有価証券報告書-第115期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの事業環境は、スマートフォン、パソコンの需要低下などを受け、半導体業界においてはメモリ向け、ウェーハ向けを中心に設備投資の減速が見られ、FPD(Flat Panel Display)業界においては全般的に設備投資が低調な状況が継続しました。その一方で、半導体業界においてIoT、5G、AIなどの需要は引き続き底堅く、ロジック/ファウンドリ向け、パワーデバイス向けなどの設備投資がいずれも堅調に推移しました。また、いずれの業界においても部品や部材の供給が不安定な状況が続きました。
このような環境の中、当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
売上高は、前年度に比べ半導体分野では増加、FPD分野では減少し、全体では67,556百万円(前年同期比10.7%増)となりました。
利益面では、半導体分野の売上増加により営業利益が11,687百万円(前年同期比7.2%増)、経常利益が11,611百万円(前年同期比10.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度において繰延税金資産の追加計上(915百万円)があったことの影響もあり前年度に比べ減少し、8,793百万円(前年同期比4.4%減)となりました。
なお、受注高は、半導体分野の後工程では生成AI用GPUの需要増に伴い先端パッケージ向け装置が好調に推移しましたが、前工程ではウェーハ向け装置を中心に一部顧客の設備投資計画の見直しがあり、高水準であった前年度に比べ減少しました。一方FPD分野は低調に推移しました。この結果、当連結会計年度における受注高は61,810百万円(前年同期比19.5%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(ファインメカトロニクス部門)
売上高は、半導体前工程ではロジック/ファウンドリ向け装置及びウェーハ向け装置がいずれも順調に推移し、前年度に比べ増加しました。一方FPD前工程は低調で、前年度に比べ減少しました。この結果、部門全体では前年度に比べ増収となり、50,084百万円(前年同期比17.4%増)となりました。
セグメント利益は、半導体前工程での売上増加により、10,602百万円(前年同期比10.1%増)となりました。
なお、受注高は、半導体前工程ではロジック/ファウンドリ向け装置及びマスク向け装置が堅調に推移したものの、ウェーハ向け装置を中心に一部顧客の設備投資計画の見直しなどがあり、特に好調であった前年度に比べ大幅に減少しました。FPD前工程では市況の影響を受け低調に推移し、前年度に比べ微減となりました。この結果、部門全体では前年度に比べ受注高が減少し、37,220百万円(前年同期比38.3%減)となりました。
(メカトロニクスシステム部門)
売上高は、半導体後工程では生成AI用GPUの需要増に伴い先端パッケージ向け装置が堅調に推移し、前年度に比べ増加しました。FPD後工程では、前年度後半からの低調な受注の影響を受け、前年度に比べ大幅に減少しました。真空応用装置は、半導体分野向けが堅調に推移し前年度に比べ増加しました。この結果、部門全体では前年度に比べ減収となり、12,400百万円(前年同期比12.1%減)となりました。
セグメント利益は、FPD後工程の売上減少の影響により、1,453百万円(前年同期比14.1%減)となりました。
なお、受注高は、半導体後工程では生成AI用GPUの需要増に伴い先端パッケージ向け装置が前年度に比べ大幅に増加しました。FPD後工程では市況の影響を受け、前年度に比べ減少しました。真空応用装置では、半導体分野向けを中心に順調に推移しました。この結果、部門全体では前年度に比べ受注高が増加し、17,637百万円(前年同期比44.0%増)となりました。
(流通機器システム部門)
2024年7月の新紙幣発行に対応する機器への更新需要が高まり、紙幣識別機器の更新のほか、券売機、汎用自販機の売上が好調に推移しました。この結果、売上高は3,282百万円(前年同期比37.9%増)、セグメント利益は416百万円(前年同期比289.4%増)となりました。
(不動産賃貸部門)
不動産賃貸収入は概ね計画どおり推移し、売上高は1,789百万円(前年同期比4.0%減)、セグメント利益は382百万円(前年同期比22.6%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ38百万円増加し27,199百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は5,987百万円(前年同期は4,572百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上、仕入債務の増加等により資金が増加し、一方で売上債権の増加、棚卸資産の増加等により資金が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は2,308百万円(前年同期は1,375百万円の減少)となりました。これは主に、固定資産の取得等により資金が減少したことによるものです。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、3,678百万円の増加(前年同期は3,197百万円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は3,748百万円(前年同期は2,436百万円の減少)となりました。これは主に、自己株式の取得及び配当金の支払いにより資金が減少したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の金額によります。
