有価証券報告書-第64期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」と記載します)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
① 財政状態および経営成績の状況
a. 財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は2,127億円で、前連結会計年度末から86億円減少しております。受取手形・完成工事未収入金等が61億円増加した一方、現金預金が93億円、未成工事支出金が53億円それぞれ減少したことが主な原因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は269億円で、前連結会計年度末から35億円減少しております。
投資有価証券が44億円減少したことが主な原因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は1,784億円で、前連結会計年度末から199億円減少しております。未成工事受入金が68億円増加した一方で、支払手形・工事未払金等が222億円、工事損失引当金が117億円それぞれ減少したことが主な原因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は248億円で、前連結会計年度末から33億円減少しております。
繰延税金負債が6億円増加した一方、長期借入金が43億円減少したことが主な原因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は363億円で、前連結会計年度末から111億円増加しております。親会社株主に帰属する当期純損失を8億円計上し、為替換算調整勘定が19億円減少した一方、第三者割当によるA種優先株式の発行に伴い資本剰余金が150億円増加したことが主な原因であります。
b. 経営成績
(完成工事高)
当連結会計年度における完成工事高は、米国向けエチレン製造設備、マレーシア向けエチレンコンプレックス、タイ向け天然ガス焚きコジェネレーション発電所等のプロジェクトの進捗により、前連結会計年度比407億円(12.1%)減の2,949億円となりました。
(完成工事総損益)
当連結会計年度における完成工事総利益は、米国向けエチレン製造設備プロジェクトを除く当社および一部の連結子会社が遂行するその他のプロジェクトの収支が改善したものの、米国向けエチレン製造設備プロジェクトにおいて工事コストが増加したことに伴い、106億円(前連結会計年度は完成工事総損失125億円)となりました。
(営業損益)
当連結会計年度における営業損益は、販管費の縮減(プロポーザル費の効率的な使用、全社的な経費削減、役員報酬の減額等)を行ったものの、前述の米国向けエチレン製造設備プロジェクトにおける工事コストの増加に伴い、56億円の損失(前連結会計年度は営業損失329億円)となりました。
(経常損益)
当連結会計年度における経常利益は、営業損失を56億円計上した一方、ブラジル持分法適用会社が遂行するプロジェクトの採算向上や過年度にコスト計上済の税金の還付等により持分法による投資利益を64億円計上したことや、過年度に完成済のインド向けプロジェクトの紛争解決等により受取利息37億円を計上したことなどにより、34億円(前連結会計年度は経常損失278億円)となりました。
(特別損益および税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度において、特別利益(固定資産売却益)を0.8億円計上した結果、税金等調整前当期純利益は35億円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失223億円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損益は、税金等調整前当期純利益を35億円計上したものの、子会社等にかかる法人税等を42億円計上したことにより、8億円の損失(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失268億円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」と記載します)の残高は979億円で、前連結会計年度末から86億円減少しております。なお、これにはジョイントベンチャーでの工事遂行案件において当社がジョイントベンチャーから預かっている資金の残高41億円が含まれております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、258億円の資金減少となりました。税金等調整前当期純利益を35億円計上した一方、仕入債務の減少により資金が210億円、売上債権の増加により資金が71億円それぞれ減少したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、13億円の資金増加となりました。有形固定資産や投資有価証券の売却などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、167億円の資金増加となりました。A種優先株式の発行に伴う収入150億円などによるものです。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 受注実績
当連結会計年度における当社および当社の連結子会社の受注実績は次のとおりであります。
(注) 1 記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 期中完成工事高は、外貨建受注工事高のうち期中完成工事高に係る為替差分(前連結会計年度△9,970百万円、当連結会計年度△9,109百万円)を含んでおります。
3 次期繰越工事高は、前期以前に受注した工事の契約変更等による調整分(前連結会計年度△7,711百万円、当連結会計年度△16,206百万円)を含んでおります。
4 ※印は、外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額を示しております。
