有価証券報告書-第66期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 12:58
【資料】
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【項目】
115項目

研究開発活動

当社グループの研究開発は、総合熱エネルギー機器メーカーとして「熱」を通じて安全・安心で健康かつ快適な生活を社会に提供することを目的としております。そのため電子技術、ガスおよび燃焼制御技術、センサーソフト技術、通信技術などの先端要素技術を核として、誰もが安心してお使い頂けるよう、商品の安全高度化を進めながら、各商品分野において省エネや省資源・リサイクル等を追求した付加価値の高い環境配慮型熱機器の研究開発を進めております。
現在の研究開発は、主に当社の開発本部および生産技術部において給湯、厨房、空調の各分野を中心に推進しております。また今後のエネルギー自由化に向けて、ヒートポンプ技術とガス燃焼技術を組み合わせたハイブリッド給湯・暖房システムの展開も積極的に進めております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は91億13百万円であります。なお、日本セグメントの研究開発の比率が高いため、日本セグメントにおける各機器部門別の研究の目的、主要課題、研究成果等を中心に記載しております。
(給湯機器関係)
家庭用給湯器の分野においては、これまで高効率ガス給湯器「エコジョーズ」の機能向上や製品のさらなる軽量化をめざし、ふろ給湯器や給湯暖房熱源機などにおける新商品開発とラインアップの拡充を図ってまいりました。今後は「次世代省エネ基準」の義務化に向け、さらに魅力ある新商品の開発を行っていきます。またIoT(Internet of Things)への対応としては、業界初となる無線LANを搭載したリモコンを市場投入いたしました。また業務用機器においては、従来品よりも本体幅を30%以上小さくして狭小地への設置も可能にした業用50号給湯器を開発いたしました。海外向け給湯器については、今後の海外展開のベースとなる給湯器を開発いたしました。
省エネ性能に優れたハイブリッド給湯・暖房システムについては、R32冷媒を使用して給湯の年間一次エネルギー効率138%を実現したシリーズのラインアップを取り揃えました。具体的にはヒートポンプの熱を給湯のみに利用するタイプでタンク容量100L・50Lの両シリーズに加え、ヒートポンプの熱を給湯と暖房の両方に利用するタイプを開発いたしました。今後はスマートフォンや蓄電池ならびにHEMS(Home Energy Management System)と組み合わせて、より一層魅力のある商品を市場に投入してまいります。
(厨房機器関係)
ビルトインコンロの分野では、最上位機種となる「DELICIA(デリシア)」で、これまでオプション品だったグリル調理容器「ココット」を標準搭載したラインアップを追加し、調理の楽しさを広げる提案をいたしました。またお求めやすいタイプの「Mytone(マイトーン)」シリーズにおいては操作部をはじめとするデザインを一新し、操作性や清掃性、意匠性をさらに向上いたしました。
テーブルコンロの分野では、使用頻度が高い温調機能を左右両方に搭載した最上位機種「LAKUCIE PRIME(ラクシエプライム)」を開発し、テーブルコンロとして初めてグリルプレートに対応するなど機能も充実させました。またオールステンレス仕様で料理好きな方にもご満足いただけるインターネット販売専用商品「Vamo.(バーモ)」を開発いたしました。
海外向けの分野では、広くアジア地域で人気の高い高火力バーナに、煮こぼれや汚れに強い「シールドバーナ」を搭載した商品を開発し、香港市場で販売を開始いたしました。今後はASEAN全域にも展開してまいります。
(空調機器関係)
浴室暖房乾燥機の分野では、暖房能力4.1kWのシリーズを開発し、標準タイプのほかミストサウナが楽しめるタイプも市場投入いたしました。浴室でのヒートショック事故を低減するため、低温サインの機能も新たに追加しております。
衣類乾燥機の分野では、大気汚染問題を抱えている中国市場向けの商品を開発して、海外向けのラインアップ強化を図りました。
なお、当連結会計年度の特許出願件数は235件、登録件数は172件、平成28年3月31日現在の特許権所有件数は2,397件であります。