2.不動産賃貸の生産高計上はありません。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等
a 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9,366百万円増加し91,254百万円となりました。これは主に、売掛金が2,466百万円、契約資産が885百万円、商品及び製品が945百万円、仕掛品が828百万円、建物及び構築物(純額)が1,776百万円増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ3,638百万円増加し52,518百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が1,954百万円、電子記録債務が422百万円、未払費用が881百万円増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ5,728百万円増加し38,735百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により8,793百万円増加した一方で、配当金の支払いにより2,477百万円減少したことによるものです。
b 経営成績
(売上高及び営業利益)
売上高は、前連結会計年度に比べ10.7%増収の67,556百万円となりました。国内向け売上高は、前連結会計年度に比べ22.4%増収の24,857百万円となり、国内売上高比率は36.8%となりました。一方、海外向け売上高は4.9%増収の42,699百万円となり、海外売上高比率は63.2%となりました。
なお、部門別連結売上高の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
売上原価は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ10.5%増加の40,425百万円となりました。売上原価率は、標準化の推進やリードタイム短縮、新規取引先や代替部品の開拓などを継続し、前連結会計年度に比べ0.1ポイント減少の59.8%となりました。
販売費及び一般管理費は、現在の中期経営計画の柱の一つである「持続的成長に向けた投資」を進め、前連結会計年度に比べ14.2%増加の15,443百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度は11,687百万円の営業利益(前年同期比7.2%増)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益は、為替差益などにより前連結会計年度に比べ282百万円増加の685百万円となりました。
営業外費用は、デリバティブ評価損などにより前連結会計年度に比べ33百万円減少の761百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度は11,611百万円の経常利益(前年同期比10.4%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は、前連結会計年度において繰延税金資産の追加計上(915百万円)があったことの影響もあり8,793百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(前年同期比4.4%減)となりました。
また、1株当たり当期純利益は666.27円となりました。
ロ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営指標としてROS(売上高営業利益率)、ROE(自己資本当期純利益率)の向上を目指しております。当連結会計年度の数値目標及び経営成績、達成状況は下記のとおりです。
(注)当連結会計年度の数値目標は、2024年2月8日開示の2024年3月期第3四半期決算短信及び2024年3月期第3四半期決算説明資料に記載している2023年度業績予想であります。
ROS(売上高営業利益率)は、保守サービスを含む半導体分野での増収や経費の減少により1.4ポイント増となりました。
ROE(自己資本当期純利益率)は、主に当期純利益の増加などにより3.5ポイント増となりました。
ハ.セグメント別の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ファインメカトロニクス部門)
当連結会計年度における当セグメントの売上高は、前連結会計年度比17.4%増の50,084百万円となりました。半導体前工程ではロジック/ファウンドリ向け装置及びウェーハ向け装置がいずれも順調に推移して前年度に比べ売上高が増加した一方、FPD前工程では減少したことが主な背景であります。
セグメント利益は、前連結会計年度比10.1%増の10,602百万円となりました。増加の主な要因は、半導体前工程の売上高の増加であります。
2024年度(2025年3月期)は、半導体前工程ではウェーハプロセス向け枚葉式リン酸エッチング装置やSiウェーハ製造向け枚葉式洗浄装置など既存のグローバルニッチトップ製品群の更なる拡大を図るとともに、新しいグローバルニッチトップ製品の創出に向け開発を加速してまいります。
FPD前工程では新型・次世代向け製品の開発・拡販とともに、FPD前工程のコア技術を活かした製品であるインクジェット錠剤印刷装置の拡販を図ってまいります。
(メカトロニクスシステム部門)
当連結会計年度における当セグメントの売上高は、前連結会計年度比12.1%減の12,400百万円となりました。半導体後工程では、生成AI用GPUの需要増に伴い先端パッケージ向け装置が堅調に推移し、前年度に比べ売上高が増加した一方、FPD後工程では、前年度後半からの低調な受注の影響を受け売上高が大幅に減少したこと、また、真空応用装置では、半導体分野向けが堅調に推移したことが主な背景であります。