なお、当連結会計年度の受注実績は、前連結会計年度と比較して112億円(3.6%)減少しております。
これは、提出会社においてロシア向けエチレン・ポリエチレンプラント、国内向けバイオマス発電所等を当連結会計年度に受注した一方、インド向け化学肥料コンプレックスを前連結会計年度に受注した影響などにより、一部の連結子会社における当連結会計年度の受注額が減少したことによるものであります。
なお、提出会社における受注実績は次のとおりであります。
(注) 1 記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 期中完成工事高は、外貨建受注工事高のうち期中完成工事高に係る為替差分(前事業年度931百万円、当事業年度835百万円)を含んでおります。
3 次期繰越工事高は、前期以前に受注した工事の契約変更等による調整分(前事業年度12,247百万円、当事業年度79百万円)を控除しております。
4 ※印は、外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額を示しております。
b. 売上実績
当社グループはEPC事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
主な相手先別の売上実績および総売上実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注) 1 当連結会計年度のChambal Fertilisers and Chemicals Limitedおよび瀬戸内Kirei未来創り合同会社については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
2 記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しており、消費税等は含まれておりません。
なお、当連結会計年度の売上実績は、前連結会計年度と比較して407億円(12.1%)減少しております。
これは、マレーシア向けエチレンコンプレックスの当連結会計年度における期間進捗率が前年同期と比較して減少したことなどによる影響であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針等に関する詳細につきましては、後掲の「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載したとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a. 概況
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、個人消費が持ち直し、設備投資が増加するなど緩やかに回復しており企業収益は高い水準にあるものの、改善に足踏みがみられ、企業の業況判断は慎重さが見られます。また、世界経済も全体としては緩やかに回復しておりますが、通商問題の動向が世界経済に与える影響、中国経済の先行き、政策に関する不確実性による影響、金融資本市場等の影響、原油価格の動向等に対する警戒感は依然根強く、日本経済および世界経済とも先行きが不透明な状況が続いております。
プラント分野では、国内において設備更新の需要が出てきており、海外においては、アップストリーム(産油・産ガス国におけるエネルギー開発・各種関連設備)への設備投資は抑制された状態が続いているもののダウンストリーム(石油化学プラントや化学肥料プラント等)への設備投資においては、堅調な需要を背景に、アジア地域を中心に案件が具体化しています。インフラ分野では、国内において、メガソーラー発電所やバイオマス発電所等の再生可能エネルギーの設備投資が続いており、また、中長期的には大型ガス火力発電の需要が見込まれます。海外においても、東南アジア等で電力需要は増大しており、今後も設備投資が見込まれます。ソリューションビジネス分野(従来の資源エネルギー分野を拡充)では、既存油田の改修等のサービス業務など、将来の資源開発に向けたソフト業務や関連する業務の需要がでてきております。
b. 受注高
こうした状況の中、当連結会計年度の実績は、次のとおりとなりました。
受注高は、ロシア向けエチレンプラント、ロシア向けポリエチレンプラント、米子バイオマス発電所、石狩バイオマス発電所、富山バイオマス発電所、タイ向けオレフィンプラント拡張、タイ向け石油化学プラント、夢前メガソーラー、インドネシア向け石油化学プラント、国内向けエチレン製造設備増設等のプロジェクトを受注し、2,980億円(前連結会計年度比3.6%減)となり、受注目標(3,000億円)をほぼ計画どおり達成しました。
c. 経営成績
売上高(完成工事高)は、米国向けエチレン製造設備、マレーシア向けエチレンコンプレックス、タイ向け天然ガス焚きコジェネレーション発電所等のプロジェクトの進捗により、2,949億円(前連結会計年度比12.1%減)となりました。
営業損益は、主に米国エチレン製造設備プロジェクトにおいて工事コストが増加したことにより収支が悪化し、他のプロジェクトや一部子会社の収支改善や、販管費の縮減(プロポーザル費の効率的な使用、全社的な経費削減、役員報酬の減額等)を行ったものの、営業損失56億円(前連結会計年度は営業損失329億円)となりました。米国向けエチレン製造設備プロジェクトについては、当第4四半期において、プラントの試運転準備の段階で、機器不具合や工事品質等に起因する手直し工事が発生したことおよび顧客要請に応じて工程を見直したことにより、工事費用と当社管理費の増加が生じました。現在では工事は完了し、試運転も開始しており、2019年度上期中の完成・引き渡しを予定しております。
経常利益は、ブラジル持分法適用会社が遂行するプロジェクトの採算向上や過年度にコスト計上済の税金の還付等によって大幅に収支が改善し、持分法による投資利益64億円、および、過年度に完成済のインド向けプロジェクトの紛争解決等により受取利息37億円を計上したことにより、34億円(前連結会計年度は経常損失278億円)となりました。
