有価証券報告書-第73期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍の影響から企業収益や個人消費が急速に悪化しました。経済活動の段階的な再開とともに景気回復の兆しが見えつつも、新型コロナウイルス感染症が再拡大するなど未だに収束時期は見通せず、先行き不透明な状況が続いています。
当業界におきましては、機械受注は持ち直しの動きが見られたものの、新設住宅着工戸数や民間非居住建築物棟数は軟調に推移しており、今後の動向に注視が必要な事業環境となりました。
このような情勢下にあって当社グループは、2018年3月期よりスタートした「2020中期経営計画」に基づき、次世代のビジネスモデル創造に向け、コア事業である配・分電盤ならびにその部材の製造・販売強化に加え、海外事業や新規事業を早期に確立すべく、各種施策に取り組みました。当連結会計年度においては、第5世代移動通信システム「5G」や「GIGAスクール構想」案件獲得により、情報通信関連流通事業の売上が大幅に伸長しました。しかし、コロナ禍の影響から配電盤関連製造事業や電子部品関連事業の売上が減少した結果、売上高は137,902百万円と前期比1.1%の減収、営業利益は12,333百万円と同0.6%の減益となりました。一方、為替換算の影響などにより経常利益は12,660百万円と同5.2%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は8,827百万円と同9.7%の増益となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(配電盤関連製造事業)
(イ)配電盤部門
配電盤部門につきましては、5G関連等の設備投資案件を獲得したものの、前期計上の学校空調に関連した製品の売上剥落やコロナ禍の影響による売上減少などにより、売上高は39,909百万円と前期比15.9%の減収となりました。
(ロ)キャビネット部門
キャビネット部門につきましては、5G関連等の設備投資に伴いシステムラックの売上が増加したほか、GIGAスクール構想に関連した設備投資案件を獲得したことにより一部製品の売上が増加しました。しかし、コロナ禍の影響やFA関連市場の停滞によりボックス等の売上が減少した結果、売上高は22,716百万円と同7.6%の減収となりました。
(ハ)遮断器・開閉器部門
遮断器・開閉器部門につきましては、自然災害に対する防災意識の高まりから商用電源と非常用電源を切り替える開閉器の売上が増加したほか、海外子会社であるELETTO(THAILAND)CO.,LTDの売上が増加した結果、売上高は5,521百万円と同6.4%の増収となりました。
(ニ)パーツ・その他部門
パーツ・その他部門につきましては、コロナ禍の影響やFA関連市場の停滞によるボックス等の売上減少に伴い、熱関連機器や盤用パーツの売上が減少した結果、売上高は5,867百万円と同11.4%の減収となりました。
以上の結果、配電盤関連製造事業の売上高は74,015百万円と前期比11.7%の減収、セグメント利益(営業利益)は9,432百万円と同6.7%の減益となりました。
(情報通信関連流通事業)
情報通信関連流通事業につきましては、5G関連やGIGAスクール構想案件の売上が好調に推移したほか、中・大型オフィス移転案件を獲得したことにより主力のネットワーク機器やその部材の売上が増加しました。加えて、テレワーク需要拡大によりヘッドセットやスピーカーフォンなどの売上が増加したことなどから、売上高は49,893百万円と前期比22.4%の増収、セグメント利益(営業利益)は1,943百万円と同81.6%の増益となりました。
(工事・サービス事業)
工事・サービス事業につきましては、オフィスレイアウト変更やテレワーク対応、GIGAスクール構想関連などの特需案件を多く獲得しました。しかし、コロナ禍の影響により従来の工事案件等が減少した結果、売上高は2,799百万円と前期比1.0%の減収となりました。一方、外部委託費が縮小したことなどにより、セグメント利益(営業利益)は251百万円と同23.3%の増益となりました。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業につきましては、コロナ禍の影響から欧州向けの人工呼吸器の需要が高まったことに伴い、関連するEMC対策製品の売上が増加しました。また、下半期においては国内外の自動車関連市場や業務用エアコンに関連した製品の需要が急速に回復しました。しかし、上半期における同市場の低迷などの影響が大きく、売上高は11,194百万円と前期比6.4%の減収、セグメント利益(営業利益)は689百万円と同31.9%の減益となりました。
当期の財政状態の概況は、次のとおりです。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて5.5%増加し、81,785百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加4,858百万円などによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて0.8%増加し、46,027百万円となりました。これは主に退職給付に係る資産の増加1,399百万円などによるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて3.7%増加し、127,812百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて10.7%減少し、26,550百万円となりました。