セグメント利益は、前連結会計年度比14.1%減の1,453百万円となりました。減少の主な要因は、FPD後工程の売上高の減少であります。
2024年度(2025年3月期)は、半導体後工程では引き続きモジュールプロセスの先端パッケージ向けボンダの更なるシェア拡大を図ってまいります。FPD後工程では、FPD前工程同様、新型・次世代向け製品の開発・拡販を進めてまいります。
(流通機器システム部門)
当連結会計年度における当セグメントの売上高は、前連結会計年度比37.9%増の3,282百万円となりました。2024年7月の新紙幣発行に対応する機器への更新需要が高まり、紙幣識別機器の更新のほか、券売機、汎用自販機の売上が好調に推移したことが主な要因であります。
セグメント利益は、前連結会計年度比289.4%増の416百万円となりました。販売機種構成の変化が主な要因であります。
2024年度(2025年3月期)は、引き続き紙幣識別機器の更新、入替を図ってまいります。
また、部品や部材の価格上昇による影響の抑制、生産性向上などにより、利益率の改善を図ってまいります。
(不動産賃貸部門)
当連結会計年度における当セグメントの売上高は、前連結会計年度比4.0%減の1,789百万円、セグメント利益は、前連結会計年度比22.6%減の382百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料、部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等であります。
当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金を調達しております。
金融機関からの借入のうち、短期借入は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入は主に資金の長期的な安定化を確保することを目的とした資金調達であります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は8,762百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。
当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載及び以下のとおりであります。
イ.貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
前受金の受領及び信用状の利用等により信用リスクの管理を行っていますが、顧客の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
ロ.棚卸資産の評価基準
当社グループは、製品、商品及び原材料は主として移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、半製品及び仕掛品は主として個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)を採用しております。
将来における実際の需要又は市況が見積りより悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。
ハ.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、課税所得の額を合理的に見積ることにより判断しております。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。
ニ.固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。
ホ.退職給付債務の算定
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率等に基づき算定されております。
将来の不確実な経済条件の変動等により割引率及び期待運用収益率等の見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に影響を与える可能性があります。
へ.顧客との契約に基づき行う工事の総原価の見積り
当社グループは、顧客の契約に基づき他の用途に転用できない機械装置の製造及び据付工事契約について、一定の期間にわたり収益を認識しております。
将来の状況の変化によって総原価の見積りと実績が乖離した場合、損益に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの事業環境は、スマートフォン、パソコンの需要低下などを受け、半導体業界においてはメモリ向け、ウェーハ向けを中心に設備投資の減速が見られ、FPD(Flat Panel Display)業界においては全般的に設備投資が低調な状況が継続しました。その一方で、半導体業界においてIoT、5G、AIなどの需要は引き続き底堅く、ロジック/ファウンドリ向け、パワーデバイス向けなどの設備投資がいずれも堅調に推移しました。また、いずれの業界においても部品や部材の供給が不安定な状況が続きました。
このような環境の中、当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
売上高は、前年度に比べ半導体分野では増加、FPD分野では減少し、全体では67,556百万円(前年同期比10.7%増)となりました。
利益面では、半導体分野の売上増加により営業利益が11,687百万円(前年同期比7.2%増)、経常利益が11,611百万円(前年同期比10.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度において繰延税金資産の追加計上(915百万円)があったことの影響もあり前年度に比べ減少し、8,793百万円(前年同期比4.4%減)となりました。
