有価証券報告書-第72期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米中貿易交渉の長期化をはじめとする海外経済の不確実性に加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による影響から、第4四半期以降、景気の下振れリスクが急激に高まる状況となりました。
当業界におきましては、民間非居住建築物棟数や機械受注は緩やかに増加していたものの、足元では減少に転じ、先行きに予断を許さない事業環境となりました。
このような情勢下にあって当社グループは、2018年3月期よりスタートした「2020中期経営計画」に基づき、次世代のビジネスモデル創造に向け、コア事業である配・分電盤ならびにコンポーネントの製造・販売強化に加え、海外事業や新規事業を早期に確立すべく、各種施策に取り組みました。当連結会計年度においては、国内建設需要等、堅調であった内需の当業界への波及効果や熱中症対策として導入が進んだ学校空調に関連した案件を数多く獲得したことにより配電盤関連製造事業の売上が増加したほか、ネットワーク関連商材の需要が好調に推移したことなどにより情報通信関連流通事業の売上が大幅に伸長しました。さらに、2018年10月に実施した当社製品の価格改定や2019年1月に子会社化した北川工業株式会社およびその子会社が売上・利益の増加に寄与した結果、売上高は139,421百万円と前期比19.2%の増収、営業利益は12,402百万円と同91.6%の増益、経常利益は12,038百万円と同87.9%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は8,048百万円と同98.9%の増益となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(配電盤関連製造事業)
(イ)配電盤部門
配電盤部門につきましては、既存市場の売上が増加したほか、学校空調に関連した高圧受電設備や分電盤の売上が増加したことなどにより、売上高は47,472百万円と前期比9.6%の増収となりました。
(ロ)キャビネット部門
キャビネット部門につきましては、FA関連市場に減速感がみられたものの、通信インフラに関わる大型案件の獲得などによりシステムラックの売上が増加したほか、2018年10月に実施した当社製品の価格改定が売上増加に寄与した結果、売上高は24,585百万円と同4.3%の増収となりました。
(ハ)遮断器・開閉器部門
遮断器・開閉器部門につきましては、近年多発する自然災害による防災意識の高まりから商用電源と非常用電源を切り替える開閉器の売上が増加しましたが、子会社である株式会社新愛知電機製作所の機器事業の売上が減少したことなどにより、売上高は5,188百万円と同2.2%の減収となりました。
(ニ)パーツ・その他部門
パーツ・その他部門につきましては、FA関連市場の売上が低調であったことから熱関連機器の売上は伸び悩んだものの、分電盤の売上増加に伴い盤用パーツの売上が増加した結果、売上高は6,619百万円と同3.9%の増収となりました。
以上の結果、配電盤関連製造事業の売上高は、83,866百万円と前期比6.7%の増収となりました。また、売上増加に加え、海外子会社であるGathergates Group Pte Ltdにおいて、収益性を重視した営業活動や短納期案件獲得に注力したほか、コスト削減が奏功したことなどにより、セグメント利益(営業利益)は10,113百万円と同82.4%の増益となりました。
(情報通信関連流通事業)
情報通信関連流通事業につきましては、大型オフィス移転やデータセンター市場における案件を数多く獲得したほか、ネットワーク関連商材の売上が増加しました。さらに、第4四半期後半からテレワーク需要拡大に伴う関連商材の売上増加などもあり、売上高は40,774百万円と前期比23.9%の増収、セグメント利益(営業利益)は1,070百万円と同14.8%の増益となりました。
(工事・サービス事業)
工事・サービス事業につきましては、高圧受電設備や分電盤等に関連した工事の売上が増加したほか、ネットワーク設備工事の売上が堅調に推移した結果、売上高は2,827百万円と前期比4.0%の増収となりました。一方、人件費や経費等の増加によりセグメント利益(営業利益)は204百万円と同6.4%の減益となりました。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業につきましては、米中貿易交渉や減速する中国経済の影響から輸出用の半導体製造装置や工作機械に関連した製品の売上が弱い動きで推移しました。一方、国内外の業務用エアコンに関連した製品の売上が堅調に推移したほか、国内自動車関連市場の電装部品や海外自動車関連市場の先進運転支援システム(ADAS)に用いられるEMC対策製品の案件を獲得した結果、売上高は11,954百万円、セグメント利益(営業利益)は1,011百万円となりました。
なお、当セグメントは前連結会計年度の2019年1月に新設した報告セグメントであり、前期比については比較対象となる期間が異なるため記載していません。
