有価証券報告書-第80期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 14:51
【資料】
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【項目】
122項目

対処すべき課題

当社グループは「“水"を究め、自然と人間が調和した豊かな環境を創造する」を企業理念とし、企業ビジョン「水と環境の先進的マネジメント企業」の実現を目指して事業活動を展開しています。
また、平成27年5月に施行された改正会社法や同年6月に施行されたコーポレートガバナンス・コードを受け、「コーポレートガバナンスに関する方針」を定め、経営の実効性・効率性を高め、中長期的に企業価値の向上を目指し、取締役会等の役割の見直しを含む広範な改革を行っています。株主・投資家をはじめとする、すべてのステークホルダーの皆様には、会社の経営方針や経営状況などを従来に増して、適正かつ迅速に情報開示を行い、より透明性の高い経営の実現を目指してまいります。
平成27年度から開始した3ヵ年の中期経営計画「CK-17」(Competitive Kurita 2017)では、「顧客に高い付加価値を提供するため、あらゆる仕事を基本から見直す」を基本方針に、持続的な成長に向け、「収益性の改善」「海外事業の拡大」及び「グループの総合力発揮」の3つの課題に取り組んでいます。
初年度である平成27年度は、水処理薬品事業では、事業買収により欧州における事業基盤を整備・拡大しました。また、水処理装置事業においては、海外案件を中心に、プロジェクトごとの原価管理を徹底した結果、不採算案件は縮小し、収益性の改善に一定の成果を得ることができました。
しかし、当社グループを取り巻く環境の変化は激しく、グローバル競争を勝ち抜くためには、従来以上のスピードで技術・商品開発、事業構造・基盤の変革・整備、人材の育成を進めていく必要があると考えます。
CK-17計画の中間年度となる平成28年度は、初年度の取り組みをさらに強化し、残された課題の解決に向け、迅速に以下の重点施策を実施します。
(1)水処理装置事業における収益・コスト構造の変革
事業分野ごとに収益・コスト構造を見直し、改善すべき点を明確にします。販売面では、市場・顧客のニーズを捉え、競合優位性を見極めたうえで、注力する市場・顧客を明確にし、高い付加価値を提供できる案件に集中して取り組みます。生産面では、見積り段階における原価積算の精度向上と受注後のプロジェクトごとの原価管理を徹底するとともに、日本・東アジア・東南アジアにおける生産体制を見直し、経営資源の再配分により生産コストの削減を図ります。
(2)水処理薬品事業におけるグローバルシナジーの拡大と北米事業基盤の整備
欧州事業買収シナジーをグローバルに拡大していきます。当社、クリタ・ヨーロッパGmbH(以下、「KEG」という)及び、その他当社グループ会社間で戦略商品の相互供給を行い、日本・欧州・アジアその他地域における販売を強化します。さらに、当社とKEGの研究開発力を融合し、グローバルで競争力のある新商品の市場への投入を目指します。
日本・アジア・欧州・北南米地域での世界四極体制の構築を目指し、北米は業務提携、株式買収、事業買収等のM&Aにより、事業基盤の獲得・整備を図ります。
注)平成28年4月1日に、クリタ・ヨーロッパGmbHとクリタ・ヨーロッパAPW GmbHを合併し、合併後の社名はクリタ・ヨーロッパGmbHといたしました。上記KEGは合併後の社名を指しています。
(3)競争力ある商品・サービスの開発と提案型ビジネスの推進
成長市場を見極め、市場・顧客のニーズを的確に捉えた競争力のある商品・サービスを開発し、市場へ投入します。
環境負荷低減、エネルギー削減を提案・実現する超純水供給事業を国内外で積極的に展開していきます。テレマーケティング機能を活用、顧客ニーズを先取りし、競争力のある技術・商品に独自のセンシング技術により把握した水処理データの解析を組み合わせ、迅速かつ最適なソリューションを顧客に提案するビジネスを推進していきます。
(4)グルーバル人材の育成
日本本社、海外グループ会社間での技術研修や人材交流を進め、グローバル人材を育成していきます。海外グループ会社のコア人材を把握し、現地スタッフを経営幹部へ登用するなど、グローバル競争を勝ち抜くための人材を育成する仕組みを構築していきます。