特別利益は、固定資産売却益0.8億円、法人税等は子会社等にかかる税金等による42億円を計上し、税金費用控除後の親会社株主に帰属する当期純損失は、8億円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失268億円)となりました。
期初に公表しました業績予想を下回る結果となり、また2期連続の最終赤字となりましたことを、深くお詫び申し上げます。
今回の大幅な収支悪化およびこれに伴う自己資本の毀損を受け、当社の経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)対処すべき課題」に示したとおり、当該プロジェクトを現行計画どおり完工し、EPC事業を黒字化することが最重要であると認識しており、再生計画の下、その取り組みを強化してまいります。
d. 資金の状況
当社グループの資本の財源および資金の流動性について、当社の経営者は、円滑な事業活動に必要な水準の流動性を確保すべく、自己資金のほか、銀行からの借入による資金調達を行っております。運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行とコミットメント契約を締結しているほか、支払金利の変動リスクを回避するための金利スワップ取引をヘッジ手段として利用しております。詳細につきましては、後掲の「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に記載したとおりであります。
また、当連結会計年度においては、2018年11月28日開催の当社取締役会において第三者割当によるA種優先株式の発行等を決議し、2019年2月12日開催の当社臨時株主総会の承認等の必要な手続を経て、当連結会計年度末までにA種優先株式の発行および払込が完了しております。
本第三者割当による資本調達の実施により、前連結会計年度における米国向けエチレン製造設備プロジェクトの収支悪化に伴い毀損した自己資本を回復させるとともに、①事業ポートフォリオ拡充のための事業開発・投資、②IoT活用によるプラントの運転・保全支援サービスの推進、③研究開発・要素技術開発の推進、④EPC遂行業務のDigital Transformationの推進、⑤管理業務改善・企業基盤強化に資金を充当することにより、事業基盤の強化および安定的な成長を目指してまいります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、米国向けエチレン製造設備プロジェクトにおける工事コストの増加等に伴い258億円の資金減少(前連結会計年度は228億円の資金減少)となりました。また、当該工事コストの増加により、前期に引き続いて営業損失を計上することとなり、当連結会計年度末において、金融機関との間で締結している借入契約等に付されている財務制限条項に抵触することとなりました。継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況に有りますが、前述および「2 事業等のリスク(4)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、第三者割当増資の完了に伴い財務体質が強化されたほか、米国向けエチレン製造設備プロジェクトは、完成まであとわずかとなっており、再生計画に基づき、米国向けエチレン製造設備プロジェクト以外のプロジェクト収支は順調に推移していること、更に、当期の新規受注をほぼ計画どおりに達成したことにより今後のキャッシュ・フローは確保されております。また、有価証券報告書提出日現在、財務制限条項に抵触した借入契約等につきまして、金融機関との交渉を進めてまいりました結果、当該条項の適用免除の合意に至り、金融機関の支援体制は確保されております。
第三者割当増資の完了等に伴い財務活動によるキャッシュ・フローが167億円の資金増加となったことにより、当連結会計年度末の資金残高は979億円(前連結会計年度末から86億円減少)となり、引き続き、円滑な事業活動に必要な水準の流動性を確保しております。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
(注) キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
* 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
* キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
* 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象と
しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」と記載します)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
① 財政状態および経営成績の状況
a. 財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は2,127億円で、前連結会計年度末から86億円減少しております。受取手形・完成工事未収入金等が61億円増加した一方、現金預金が93億円、未成工事支出金が53億円それぞれ減少したことが主な原因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は269億円で、前連結会計年度末から35億円減少しております。
投資有価証券が44億円減少したことが主な原因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は1,784億円で、前連結会計年度末から199億円減少しております。未成工事受入金が68億円増加した一方で、支払手形・工事未払金等が222億円、工事損失引当金が117億円それぞれ減少したことが主な原因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は248億円で、前連結会計年度末から33億円減少しております。