当期の財政状態の概況は、次のとおりです。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて18.8%減少し、77,540百万円となりました。これは主に現金及び預金の減少11,946百万円や有価証券の減少8,999百万円などによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて1.7%減少し、45,672百万円となりました。これは主にのれんの減少2,984百万円などによるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて13.2%減少し、123,212百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて26.9%減少し、29,716百万円となりました。これは主に短期借入金の減少14,416百万円などによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて5.5%減少し、2,601百万円となりました。これは主に繰延税金負債の減少440百万円などによるものです。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて25.5%減少し、32,317百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8,048百万円による増加がある一方、北川工業株式会社の完全子会社化に伴う非支配株主持分の減少13,524百万円や剰余金の配当1,823百万円などによる減少により、前連結会計年度末に比べて7.8%減少し、90,895百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ9,313百万円減少の29,620百万円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは12,649百万円(前連結会計年度8,046百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益11,949百万円の計上に対し、売上債権の増加額2,238百万円や法人税等の支払額3,394百万円などによる資金の減少があった一方で、減価償却費の計上4,034百万円やのれん償却額の計上717百万円などによる資金の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは4,920百万円(前連結会計年度△13,308百万円)となりました。これは主に新工場用地取得や生産設備合理化のための有形固定資産の取得による支出5,937百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出815百万円などによる資金の減少があった一方で、定期預金の払戻による収入8,619百万円や投資有価証券の売却及び償還による収入3,891百万円などによる資金の増加があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは△26,925百万円(前連結会計年度16,048百万円)となりました。これは、主に北川工業株式会社の完全子会社化のための支出10,582百万円に加え、短期借入金の純減少額14,634百万円、配当金の支払額1,823百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは「配電盤関連製造事業」「情報通信関連流通事業」「工事・サービス事業」「電子部品関連事業」の事業活動を展開しています。
当連結会計年度の「生産、受注及び販売の実績」をセグメント別に示すと以下のとおりであり、「配電盤関連製造事業」については部門別の実績を記載しています。
なお、「工事・サービス事業」については、生産実績、商品仕入実績を定義することが困難であるため記載していません。
(イ) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 前連結会計年度の2019年1月に新設した報告セグメントであり、対前期増減率については比較対象となる期間が異なるため記載していません。
(ロ) 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注)1 金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(ハ) 受注実績
当社グループは製品の性質上、原則として需要予測による見込生産方式をとっているため、記載を省略しています。
(ニ) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しています。
2 前連結会計年度の2019年1月に新設した報告セグメントであり、対前期増減率については比較対象となる期間が異なるため記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、国内建設需要等、堅調であった内需の当業界への波及効果や熱中症対策として導入が進んだ学校空調に関連した案件を数多く獲得したことにより配電盤関連製造事業の売上が増加したほか、ネットワーク関連商材の需要が好調に推移したことなどにより情報通信関連流通事業の売上が大幅に伸長しました。さらに、2018年10月に実施した当社製品の価格改定や2019年1月に子会社化した北川工業株式会社およびその子会社が売上・利益の増加に寄与した結果、売上高は139,421百万円と前期比19.2%の増収、営業利益は12,402百万円と同91.6%の増益となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症による2020年3月期業績への大きな影響はありませんでした。
セグメント別の売上高及び営業利益の分析内容は以下のとおりです。
セグメント別 決算ハイライト(連結)
(単位:百万円)
(注)前連結会計年度の2019年1月に新設した報告セグメントであり、対前期増減率については比較対象となる期間が異なるため記載していません。
配電盤関連製造事業は、国内建設需要等、堅調であった内需の当業界への波及効果のほか、学校空調に関連した高圧受電設備等の売上増加や価格改定効果などにより増収増益となりました。加えて、海外子会社の赤字縮小も増益に寄与しました。
情報通信関連流通事業は大型オフィス移転やデータセンター市場における案件獲得のほか、第4四半期後半にはテレワーク関連商材の売上増加などもあり、増収増益となりました。