これは主に短期借入金の減少1,605百万円や未払法人税等の減少1,185百万円などによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて3.3%減少し、2,515百万円となりました。これは主に長期未払金の減少53百万円などによるものです。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて10.1%減少し、29,066百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、剰余金の配当2,229百万円などによる減少がある一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8,827百万円などにより、前連結会計年度末に比べて8.6%増加し、98,746百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4,680百万円増加の34,301百万円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは12,250百万円(前連結会計年度12,649百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益12,629百万円の計上に対し、減価償却費の計上3,857百万円やのれん償却額の計上859百万円などによる資金の増加があった一方で、法人税等の支払額5,050百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは△3,857百万円(前連結会計年度4,920百万円)となりました。これは定期預金の払戻による収入837百万円などによる資金の増加があった一方で、固定資産の取得による支出4,939百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは△3,880百万円(前連結会計年度△26,925百万円)となりました。これは、短期借入金の純減少額1,597百万円や配当金の支払額2,227百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは「配電盤関連製造事業」「情報通信関連流通事業」「工事・サービス事業」「電子部品関連事業」の事業活動を展開しています。
当連結会計年度の「生産、受注及び販売の実績」をセグメント別に示すと以下のとおりであり、「配電盤関連製造事業」については部門別の実績を記載しています。
なお、「工事・サービス事業」については、生産実績、商品仕入実績を定義することが困難であるため記載していません。
(イ) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(ロ) 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注)1 金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(ハ) 受注実績
当社グループは製品の性質上、原則として需要予測による見込生産方式をとっているため、記載を省略しています。
(ニ) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、第5世代移動通信システム「5G」や「GIGAスクール構想」案件獲得により、情報通信関連流通事業の売上が大幅に伸長しました。しかし、コロナ禍の影響から配電盤関連製造事業や電子部品関連事業の売上が減少した結果、売上高は137,902百万円と前期比1.1%の減収、営業利益は12,333百万円と同0.6%の減益となりました。一方、為替換算の影響などにより経常利益は12,660百万円と同5.2%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は8,827百万円と同9.7%の増益となりました。
新型コロナウイルス感染症による2021年3月期業績への影響については、国内事業においては、コロナ禍のマイナス影響を受けた一方、テレワーク需要の高まりなどにより関連商材の売上が堅調に推移したほか、オフィスレイアウト変更に伴うネットワーク工事などの売上が増加しました。海外事業においては、中国は比較的早期に回復したものの、シンガポールではロックダウンの影響により生産・販売活動が停滞、タイでは新設した配電盤工場の設備導入が遅れ、稼働開始が延期となるなど、全般的に厳しい状況となりました。
セグメント別の売上高及び営業利益の分析内容は以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1 売上高におけるセグメント間の取引については相殺消去しています。
2 営業利益の各セグメントの金額は、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
配電盤関連製造事業は、5GやGIGAスクール構想に関連した設備投資案件を獲得したことにより一部製品の売上が増加したものの、前期計上の学校空調に関連した製品の売上剥落やコロナ禍の影響による売上減少などにより、減収減益となりました。
情報通信関連流通事業は、5G関連やGIGAスクール構想案件の売上が好調に推移したほか、中・大型オフィス移転案件やテレワーク需要拡大などにより売上が増加したことなどから、増収増益となりました。
工事・サービス事業は、オフィスレイアウト変更やテレワーク対応、GIGAスクール構想関連などの特需案件を多く獲得したものの、コロナ禍の影響により従来の工事案件等が減少した結果、全体では減収となりました。一方、利益面では外部委託費が縮小したことなどにより増益となりました。