繰延税金負債が6億円増加した一方、長期借入金が43億円減少したことが主な原因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は363億円で、前連結会計年度末から111億円増加しております。親会社株主に帰属する当期純損失を8億円計上し、為替換算調整勘定が19億円減少した一方、第三者割当によるA種優先株式の発行に伴い資本剰余金が150億円増加したことが主な原因であります。
b. 経営成績
(完成工事高)
当連結会計年度における完成工事高は、米国向けエチレン製造設備、マレーシア向けエチレンコンプレックス、タイ向け天然ガス焚きコジェネレーション発電所等のプロジェクトの進捗により、前連結会計年度比407億円(12.1%)減の2,949億円となりました。
(完成工事総損益)
当連結会計年度における完成工事総利益は、米国向けエチレン製造設備プロジェクトを除く当社および一部の連結子会社が遂行するその他のプロジェクトの収支が改善したものの、米国向けエチレン製造設備プロジェクトにおいて工事コストが増加したことに伴い、106億円(前連結会計年度は完成工事総損失125億円)となりました。
(営業損益)
当連結会計年度における営業損益は、販管費の縮減(プロポーザル費の効率的な使用、全社的な経費削減、役員報酬の減額等)を行ったものの、前述の米国向けエチレン製造設備プロジェクトにおける工事コストの増加に伴い、56億円の損失(前連結会計年度は営業損失329億円)となりました。
(経常損益)
当連結会計年度における経常利益は、営業損失を56億円計上した一方、ブラジル持分法適用会社が遂行するプロジェクトの採算向上や過年度にコスト計上済の税金の還付等により持分法による投資利益を64億円計上したことや、過年度に完成済のインド向けプロジェクトの紛争解決等により受取利息37億円を計上したことなどにより、34億円(前連結会計年度は経常損失278億円)となりました。
(特別損益および税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度において、特別利益(固定資産売却益)を0.8億円計上した結果、税金等調整前当期純利益は35億円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失223億円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損益は、税金等調整前当期純利益を35億円計上したものの、子会社等にかかる法人税等を42億円計上したことにより、8億円の損失(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失268億円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」と記載します)の残高は979億円で、前連結会計年度末から86億円減少しております。なお、これにはジョイントベンチャーでの工事遂行案件において当社がジョイントベンチャーから預かっている資金の残高41億円が含まれております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、258億円の資金減少となりました。税金等調整前当期純利益を35億円計上した一方、仕入債務の減少により資金が210億円、売上債権の増加により資金が71億円それぞれ減少したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、13億円の資金増加となりました。有形固定資産や投資有価証券の売却などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、167億円の資金増加となりました。A種優先株式の発行に伴う収入150億円などによるものです。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 受注実績
当連結会計年度における当社および当社の連結子会社の受注実績は次のとおりであります。
| 期別 | 工事別 | 期首繰越 工事高 (百万円) | 期中受注 工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 期中完成 工事高 (百万円) | 次期繰越 工事高 (百万円) |
| 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 海外 | |||||
| 石油化学 | 249,368 | 43,524 | 292,892 | 139,777 | 141,082 | |
| 石油・ガス | 5,321 | 25,917 | 31,238 | 8,504 | 20,858 | |
| 発電・交通システム等 | 93,537 | 23,490 | 117,027 | 63,712 | 53,339 | |
| 化学・肥料 | 79,174 | 134,930 | 214,104 | 50,257 | 161,608 | |
| 医薬・環境・産業施設 | 938 | 9,474 | 10,412 | 3,300 | 6,872 | |
| その他 | 3,066 | 567 | 3,634 | 1,603 | 778 | |
| 小計 | 431,406 | 237,904 | 669,310 | 267,155 | 384,540 | |
| 国内 | ||||||
| 石油化学 | 63 | 6,714 | 6,777 | 392 | 6,328 | |
| 石油・ガス | 1,464 | 4,801 | 6,266 | 3,629 | 3,286 | |
| 発電・交通システム等 | 55,015 | 49,617 | 104,632 | 52,736 | 51,865 | |
| 医薬・環境・産業施設 | 3,241 | 4,448 | 7,689 | 5,923 | 2,581 | |
| その他 | 1,491 | 5,840 | 7,331 | 5,860 | 27 | |
| 小計 | 61,276 | 71,421 | 132,697 | 68,542 | 64,089 | |