工事・サービス事業は、高圧受電設備等に関連した工事の売上増加などにより増収となったものの、人件費や経費等の増加により減益となりました。
電子部品関連事業は、輸出用の半導体製造装置や工作機械に関連した製品の売上が弱い動きをみせましたが、国内外の業務用エアコンに関連した製品や国内自動車関連市場の売上が堅調に推移しました。
営業利益以下の分析内容は以下のとおりです。
(経常利益)
為替差損が増加したことなどにより営業外損益が悪化し、経常利益は12,038百万円と前期比87.9%の増益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
投資有価証券評価損が増加したことなどにより特別損益が悪化し、税金等調整前当期純利益は前期比80.6%増益の11,949百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
損金不算入ののれん償却額の減少などにより税効果会計適用後の法人税等の負担率が減少したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は8,048百万円と前期比98.9%の増益となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の100円02銭から198円93銭に増加しました。
なお、2020年度を最終年度とする「2020中期経営計画」の進捗状況は以下のとおりです。
(単位:億円)
(注)1 2020年5月15日に公表したものです。
2 2017年3月期において策定したものです。
2020年3月期においては、連結売上高及び連結営業利益ともに中期経営計画の当初目標を達成しました。しかしながら、2020年5月15日に公表した2021年3月期計画については、新型コロナウイルス感染症の影響などを考慮し減収減益計画としており、中期経営計画最終年度の目標についても未達となる見込みです。なお、上記計画については、新型コロナウイルス感染拡大防止による経済活動の停滞が、2021年3月期第2四半期以降緩やかに回復することを前提とし試算しています。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが12,649百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが4,920百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△26,925百万円となりました。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の38,934百万円から9,313百万円減少し、29,620百万円となりました。なお、前連結会計年度に比べて投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローが著しく変動している主な理由は、前連結会計年度において子会社化した北川工業株式会社の株式取得の際に調達した借入金の一部を返済したことによるものです。当該借入金返済にあたっては、営業キャッシュ・フロー等による自己資金に加え、定期預金の払戻や有価証券の売却などにより対応しています。投資活動によるキャッシュ・フローがプラスになっているのはこのためです。
当連結会計年度における借入金残高は4,738百万円となっていますが、本借入金額は当社グループの資産額を鑑みるに十分返済可能な額であり、当社グループの資本の財源及び資金の流動性に与える影響は軽微であると考えています。
当社グループの資金需要のうち主なものは、部材購入費、人件費および新製品ならびに合理化・省力化用の設備投資にかかるものです。また、市場優位性確保のための研究開発投資についても積極的に行っています。
当社グループの運転資金及び設備資金については、主に自己資金を充当しています。当連結会計年度においては、継続的に行っている生産設備の合理化・更新や新製品の生産対応に加えて、愛知県瀬戸市や栃木県下都賀郡野木町に工場建設予定地の取得による支出があり、キャッシュ・フローが減少する主な要因となっていますが、投資活動による支出は、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内に収まっています。また、今後も既存設備の更新や海外生産拠点への投資を予定していますが、運転資金、設備資金及び研究開発投資資金については、従来と同様に財務内容及び営業キャッシュ・フロー等による自己資金を主に充当することとしています。なお、愛知県瀬戸市に建設予定の瀬戸工場については、約200億円の大型投資になることが見込まれることから、今後の所要資金は自己資金及び金融機関からの借入金等により賄う予定です。
なお、新型コロナウイルス感染拡大防止による経済活動の停滞が、2021年第2四半期以降緩やかに回復することを前提として2021年3月期の経営計画を試算しており、提出日現在において当該事象が当社グループのキャッシュ・フローや資金の流動性に与える影響は一時的なものであると考えています。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ不透明であり、予断を許さない状況が続くことから、想定以上に事態が悪化した場合に備え、グループ資金の効率化の推進や新たな資金調達方法の検討など、資金の流動性を確保するための取り組みを進めています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、棚卸資産、有価証券、有形・無形固定資産、各引当金等の計上に関しては、一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠した当社グループ会計方針および見積り基準に基づき計上しています。上記の会計上の見積りは、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。特に以下の項目については重要な会計上の見積りが必要となります。
