有価証券報告書-第80期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
コーポレート・ガバナンスの状況
(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
※コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
オムロングループ(以下、当社グループ)におけるコーポレート・ガバナンスとは、「企業理念」および「経営のスタンス」に基づき、すべてのステークホルダーの支持を得て、持続的な企業価値の向上を実現するために、経営の透明性・公正性を高め、迅速な意思決定を行うとともに、監督から執行の現場までを有機的に連携させ、経営のスピードを速め、企業の競争力の強化を図るための仕組みであり、その仕組みを構築し機能させることである。
当社グループは、この基本的な考え方に基づき、オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシーを制定し、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実に取り組む。
オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシーは、以下URLを参照
URL:http://www.omron.co.jp/sustainability/governance/corporate_governance/policy/
<企業理念>Our Mission (社憲)
われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう
Our Values
私たちが大切にする価値観
・ソーシャルニーズの創造
私たちは、世に先駆けて新たな価値を創造し続けます。
・絶えざるチャレンジ
私たちは、失敗を恐れず情熱をもって挑戦し続けます。
・人間性の尊重
私たちは、誠実であることを誇りとし、人間の可能性を信じ続けます。
<経営のスタンス>私たちは、「企業は社会の公器である」との基本的考えのもと、企業理念の実践を通じて、持続的な企業価値の向上を目指します。
・長期ビジョンを掲げ、事業を通じて社会的課題を解決します。
・真のグローバル企業を目指し、公正かつ透明性の高い経営を実現します。
・すべてのステークホルダーと責任ある対話を行い、強固な信頼関係を構築します。
①コーポレート・ガバナンスの体制
1.コーポレート・ガバナンスの体制の概要
当社は、会社法上の機関設計として、監査役会設置会社を選択している。また、取締役会の機能を補完するため、人事諮問委員会、社長指名諮問委員会、報酬諮問委員会、コーポレート・ガバナンス委員会を設置し、監査役会設置会社に指名委員会等設置会社の優れた面も取り入れたハイブリッド型の機関設計を構築するとともに機能させている。
取締役会は、取締役8名で構成しており、取締役・監査役・執行役員の選任、取締役・執行役員の報酬の決定、および重要な業務執行の決定等を通じて、経営全般に対する監督機能を発揮して経営の公正性・透明性を確保している。また、監督機能を強化するため、監督と執行を分離し、取締役の過半数を業務執行を行わない取締役によって構成すると共に、独立社外取締役の割合を3分の1以上としている。取締役会議長は代表権を持たない取締役会長が務め、執行を行わずにステークホルダーの代表として監督を行っている。なお、独立社外取締役の専従スタッフは配置していないが、「取締役室」「グローバル戦略本部」のスタッフが適宜対応している。
監査役会は、監査役4名で構成しており、各監査役による監査の実効性を確保するための体制整備に努めている。監査役は、取締役の職務執行および取締役会の監督義務の履行状況について、適法性監査および妥当性監査を行っている。なお、独立社外監査役の専従スタッフは配置していないが、「監査役室」のスタッフが適宜対応している。
人事諮問委員会、社長指名諮問委員会、報酬諮問委員会の委員長はいずれも独立社外取締役とし、委員の過半数を独立社外取締役としている。コーポレート・ガバナンス委員会の委員長および委員は、独立社外取締役および独立社外監査役としている。
人事諮問委員会は、取締役・監査役・執行役員の選任基準の策定、候補者の選定、現職の評価を行っている。社長指名諮問委員会は、社長(CEO)の交代・選任に特化しており、緊急事態が生じた場合の継承プランおよび後継者計画(サクセッションプラン)について毎年審議している。報酬諮問委員会は、取締役・執行役員の報酬の基本方針の策定、評価基準の設定、取締役・執行役員の現職の評価を行っている。コーポレート・ガバナンス委員会は、経営の透明性・公正性を高め、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実を図ることを目的としている。
2.現状のコーポレート・ガバナンスの体制を採用する理由
前述の通り、当社は、監査役会設置会社を選択している。
取締役会は、取締役・監査役・執行役員の選任、取締役・執行役員の報酬の決定、および重要な業務執行の決定等を通じて、経営全般に対する監督機能を発揮し、持続的な企業価値の向上に努めている。
監査役会および監査役は、取締役の職務執行および取締役会の監督義務の履行状況について、適法性監査および妥当性監査を行い、持続的な企業価値の向上に向けて企業の健全性を確保し株主共同の利益のために行動している。また、監査役の独任制に基づき、各監査役が単独で権限を行使することが可能であり、内部統制を強化させる重要な役割を果たしていると考えている。
さらに、取締役会の監督機能を補完するため、取締役会の傘下に人事諮問委員会、社長指名諮問委員会、報酬諮問委員会を設置し、いずれの委員会も委員長は独立社外取締役とし、委員の過半数を独立社外取締役としている。加えてコーポレート・ガバナンスの向上を目的に、コーポレート・ガバナンス委員会を設置し、委員長および委員は独立社外取締役および独立社外監査役としている。特に、社長指名諮問委員会は監督機能上の最重要事項である社長の選任等に特化しており、これらの当社独自の工夫により、経営陣の意思決定に対する透明性と客観性を高める仕組みを構築し機能させている。
このように、監査役会設置会社として、指名委員会等設置会社のコーポレート・ガバナンス体制の優れた面を取りいれたハイブリッド型のコーポレート・ガバナンス体制は、当社にとって最適な体制であると考えている。
3.内部統制システムの整備の状況
当社は、内部統制システムを整備し、持続的企業価値の向上を妨げるおそれのある内外のさまざまなリスクを常に明らかにして、的確な対応を実施している。内部監査機能としては、社長の直轄部門であるグローバル監査室が、各本社機能部門および各ビジネスカンパニーの会計、業務、事業リスク、コンプライアンスなどの内部監査を定期的に実行しており、監視と業務改善に向けて、具体的な助言を行っている。
業務執行・経営の監視のしくみおよび内部統制システムの整備状況の模式図は次のとおりである。
4.コンプライアンス・リスクマネジメントに対する取り組みの状況
当社グループでは、企業倫理リスクマネジメント委員会を推進組織とし、コンプライアンスとリスクマネジメントを統合した対応を行っている。この対応は社長直轄部門が担当し、当該活動の一層の推進と徹底により、当社グループの変化対応力のさらなる強化を行っている。
ア.コンプライアンス
当社グループの役員・従業員に対し行動指針を周知するとともに、必要な研修等を実施している。また、企業倫理リスクマネジメント委員会を定期開催するとともに、10月を企業倫理月間と定め、国内外の役員・従業員に対するトップメッセージ配信、職場研修、企業倫理カード配布などを行っている。内部通報窓口を国内および海外の主要拠点に設置し、運営している。また、情報開示に関する正確性、適時性、網羅性を確保するため、情報開示実行委員会を定期開催するとともに、インサイダー取引防止の研修等を行っている。内部監査部門においては、当社グループの部門に対する業務監査を定期的に実施している。
