有価証券報告書-第17期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 14:02
【資料】
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【項目】
144項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「鋼橋、建築、土木等社会インフラの建設・維持・補修の事業を通じて、豊かな国土と明るい社会創りに貢献する」ことを経営理念としております。この経営理念に基づき、コンプライアンス・リスク管理体制を整備・適切に運用して、公正な競争、社会や顧客のニーズに応える安全で優れた製品・施工・サービスを提供し、グループの持続的な成長の実現・維持を目指すとともに、株主・投資家をはじめ取引先、従業員、地域社会などのすべてのステークホルダーに対して企業としての社会的責任を全うできるよう努めてまいります。
(2)経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき課題
わが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による極めて厳しい状況が続くと見込まれ、感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクや金融資本市場の変動等の影響に十分留意が必要であり、先行きは非常に不透明であります。
当業界におきましては、当社グループの主力である道路橋・鉄道橋などの橋梁事業において、今後も一定量の新設橋梁の発注が見込まれるものの、設備投資などに不透明感が高まりつつあるなか、グループが有する豊富な実績・技術力・架設力を最大限活かし、技術提案力、積算精度の更なる向上を図り、情報収集力を高め、総力を挙げて安定的な受注の確保に努め、設計・計画・製作から架設までの総合エンジニアリング力の強化と採算性の更なる向上を図ってまいります。また、高速道路や新幹線などの大規模更新・修繕工事の保全・補修事業、ハイブリッドケーソン・浮体構造物・沈埋函などの沿岸構造物事業、シールドトンネル向けの鋼製セグメント事業、有望な製品の多いFRP事業、および建築・土木関連事業などに経営資源を積極的に投入し経営基盤を強化し、併せて、i-Constructionと働き方改革の推進に積極的に取り組み、生産性を向上させ、一段の飛躍を図ってまいります。
また、グループとしての経営管理体制を一層強化し、安定した黒字体質を確固たるものとするよう努め、グループの中核である宮地エンジニアリング株式会社、エム・エム ブリッジ株式会社とともに更なる事業発展を図ってまいります。両社は、技術提案力の強化など受注力の向上に努め、また、経済合理性を最大限追求することを基本に、製造部門の生産性向上・生産効率化を図り、資機材の共同購入・活用、技術の相互利用・共同開発、人材交流の推進に取り組んでおりますが、更なるシナジーの創出に努め、グループの企業価値を高めると同時に経営基盤を一層強化してまいります。
2018年8月8日に公表のとおり、当社子会社の宮地エンジニアリング株式会社では、2018年度から2021年度までの4年間で千葉工場に係る総額50億円程度の設備投資計画を実行しております。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大およびこれに伴う緊急事態宣言により、経済や企業活動の先行きは不透明感を増しており、生産性向上やコスト削減、業務効率化などに直結する投資は継続する一方で、計画中の新たな投資については事業環境の不透明さを勘案し一時延期し、今後の事業環境を見極めた上で投資の再開を決定いたします。
当社グループは、2019年5月14日に2019年度から2021年度までの3か年にわたる中期経営計画を策定し、最終年度である2021年度の売上高600億円、営業利益45億円などの数値目標を掲げております。計画初年度である2019年度の実績は一部の項目を除き最終年度目標を超える成績となりました。中期経営計画の最終年度である2021年度においても数値目標を達成すべく、上記の基本方針に沿って、経営戦略を実践してまいります。
なお、本計画の数値目標(最終年度)とそれに対する当連結会計年度実績につきましては、3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(2)「経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」を参照ください。