電子部品関連事業は、コロナ禍の影響から欧州向けの人工呼吸器の需要が高まったことに伴い、関連するEMC対策製品の売上が増加しました。また、下半期においては国内外の自動車関連市場や業務用エアコンに関連した製品の需要が急速に回復しました。しかし、上半期における同市場の低迷などの影響が大きく、通期では減収減益となりました。
営業利益以下の分析内容は以下のとおりです。
(経常利益)
為替換算の影響などにより営業外損益が改善し、経常利益は12,660百万円と前期比5.2%の増益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
特別損益については大きな変動はなく、税金等調整前当期純利益は前期比5.7%増益の12,629百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
コロナ禍の影響などによる交際費の減少に伴い税効果会計適用後の法人税等の負担率が減少したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は8,827百万円と前期比9.7%の増益となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の198円93銭から218円16銭に増加しました。
2020年度を最終年度とする「2020中期経営計画」結果と、2023年度を最終年度とする「2023中期経営計画」は以下のとおりです。
(単位:億円)
(注)1 2017年3月期において策定したものです。
2 2021年3月期において策定したものです。
3 2021年5月13日に公表したものです。
2021年3月期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの第5世代移動通信システム「5G」や「GIGAスクール構想」案件の獲得、テレワーク関連商材の拡販に注力したことにより、2020中期経営計画の目標である連結売上高1,250百万円、連結営業利益100百万円を達成しました。
また、2021年度から2023年度の3年間を対象とした「2023中期経営計画」を新たに策定し、最終年度である2023年度の財務目標を連結売上高1,500億円、連結営業利益130億円、連結ROE7.0%以上としました。なお、本計画については、新型コロナウイルス感染拡大の市況影響が、2022年度から緩やかに回復していくことを前提とし、中期経営計画最終年度までに感染拡大前の水準まで業績を回復させることを目指すとともに、2024年度以降の成長に向けた準備(足場固め)にも重点を置き進めていきます。連結ROEについては、2024年4月稼働予定の瀬戸工場関連費用など大型投資による業績への影響を勘案した数値とし、株主資本コストを上回る水準を維持することを目指します。
「2023中期経営計画」の初年度となる2022年3月期の計画につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動への制約は徐々に緩和され、段階的に経済活動が再開すると判断していますが、前期計上したGIGAスクール構想案件の売上剥落などもあり売上高136,000百万円(前期比1.4%の減収)、営業利益は9,500百万円(同23.0%の減益)を見込んでいます。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが12,250百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△3,857百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△3,880百万円となりました。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の29,620百万円から4,680百万円増加し、34,301百万円となりました。
当連結会計年度における借入金残高は3,133百万円となっていますが、本借入金額は当社グループの資産額を鑑みるに十分返済可能な額であり、当社グループの資本の財源及び資金の流動性に与える影響は軽微であると考えています。
当社グループの資金需要のうち主なものは、部材購入費、人件費および新製品ならびに合理化・省力化用の設備投資にかかるものです。また、市場優位性確保のための研究開発投資についても積極的に行っています。
当社グループの運転資金及び設備資金については、主に自己資金を充当しています。当連結会計年度においては、生産設備の取得・更新のほか、基幹システムの再構築やNITTO KOGYO BM(THAILAND)CO.,LTDにおける新工場建屋建築工事などによる支出があり、キャッシュ・フローが減少する主な要因となっていますが、投資活動による支出は、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内に収まっています。また、今後の運転資金、設備資金及び研究開発投資資金については、従来と同様に財務内容及び営業キャッシュ・フロー等による自己資金を主に充当することとしています。なお、愛知県瀬戸市に建設予定の瀬戸工場については、約250億円の大型投資になることが見込まれることから、今後の所要資金は自己資金及び金融機関からの借入金等により賄う予定です。