当期においては、日本で行っていた企業倫理月間の取り組みをグローバルに拡大し、当社グループの役員・従業員の倫理意識の向上に努めた。
イ.リスクマネジメント
「オムロングループ統合リスクマネジメントルール」に基づき、毎年グローバル視点で当社グループに関わるリスクを洗い出し、分析を加え、その中から当社グループにとって重要なリスクを指定している。指定されたリスクについては、執行会議を通じて当社グループ全体でリスク対策を実行している。そして、リスク対策の主管部門を選定し、四半期ごとの企業倫理リスクマネジメント委員会にて対策の進捗を確認し、計画的に取り組みを推進している。また、国内外のグループ会社において、「リスクマネージャ」を選任し、そのグローバルなネットワークを利用して、日常的なリスク情報の共有、対応の協議などを迅速に行い、社内外の環境変化に対応した対策を現場と経営が力を合わせて実施している。
当期においては、事業継続計画の見直しや、危機発生時の報告・対応手順の再整備等を行い、更なるリスク対応力の強化に取り組んだ。
5.責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役および社外監査役がその期待される役割を十分に発揮できるように、定款に社外取締役および社外監査役との責任限定契約に関する定めを設けている。当該定款の定めに基づき当社が社外取締役および社外監査役の全員と締結した責任限定契約の内容の概要は次のとおりである。
ア.社外取締役の責任限定契約
社外取締役は、本契約締結後、会社法第423条第1項の責任について、その職務を行うにつき善意であり、かつ重大な過失がなかったときは、1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度として損害賠償責任を負担するものとする。
イ.社外監査役の責任限定契約
社外監査役は、本契約締結後、会社法第423条第1項の責任について、その職務を行うにつき善意であり、かつ重大な過失がなかったときは、1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度として損害賠償責任を負担するものとする。
6.取締役の定数等
当社は、定款において取締役の定数を定めている。また、取締役の選任においては、定款において選任決議の定足数を引下げている。定款の内容は次のとおりである。
ア.定数
当会社の取締役は、10名以内とする。
イ.選任の決議方法
・取締役は、株主総会において選任する。
・取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その 議決権の過半数をもって行う。
・取締役の選任決議は、累積投票によらない。
7.自己の株式の取得の決定機関
当社では、経済情勢の変化に対応した機動的な経営を遂行できるように、会社法第165条第2項の定めにより取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨、定款に定めている。
8.中間配当の決定機関
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨、定款に定めている。
9.株主総会の特別決議要件
当社では特別決議を機動的に行えるよう、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款に定めている。
②内部監査および監査役監査、会計監査の状況
1.内部監査および監査役監査
当社の内部監査機能は、当社社長指示のもと、本社グローバル監査室(20名)が担っており、海外の北米、欧州、中華圏、アジア・パシフィックの地域統轄会社に設置した内部監査室を統括し、リスクマネジメントの観点から、会計・業務・遵法などに関する内部監査を、グローバル視点でかつ定期的に実施している。監査役は重要な会議への出席、往査、ヒアリングなどを通じて経営の状況を把握するなどの日常的な監視活動を実践している。また、監査役会は取締役会議案についてガバナンスのあり方などの観点より審議し、取締役会などで適宜、助言または勧告を行っている。
また、常勤監査役 近藤喜一郎氏は、金融機関での勤務経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有している。常勤監査役 川島時夫氏は、金融機関での長年の勤務経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有している。社外監査役 内山英世氏は、公認会計士として監査法人での長年の勤務経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有している。社外監査役 國廣正氏は、弁護士であり、主に会社法・金融商品取引法・独占禁止法に関する相当程度の知見を有している。
2.会計監査
当社は、会社法に基づく会計監査および金融商品取引法に基づく会計監査を有限責任監査法人トーマツに依頼しているが、同監査法人および当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社の間には、特別の利害関係はない。また、同監査法人は業務執行社員について、当社の会計監査に一定期間を超えて関与することのないよう措置をとっている。当社は、同監査法人との間で会社法監査と金融商品取引法監査について監査契約書を締結し、それに基づき報酬を支払っている。当期において業務を執行した公認会計士の氏名、監査業務に係る補助者の構成は次のとおりである。
業務を執行した公認会計士の氏名
指定有限責任社員 業務執行社員 : 大西 康弘、玉井 照久、池畑 憲二郎
監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 24名、公認会計士試験合格者 15名、その他 16名
3.内部監査、監査役監査および会計監査の相互連携ならびに内部統制部門との連携
内部監査、監査役監査および会計監査の相互連携については、月1回の監査役会に本社グローバル監査室長が出席し、逐次、監査結果の報告を行っている。監査役は会計監査人と定期的会合を持ち、会計監査人の監査計画を把握し、会計監査人の監査の体制および監査の手法ならびに国内外の子会社等の内部統制状況などについて説明を受けている。また、必要に応じて会計監査人の往査および監査講評に立会うほか、監査役自らが調査を行っている。
4.内部監査、監査役監査および会計監査と内部統制部門との関係
法務、経理・財務部門等の内部統制部門が必要に応じて内部監査部門や監査役会、会計監査人に対してリスクの評価、管理体制等の状況等に関して報告を行い、報告を受けた内部監査部門や監査役会、会計監査人は権限を行使し、適切なリスクマネジメントの機能と強化を図っている。
③社外取締役および社外監査役
当社は、監督機能を強化するために取締役会における独立社外取締役の割合を3分の1以上とする。
現在の当社の独立社外取締役は3名、独立社外監査役は2名である。
1.社外取締役および社外監査役と当社との人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係
小林栄三氏は、伊藤忠商事株式会社の会長であり、当社グループと同社グループとの間には製品の販売等の取引関係があるが、2016年度における取引額の割合は当社グループおよび同社グループの連結売上高の1%未満であり、同氏の独立性に問題はない。また、上釜健宏氏は、TDK株式会社の代表取締役会長であり、当社グループと同社グループとの間には製品の販売等の取引関係があるが、2016年度における取引額の割合は当社グループおよび同社グループの連結売上高の1%未満であり、同氏の独立性に問題はない。その他の社外役員の重要な兼職先と当社との間に記載すべき特別な関係はない。
当社の社外役員は、当社が独自に定める「社外役員の独立性要件」(※)を満たしており、一般株主と利益相反が生じるおそれがないことから、社外役員全員を独立役員として届け出ている。
(※)当社の「社外役員の独立性要件」については、「3.社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準および選任状況に関する当社の考え方」に記載。