| 合計 | ※△14,145 492,682 | 309,325 | 802,008 | 335,697 | ※△6,946 448,629 | |
| 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 海外 | |||||
| 石油化学 | 141,082 | 161,596 | 302,679 | 134,859 | 158,220 | |
| 石油・ガス | 20,858 | 3,843 | 24,702 | 14,320 | 10,232 | |
| 発電・交通システム等 | 53,339 | 2,294 | 55,634 | 41,277 | 13,577 | |
| 化学・肥料 | 161,608 | 6,755 | 168,364 | 48,104 | 105,771 | |
| 医薬・環境・産業施設 | 6,872 | 779 | 7,652 | 5,015 | 2,391 | |
| その他 | 778 | 891 | 1,670 | 1,330 | 298 | |
| 小計 | 384,540 | 176,162 | 560,703 | 244,907 | 290,491 | |
| 国内 | ||||||
| 石油化学 | 6,328 | 10,838 | 17,167 | 5,361 | 11,798 | |
| 石油・ガス | 3,286 | 14,670 | 17,957 | 4,595 | 13,349 | |
| 発電・交通システム等 | 51,865 | 84,256 | 136,122 | 28,631 | 107,498 | |
| 医薬・環境・産業施設 | 2,581 | 5,612 | 8,193 | 4,984 | 3,209 | |
| その他 | 27 | 6,511 | 6,539 | 6,512 | 26 | |
| 小計 | 64,089 | 121,890 | 185,979 | 50,086 | 135,881 | |
| 合計 | ※△6,946 448,629 | 298,052 | 746,682 | 294,993 | ※△1,550 426,373 |
(注) 1 記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 期中完成工事高は、外貨建受注工事高のうち期中完成工事高に係る為替差分(前連結会計年度△9,970百万円、当連結会計年度△9,109百万円)を含んでおります。
3 次期繰越工事高は、前期以前に受注した工事の契約変更等による調整分(前連結会計年度△7,711百万円、当連結会計年度△16,206百万円)を含んでおります。
4 ※印は、外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額を示しております。
なお、当連結会計年度の受注実績は、前連結会計年度と比較して112億円(3.6%)減少しております。
これは、提出会社においてロシア向けエチレン・ポリエチレンプラント、国内向けバイオマス発電所等を当連結会計年度に受注した一方、インド向け化学肥料コンプレックスを前連結会計年度に受注した影響などにより、一部の連結子会社における当連結会計年度の受注額が減少したことによるものであります。
なお、提出会社における受注実績は次のとおりであります。
| 期別 | 工事別 | 期首繰越 工事高 (百万円) | 期中受注 工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 期中完成 工事高 (百万円) | 次期繰越 工事高 (百万円) |
| 前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 海外 | |||||
| 石油化学 | 71,218 | 6,600 | 77,818 | 42,842 | 25,650 | |
| 石油・ガス | 5,067 | 3,141 | 8,208 | 4,055 | 2,285 | |
| 発電・交通システム等 | 93,046 | 13,194 | 106,241 | 59,821 | 46,457 | |
| 化学・肥料 | 32,304 | 68,526 | 100,830 | 18,845 | 81,892 | |
| 医薬・環境・産業施設 | ― | 148 | 148 | 29 | 118 | |
| その他 | 7 | 0 | 8 | 7 | ― | |
| 小計 | 201,644 | 91,611 | 293,255 | 125,601 | 156,404 | |
| 国内 | ||||||
| 石油化学 | ― | 3,943 | 3,943 | 268 | 3,674 | |
| 石油・ガス | 6 | 620 | 626 | 141 | 485 | |
| 発電・交通システム等 | 55,015 | 48,679 | 103,694 | 52,283 | 51,347 | |
| 医薬・環境・産業施設 | ― | 1,199 | 1,199 | 140 | 1,059 | |
| その他 | 92 | 176 | 268 | 224 | 41 | |
| 小計 | 55,114 | 54,619 | 109,733 | 53,059 | 56,607 | |
| 合計 | ※△2,505 256,758 | 146,230 | 402,988 | 178,660 | ※△295 213,012 | |
| 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 海外 | |||||
| 石油化学 | 25,650 | 116,130 | 141,781 | 30,915 | 111,015 | |
| 石油・ガス | 2,285 | 1,946 | 4,231 | 1,617 | 2,735 | |
| 発電・交通システム等 | 46,457 | 2,092 | 48,549 | 36,284 | 12,135 | |
| 化学・肥料 | 81,892 | 3,071 | 84,964 | 26,876 | 58,707 | |