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、当該影響による経済活動への制約は徐々に緩和され、段階的に経済活動が再開するという前提で2022年3月期の経営計画を策定しており、提出日現在において当該事象が当社グループのキャッシュ・フローや資金の流動性に与える影響は一時的なものであると考えています。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ不透明であることから、想定以上に事態が悪化した場合に備え、グループ資金の効率化の推進や新たな資金調達方法の検討など、資金の流動性を確保するための取り組みを進めています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、棚卸資産、有価証券、有形・無形固定資産、各引当金等の計上に関しては、一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠した当社グループ会計方針および見積り基準に基づき計上しています。上記の会計上の見積りは、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍の影響から企業収益や個人消費が急速に悪化しました。経済活動の段階的な再開とともに景気回復の兆しが見えつつも、新型コロナウイルス感染症が再拡大するなど未だに収束時期は見通せず、先行き不透明な状況が続いています。
当業界におきましては、機械受注は持ち直しの動きが見られたものの、新設住宅着工戸数や民間非居住建築物棟数は軟調に推移しており、今後の動向に注視が必要な事業環境となりました。
このような情勢下にあって当社グループは、2018年3月期よりスタートした「2020中期経営計画」に基づき、次世代のビジネスモデル創造に向け、コア事業である配・分電盤ならびにその部材の製造・販売強化に加え、海外事業や新規事業を早期に確立すべく、各種施策に取り組みました。当連結会計年度においては、第5世代移動通信システム「5G」や「GIGAスクール構想」案件獲得により、情報通信関連流通事業の売上が大幅に伸長しました。しかし、コロナ禍の影響から配電盤関連製造事業や電子部品関連事業の売上が減少した結果、売上高は137,902百万円と前期比1.1%の減収、営業利益は12,333百万円と同0.6%の減益となりました。一方、為替換算の影響などにより経常利益は12,660百万円と同5.2%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は8,827百万円と同9.7%の増益となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(配電盤関連製造事業)
(イ)配電盤部門
配電盤部門につきましては、5G関連等の設備投資案件を獲得したものの、前期計上の学校空調に関連した製品の売上剥落やコロナ禍の影響による売上減少などにより、売上高は39,909百万円と前期比15.9%の減収となりました。
(ロ)キャビネット部門
キャビネット部門につきましては、5G関連等の設備投資に伴いシステムラックの売上が増加したほか、GIGAスクール構想に関連した設備投資案件を獲得したことにより一部製品の売上が増加しました。しかし、コロナ禍の影響やFA関連市場の停滞によりボックス等の売上が減少した結果、売上高は22,716百万円と同7.6%の減収となりました。
(ハ)遮断器・開閉器部門
遮断器・開閉器部門につきましては、自然災害に対する防災意識の高まりから商用電源と非常用電源を切り替える開閉器の売上が増加したほか、海外子会社であるELETTO(THAILAND)CO.,LTDの売上が増加した結果、売上高は5,521百万円と同6.4%の増収となりました。
(ニ)パーツ・その他部門
パーツ・その他部門につきましては、コロナ禍の影響やFA関連市場の停滞によるボックス等の売上減少に伴い、熱関連機器や盤用パーツの売上が減少した結果、売上高は5,867百万円と同11.4%の減収となりました。
以上の結果、配電盤関連製造事業の売上高は74,015百万円と前期比11.7%の減収、セグメント利益(営業利益)は9,432百万円と同6.7%の減益となりました。
(情報通信関連流通事業)
情報通信関連流通事業につきましては、5G関連やGIGAスクール構想案件の売上が好調に推移したほか、中・大型オフィス移転案件を獲得したことにより主力のネットワーク機器やその部材の売上が増加しました。加えて、テレワーク需要拡大によりヘッドセットやスピーカーフォンなどの売上が増加したことなどから、売上高は49,893百万円と前期比22.4%の増収、セグメント利益(営業利益)は1,943百万円と同81.6%の増益となりました。
(工事・サービス事業)
工事・サービス事業につきましては、オフィスレイアウト変更やテレワーク対応、GIGAスクール構想関連などの特需案件を多く獲得しました。しかし、コロナ禍の影響により従来の工事案件等が減少した結果、売上高は2,799百万円と前期比1.0%の減収となりました。一方、外部委託費が縮小したことなどにより、セグメント利益(営業利益)は251百万円と同23.3%の増益となりました。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業につきましては、コロナ禍の影響から欧州向けの人工呼吸器の需要が高まったことに伴い、関連するEMC対策製品の売上が増加しました。また、下半期においては国内外の自動車関連市場や業務用エアコンに関連した製品の需要が急速に回復しました。しかし、上半期における同市場の低迷などの影響が大きく、売上高は11,194百万円と前期比6.4%の減収、セグメント利益(営業利益)は689百万円と同31.9%の減益となりました。