2.社外取締役および社外監査役が当社のコーポレート・ガバナンスにおいて果たす機能および役割
[独立社外取締役の機能・役割]
・独立社外取締役は、その独立性の立場を踏まえ、執行の監督機能、助言機能、利益相反の監督機能を果たすとともに、ステークホルダーの意見を取締役会に反映する。
・独立社外取締役は、監査役会と当社の経営について意見交換を行う。
・独立社外取締役は、その役割を果たすために、必要に応じて、当社に対し情報提供を求める。
[独立社外監査役の機能・役割]
・独立社外監査役は、その独立性の立場を踏まえ、社長および取締役会に対し適切に意見を述べる。
・独立社外監査役は、法令に基づく調査権限を行使することを含め、積極的に監査環境の整備に努める。
3.社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準および選任状況に関する当社の考え方
[社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準]
当社は会社法上の要件に加え独自の「社外役員の独立性要件」を策定し、この独立性要件を基準に社外役員を選任しているため、社外役員の独立性は十分に保たれていると判断し、社外役員全員を独立役員として届け出ている。社外役員全員を独立役員とすることについては、社外役員で構成するコーポレート・ガバナンス委員会に諮問し、独自に定める「社外役員の独立性要件」が社外役員の独立性の判断基準として問題ないことを確認し、取締役会において決議している。
「社外役員の独立性要件」(2014年12月25日改訂)
社外役員候補者本人及び本人が帰属する企業・団体とオムロングループとの間に、下記の独立性要件を設ける。なお、社外役員は、下記に定める独立性要件を就任後も維持し、主要な役職に就任した場合は、本独立性要件に基づき、人事諮問委員会において独立性について検証する。
ア. 現在オムロングループ(注)の取締役(社外取締役を除く)・監査役(社外監査役を除く)・執行役員または使用人でなく、過去においてもオムロングループの取締役(社外取締役を除く)・監査役(社外監査役を除く)・執行役員または使用人であったことがないこと
イ. 過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの大株主(*)もしくはオムロングループが大株主の取締役・監査役・執行役員または使用人であったことはないこと
(*)大株主とは、総議決権の10%以上の株式を保有する企業等をいう
ウ. オムロングループの主要な取引先企業(*)の取締役・監査役・執行役員または使用人でないこと
(*)主要な取引先とは、直前事業年度および過去3事業年度におけるオムロングループとの取引の支払額または受取額が、オムロングループまたは取引先(その親会社および重要な子会社を含む)の連結売上高の2%以上を占めている企業をいう
エ. オムロングループから多額の寄付(*)を受けている法人・団体等の理事その他の取締役・監査役・執行役員または使用人でないこと
(*)多額の寄付とは、過去3事業年度の平均で年間1,000万円または寄付先の連結売上高もしくは総収入の2%のいずれか大きい額を超えることをいう
オ. オムロングループとの間で、取締役・監査役または執行役員を相互に派遣していないこと
カ. 過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの会計監査人の代表社員、社員、パートナーまたは従業員であったことがないこと
キ. オムロングループから役員報酬以外に、多額の金銭(*)その他財産を得ている弁護士、公認会計士、コンサルタント等でないこと
(*)多額の金銭とは、過去3事業年度の平均で、個人の場合は年間1,000万円以上、団体の場合は当該団体の連結売上高の2%以上を超えることをいう
ク. 以下に該当する者の配偶者、2親等内の親族、同居の親族または生計を一にする者ではないこと
(1)オムロングループの取締役・監査役・執行役員または重要な使用人(*)
(2)過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの取締役・監査役・執行役員または重
要な使用人であった者
(3)上記イ.からキ.で就任を制限している対象者
(*)重要な使用人とは、事業本部長職以上の使用人をいう
ケ. その他、社外役員としての職務を遂行する上で独立性に疑いがないこと
注:オムロングループとは、オムロン株式会社およびオムロン株式会社の子会社とする。
[社外取締役および社外監査役の選任状況および選任理由]
独立社外取締役 小林栄三氏は、グローバルにビジネスを展開する企業のトップとして、積極的かつ幅広い事業展開の経験と経営に関する高い見識を有しており、社外取締役として経営を適切に監督いただいている。また、経営の専門家としての経験・見識をもとに、報酬諮問委員会の委員長として、当社の経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言いただいている。これらのことから、当社の持続的な企業価値の向上に向けて経営の監督を行っていただくために独立社外取締役に選任している。
独立社外取締役 西川久仁子氏は、国際経験が豊富であり、グローバルに展開する経営コンサルティング企業での経験や医療人材派遣企業の経営を経て起業するなど、多様な経営実績と高い見識を有しており、社外取締役として経営を適切に監督いただいている。また、経営の専門家としての経験・見識をもとに、人事諮問委員会、社長指名諮問委員会、報酬諮問委員会、コーポレート・ガバナンス委員会の委員として、当社の経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言いただいている。これらのことから、当社の持続的な企業価値の向上に向けて経営の監督を行っていただくために独立社外取締役に選任している。
独立社外取締役 上釜健宏氏は、グローバルにビジネスを展開する企業において、主要事業の技術部門での業務経験を有するとともに、同事業の責任者を経て長年にわたりトップとして経営に携わり、経営に関する高い見識を有している。これらのことから、当社の持続的な企業価値の向上に向けて経営の監督を行っていただくため、独立社外取締役として選任している。
独立社外監査役 内山英世氏は、監査法人のトップおよび国際会計事務所のアジア太平洋地域のトップを歴任しており、豊富な経験と、高い見識を有している。また、公認会計士として監査法人での長年の勤務経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有している。これらの実績と豊富な経験に基づき、監査役に適切な人材と判断し、独立社外監査役として選任している。
独立社外監査役 國廣正氏は、弁護士であり、主に会社法・金融商品取引法・独占禁止法を専門分野としている。また、企業の危機管理やリスク管理体制構築にも精通しており、内閣府および消費者庁の顧問などの要職を歴任している。その専門性を当社の監査に反映いただくため、独立社外監査役として選任している。
社外監査役は、取締役会に出席するとともに、毎月の監査役会で取締役の業務執行状況を常勤監査役から聴取し、必要に応じて主要な事業場を往査するなどにより、取締役の業務執行状況を監査している。
4.社外取締役または社外監査役による監督または監査と内部監査、監査役監査および会計監査との相互連携
社外取締役は、前述のとおり毎月開催の取締役会、各委員会に出席し、経営の監督を行っている他に、年1回監査役会によるヒアリングを受けており、当社の経営について意見交換を行っている。
社外監査役は、会計監査人の監査計画を把握し、会計監査人の監査体制および監査の方法ならびに国内外の子会社などの内部統制状況等について、定期的に説明を受けている。また、内部監査部門へのヒアリングを行い、内部統制の実行状況を確認している。
④役員報酬等
1.役員報酬等の内容
当事業年度に係る役員報酬等の内容は以下のとおりである。