| 医薬・環境・産業施設 | 118 | ― | 118 | 55 | 62 | |
| その他 | ― | 4 | 4 | 4 | ― | |
| 小計 | 156,404 | 123,245 | 279,650 | 95,753 | 184,657 | |
| 国内 | ||||||
| 石油化学 | 3,674 | 7,452 | 11,127 | 2,280 | 8,846 | |
| 石油・ガス | 485 | 144 | 630 | 93 | 524 | |
| 発電・交通システム等 | 51,347 | 84,109 | 135,457 | 28,016 | 107,447 | |
| 医薬・環境・産業施設 | 1,059 | 48 | 1,107 | 171 | 936 | |
| その他 | 41 | 171 | 212 | 190 | 21 | |
| 小計 | 56,607 | 91,926 | 148,534 | 30,753 | 117,777 | |
| 合計 | ※△295 213,012 | 215,172 | 428,185 | 126,507 | ※215 302,434 |
(注) 1 記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 期中完成工事高は、外貨建受注工事高のうち期中完成工事高に係る為替差分(前事業年度931百万円、当事業年度835百万円)を含んでおります。
3 次期繰越工事高は、前期以前に受注した工事の契約変更等による調整分(前事業年度12,247百万円、当事業年度79百万円)を控除しております。
4 ※印は、外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額を示しております。
b. 売上実績
当社グループはEPC事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
主な相手先別の売上実績および総売上実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| PRPC REFINERY AND CRACKER SDN.BHD. | 71,501 | 21.3 | 37,610 | 12.8 |
| Chambal Fertilisers and Chemicals Limited | 40,643 | 12.1 | ― | ― |
| 瀬戸内Kirei未来創り合同会社 | 34,436 | 10.3 | ― | ― |
| Shintech Louisiana,LLC | 33,817 | 10.1 | 45,607 | 15.5 |
(注) 1 当連結会計年度のChambal Fertilisers and Chemicals Limitedおよび瀬戸内Kirei未来創り合同会社については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
2 記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しており、消費税等は含まれておりません。
なお、当連結会計年度の売上実績は、前連結会計年度と比較して407億円(12.1%)減少しております。
これは、マレーシア向けエチレンコンプレックスの当連結会計年度における期間進捗率が前年同期と比較して減少したことなどによる影響であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針等に関する詳細につきましては、後掲の「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載したとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a. 概況
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、個人消費が持ち直し、設備投資が増加するなど緩やかに回復しており企業収益は高い水準にあるものの、改善に足踏みがみられ、企業の業況判断は慎重さが見られます。また、世界経済も全体としては緩やかに回復しておりますが、通商問題の動向が世界経済に与える影響、中国経済の先行き、政策に関する不確実性による影響、金融資本市場等の影響、原油価格の動向等に対する警戒感は依然根強く、日本経済および世界経済とも先行きが不透明な状況が続いております。
プラント分野では、国内において設備更新の需要が出てきており、海外においては、アップストリーム(産油・産ガス国におけるエネルギー開発・各種関連設備)への設備投資は抑制された状態が続いているもののダウンストリーム(石油化学プラントや化学肥料プラント等)への設備投資においては、堅調な需要を背景に、アジア地域を中心に案件が具体化しています。インフラ分野では、国内において、メガソーラー発電所やバイオマス発電所等の再生可能エネルギーの設備投資が続いており、また、中長期的には大型ガス火力発電の需要が見込まれます。海外においても、東南アジア等で電力需要は増大しており、今後も設備投資が見込まれます。ソリューションビジネス分野(従来の資源エネルギー分野を拡充)では、既存油田の改修等のサービス業務など、将来の資源開発に向けたソフト業務や関連する業務の需要がでてきております。
b. 受注高
こうした状況の中、当連結会計年度の実績は、次のとおりとなりました。
受注高は、ロシア向けエチレンプラント、ロシア向けポリエチレンプラント、米子バイオマス発電所、石狩バイオマス発電所、富山バイオマス発電所、タイ向けオレフィンプラント拡張、タイ向け石油化学プラント、夢前メガソーラー、インドネシア向け石油化学プラント、国内向けエチレン製造設備増設等のプロジェクトを受注し、2,980億円(前連結会計年度比3.6%減)となり、受注目標(3,000億円)をほぼ計画どおり達成しました。
c. 経営成績
売上高(完成工事高)は、米国向けエチレン製造設備、マレーシア向けエチレンコンプレックス、タイ向け天然ガス焚きコジェネレーション発電所等のプロジェクトの進捗により、2,949億円(前連結会計年度比12.1%減)となりました。