固定資産の減損
減損の兆候がある資産グループの内、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回った場合に、その差額を減損損失に計上しますが、回収可能価額は、資産グループの正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、今後、業績の顕著な低下、不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合等には減損損失の計上が必要となる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、同感染症の蔓延やその対策の実施に伴う事業活動の縮小が、財務諸表にどのような影響を与えるのかを評価し、反映させることが必要となることから、上記に係る追加の検討を行っています。2021年3月期第2四半期以降緩やかに回復することを前提として検討を行った結果、2020年3月期の連結財務諸表について追加で会計上の手当を検討すべき事象は発生していません。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米中貿易交渉の長期化をはじめとする海外経済の不確実性に加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による影響から、第4四半期以降、景気の下振れリスクが急激に高まる状況となりました。
当業界におきましては、民間非居住建築物棟数や機械受注は緩やかに増加していたものの、足元では減少に転じ、先行きに予断を許さない事業環境となりました。
このような情勢下にあって当社グループは、2018年3月期よりスタートした「2020中期経営計画」に基づき、次世代のビジネスモデル創造に向け、コア事業である配・分電盤ならびにコンポーネントの製造・販売強化に加え、海外事業や新規事業を早期に確立すべく、各種施策に取り組みました。当連結会計年度においては、国内建設需要等、堅調であった内需の当業界への波及効果や熱中症対策として導入が進んだ学校空調に関連した案件を数多く獲得したことにより配電盤関連製造事業の売上が増加したほか、ネットワーク関連商材の需要が好調に推移したことなどにより情報通信関連流通事業の売上が大幅に伸長しました。さらに、2018年10月に実施した当社製品の価格改定や2019年1月に子会社化した北川工業株式会社およびその子会社が売上・利益の増加に寄与した結果、売上高は139,421百万円と前期比19.2%の増収、営業利益は12,402百万円と同91.6%の増益、経常利益は12,038百万円と同87.9%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は8,048百万円と同98.9%の増益となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(配電盤関連製造事業)
(イ)配電盤部門
配電盤部門につきましては、既存市場の売上が増加したほか、学校空調に関連した高圧受電設備や分電盤の売上が増加したことなどにより、売上高は47,472百万円と前期比9.6%の増収となりました。
(ロ)キャビネット部門
キャビネット部門につきましては、FA関連市場に減速感がみられたものの、通信インフラに関わる大型案件の獲得などによりシステムラックの売上が増加したほか、2018年10月に実施した当社製品の価格改定が売上増加に寄与した結果、売上高は24,585百万円と同4.3%の増収となりました。
(ハ)遮断器・開閉器部門
遮断器・開閉器部門につきましては、近年多発する自然災害による防災意識の高まりから商用電源と非常用電源を切り替える開閉器の売上が増加しましたが、子会社である株式会社新愛知電機製作所の機器事業の売上が減少したことなどにより、売上高は5,188百万円と同2.2%の減収となりました。
(ニ)パーツ・その他部門
パーツ・その他部門につきましては、FA関連市場の売上が低調であったことから熱関連機器の売上は伸び悩んだものの、分電盤の売上増加に伴い盤用パーツの売上が増加した結果、売上高は6,619百万円と同3.9%の増収となりました。
以上の結果、配電盤関連製造事業の売上高は、83,866百万円と前期比6.7%の増収となりました。また、売上増加に加え、海外子会社であるGathergates Group Pte Ltdにおいて、収益性を重視した営業活動や短納期案件獲得に注力したほか、コスト削減が奏功したことなどにより、セグメント利益(営業利益)は10,113百万円と同82.4%の増益となりました。
(情報通信関連流通事業)
情報通信関連流通事業につきましては、大型オフィス移転やデータセンター市場における案件を数多く獲得したほか、ネットワーク関連商材の売上が増加しました。さらに、第4四半期後半からテレワーク需要拡大に伴う関連商材の売上増加などもあり、売上高は40,774百万円と前期比23.9%の増収、セグメント利益(営業利益)は1,070百万円と同14.8%の増益となりました。
(工事・サービス事業)
工事・サービス事業につきましては、高圧受電設備や分電盤等に関連した工事の売上が増加したほか、ネットワーク設備工事の売上が堅調に推移した結果、売上高は2,827百万円と前期比4.0%の増収となりました。一方、人件費や経費等の増加によりセグメント利益(営業利益)は204百万円と同6.4%の減益となりました。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業につきましては、米中貿易交渉や減速する中国経済の影響から輸出用の半導体製造装置や工作機械に関連した製品の売上が弱い動きで推移しました。一方、国内外の業務用エアコンに関連した製品の売上が堅調に推移したほか、国内自動車関連市場の電装部品や海外自動車関連市場の先進運転支援システム(ADAS)に用いられるEMC対策製品の案件を獲得した結果、売上高は11,954百万円、セグメント利益(営業利益)は1,011百万円となりました。