ア.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
イ.報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等
2.役員の報酬等の額またはその算定方法に係る決定に関する方針
当社は取締役の報酬等について、判断の客観性と透明性を高めるため、社外取締役を委員長とし、委員の過半数を社外取締役で構成する報酬諮問委員会を設置している。当社は「取締役報酬の方針」について、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により定めている。
各取締役の報酬等の額は、株主総会の決議により決定した取締役報酬等の総額の範囲内で、当該方針等に基づく報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定している。
また、各監査役の報酬等の額は、株主総会の決議により決定した監査役報酬等の総額の範囲内で、監査役の協議により決定している。
当社の「取締役報酬の方針」は以下のとおりである。
[取締役報酬の方針]
1)基本方針
・企業理念を実践する優秀な人材を取締役として登用できる報酬とする。
・持続的な企業価値の向上を動機づける報酬体系とする。
・株主をはじめとするステークホルダーに対して説明責任を果たせる、「透明性」「公正性」「合理性」の高い報酬体系とする。
2)報酬構成
・取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬と、業績に応じて変動する業績連動報酬で構成する。
・社外取締役の報酬は、その役割と独立性の観点から、基本報酬のみで構成する。
3)基本報酬
・基本報酬額は、外部専門機関の調査に基づく他社水準を考慮し役割に応じて決定する。
4)業績連動報酬
・短期業績連動報酬として、単年度の業績や目標達成度に連動する賞与を支給する。
・中長期業績連動報酬として、中期経営計画の達成度や企業価値(株式価値)の向上に連動する株式報酬を支給する。
・短期業績連動報酬および中長期業績連動報酬の基準額は、役割に応じて定める報酬構成比率により決定する。
5)報酬ガバナンス
・全ての取締役報酬は、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定する。
⑤株式の保有状況
1.投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数および貸借対照表計上額の合計額
55銘柄 21,882百万円
2.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額および保有目的
(前事業年度)
特定投資株式
みなし保有株式
(注)1 貸借対照表計上額の上位銘柄を算定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していない。
2 保有する特定投資株式およびみなし保有株式を合わせて30銘柄に満たないため、全銘柄を記載している。
(当事業年度)
特定投資株式
みなし保有株式
(注)1 貸借対照表計上額の上位銘柄を算定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していない。
2 保有する特定投資株式およびみなし保有株式を合わせて30銘柄に満たないため、全銘柄を記載している。
3.保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はない。
※コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
オムロングループ(以下、当社グループ)におけるコーポレート・ガバナンスとは、「企業理念」および「経営のスタンス」に基づき、すべてのステークホルダーの支持を得て、持続的な企業価値の向上を実現するために、経営の透明性・公正性を高め、迅速な意思決定を行うとともに、監督から執行の現場までを有機的に連携させ、経営のスピードを速め、企業の競争力の強化を図るための仕組みであり、その仕組みを構築し機能させることである。
当社グループは、この基本的な考え方に基づき、オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシーを制定し、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実に取り組む。
オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシーは、以下URLを参照
URL:http://www.omron.co.jp/sustainability/governance/corporate_governance/policy/
<企業理念>Our Mission (社憲)
われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう
Our Values
私たちが大切にする価値観
・ソーシャルニーズの創造
私たちは、世に先駆けて新たな価値を創造し続けます。
・絶えざるチャレンジ
私たちは、失敗を恐れず情熱をもって挑戦し続けます。
・人間性の尊重
私たちは、誠実であることを誇りとし、人間の可能性を信じ続けます。
<経営のスタンス>私たちは、「企業は社会の公器である」との基本的考えのもと、企業理念の実践を通じて、持続的な企業価値の向上を目指します。
・長期ビジョンを掲げ、事業を通じて社会的課題を解決します。
・真のグローバル企業を目指し、公正かつ透明性の高い経営を実現します。
・すべてのステークホルダーと責任ある対話を行い、強固な信頼関係を構築します。
①コーポレート・ガバナンスの体制
1.コーポレート・ガバナンスの体制の概要
当社は、会社法上の機関設計として、監査役会設置会社を選択している。また、取締役会の機能を補完するため、人事諮問委員会、社長指名諮問委員会、報酬諮問委員会、コーポレート・ガバナンス委員会を設置し、監査役会設置会社に指名委員会等設置会社の優れた面も取り入れたハイブリッド型の機関設計を構築するとともに機能させている。
取締役会は、取締役8名で構成しており、取締役・監査役・執行役員の選任、取締役・執行役員の報酬の決定、および重要な業務執行の決定等を通じて、経営全般に対する監督機能を発揮して経営の公正性・透明性を確保している。また、監督機能を強化するため、監督と執行を分離し、取締役の過半数を業務執行を行わない取締役によって構成すると共に、独立社外取締役の割合を3分の1以上としている。取締役会議長は代表権を持たない取締役会長が務め、執行を行わずにステークホルダーの代表として監督を行っている。なお、独立社外取締役の専従スタッフは配置していないが、「取締役室」「グローバル戦略本部」のスタッフが適宜対応している。
監査役会は、監査役4名で構成しており、各監査役による監査の実効性を確保するための体制整備に努めている。監査役は、取締役の職務執行および取締役会の監督義務の履行状況について、適法性監査および妥当性監査を行っている。なお、独立社外監査役の専従スタッフは配置していないが、「監査役室」のスタッフが適宜対応している。
人事諮問委員会、社長指名諮問委員会、報酬諮問委員会の委員長はいずれも独立社外取締役とし、委員の過半数を独立社外取締役としている。コーポレート・ガバナンス委員会の委員長および委員は、独立社外取締役および独立社外監査役としている。
人事諮問委員会は、取締役・監査役・執行役員の選任基準の策定、候補者の選定、現職の評価を行っている。社長指名諮問委員会は、社長(CEO)の交代・選任に特化しており、緊急事態が生じた場合の継承プランおよび後継者計画(サクセッションプラン)について毎年審議している。報酬諮問委員会は、取締役・執行役員の報酬の基本方針の策定、評価基準の設定、取締役・執行役員の現職の評価を行っている。コーポレート・ガバナンス委員会は、経営の透明性・公正性を高め、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実を図ることを目的としている。