なお、受注高は、半導体分野の後工程では生成AI用GPUの需要増に伴い先端パッケージ向け装置が好調に推移しましたが、前工程ではウェーハ向け装置を中心に一部顧客の設備投資計画の見直しがあり、高水準であった前年度に比べ減少しました。一方FPD分野は低調に推移しました。この結果、当連結会計年度における受注高は61,810百万円(前年同期比19.5%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(ファインメカトロニクス部門)
売上高は、半導体前工程ではロジック/ファウンドリ向け装置及びウェーハ向け装置がいずれも順調に推移し、前年度に比べ増加しました。一方FPD前工程は低調で、前年度に比べ減少しました。この結果、部門全体では前年度に比べ増収となり、50,084百万円(前年同期比17.4%増)となりました。
セグメント利益は、半導体前工程での売上増加により、10,602百万円(前年同期比10.1%増)となりました。
なお、受注高は、半導体前工程ではロジック/ファウンドリ向け装置及びマスク向け装置が堅調に推移したものの、ウェーハ向け装置を中心に一部顧客の設備投資計画の見直しなどがあり、特に好調であった前年度に比べ大幅に減少しました。FPD前工程では市況の影響を受け低調に推移し、前年度に比べ微減となりました。この結果、部門全体では前年度に比べ受注高が減少し、37,220百万円(前年同期比38.3%減)となりました。
(メカトロニクスシステム部門)
売上高は、半導体後工程では生成AI用GPUの需要増に伴い先端パッケージ向け装置が堅調に推移し、前年度に比べ増加しました。FPD後工程では、前年度後半からの低調な受注の影響を受け、前年度に比べ大幅に減少しました。真空応用装置は、半導体分野向けが堅調に推移し前年度に比べ増加しました。この結果、部門全体では前年度に比べ減収となり、12,400百万円(前年同期比12.1%減)となりました。
セグメント利益は、FPD後工程の売上減少の影響により、1,453百万円(前年同期比14.1%減)となりました。
なお、受注高は、半導体後工程では生成AI用GPUの需要増に伴い先端パッケージ向け装置が前年度に比べ大幅に増加しました。FPD後工程では市況の影響を受け、前年度に比べ減少しました。真空応用装置では、半導体分野向けを中心に順調に推移しました。この結果、部門全体では前年度に比べ受注高が増加し、17,637百万円(前年同期比44.0%増)となりました。
(流通機器システム部門)
2024年7月の新紙幣発行に対応する機器への更新需要が高まり、紙幣識別機器の更新のほか、券売機、汎用自販機の売上が好調に推移しました。この結果、売上高は3,282百万円(前年同期比37.9%増)、セグメント利益は416百万円(前年同期比289.4%増)となりました。
(不動産賃貸部門)
不動産賃貸収入は概ね計画どおり推移し、売上高は1,789百万円(前年同期比4.0%減)、セグメント利益は382百万円(前年同期比22.6%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ38百万円増加し27,199百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は5,987百万円(前年同期は4,572百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上、仕入債務の増加等により資金が増加し、一方で売上債権の増加、棚卸資産の増加等により資金が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は2,308百万円(前年同期は1,375百万円の減少)となりました。これは主に、固定資産の取得等により資金が減少したことによるものです。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、3,678百万円の増加(前年同期は3,197百万円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は3,748百万円(前年同期は2,436百万円の減少)となりました。これは主に、自己株式の取得及び配当金の支払いにより資金が減少したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ファインメカトロニクス(百万円) | 31,181 | 127.3 |
| メカトロニクスシステム(百万円) | 14,721 | 96.7 |
| 流通機器システム(百万円) | 2,840 | 169.3 |
| 合計(百万円) | 48,743 | 117.7 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の金額によります。
2.不動産賃貸の生産高計上はありません。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比(%) |
| ファインメカトロニクス | 37,220 | 61.7 | 43,248 | 77.1 |
| メカトロニクスシステム | 17,637 | 144.0 | 13,844 | 160.8 |
| 流通機器システム | 5,163 | 216.5 | 2,697 | 330.3 |
| 不動産賃貸 | 1,789 | 96.0 | - | - |
| 合計 | 61,810 | 80.5 | 59,790 | 91.2 |
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ファインメカトロニクス(百万円) | 50,084 | 117.4 |
| メカトロニクスシステム(百万円) | 12,400 | 87.9 |