なお、当セグメントは前連結会計年度の2019年1月に新設した報告セグメントであり、前期比については比較対象となる期間が異なるため記載していません。
当期の財政状態の概況は、次のとおりです。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて18.8%減少し、77,540百万円となりました。これは主に現金及び預金の減少11,946百万円や有価証券の減少8,999百万円などによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて1.7%減少し、45,672百万円となりました。これは主にのれんの減少2,984百万円などによるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて13.2%減少し、123,212百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて26.9%減少し、29,716百万円となりました。これは主に短期借入金の減少14,416百万円などによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて5.5%減少し、2,601百万円となりました。これは主に繰延税金負債の減少440百万円などによるものです。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて25.5%減少し、32,317百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8,048百万円による増加がある一方、北川工業株式会社の完全子会社化に伴う非支配株主持分の減少13,524百万円や剰余金の配当1,823百万円などによる減少により、前連結会計年度末に比べて7.8%減少し、90,895百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ9,313百万円減少の29,620百万円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは12,649百万円(前連結会計年度8,046百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益11,949百万円の計上に対し、売上債権の増加額2,238百万円や法人税等の支払額3,394百万円などによる資金の減少があった一方で、減価償却費の計上4,034百万円やのれん償却額の計上717百万円などによる資金の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは4,920百万円(前連結会計年度△13,308百万円)となりました。これは主に新工場用地取得や生産設備合理化のための有形固定資産の取得による支出5,937百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出815百万円などによる資金の減少があった一方で、定期預金の払戻による収入8,619百万円や投資有価証券の売却及び償還による収入3,891百万円などによる資金の増加があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは△26,925百万円(前連結会計年度16,048百万円)となりました。これは、主に北川工業株式会社の完全子会社化のための支出10,582百万円に加え、短期借入金の純減少額14,634百万円、配当金の支払額1,823百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは「配電盤関連製造事業」「情報通信関連流通事業」「工事・サービス事業」「電子部品関連事業」の事業活動を展開しています。
当連結会計年度の「生産、受注及び販売の実績」をセグメント別に示すと以下のとおりであり、「配電盤関連製造事業」については部門別の実績を記載しています。
なお、「工事・サービス事業」については、生産実績、商品仕入実績を定義することが困難であるため記載していません。
(イ) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
| セグメント別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 対前期 増減率(%) | ||
| 配電盤関連 製造事業 | 配電盤 | 49,270 | 9.6 |
| キャビネット | 27,864 | 7.8 | |
| 遮断器・開閉器 | 5,308 | △2.4 | |
| パーツ・その他 | 6,018 | 2.0 | |
| 小計 | 88,461 | 7.7 | |
| 電子部品関連事業 (注)3 | 7,275 | ― | |
| 合計 | 95,736 | 14.6 | |
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 前連結会計年度の2019年1月に新設した報告セグメントであり、対前期増減率については比較対象となる期間が異なるため記載していません。
(ロ) 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
| セグメント別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 対前期 増減率(%) | ||
| 情報通信関連流通事業 | 36,167 | 24.9 | |
(注)1 金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(ハ) 受注実績