2.現状のコーポレート・ガバナンスの体制を採用する理由
前述の通り、当社は、監査役会設置会社を選択している。
取締役会は、取締役・監査役・執行役員の選任、取締役・執行役員の報酬の決定、および重要な業務執行の決定等を通じて、経営全般に対する監督機能を発揮し、持続的な企業価値の向上に努めている。
監査役会および監査役は、取締役の職務執行および取締役会の監督義務の履行状況について、適法性監査および妥当性監査を行い、持続的な企業価値の向上に向けて企業の健全性を確保し株主共同の利益のために行動している。また、監査役の独任制に基づき、各監査役が単独で権限を行使することが可能であり、内部統制を強化させる重要な役割を果たしていると考えている。
さらに、取締役会の監督機能を補完するため、取締役会の傘下に人事諮問委員会、社長指名諮問委員会、報酬諮問委員会を設置し、いずれの委員会も委員長は独立社外取締役とし、委員の過半数を独立社外取締役としている。加えてコーポレート・ガバナンスの向上を目的に、コーポレート・ガバナンス委員会を設置し、委員長および委員は独立社外取締役および独立社外監査役としている。特に、社長指名諮問委員会は監督機能上の最重要事項である社長の選任等に特化しており、これらの当社独自の工夫により、経営陣の意思決定に対する透明性と客観性を高める仕組みを構築し機能させている。
このように、監査役会設置会社として、指名委員会等設置会社のコーポレート・ガバナンス体制の優れた面を取りいれたハイブリッド型のコーポレート・ガバナンス体制は、当社にとって最適な体制であると考えている。
3.内部統制システムの整備の状況
当社は、内部統制システムを整備し、持続的企業価値の向上を妨げるおそれのある内外のさまざまなリスクを常に明らかにして、的確な対応を実施している。内部監査機能としては、社長の直轄部門であるグローバル監査室が、各本社機能部門および各ビジネスカンパニーの会計、業務、事業リスク、コンプライアンスなどの内部監査を定期的に実行しており、監視と業務改善に向けて、具体的な助言を行っている。
業務執行・経営の監視のしくみおよび内部統制システムの整備状況の模式図は次のとおりである。
4.コンプライアンス・リスクマネジメントに対する取り組みの状況
当社グループでは、企業倫理リスクマネジメント委員会を推進組織とし、コンプライアンスとリスクマネジメントを統合した対応を行っている。この対応は社長直轄部門が担当し、当該活動の一層の推進と徹底により、当社グループの変化対応力のさらなる強化を行っている。
ア.コンプライアンス
当社グループの役員・従業員に対し行動指針を周知するとともに、必要な研修等を実施している。また、企業倫理リスクマネジメント委員会を定期開催するとともに、10月を企業倫理月間と定め、国内外の役員・従業員に対するトップメッセージ配信、職場研修、企業倫理カード配布などを行っている。内部通報窓口を国内および海外の主要拠点に設置し、運営している。また、情報開示に関する正確性、適時性、網羅性を確保するため、情報開示実行委員会を定期開催するとともに、インサイダー取引防止の研修等を行っている。内部監査部門においては、当社グループの部門に対する業務監査を定期的に実施している。
当期においては、日本で行っていた企業倫理月間の取り組みをグローバルに拡大し、当社グループの役員・従業員の倫理意識の向上に努めた。
イ.リスクマネジメント
「オムロングループ統合リスクマネジメントルール」に基づき、毎年グローバル視点で当社グループに関わるリスクを洗い出し、分析を加え、その中から当社グループにとって重要なリスクを指定している。指定されたリスクについては、執行会議を通じて当社グループ全体でリスク対策を実行している。そして、リスク対策の主管部門を選定し、四半期ごとの企業倫理リスクマネジメント委員会にて対策の進捗を確認し、計画的に取り組みを推進している。また、国内外のグループ会社において、「リスクマネージャ」を選任し、そのグローバルなネットワークを利用して、日常的なリスク情報の共有、対応の協議などを迅速に行い、社内外の環境変化に対応した対策を現場と経営が力を合わせて実施している。
当期においては、事業継続計画の見直しや、危機発生時の報告・対応手順の再整備等を行い、更なるリスク対応力の強化に取り組んだ。
5.責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役および社外監査役がその期待される役割を十分に発揮できるように、定款に社外取締役および社外監査役との責任限定契約に関する定めを設けている。当該定款の定めに基づき当社が社外取締役および社外監査役の全員と締結した責任限定契約の内容の概要は次のとおりである。
ア.社外取締役の責任限定契約
社外取締役は、本契約締結後、会社法第423条第1項の責任について、その職務を行うにつき善意であり、かつ重大な過失がなかったときは、1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度として損害賠償責任を負担するものとする。
イ.社外監査役の責任限定契約
社外監査役は、本契約締結後、会社法第423条第1項の責任について、その職務を行うにつき善意であり、かつ重大な過失がなかったときは、1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度として損害賠償責任を負担するものとする。
6.取締役の定数等
当社は、定款において取締役の定数を定めている。また、取締役の選任においては、定款において選任決議の定足数を引下げている。定款の内容は次のとおりである。
ア.定数
当会社の取締役は、10名以内とする。
イ.選任の決議方法
・取締役は、株主総会において選任する。
・取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その 議決権の過半数をもって行う。
・取締役の選任決議は、累積投票によらない。
7.自己の株式の取得の決定機関
当社では、経済情勢の変化に対応した機動的な経営を遂行できるように、会社法第165条第2項の定めにより取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨、定款に定めている。
8.中間配当の決定機関
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨、定款に定めている。
9.株主総会の特別決議要件
当社では特別決議を機動的に行えるよう、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款に定めている。
②内部監査および監査役監査、会計監査の状況
1.内部監査および監査役監査
当社の内部監査機能は、当社社長指示のもと、本社グローバル監査室(20名)が担っており、海外の北米、欧州、中華圏、アジア・パシフィックの地域統轄会社に設置した内部監査室を統括し、リスクマネジメントの観点から、会計・業務・遵法などに関する内部監査を、グローバル視点でかつ定期的に実施している。監査役は重要な会議への出席、往査、ヒアリングなどを通じて経営の状況を把握するなどの日常的な監視活動を実践している。また、監査役会は取締役会議案についてガバナンスのあり方などの観点より審議し、取締役会などで適宜、助言または勧告を行っている。
また、常勤監査役 近藤喜一郎氏は、金融機関での勤務経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有している。常勤監査役 川島時夫氏は、金融機関での長年の勤務経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有している。社外監査役 内山英世氏は、公認会計士として監査法人での長年の勤務経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有している。社外監査役 國廣正氏は、弁護士であり、主に会社法・金融商品取引法・独占禁止法に関する相当程度の知見を有している。
2.会計監査