当期の財政状態の概況は、次のとおりです。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて5.5%増加し、81,785百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加4,858百万円などによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて0.8%増加し、46,027百万円となりました。これは主に退職給付に係る資産の増加1,399百万円などによるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて3.7%増加し、127,812百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて10.7%減少し、26,550百万円となりました。これは主に短期借入金の減少1,605百万円や未払法人税等の減少1,185百万円などによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて3.3%減少し、2,515百万円となりました。これは主に長期未払金の減少53百万円などによるものです。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて10.1%減少し、29,066百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、剰余金の配当2,229百万円などによる減少がある一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8,827百万円などにより、前連結会計年度末に比べて8.6%増加し、98,746百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4,680百万円増加の34,301百万円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは12,250百万円(前連結会計年度12,649百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益12,629百万円の計上に対し、減価償却費の計上3,857百万円やのれん償却額の計上859百万円などによる資金の増加があった一方で、法人税等の支払額5,050百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは△3,857百万円(前連結会計年度4,920百万円)となりました。これは定期預金の払戻による収入837百万円などによる資金の増加があった一方で、固定資産の取得による支出4,939百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは△3,880百万円(前連結会計年度△26,925百万円)となりました。これは、短期借入金の純減少額1,597百万円や配当金の支払額2,227百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは「配電盤関連製造事業」「情報通信関連流通事業」「工事・サービス事業」「電子部品関連事業」の事業活動を展開しています。
当連結会計年度の「生産、受注及び販売の実績」をセグメント別に示すと以下のとおりであり、「配電盤関連製造事業」については部門別の実績を記載しています。
なお、「工事・サービス事業」については、生産実績、商品仕入実績を定義することが困難であるため記載していません。
(イ) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
| セグメント別 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 対前期 増減率(%) | ||
| 配電盤関連 製造事業 | 配電盤 | 42,688 | △13.4 |
| キャビネット | 26,220 | △5.9 | |
| 遮断器・開閉器 | 5,265 | △0.8 | |
| パーツ・その他 | 5,298 | △12.0 | |
| 小計 | 79,473 | △10.2 | |
| 電子部品関連事業 | 6,896 | △5.2 | |
| 合計 | 86,370 | △9.8 | |
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(ロ) 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
| セグメント別 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 対前期 増減率(%) | ||
| 情報通信関連流通事業 | 43,766 | 21.0 | |
(注)1 金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(ハ) 受注実績
当社グループは製品の性質上、原則として需要予測による見込生産方式をとっているため、記載を省略しています。
(ニ) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
| セグメント別 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 対前期 増減率(%) | ||
| 配電盤関連 製造事業 | 配電盤 | 39,909 | △15.9 |
