四半期報告書-第122期第1四半期(平成27年4月1日-平成27年6月30日)
有報資料
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、個人消費に持ち直しの動きが見られ、雇用情勢も改善傾向にあるなど、緩やかな回復基調を辿った。また、海外も、中国の経済成長は減速したものの、米国経済は回復が続き、ユーロ圏の景気が持ち直すなど、総じて底堅く推移した。
こうした中、当社グループでは、液晶テレビ「AQUOS 4K NEXT※1」やヘルシオお茶プレッソ、IGZO 液晶ディスプレイ※2、照明用電力の削減が可能となる採光フィルム※3など、独自商品・特長デバイスの創出と販売強化に努めた。また、インセル型液晶タッチディスプレイ※4の量産も開始した。さらに、安定した経営基盤の早期確立に向け、「2015~2017年度 中期経営計画」の3つの重点戦略である①事業ポートフォリオの再構築、②固定費削減の断行、③組織・ガバナンスの再編・強化に取り組んだ。
当第1四半期連結累計期間の業績は、液晶テレビや太陽電池の販売が減少したことなどにより、売上高が618,301百万円(前年同四半期比99.8%)、営業損益が28,760百万円の損失(前年同四半期は4,668百万円の営業利益)、経常損失が33,360百万円(前年同四半期は5,466百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が33,982百万円(前年同四半期は1,788百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となった。
資金面では、総額225,000百万円の優先株を発行し、中期経営計画の遂行を支える資本の増強と成長分野への投資資金の調達を行った。
※1 4原色技術を用い8K解像度を実現した4K液晶テレビ。詳細は2015年5月21日公表の「『AQUOS 4K NEXT』<80V型:LC-80XU30>を発売」参照。
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150521-a.html
※2 IGZO 液晶ディスプレイ:㈱半導体エネルギー研究所との共同開発により量産化。透明な酸化物半導体を採用したディスプレイ。詳細は下記URL参照。
http://www.sharp.co.jp/igzo/
※3 液晶ディスプレイの開発で培った光学制御技術を応用した採光フィルム。詳細は2015年6月2日公表の「液晶ディスプレイの技術開発で培った光学制御技術を応用した「採光フィルム」を開発」参照。
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150602-b.html
※4 タッチセンサー部の機能を液晶ディスプレイに内蔵。詳細は2015年6月17日公表の「スマートフォン向けインセル型液晶タッチディスプレイを量産開始」参照。
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150617-a.html
セグメントの業績は、概ね次のとおりである。
①プロダクトビジネス
海外で複合機の販売が伸長した。一方、液晶テレビや携帯電話、空気清浄機及び太陽電池の販売が減少した。
この結果、売上高は319,450百万円(前年同四半期比 80.0%)、セグメント損失は8,855百万円(前年同四半期は13,711百万円のセグメント利益)となった。
②デバイスビジネス
カメラモジュールの売上が伸長した。一方、スマートフォン向けなどの中小型液晶パネルの売上が減少した。また、テレビ用大型液晶パネルについては、外部顧客への売上が増加したものの、液晶テレビの販売落ち込みに伴い、セグメント間の内部売上が減少した。
この結果、売上高は319,618百万円(前年同四半期比 120.2%)、セグメント損失は10,871百万円(前年同四半期は1,391百万円のセグメント損失)となった。
当第1四半期連結会計期間末の財政状態については、資産合計が、前連結会計年度末に比べ91,955百万円減少の1,869,954百万円となった。これは、たな卸資産がほぼ横ばいとなり、現金及び預金や受取手形及び売掛金が減少したことなどによるものである。一方、負債合計は、短期借入金や支払手形及び買掛金が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ290,495百万円減少の1,626,899百万円となった。また、純資産合計は、優先株の発行などにより、前連結会計年度末に比べ198,540百万円増加の243,055百万円となった。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ43,967百万円(18.9%)減少し、当第1四半期連結累計期間末には188,244百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において営業活動による資金の支出は、51,408百万円であり、前第1四半期連結累計期間に比べ49,173百万円(22倍)増加した。これは、前第1四半期連結累計期間に比べて、税金等調整前四半期純損失が増加し、仕入債務の減少額が35,363百万円増加したことなどによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において投資活動による資金の支出は、18,108百万円であり、前第1四半期連結累計期間に比べ2,408百万円(15.3%)増加した。これは、前第1四半期連結累計期間に比べて、有形固定資産の取得による支出が2,382百万円増加したことなどによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において財務活動による資金の収入は、20,667百万円であり、前第1四半期連結累計期間に比べ19,491百万円(17倍)増加した。これは、前第1四半期連結累計期間に比べて、短期借入金の純増減額が183,492百万円減少したほか、長期借入金の返済による支出が21,753百万円増加したものの、種類株式の発行による収入が224,606百万円あったことなどによるものである。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はない。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更があった事項は、以下のとおりである。