当社は、会社法に基づく会計監査および金融商品取引法に基づく会計監査を有限責任監査法人トーマツに依頼しているが、同監査法人および当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社の間には、特別の利害関係はない。また、同監査法人は業務執行社員について、当社の会計監査に一定期間を超えて関与することのないよう措置をとっている。当社は、同監査法人との間で会社法監査と金融商品取引法監査について監査契約書を締結し、それに基づき報酬を支払っている。当期において業務を執行した公認会計士の氏名、監査業務に係る補助者の構成は次のとおりである。
業務を執行した公認会計士の氏名
指定有限責任社員 業務執行社員 : 大西 康弘、玉井 照久、池畑 憲二郎
監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 24名、公認会計士試験合格者 15名、その他 16名
3.内部監査、監査役監査および会計監査の相互連携ならびに内部統制部門との連携
内部監査、監査役監査および会計監査の相互連携については、月1回の監査役会に本社グローバル監査室長が出席し、逐次、監査結果の報告を行っている。監査役は会計監査人と定期的会合を持ち、会計監査人の監査計画を把握し、会計監査人の監査の体制および監査の手法ならびに国内外の子会社等の内部統制状況などについて説明を受けている。また、必要に応じて会計監査人の往査および監査講評に立会うほか、監査役自らが調査を行っている。
4.内部監査、監査役監査および会計監査と内部統制部門との関係
法務、経理・財務部門等の内部統制部門が必要に応じて内部監査部門や監査役会、会計監査人に対してリスクの評価、管理体制等の状況等に関して報告を行い、報告を受けた内部監査部門や監査役会、会計監査人は権限を行使し、適切なリスクマネジメントの機能と強化を図っている。
③社外取締役および社外監査役
当社は、監督機能を強化するために取締役会における独立社外取締役の割合を3分の1以上とする。
現在の当社の独立社外取締役は3名、独立社外監査役は2名である。
1.社外取締役および社外監査役と当社との人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係
小林栄三氏は、伊藤忠商事株式会社の会長であり、当社グループと同社グループとの間には製品の販売等の取引関係があるが、2016年度における取引額の割合は当社グループおよび同社グループの連結売上高の1%未満であり、同氏の独立性に問題はない。また、上釜健宏氏は、TDK株式会社の代表取締役会長であり、当社グループと同社グループとの間には製品の販売等の取引関係があるが、2016年度における取引額の割合は当社グループおよび同社グループの連結売上高の1%未満であり、同氏の独立性に問題はない。その他の社外役員の重要な兼職先と当社との間に記載すべき特別な関係はない。
当社の社外役員は、当社が独自に定める「社外役員の独立性要件」(※)を満たしており、一般株主と利益相反が生じるおそれがないことから、社外役員全員を独立役員として届け出ている。
(※)当社の「社外役員の独立性要件」については、「3.社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準および選任状況に関する当社の考え方」に記載。
2.社外取締役および社外監査役が当社のコーポレート・ガバナンスにおいて果たす機能および役割
[独立社外取締役の機能・役割]
・独立社外取締役は、その独立性の立場を踏まえ、執行の監督機能、助言機能、利益相反の監督機能を果たすとともに、ステークホルダーの意見を取締役会に反映する。
・独立社外取締役は、監査役会と当社の経営について意見交換を行う。
・独立社外取締役は、その役割を果たすために、必要に応じて、当社に対し情報提供を求める。
[独立社外監査役の機能・役割]
・独立社外監査役は、その独立性の立場を踏まえ、社長および取締役会に対し適切に意見を述べる。
・独立社外監査役は、法令に基づく調査権限を行使することを含め、積極的に監査環境の整備に努める。
3.社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準および選任状況に関する当社の考え方
[社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準]
当社は会社法上の要件に加え独自の「社外役員の独立性要件」を策定し、この独立性要件を基準に社外役員を選任しているため、社外役員の独立性は十分に保たれていると判断し、社外役員全員を独立役員として届け出ている。社外役員全員を独立役員とすることについては、社外役員で構成するコーポレート・ガバナンス委員会に諮問し、独自に定める「社外役員の独立性要件」が社外役員の独立性の判断基準として問題ないことを確認し、取締役会において決議している。
「社外役員の独立性要件」(2014年12月25日改訂)
社外役員候補者本人及び本人が帰属する企業・団体とオムロングループとの間に、下記の独立性要件を設ける。なお、社外役員は、下記に定める独立性要件を就任後も維持し、主要な役職に就任した場合は、本独立性要件に基づき、人事諮問委員会において独立性について検証する。
ア. 現在オムロングループ(注)の取締役(社外取締役を除く)・監査役(社外監査役を除く)・執行役員または使用人でなく、過去においてもオムロングループの取締役(社外取締役を除く)・監査役(社外監査役を除く)・執行役員または使用人であったことがないこと
イ. 過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの大株主(*)もしくはオムロングループが大株主の取締役・監査役・執行役員または使用人であったことはないこと
(*)大株主とは、総議決権の10%以上の株式を保有する企業等をいう
ウ. オムロングループの主要な取引先企業(*)の取締役・監査役・執行役員または使用人でないこと
(*)主要な取引先とは、直前事業年度および過去3事業年度におけるオムロングループとの取引の支払額または受取額が、オムロングループまたは取引先(その親会社および重要な子会社を含む)の連結売上高の2%以上を占めている企業をいう
エ. オムロングループから多額の寄付(*)を受けている法人・団体等の理事その他の取締役・監査役・執行役員または使用人でないこと
(*)多額の寄付とは、過去3事業年度の平均で年間1,000万円または寄付先の連結売上高もしくは総収入の2%のいずれか大きい額を超えることをいう
オ. オムロングループとの間で、取締役・監査役または執行役員を相互に派遣していないこと
カ. 過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの会計監査人の代表社員、社員、パートナーまたは従業員であったことがないこと
キ. オムロングループから役員報酬以外に、多額の金銭(*)その他財産を得ている弁護士、公認会計士、コンサルタント等でないこと
(*)多額の金銭とは、過去3事業年度の平均で、個人の場合は年間1,000万円以上、団体の場合は当該団体の連結売上高の2%以上を超えることをいう
ク. 以下に該当する者の配偶者、2親等内の親族、同居の親族または生計を一にする者ではないこと
(1)オムロングループの取締役・監査役・執行役員または重要な使用人(*)
(2)過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの取締役・監査役・執行役員または重
要な使用人であった者
(3)上記イ.からキ.で就任を制限している対象者
(*)重要な使用人とは、事業本部長職以上の使用人をいう
ケ. その他、社外役員としての職務を遂行する上で独立性に疑いがないこと
注:オムロングループとは、オムロン株式会社およびオムロン株式会社の子会社とする。
[社外取締役および社外監査役の選任状況および選任理由]