| 流通機器システム(百万円) | 3,282 | 137.9 |
| 不動産賃貸(百万円) | 1,789 | 96.0 |
| 合計(百万円) | 67,556 | 110.7 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd. | 4,991 | 8.2 | 7,903 | 11.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等
a 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9,366百万円増加し91,254百万円となりました。これは主に、売掛金が2,466百万円、契約資産が885百万円、商品及び製品が945百万円、仕掛品が828百万円、建物及び構築物(純額)が1,776百万円増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ3,638百万円増加し52,518百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が1,954百万円、電子記録債務が422百万円、未払費用が881百万円増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ5,728百万円増加し38,735百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により8,793百万円増加した一方で、配当金の支払いにより2,477百万円減少したことによるものです。
b 経営成績
(売上高及び営業利益)
売上高は、前連結会計年度に比べ10.7%増収の67,556百万円となりました。国内向け売上高は、前連結会計年度に比べ22.4%増収の24,857百万円となり、国内売上高比率は36.8%となりました。一方、海外向け売上高は4.9%増収の42,699百万円となり、海外売上高比率は63.2%となりました。
なお、部門別連結売上高の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
売上原価は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ10.5%増加の40,425百万円となりました。売上原価率は、標準化の推進やリードタイム短縮、新規取引先や代替部品の開拓などを継続し、前連結会計年度に比べ0.1ポイント減少の59.8%となりました。
販売費及び一般管理費は、現在の中期経営計画の柱の一つである「持続的成長に向けた投資」を進め、前連結会計年度に比べ14.2%増加の15,443百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度は11,687百万円の営業利益(前年同期比7.2%増)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益は、為替差益などにより前連結会計年度に比べ282百万円増加の685百万円となりました。
営業外費用は、デリバティブ評価損などにより前連結会計年度に比べ33百万円減少の761百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度は11,611百万円の経常利益(前年同期比10.4%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は、前連結会計年度において繰延税金資産の追加計上(915百万円)があったことの影響もあり8,793百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(前年同期比4.4%減)となりました。
また、1株当たり当期純利益は666.27円となりました。
ロ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営指標としてROS(売上高営業利益率)、ROE(自己資本当期純利益率)の向上を目指しております。当連結会計年度の数値目標及び経営成績、達成状況は下記のとおりです。
| 指標 | 前連結会計年度 (2023年3月期) 実績 | 当連結会計年度(2024年3月期) | ||||||
| 目標 | 実績 | 差異 (実績-目標) | ||||||
| 売上高 | 61,001 | 百万円 | 66,000 | 百万円 | 67,556 | 百万円 | 1,556 | 百万円 |
| 営業利益 | 10,906 | 百万円 | 10,500 | 百万円 | 11,687 | 百万円 | 1,187 | 百万円 |
| 親会社株主 に帰属する 当期純利益 | 9,198 | 百万円 | 7,450 | 百万円 | 8,793 | 百万円 | 1,343 | 百万円 |
| ROS (売上高 営業利益率) | 17.9% | 15.9% | 17.3% | 1.4ポイント | ||||
| ROE (自己資本 当期純利益率) | 31.9% | 21.0% | 24.5% | 3.5ポイント | ||||
(注)当連結会計年度の数値目標は、2024年2月8日開示の2024年3月期第3四半期決算短信及び2024年3月期第3四半期決算説明資料に記載している2023年度業績予想であります。
ROS(売上高営業利益率)は、保守サービスを含む半導体分野での増収や経費の減少により1.4ポイント増となりました。
ROE(自己資本当期純利益率)は、主に当期純利益の増加などにより3.5ポイント増となりました。
ハ.セグメント別の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ファインメカトロニクス部門)