当社グループは製品の性質上、原則として需要予測による見込生産方式をとっているため、記載を省略しています。
(ニ) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
| セグメント別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 対前期 増減率(%) | ||
| 配電盤関連 製造事業 | 配電盤 | 47,472 | 9.6 |
| キャビネット | 24,585 | 4.3 | |
| 遮断器・開閉器 | 5,188 | △2.2 | |
| パーツ・その他 | 6,619 | 3.9 | |
| 小計 | 83,866 | 6.7 | |
| 情報通信関連流通事業 | 40,774 | 23.9 | |
| 工事・サービス事業 | 2,827 | 4.0 | |
| 電子部品関連事業 (注)2 | 11,954 | ― | |
| 合計 | 139,421 | 19.2 | |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しています。
2 前連結会計年度の2019年1月に新設した報告セグメントであり、対前期増減率については比較対象となる期間が異なるため記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、国内建設需要等、堅調であった内需の当業界への波及効果や熱中症対策として導入が進んだ学校空調に関連した案件を数多く獲得したことにより配電盤関連製造事業の売上が増加したほか、ネットワーク関連商材の需要が好調に推移したことなどにより情報通信関連流通事業の売上が大幅に伸長しました。さらに、2018年10月に実施した当社製品の価格改定や2019年1月に子会社化した北川工業株式会社およびその子会社が売上・利益の増加に寄与した結果、売上高は139,421百万円と前期比19.2%の増収、営業利益は12,402百万円と同91.6%の増益となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症による2020年3月期業績への大きな影響はありませんでした。
セグメント別の売上高及び営業利益の分析内容は以下のとおりです。
セグメント別 決算ハイライト(連結)
(単位:百万円)
| セグメント別 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | ||
| 実績 | 実績 | 対前期 増減率(%) | ||
| 売 上 高 | 配電盤関連製造事業 | 78,569 | 83,866 | 6.7 |
| 情報通信関連流通事業 | 32,910 | 40,774 | 23.9 | |
| 工事・サービス事業 | 2,719 | 2,827 | 4.0 | |
| 電子部品関連事業(注) | 2,785 | 11,954 | ― | |
| 合計 | 116,984 | 139,421 | 19.2 | |
| 営 業 利 益 | 配電盤関連製造事業 | 5,543 | 10,113 | 82.4 |
| 情報通信関連流通事業 | 932 | 1,070 | 14.8 | |
| 工事・サービス事業 | 218 | 204 | △6.4 | |
| 電子部品関連事業(注) | △235 | 1,011 | ― | |
| 合計 | 6,472 | 12,402 | 91.6 | |
(注)前連結会計年度の2019年1月に新設した報告セグメントであり、対前期増減率については比較対象となる期間が異なるため記載していません。
配電盤関連製造事業は、国内建設需要等、堅調であった内需の当業界への波及効果のほか、学校空調に関連した高圧受電設備等の売上増加や価格改定効果などにより増収増益となりました。加えて、海外子会社の赤字縮小も増益に寄与しました。
情報通信関連流通事業は大型オフィス移転やデータセンター市場における案件獲得のほか、第4四半期後半にはテレワーク関連商材の売上増加などもあり、増収増益となりました。
工事・サービス事業は、高圧受電設備等に関連した工事の売上増加などにより増収となったものの、人件費や経費等の増加により減益となりました。
電子部品関連事業は、輸出用の半導体製造装置や工作機械に関連した製品の売上が弱い動きをみせましたが、国内外の業務用エアコンに関連した製品や国内自動車関連市場の売上が堅調に推移しました。
営業利益以下の分析内容は以下のとおりです。
(経常利益)
為替差損が増加したことなどにより営業外損益が悪化し、経常利益は12,038百万円と前期比87.9%の増益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
投資有価証券評価損が増加したことなどにより特別損益が悪化し、税金等調整前当期純利益は前期比80.6%増益の11,949百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
損金不算入ののれん償却額の減少などにより税効果会計適用後の法人税等の負担率が減少したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は8,048百万円と前期比98.9%の増益となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の100円02銭から198円93銭に増加しました。
なお、2020年度を最終年度とする「2020中期経営計画」の進捗状況は以下のとおりです。
(単位:億円)
| 2017年3月期 実績 (中期経営計画策定時) | 2018年3月期 実績 | 2019年3月期 実績 | 2020年3月期 実績 | 2021年3月期 計画 (注)1 | 2021年3月期 計画 (中期経営計画最終年度) (注)2 | |