当社グループは、前連結会計年度において、多額の営業損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、中期経営計画の達成が困難な状況となった。
このような事態を受け、平成27年5月14日に「抜本的構造改革の断行による安定的収益基盤の構築」を図る企業戦略として、新たな「2015~2017年度 中期経営計画」を策定した。その後、第121期定時株主総会での議案の承認や金融機関等調整に関する同意書の取得を経て、平成27年6月30日に㈱みずほ銀行及び㈱三菱東京UFJ銀行に対して総額2,000億円の優先株を発行し、毀損した資本を増強するとともに、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ㈱が運用するジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第壱号投資事業有限責任組合に対して250億円の優先株を発行し、投資資金の調達を行った。
また、主たる金融機関からは、新たな中期経営計画中の支援継続の同意を得られており、継続的な支援のもと、新たな中期経営計画の具体的な対応策を推進している。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりである。
① 基本方針の内容
当社取締役会は、当社グループのように製造業を営む企業が、企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるためには、中長期的な視点により先端技術や製造技術を自社内で開発、活用し、また、この間に顧客、取引先、従業員等のステークホルダーとの良好な協力関係を構築することが必要不可欠であると考えている。
また、当社グループの買収を企図した当社取締役会の賛同を得ない当社株式の買付行為であっても、これに応じるか否かは、最終的には当社株主において判断されるべきものであると考えているが、その目的等からみて企業価値・株主共同の利益に明白な侵害をもたらすものや、株主に株式の売却を強要するおそれのあるものなどの不適切な買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えており、このような不適切な買付行為が行われる場合には、それに対して相当の対抗措置を発動することも必要であると考えている。
② 基本方針の実現に資する特別の取り組み
当社グループは、「誠意と創意」の経営信条の下、時代を先取りする独自商品の開発を通じて、企業価値の向上に努めるとともに、社会への貢献を果たしてきた。
また、当社グループは、先進のエレクトロニクス技術を駆使し、顧客のニーズを捉えた革新的な商品やサービスを創出することが、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることにつながると考えている。
こうした考えの下、「2015~2017年度 中期経営計画」では、以下の3つの重点戦略を着実に実行し、「抜本的構造改革の断行による安定的収益基盤の構築」を目指していく。
イ 事業ポートフォリオの再構築
当社の事業を、顧客や事業特性に応じた下記の5つのカンパニーに再編する。事業ポートフォリオを再構築し、収益力の向上に取り組む。
・コンシューマーエレクトロニクスカンパニー
・エネルギーソリューションカンパニー
・ビジネスソリューションカンパニー
・電子デバイスカンパニー
・ディスプレイデバイスカンパニー
ロ 固定費削減の断行
抜本的なコスト構造改革を断行し、将来を見据えた収益力向上を図っていく。具体的には、事業構造・拠点改革の推進、希望退職や海外拠点縮小に伴う人員削減、本社のスリム化や緊急人件費対策などを実行する。
ハ 組織・ガバナンスの再編・強化
a.カンパニー制の導入とその狙い
カンパニー制を導入し、コーポレートによる統制の強化と各カンパニーの自律性の確立を両立することにより、規律あるスピード経営の実現を目指す。各カンパニーは、「財務三表に基づく経営」、「生産から販売までの一貫体制の構築」、「組織のフラット化による市場変化への迅速な対応」を実現していく。
b.抜本的な人事改革
会社再生に向け、重要な役割を担う人材にベストな成長機会と働き甲斐ある処遇を提供し、各事業領域での厳しい競争を勝ち抜く強い組織をつくるため、以下の人事改革に取り組んでいく。
(a) 等級・報酬制度の見直し
(b) 処遇の適正化
(c) 実力ベースの人材登用徹底
(d) 組織のフラット化・シンプル化
このほか、コンプライアンス意識やステークホルダーの視点をもって事業活動に取り組むことにより企業の社会的責任を果たすとともに、環境・教育・社会福祉の分野を中心とした様々な社会貢献活動の推進により、広く社会からの期待に応え、信頼と評価を高めるよう推進していく。また当社は、株主への利益還元を経営上の最重要課題の一つと考えており、連結業績と財務状況並びに今後の事業展開等を総合的に勘案し、長期的な視点に立って、株主への利益還元に取り組んでいく。