当連結会計年度における当セグメントの売上高は、前連結会計年度比17.4%増の50,084百万円となりました。半導体前工程ではロジック/ファウンドリ向け装置及びウェーハ向け装置がいずれも順調に推移して前年度に比べ売上高が増加した一方、FPD前工程では減少したことが主な背景であります。
セグメント利益は、前連結会計年度比10.1%増の10,602百万円となりました。増加の主な要因は、半導体前工程の売上高の増加であります。
2024年度(2025年3月期)は、半導体前工程ではウェーハプロセス向け枚葉式リン酸エッチング装置やSiウェーハ製造向け枚葉式洗浄装置など既存のグローバルニッチトップ製品群の更なる拡大を図るとともに、新しいグローバルニッチトップ製品の創出に向け開発を加速してまいります。
FPD前工程では新型・次世代向け製品の開発・拡販とともに、FPD前工程のコア技術を活かした製品であるインクジェット錠剤印刷装置の拡販を図ってまいります。
(メカトロニクスシステム部門)
当連結会計年度における当セグメントの売上高は、前連結会計年度比12.1%減の12,400百万円となりました。半導体後工程では、生成AI用GPUの需要増に伴い先端パッケージ向け装置が堅調に推移し、前年度に比べ売上高が増加した一方、FPD後工程では、前年度後半からの低調な受注の影響を受け売上高が大幅に減少したこと、また、真空応用装置では、半導体分野向けが堅調に推移したことが主な背景であります。
セグメント利益は、前連結会計年度比14.1%減の1,453百万円となりました。減少の主な要因は、FPD後工程の売上高の減少であります。
2024年度(2025年3月期)は、半導体後工程では引き続きモジュールプロセスの先端パッケージ向けボンダの更なるシェア拡大を図ってまいります。FPD後工程では、FPD前工程同様、新型・次世代向け製品の開発・拡販を進めてまいります。
(流通機器システム部門)
当連結会計年度における当セグメントの売上高は、前連結会計年度比37.9%増の3,282百万円となりました。2024年7月の新紙幣発行に対応する機器への更新需要が高まり、紙幣識別機器の更新のほか、券売機、汎用自販機の売上が好調に推移したことが主な要因であります。
セグメント利益は、前連結会計年度比289.4%増の416百万円となりました。販売機種構成の変化が主な要因であります。
2024年度(2025年3月期)は、引き続き紙幣識別機器の更新、入替を図ってまいります。
また、部品や部材の価格上昇による影響の抑制、生産性向上などにより、利益率の改善を図ってまいります。
(不動産賃貸部門)
当連結会計年度における当セグメントの売上高は、前連結会計年度比4.0%減の1,789百万円、セグメント利益は、前連結会計年度比22.6%減の382百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料、部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等であります。
当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金を調達しております。
金融機関からの借入のうち、短期借入は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入は主に資金の長期的な安定化を確保することを目的とした資金調達であります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は8,762百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。
当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載及び以下のとおりであります。
イ.貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
前受金の受領及び信用状の利用等により信用リスクの管理を行っていますが、顧客の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
ロ.棚卸資産の評価基準
当社グループは、製品、商品及び原材料は主として移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、半製品及び仕掛品は主として個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)を採用しております。
将来における実際の需要又は市況が見積りより悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。
ハ.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、課税所得の額を合理的に見積ることにより判断しております。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。
ニ.固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。
ホ.退職給付債務の算定
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率等に基づき算定されております。
将来の不確実な経済条件の変動等により割引率及び期待運用収益率等の見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に影響を与える可能性があります。
へ.顧客との契約に基づき行う工事の総原価の見積り
当社グループは、顧客の契約に基づき他の用途に転用できない機械装置の製造及び据付工事契約について、一定の期間にわたり収益を認識しております。
将来の状況の変化によって総原価の見積りと実績が乖離した場合、損益に影響を与える可能性があります。