| 連結売上高 | 1,066 | 1,080 | 1,169 | 1,394 | 1,290 | 1,250 |
| 連結 営業利益 | 65 | 57 | 64 | 124 | 77 | 100 |
(注)1 2020年5月15日に公表したものです。
2 2017年3月期において策定したものです。
2020年3月期においては、連結売上高及び連結営業利益ともに中期経営計画の当初目標を達成しました。しかしながら、2020年5月15日に公表した2021年3月期計画については、新型コロナウイルス感染症の影響などを考慮し減収減益計画としており、中期経営計画最終年度の目標についても未達となる見込みです。なお、上記計画については、新型コロナウイルス感染拡大防止による経済活動の停滞が、2021年3月期第2四半期以降緩やかに回復することを前提とし試算しています。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが12,649百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが4,920百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△26,925百万円となりました。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の38,934百万円から9,313百万円減少し、29,620百万円となりました。なお、前連結会計年度に比べて投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローが著しく変動している主な理由は、前連結会計年度において子会社化した北川工業株式会社の株式取得の際に調達した借入金の一部を返済したことによるものです。当該借入金返済にあたっては、営業キャッシュ・フロー等による自己資金に加え、定期預金の払戻や有価証券の売却などにより対応しています。投資活動によるキャッシュ・フローがプラスになっているのはこのためです。
当連結会計年度における借入金残高は4,738百万円となっていますが、本借入金額は当社グループの資産額を鑑みるに十分返済可能な額であり、当社グループの資本の財源及び資金の流動性に与える影響は軽微であると考えています。
当社グループの資金需要のうち主なものは、部材購入費、人件費および新製品ならびに合理化・省力化用の設備投資にかかるものです。また、市場優位性確保のための研究開発投資についても積極的に行っています。
当社グループの運転資金及び設備資金については、主に自己資金を充当しています。当連結会計年度においては、継続的に行っている生産設備の合理化・更新や新製品の生産対応に加えて、愛知県瀬戸市や栃木県下都賀郡野木町に工場建設予定地の取得による支出があり、キャッシュ・フローが減少する主な要因となっていますが、投資活動による支出は、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内に収まっています。また、今後も既存設備の更新や海外生産拠点への投資を予定していますが、運転資金、設備資金及び研究開発投資資金については、従来と同様に財務内容及び営業キャッシュ・フロー等による自己資金を主に充当することとしています。なお、愛知県瀬戸市に建設予定の瀬戸工場については、約200億円の大型投資になることが見込まれることから、今後の所要資金は自己資金及び金融機関からの借入金等により賄う予定です。
なお、新型コロナウイルス感染拡大防止による経済活動の停滞が、2021年第2四半期以降緩やかに回復することを前提として2021年3月期の経営計画を試算しており、提出日現在において当該事象が当社グループのキャッシュ・フローや資金の流動性に与える影響は一時的なものであると考えています。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ不透明であり、予断を許さない状況が続くことから、想定以上に事態が悪化した場合に備え、グループ資金の効率化の推進や新たな資金調達方法の検討など、資金の流動性を確保するための取り組みを進めています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、棚卸資産、有価証券、有形・無形固定資産、各引当金等の計上に関しては、一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠した当社グループ会計方針および見積り基準に基づき計上しています。上記の会計上の見積りは、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。特に以下の項目については重要な会計上の見積りが必要となります。
固定資産の減損
減損の兆候がある資産グループの内、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回った場合に、その差額を減損損失に計上しますが、回収可能価額は、資産グループの正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、今後、業績の顕著な低下、不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合等には減損損失の計上が必要となる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、同感染症の蔓延やその対策の実施に伴う事業活動の縮小が、財務諸表にどのような影響を与えるのかを評価し、反映させることが必要となることから、上記に係る追加の検討を行っています。2021年3月期第2四半期以降緩やかに回復することを前提として検討を行った結果、2020年3月期の連結財務諸表について追加で会計上の手当を検討すべき事象は発生していません。