グループは使用した仮定が妥当なものであると考えておりますが、実績との差異又は仮定自体の変更により、退職給付費用及び退職給付に係る資産・負債に影響を与える可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。
② 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値向上のために、適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本としており、強固な財務体質及び高い資本効率を兼ね備えることが重要だと考えております。
当社グループは、自己資本比率の水準を50%程度に保つことで、「シングルA-」の信用格付(格付投資情報センター(R&I)による格付)を維持し、リスク耐性の強化を図ってまいります。
また、営業キャッシュ・フローによる債務償還能力に留意しつつ、金融機関からの外部借入を有効に活用し、資本コストの低減にも努めてまいります。
一方、株主還元については、株主の皆様への利益配当を最重要事項と認識しており、連結業績及び配当性向等を総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本としております。2020年12月の当社取締役会において、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行し、資本効率を向上させ株主還元に資することを目的に、株式数で5,559千株、取得価額で4,085百万円の自己株式取得を決議し、取得いたしました。今後も、純資産の効率的な運用を目指すための選択肢の一つとして、財務状況や事業環境などを考慮しながら、機動的な自己株式の取得を検討してまいります。
③ 資金調達の考え方
当社グループ製品製造のための材料及び部品、研究開発費等、事業活動に係る運転資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については、コマーシャル・ペーパーや銀行借入によって、連結売上高の1.5~2ヶ月分を目安に流動性の保持を図ります。
設備投資資金については、設備投資計画に基づき、国内外での資金調達について、市場金利動向や為替動向、あるいは既存借入金の返済時期等を総合的に勘案し、銀行借入及び社債の発行等によって資金を賄っております。
また、当社グループでは、グループ間融資によって資金融通を行う事で資金効率を高めております。一部の海外関係会社については、現地金融機関より各社の使用する現地通貨にて調達をしております。その際、当社が関係会社の借入に対し債務保証の差入れを行うことがあります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に加え、足下では半導体の供給不足による影響が懸念されておりますが、コミットメントライン契約及び当座貸越枠により手元流動性を確保する体制を整えております。今後も、非常時に備えた資金調達枠の確保に努めてまいります。
(1)業績
当連結会計年度は、日本、米国において、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気は厳しい状況で推移しましたが、後半より持ち直しつつあります。
中国でも同様の影響から経済活動は大幅に縮小しましたが、他の地域に比べ早期に景気は持ち直しています。一方で、タイの景気は、下げ止まりつつあるものの厳しい状況が続きました。
当社グループの主要な事業分野である自動車関連市場においては、国内の自動車生産台数は7,745千台で前期比15.7%の減少となりました。また、北米(米国・カナダ)においては10,220千台で前期比17.9%の減少、中国では25,048千台で前期比3.2%の減少、タイでは1,412千台で前期比30.4%の減少となりました(いずれも台数は各拠点の決算期に応じた集計)。
もう一方の主要な事業分野である情報通信関連市場につきましては、HDD(ハードディスクドライブ)の世界生産台数は前期比で減少しましたが、高容量のデータセンター向けが堅調に推移したことにより、当社の主力製品であるサスペンションの総需要は増加いたしました。
このような経営環境のもと、当社グループは持続可能な成長に向けて「真直ぐ」な姿勢の堅持、収益力の向上、収益に繋がる新たな技術・商品の開発、ものづくり力強化のスピードアップ、安心・安全な会社、働きがいのある働きやすい職場づくりをグループの経営方針として掲げ、取り組みました。
近年、自動車関連市場では、グローバルでの競合他社との競争が激しさを増しており、当社グループの収益性に影響を与える大きな要因となっております。収益力の回復と向上は当社グループの重要な課題と認識しており、生産部門・販売部門・本社部門が一体となり、課題解決に取り組んでおります。
以上の事業環境及びグループ内の取り組みの結果、売上高は572,639百万円(前期比13.8%減)、営業利益は10,463百万円(前期比49.5%減)、経常利益は14,533百万円(前期比31.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,396百万円(前期比103.7%増)となりました。
(2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況
新型コロナウイルス感染症によるロックダウンに伴い自動車メーカーが操業停止したこと、需要低迷及び半導体供給不足を背景とする生産調整により自動車生産台数が減少したことから、自動車関連事業の売上高は前期に比べ減少しております。
一方、HDD関連部品においてデータセンター向けが堅調に推移したこと、市場拡大に伴い半導体プロセス部品が好調に推移したことから、情報通信関連事業の売上高は前期に比べ増加しております。
[懸架ばね事業]
懸架ばね事業の売上高は102,071百万円(前期比19.2%減)、営業損失は4,687百万円(前期は営業利益2,708百万円)となりました。
売上高については、新型コロナウイルス感染症拡大、需要低迷及び半導体供給不足の影響を受けて自動車メーカー各社が生産調整を実施し、自動車生産台数が減少したことで減収となりました。営業損益については、固定費削減に取り組んだものの、減収による影響が大きく事業全体で減益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △164億円
固定費増減(償却費含む) 74億円
合理化ほか 17億円
[シート事業]
シート事業の売上高は242,514百万円(前期比19.8%減)、営業利益は1,972百万円(前期比71.7%減)となりました。
売上高は、懸架ばね事業と同様の状況により減収となりました。また営業利益についても懸架ばね事業と同様の状況により減益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △131億円
固定費増減(償却費含む) 46億円
合理化ほか 35億円
[精密部品事業]
精密部品事業の売上高は138,529百万円(前期比3.1%減)、営業利益は6,833百万円(前期比9.4%増)となりました。
売上高については、HDD関連部品は堅調に推移したものの、自動車生産台数の減少による自動車関連事業の減収影響が大きく、事業全体で減収となりました。営業利益については、自動車関連事業の減収影響がある一方、HDD関連部品が堅調に推移したこと、固定費削減効果等により事業全体で増益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △45億円