| キャビネット | 22,716 | △7.6 | |
| 遮断器・開閉器 | 5,521 | 6.4 | |
| パーツ・その他 | 5,867 | △11.4 | |
| 小計 | 74,015 | △11.7 | |
| 情報通信関連流通事業 | 49,893 | 22.4 | |
| 工事・サービス事業 | 2,799 | △1.0 | |
| 電子部品関連事業 | 11,194 | △6.4 | |
| 合計 | 137,902 | △1.1 | |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、第5世代移動通信システム「5G」や「GIGAスクール構想」案件獲得により、情報通信関連流通事業の売上が大幅に伸長しました。しかし、コロナ禍の影響から配電盤関連製造事業や電子部品関連事業の売上が減少した結果、売上高は137,902百万円と前期比1.1%の減収、営業利益は12,333百万円と同0.6%の減益となりました。一方、為替換算の影響などにより経常利益は12,660百万円と同5.2%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は8,827百万円と同9.7%の増益となりました。
新型コロナウイルス感染症による2021年3月期業績への影響については、国内事業においては、コロナ禍のマイナス影響を受けた一方、テレワーク需要の高まりなどにより関連商材の売上が堅調に推移したほか、オフィスレイアウト変更に伴うネットワーク工事などの売上が増加しました。海外事業においては、中国は比較的早期に回復したものの、シンガポールではロックダウンの影響により生産・販売活動が停滞、タイでは新設した配電盤工場の設備導入が遅れ、稼働開始が延期となるなど、全般的に厳しい状況となりました。
セグメント別の売上高及び営業利益の分析内容は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| セグメント別 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | ||
| 実績 | 実績 | 対前期 増減率(%) | ||
| 売 上 高 | 配電盤関連製造事業 | 83,866 | 74,015 | △11.7 |
| 情報通信関連流通事業 | 40,774 | 49,893 | 22.4 | |
| 工事・サービス事業 | 2,827 | 2,799 | △1.0 | |
| 電子部品関連事業 | 11,954 | 11,194 | △6.4 | |
| 合計 | 139,421 | 137,902 | △1.1 | |
| 営 業 利 益 | 配電盤関連製造事業 | 10,113 | 9,432 | △6.7 |
| 情報通信関連流通事業 | 1,070 | 1,943 | 81.6 | |
| 工事・サービス事業 | 204 | 251 | 23.3 | |
| 電子部品関連事業 | 1,011 | 689 | △31.9 | |
| 合計 | 12,402 | 12,333 | △0.6 | |
(注)1 売上高におけるセグメント間の取引については相殺消去しています。
2 営業利益の各セグメントの金額は、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
配電盤関連製造事業は、5GやGIGAスクール構想に関連した設備投資案件を獲得したことにより一部製品の売上が増加したものの、前期計上の学校空調に関連した製品の売上剥落やコロナ禍の影響による売上減少などにより、減収減益となりました。
情報通信関連流通事業は、5G関連やGIGAスクール構想案件の売上が好調に推移したほか、中・大型オフィス移転案件やテレワーク需要拡大などにより売上が増加したことなどから、増収増益となりました。
工事・サービス事業は、オフィスレイアウト変更やテレワーク対応、GIGAスクール構想関連などの特需案件を多く獲得したものの、コロナ禍の影響により従来の工事案件等が減少した結果、全体では減収となりました。一方、利益面では外部委託費が縮小したことなどにより増益となりました。
電子部品関連事業は、コロナ禍の影響から欧州向けの人工呼吸器の需要が高まったことに伴い、関連するEMC対策製品の売上が増加しました。また、下半期においては国内外の自動車関連市場や業務用エアコンに関連した製品の需要が急速に回復しました。しかし、上半期における同市場の低迷などの影響が大きく、通期では減収減益となりました。
営業利益以下の分析内容は以下のとおりです。
(経常利益)
為替換算の影響などにより営業外損益が改善し、経常利益は12,660百万円と前期比5.2%の増益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
特別損益については大きな変動はなく、税金等調整前当期純利益は前期比5.7%増益の12,629百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
コロナ禍の影響などによる交際費の減少に伴い税効果会計適用後の法人税等の負担率が減少したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は8,827百万円と前期比9.7%の増益となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の198円93銭から218円16銭に増加しました。
2020年度を最終年度とする「2020中期経営計画」結果と、2023年度を最終年度とする「2023中期経営計画」は以下のとおりです。