独立社外取締役 小林栄三氏は、グローバルにビジネスを展開する企業のトップとして、積極的かつ幅広い事業展開の経験と経営に関する高い見識を有しており、社外取締役として経営を適切に監督いただいている。また、経営の専門家としての経験・見識をもとに、報酬諮問委員会の委員長として、当社の経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言いただいている。これらのことから、当社の持続的な企業価値の向上に向けて経営の監督を行っていただくために独立社外取締役に選任している。
独立社外取締役 西川久仁子氏は、国際経験が豊富であり、グローバルに展開する経営コンサルティング企業での経験や医療人材派遣企業の経営を経て起業するなど、多様な経営実績と高い見識を有しており、社外取締役として経営を適切に監督いただいている。また、経営の専門家としての経験・見識をもとに、人事諮問委員会、社長指名諮問委員会、報酬諮問委員会、コーポレート・ガバナンス委員会の委員として、当社の経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言いただいている。これらのことから、当社の持続的な企業価値の向上に向けて経営の監督を行っていただくために独立社外取締役に選任している。
独立社外取締役 上釜健宏氏は、グローバルにビジネスを展開する企業において、主要事業の技術部門での業務経験を有するとともに、同事業の責任者を経て長年にわたりトップとして経営に携わり、経営に関する高い見識を有している。これらのことから、当社の持続的な企業価値の向上に向けて経営の監督を行っていただくため、独立社外取締役として選任している。
独立社外監査役 内山英世氏は、監査法人のトップおよび国際会計事務所のアジア太平洋地域のトップを歴任しており、豊富な経験と、高い見識を有している。また、公認会計士として監査法人での長年の勤務経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有している。これらの実績と豊富な経験に基づき、監査役に適切な人材と判断し、独立社外監査役として選任している。
独立社外監査役 國廣正氏は、弁護士であり、主に会社法・金融商品取引法・独占禁止法を専門分野としている。また、企業の危機管理やリスク管理体制構築にも精通しており、内閣府および消費者庁の顧問などの要職を歴任している。その専門性を当社の監査に反映いただくため、独立社外監査役として選任している。
社外監査役は、取締役会に出席するとともに、毎月の監査役会で取締役の業務執行状況を常勤監査役から聴取し、必要に応じて主要な事業場を往査するなどにより、取締役の業務執行状況を監査している。
4.社外取締役または社外監査役による監督または監査と内部監査、監査役監査および会計監査との相互連携
社外取締役は、前述のとおり毎月開催の取締役会、各委員会に出席し、経営の監督を行っている他に、年1回監査役会によるヒアリングを受けており、当社の経営について意見交換を行っている。
社外監査役は、会計監査人の監査計画を把握し、会計監査人の監査体制および監査の方法ならびに国内外の子会社などの内部統制状況等について、定期的に説明を受けている。また、内部監査部門へのヒアリングを行い、内部統制の実行状況を確認している。
④役員報酬等
1.役員報酬等の内容
当事業年度に係る役員報酬等の内容は以下のとおりである。
ア.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる 役員の員数 (名) | |||
基本報酬 | 単年度業績連動賞与 | 中期業績連動賞与 | 退職慰労金 | |||
取締役 (社外取締役を除く) | 552 | 344 | 149 | 59 | - | 5 |
監査役 (社外監査役を除く) | 64 | 64 | - | - | - | 2 |
社外役員 | 54 | 54 | - | - | - | 6 |
イ.報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等
氏名 (役員区分) | 報酬等の総額 (百万円) | 会社区分 | 報酬等の種類別の総額(百万円) | |||
基本報酬 | 単年度業績連動賞与 | 中期業績 連動賞与 | 退職慰労金 | |||
立石 文雄 (取締役) | 117 | オムロン株式会社 | 81 | 24 | 12 | - |
山田 義仁 (取締役) | 165 | オムロン株式会社 | 84 | 61 | 20 | - |
2.役員の報酬等の額またはその算定方法に係る決定に関する方針
当社は取締役の報酬等について、判断の客観性と透明性を高めるため、社外取締役を委員長とし、委員の過半数を社外取締役で構成する報酬諮問委員会を設置している。当社は「取締役報酬の方針」について、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により定めている。
各取締役の報酬等の額は、株主総会の決議により決定した取締役報酬等の総額の範囲内で、当該方針等に基づく報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定している。
また、各監査役の報酬等の額は、株主総会の決議により決定した監査役報酬等の総額の範囲内で、監査役の協議により決定している。
当社の「取締役報酬の方針」は以下のとおりである。
[取締役報酬の方針]
1)基本方針
・企業理念を実践する優秀な人材を取締役として登用できる報酬とする。
・持続的な企業価値の向上を動機づける報酬体系とする。
・株主をはじめとするステークホルダーに対して説明責任を果たせる、「透明性」「公正性」「合理性」の高い報酬体系とする。
2)報酬構成
・取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬と、業績に応じて変動する業績連動報酬で構成する。
・社外取締役の報酬は、その役割と独立性の観点から、基本報酬のみで構成する。
3)基本報酬
・基本報酬額は、外部専門機関の調査に基づく他社水準を考慮し役割に応じて決定する。
4)業績連動報酬
・短期業績連動報酬として、単年度の業績や目標達成度に連動する賞与を支給する。
・中長期業績連動報酬として、中期経営計画の達成度や企業価値(株式価値)の向上に連動する株式報酬を支給する。
・短期業績連動報酬および中長期業績連動報酬の基準額は、役割に応じて定める報酬構成比率により決定する。
5)報酬ガバナンス
・全ての取締役報酬は、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定する。
⑤株式の保有状況
1.投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数および貸借対照表計上額の合計額
55銘柄 21,882百万円
2.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額および保有目的
(前事業年度)
特定投資株式
銘柄 | 株式数 (株) | 貸借対照表 計上額 (百万円) | 保有目的 |
トヨタ自動車㈱ | 1,618,007 | 9,630 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
㈱村田製作所 | 437,685 | 5,939 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
㈱マキタ | 500,000 | 3,490 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
ダイキン工業㈱ | 236,200 | 1,987 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
スズデン㈱ | 1,329,710 | 1,396 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
㈱SCREENホールディングス | 1,279,336 | 1,139 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