固定費増減(償却費含む) 48億円
合理化ほか 3億円
[産業機器ほか事業]
産業機器ほか事業の売上高は89,523百万円(前期比3.3%減)、営業利益は6,344百万円(前期比32.1%増)となりました。
売上高については、半導体プロセス部品は好調に推移したものの、自動車関連事業の減収影響が大きく、事業全体で減収となりました。営業利益については、自動車関連事業の減収影響がある一方、半導体プロセス部品が好調に推移したこと、固定費削減効果等により事業全体で増益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △4億円
固定費増減(償却費含む) 10億円
合理化ほか 9億円
(3)経営成績の分析
①売上高、営業利益
「(2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況」に記載のとおりです。
②営業外損益
営業外損益は、4,069百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ3,518百万円の増加となりました。為替レートの変動による為替差損がなくなった一方で、為替差益が1,229百万円発生したことが主な要因となります。
③特別損益
特別損益は、225百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ9,278百万円の損益改善となりました。独占禁止法関連損失の計上がなくなり、減損損失が大きく減少したほか、投資有価証券売却益を計上したことが主な要因となります。
減損損失及び前期に計上した独占禁止法関連損失の詳細につきましては、「第5[経理の状況]連結損益計算書の[注記事項](連結損益計算書関係)」をご参照ください。
④法人税等
税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は29.2%となり、前連結会計年度の51.9%と比べ大きく減少いたしました。連結子会社における固定資産減損損失に係る将来減算一時差異に対する評価性引当額の計上が大きく減少したことや、損金不算入となる独占禁止法関連損失の計上がなくなったことにより、負担率が大きく減少いたしました。
⑤非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,256百万円に対し1,044百万円となりました。
⑥親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は9,396百万円で、前期比103.7%の増益となりました。1株当たり当期純利益は40.45円となり、前連結会計年度に比べ20.99円増加しました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は78,986百万円で前期比6.3%の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上により、29,636百万円の増加(前期は36,621百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出により、24,107百万円の減少(前期は45,809百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に新型コロナウイルス感染症の拡大に備えた手元流動性確保のための短期借入れにより、2,792百万円の増加(前期は16,950百万円の減少)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは5,528百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前期末に比べ4,671百万円増加し、78,986百万円となりました。また、有利子負債は69,264百万円と前期末に比べて11,673百万円増加しました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 懸架ばね事業 | 98,398 | △20.2 |
| シート事業 | 226,759 | △21.1 |
| 精密部品事業 | 149,462 | △2.4 |
| 産業機器ほか事業 | 33,010 | 3.5 |
| 合計 | 507,631 | △14.8 |
(注)1 上記の生産実績は、製造会社における生産実績を販売価額により表示しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前期比 (%) |
| 懸架ばね事業 | 106,377 | △8.6 | 23,453 | 22.5 |
| シート事業 | 267,511 | △6.4 | 58,031 | 75.7 |
| 精密部品事業 | 141,464 | △1.5 | 29,659 | 11.0 |
| 産業機器ほか事業 | 88,624 | △6.5 | 7,946 | △10.2 |
| 合計 | 603,978 | △5.7 | 119,091 | 35.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 懸架ばね事業 | 102,071 | △19.2 |
| シート事業 | 242,514 | △19.8 |
| 精密部品事業 | 138,529 | △3.1 |
| 産業機器ほか事業 | 89,523 | △3.3 |
| 合計 | 572,639 | △13.8 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額 (百万円) | 割合 (%) | 金額 (百万円) | 割合 (%) | |
| ㈱SUBARU | 68,294 | 10.28 | - | - |
(注)前連結会計年度に記載しております株式会社SUBARUについては、当連結会計年度においては当該割合が100分の10未満であったため、記載を省略しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月28日)現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の報告金額、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り及び仮定を設定する必要があります。当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
また、当連結会計年度末時点において行った重要な会計上の見積もりのうち、翌年度以降の連結財務諸表に特に重要な影響を及ぼすリスクがあると考えている項目については、「第5[経理の状況](重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
① 収益の認識
当社グループの売上高は、原則として顧客が当社グループの製品を検収した時点、又はサービスの提供が完了した時点に計上されます。
② 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に再建計画などを考慮した上で、回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