営業損益は、主に米国エチレン製造設備プロジェクトにおいて工事コストが増加したことにより収支が悪化し、他のプロジェクトや一部子会社の収支改善や、販管費の縮減(プロポーザル費の効率的な使用、全社的な経費削減、役員報酬の減額等)を行ったものの、営業損失56億円(前連結会計年度は営業損失329億円)となりました。米国向けエチレン製造設備プロジェクトについては、当第4四半期において、プラントの試運転準備の段階で、機器不具合や工事品質等に起因する手直し工事が発生したことおよび顧客要請に応じて工程を見直したことにより、工事費用と当社管理費の増加が生じました。現在では工事は完了し、試運転も開始しており、2019年度上期中の完成・引き渡しを予定しております。
経常利益は、ブラジル持分法適用会社が遂行するプロジェクトの採算向上や過年度にコスト計上済の税金の還付等によって大幅に収支が改善し、持分法による投資利益64億円、および、過年度に完成済のインド向けプロジェクトの紛争解決等により受取利息37億円を計上したことにより、34億円(前連結会計年度は経常損失278億円)となりました。
特別利益は、固定資産売却益0.8億円、法人税等は子会社等にかかる税金等による42億円を計上し、税金費用控除後の親会社株主に帰属する当期純損失は、8億円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失268億円)となりました。
期初に公表しました業績予想を下回る結果となり、また2期連続の最終赤字となりましたことを、深くお詫び申し上げます。
今回の大幅な収支悪化およびこれに伴う自己資本の毀損を受け、当社の経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)対処すべき課題」に示したとおり、当該プロジェクトを現行計画どおり完工し、EPC事業を黒字化することが最重要であると認識しており、再生計画の下、その取り組みを強化してまいります。
d. 資金の状況
当社グループの資本の財源および資金の流動性について、当社の経営者は、円滑な事業活動に必要な水準の流動性を確保すべく、自己資金のほか、銀行からの借入による資金調達を行っております。運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行とコミットメント契約を締結しているほか、支払金利の変動リスクを回避するための金利スワップ取引をヘッジ手段として利用しております。詳細につきましては、後掲の「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に記載したとおりであります。
また、当連結会計年度においては、2018年11月28日開催の当社取締役会において第三者割当によるA種優先株式の発行等を決議し、2019年2月12日開催の当社臨時株主総会の承認等の必要な手続を経て、当連結会計年度末までにA種優先株式の発行および払込が完了しております。
本第三者割当による資本調達の実施により、前連結会計年度における米国向けエチレン製造設備プロジェクトの収支悪化に伴い毀損した自己資本を回復させるとともに、①事業ポートフォリオ拡充のための事業開発・投資、②IoT活用によるプラントの運転・保全支援サービスの推進、③研究開発・要素技術開発の推進、④EPC遂行業務のDigital Transformationの推進、⑤管理業務改善・企業基盤強化に資金を充当することにより、事業基盤の強化および安定的な成長を目指してまいります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、米国向けエチレン製造設備プロジェクトにおける工事コストの増加等に伴い258億円の資金減少(前連結会計年度は228億円の資金減少)となりました。また、当該工事コストの増加により、前期に引き続いて営業損失を計上することとなり、当連結会計年度末において、金融機関との間で締結している借入契約等に付されている財務制限条項に抵触することとなりました。継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況に有りますが、前述および「2 事業等のリスク(4)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、第三者割当増資の完了に伴い財務体質が強化されたほか、米国向けエチレン製造設備プロジェクトは、完成まであとわずかとなっており、再生計画に基づき、米国向けエチレン製造設備プロジェクト以外のプロジェクト収支は順調に推移していること、更に、当期の新規受注をほぼ計画どおりに達成したことにより今後のキャッシュ・フローは確保されております。また、有価証券報告書提出日現在、財務制限条項に抵触した借入契約等につきまして、金融機関との交渉を進めてまいりました結果、当該条項の適用免除の合意に至り、金融機関の支援体制は確保されております。
第三者割当増資の完了等に伴い財務活動によるキャッシュ・フローが167億円の資金増加となったことにより、当連結会計年度末の資金残高は979億円(前連結会計年度末から86億円減少)となり、引き続き、円滑な事業活動に必要な水準の流動性を確保しております。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率 | 0.7 | 1.7 | △1.4 | △1.3 |
| インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) | 132.0 | 52.8 | △71.4 | △77.0 |
(注) キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
* 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
* キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
* 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象と
しております。