スズキ㈱ | 367,700 | 1,107 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
㈱リコー | 660,099 | 756 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
因幡電機産業㈱ | 165,291 | 586 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
ウシオ電機㈱ | 268,000 | 401 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
明治電機工業㈱ | 320,000 | 358 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
㈱安川電機 | 262,000 | 340 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
サンワテクノス㈱ | 355,080 | 252 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
㈱アドバンテスト | 61,492 | 64 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
フューチャーベンチャーキャピタル㈱ | 30,000 | 47 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
長野計器㈱ | 70,481 | 45 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
損保ジャパン日本興亜ホールディングス㈱ | 3,071 | 10 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
みなし保有株式
銘柄 | 株式数 (株) | 公正価額 (百万円) | 当社が有する権限の内容 |
㈱京都銀行 | 7,640,460 | 5,608 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ | 5,023,000 | 2,619 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
ローム㈱ | 468,000 | 2,218 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
TDK㈱ | 309,217 | 1,933 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
㈱島津製作所 | 913,000 | 1,611 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
日本新薬㈱ | 147,000 | 647 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
コニカミノルタ㈱ | 621,000 | 594 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
綜合警備保障㈱ | 39,000 | 238 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
㈱三井住友フィナンシャルグループ | 68,600 | 234 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
(注)1 貸借対照表計上額の上位銘柄を算定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していない。
2 保有する特定投資株式およびみなし保有株式を合わせて30銘柄に満たないため、全銘柄を記載している。
(当事業年度)
特定投資株式
銘柄 | 株式数 (株) | 貸借対照表 計上額 (百万円) | 保有目的 |
トヨタ自動車㈱ | 1,618,007 | 9,776 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
ダイキン工業㈱ | 236,200 | 2,642 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
スズデン㈱ | 1,329,710 | 1,447 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
因幡電機産業㈱ | 165,291 | 658 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
㈱リコー | 660,099 | 605 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
㈱安川電機 | 262,000 | 585 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
明治電機工業㈱ | 320,000 | 424 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
サンワテクノス㈱ | 355,080 | 400 | 当社との良好な取引関係を維持発展させるため |
みなし保有株式
銘柄 | 株式数 (株) | 公正価額 (百万円) | 当社が有する権限の内容 |
㈱村田製作所 | 437,685 | 6,931 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
㈱京都銀行 | 7,640,460 | 6,196 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ | 5,023,000 | 3,515 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
ローム㈱ | 468,000 | 3,463 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
TDK㈱ | 309,217 | 2,180 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
㈱SCREENホールディングス | 255,867 | 2,096 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
スズキ㈱ | 367,700 | 1,700 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
㈱島津製作所 | 913,000 | 1,615 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
日本新薬㈱ | 147,000 | 833 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
コニカミノルタ㈱ | 621,000 | 619 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
㈱三井住友フィナンシャルグループ | 68,600 | 277 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
綜合警備保障㈱ | 39,000 | 162 | 退職給付信託にもとづく議決権行使の指図権 |
(注)1 貸借対照表計上額の上位銘柄を算定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していない。
2 保有する特定投資株式およびみなし保有株式を合わせて30銘柄に満たないため、全銘柄を記載している。
3.保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はない。