新型コロナウイルス感染症の影響による一般債権の貸倒は当連結会計年度末時点では生じていないため、貸倒引当金の計上の際の貸倒実績率には含まれておりませんが、その後の経済環境の変化による貸倒率の増加や再建計画の変更により回収可能額が減少する可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループが有する固定資産について、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認しております。この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。
回収可能価額は、不動産鑑定結果などに基づく売却可能価額又は将来の経営計画に基づく将来キャッシュ・フローの割引現在価値で算出しており、経済環境の変化などによる、時価の変動、経営計画との乖離、割引率の変動により、減損額の算定に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による自動車生産台数の減少に関して、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、2022年3月期の一定期間にわたり当影響が引き続き影響するものとの仮定に基づいております。これらの仮定に対して、その後の得意先の稼働調整などにより大きな差が生じた場合には、今後の固定資産の減損処理に影響を与える可能性があります。
④ 投資の減損
当社グループは、投資の評価にあたっては、時価の回復可能性があると認められる場合を除き、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に減損処理を実施し、下落率が30%以上50%未満の場合には時価の回復可能性の判定を行い、回復可能性がないと判断した場合は減損処理を行っております。
回復可能性の判断においては、帳簿価額を下回った期間の長さ及び下落幅、当該会社の財務状況及び将来の展望を考慮しますが、市場の変化や経済環境の変化などにより投資の評価額が影響を受ける可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたっては、連結会計年度末時点の将来減算一時差異に対して翌期以降で適用される法定実効税率を用いて計上しておりますが、将来的な課税当局による法定実効税率の変更により、繰延税金資産が増減し、利益を増減させる可能性があります。
また、繰延税金資産を、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来減算一時差異の解消スケジュール、将来の経営計画に基づく課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、経営環境・経営計画の変化により、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産の調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による自動車生産台数の減少に関して、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、2022年3月期の一定期間にわたり当影響が引き続き継続するものとの仮定に基づいております。これらの仮定に対して、その後の得意先の稼働調整などにより大きな差が生じた場合には、今後の繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
⑥ 退職給付費用
当社グループにおける退職給付費用及び債務は、その計算の際に使われた仮定により変動いたします。これらの仮定には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の期待収益率及び死亡率などの要因が含まれております。
割引率は、国債などの低リスクの債券の利回りに基づいて設定しており、年金資産の期待収益率は、企業年金基金などの年金資産における長期の収益率を基に設定しております。
これらの仮定と実際の結果との差額や、年金資産の時価の増減による影響は連結包括利益計算書を通じて即時認識されます。当社グループは使用した仮定が妥当なものであると考えておりますが、実績との差異又は仮定自体の変更により、退職給付費用及び退職給付に係る資産・負債に影響を与える可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。
② 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値向上のために、適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本としており、強固な財務体質及び高い資本効率を兼ね備えることが重要だと考えております。
当社グループは、自己資本比率の水準を50%程度に保つことで、「シングルA-」の信用格付(格付投資情報センター(R&I)による格付)を維持し、リスク耐性の強化を図ってまいります。
また、営業キャッシュ・フローによる債務償還能力に留意しつつ、金融機関からの外部借入を有効に活用し、資本コストの低減にも努めてまいります。
一方、株主還元については、株主の皆様への利益配当を最重要事項と認識しており、連結業績及び配当性向等を総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本としております。2020年12月の当社取締役会において、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行し、資本効率を向上させ株主還元に資することを目的に、株式数で5,559千株、取得価額で4,085百万円の自己株式取得を決議し、取得いたしました。今後も、純資産の効率的な運用を目指すための選択肢の一つとして、財務状況や事業環境などを考慮しながら、機動的な自己株式の取得を検討してまいります。
③ 資金調達の考え方
当社グループ製品製造のための材料及び部品、研究開発費等、事業活動に係る運転資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については、コマーシャル・ペーパーや銀行借入によって、連結売上高の1.5~2ヶ月分を目安に流動性の保持を図ります。
設備投資資金については、設備投資計画に基づき、国内外での資金調達について、市場金利動向や為替動向、あるいは既存借入金の返済時期等を総合的に勘案し、銀行借入及び社債の発行等によって資金を賄っております。
また、当社グループでは、グループ間融資によって資金融通を行う事で資金効率を高めております。一部の海外関係会社については、現地金融機関より各社の使用する現地通貨にて調達をしております。その際、当社が関係会社の借入に対し債務保証の差入れを行うことがあります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に加え、足下では半導体の供給不足による影響が懸念されておりますが、コミットメントライン契約及び当座貸越枠により手元流動性を確保する体制を整えております。今後も、非常時に備えた資金調達枠の確保に努めてまいります。