(単位:億円)
| 2021年3月期実績 (2020中期経営計画最終年度) (注)1 | 2024年3月期計画 (2023中期経営計画最終年度) (注)2 | |||
| 2021年3月期実績 | 2022年3月期計画 (中計初年度)(注)3 | |||
| 連結売上高 | 1,250 | 1,379 | 1,500 | 1,360 |
| 連結営業利益 | 100 | 123 | 130 | 95 |
| 連結ROE | ― | 9.3% | 7.0%以上 | ― |
(注)1 2017年3月期において策定したものです。
2 2021年3月期において策定したものです。
3 2021年5月13日に公表したものです。
2021年3月期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの第5世代移動通信システム「5G」や「GIGAスクール構想」案件の獲得、テレワーク関連商材の拡販に注力したことにより、2020中期経営計画の目標である連結売上高1,250百万円、連結営業利益100百万円を達成しました。
また、2021年度から2023年度の3年間を対象とした「2023中期経営計画」を新たに策定し、最終年度である2023年度の財務目標を連結売上高1,500億円、連結営業利益130億円、連結ROE7.0%以上としました。なお、本計画については、新型コロナウイルス感染拡大の市況影響が、2022年度から緩やかに回復していくことを前提とし、中期経営計画最終年度までに感染拡大前の水準まで業績を回復させることを目指すとともに、2024年度以降の成長に向けた準備(足場固め)にも重点を置き進めていきます。連結ROEについては、2024年4月稼働予定の瀬戸工場関連費用など大型投資による業績への影響を勘案した数値とし、株主資本コストを上回る水準を維持することを目指します。
「2023中期経営計画」の初年度となる2022年3月期の計画につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動への制約は徐々に緩和され、段階的に経済活動が再開すると判断していますが、前期計上したGIGAスクール構想案件の売上剥落などもあり売上高136,000百万円(前期比1.4%の減収)、営業利益は9,500百万円(同23.0%の減益)を見込んでいます。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが12,250百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△3,857百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△3,880百万円となりました。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の29,620百万円から4,680百万円増加し、34,301百万円となりました。
当連結会計年度における借入金残高は3,133百万円となっていますが、本借入金額は当社グループの資産額を鑑みるに十分返済可能な額であり、当社グループの資本の財源及び資金の流動性に与える影響は軽微であると考えています。
当社グループの資金需要のうち主なものは、部材購入費、人件費および新製品ならびに合理化・省力化用の設備投資にかかるものです。また、市場優位性確保のための研究開発投資についても積極的に行っています。
当社グループの運転資金及び設備資金については、主に自己資金を充当しています。当連結会計年度においては、生産設備の取得・更新のほか、基幹システムの再構築やNITTO KOGYO BM(THAILAND)CO.,LTDにおける新工場建屋建築工事などによる支出があり、キャッシュ・フローが減少する主な要因となっていますが、投資活動による支出は、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内に収まっています。また、今後の運転資金、設備資金及び研究開発投資資金については、従来と同様に財務内容及び営業キャッシュ・フロー等による自己資金を主に充当することとしています。なお、愛知県瀬戸市に建設予定の瀬戸工場については、約250億円の大型投資になることが見込まれることから、今後の所要資金は自己資金及び金融機関からの借入金等により賄う予定です。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、当該影響による経済活動への制約は徐々に緩和され、段階的に経済活動が再開するという前提で2022年3月期の経営計画を策定しており、提出日現在において当該事象が当社グループのキャッシュ・フローや資金の流動性に与える影響は一時的なものであると考えています。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ不透明であることから、想定以上に事態が悪化した場合に備え、グループ資金の効率化の推進や新たな資金調達方法の検討など、資金の流動性を確保するための取り組みを進めています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、棚卸資産、有価証券、有形・無形固定資産、各引当金等の計上に関しては、一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠した当社グループ会計方針および見積り基準に基づき計上しています。上記の会計上の見積りは、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。