これらのほか、③の取り組みを行っている。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって支配されることを防止するための取り組み
当社は、特定の株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株式の買付行為(以下、「大量買付行為」といい、そのような買付行為を行う者を「大量買付者」という。)に関するルールを『当社株式の大量買付行為に関する対応プラン』(以下、「本プラン」という。)として定めており、その概要は次のとおりである。
イ ①の基本方針に記載のとおり、当社取締役会は、当社株式の大量買付行為に応じるか否かについては、最終的には当社株主において判断されるべきものであると考えているが、株主が適切な判断を行うためには、大量買付者及び当社取締役会の双方から必要かつ十分な情報が提供される必要があると考えており、そのためには、大量買付行為が行われる際の一定の合理的なルールを設定しておくことが不可欠であると考えている。
ロ 当社取締役会が設定するルールでは、大量買付者に対して、a)一定の期間内に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報提供をすること、b)当社取締役会による一定の評価期間が経過した後に大量買付行為を開始することを求めている。
ハ 当社取締役会は、大量買付者がルールを遵守しない場合、あるいは、ルールを遵守していてもその行為が当社グループの企業価値・株主共同の利益を損なうと判断される場合には、当社グループの企業価値・株主共同の利益を確保するため、対抗措置を発動することがある。
ニ 当社取締役会による大量買付行為の検討・対抗措置の発動にあたっては、社外取締役、社外監査役及び外部の有識者の中から選任される3名以上の委員により構成される特別委員会の勧告を最大限尊重し、最終決定する。なお、以下の場合には、原則として株主意思確認総会を開催し、当社取締役会はその決議に従う。
・特別委員会が、対抗措置発動についてあらかじめ株主総会の承認を得るべき旨の留保を付した場合
・当社取締役会が株主の意思を確認することが適切であると判断した場合
ホ 当社取締役会が、対抗措置の発動を決定した後、大量買付者から必要かつ十分な情報の提供があり、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資すると特別委員会が勧告し、当社取締役会が判断した場合は、対抗措置を取り止める。
④ 本プランに対する取締役会の意見
当社取締役会は、以下の理由から、本プランが①の基本方針に沿っており、また、当社グループの企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断している。
イ 本プランは、大量買付者が大量買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、及び当社取締役会の評価期間が経過した後にのみ当該大量買付行為を開始することを求め、これを遵守しない場合、あるいは、遵守していても当社グループの企業価値・株主共同の利益を著しく損なうような不適切な大量買付行為が行われる場合には、当社取締役会が大量買付者に対して相当の対抗措置を発動することがあることを明記している。
ロ 本プランは、当社株主が大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の代替案の提示を受ける機会の提供をルール化し、当社株主及び投資家が適切な投資判断を行える環境を整えるものである。また、本プランの発効・継続は、当社株主の承認を条件としている。
ハ 本プランは、不適切な大量買付行為に対して、当社取締役会が対抗措置を発動する場合を事前かつ詳細に開示するものであり、対抗措置の発動は本プランに従って行われる。さらに、大量買付行為に関して当社取締役会が評価、検討、対抗措置の発動等を行う際には、外部専門家等から助言を得るとともに、特別委員会の意見を最大限尊重すること、株主の意思を確認することが適切と判断した場合は株主意思確認総会を開催し、取締役会はその決議に従うことを定めており、本プランには当社取締役会による適正な運用を担保するための手続が盛り込まれている。
⑤ 本プランの有効期間
本プランは、平成26年6月25日に開催された当社第120期定時株主総会において株主の承認を得ており、その有効期間は平成29年6月30日までに開催される第123期定時株主総会終結の時までとなっている。
(注)本プランの詳細については、当社ホームページに掲載のニュースリリース参照。
・平成27年5月14日付ニュースリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2015/150514-1.pdf
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)全体の研究開発費は36,323百万円である。
なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はない。
(5) 事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策
当社グループは「1 事業等のリスク」に記載の継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に対処すべく、以下の対応策を実施している。
当社グループでは、①事業ポートフォリオの再構築、②固定費削減の断行、③組織・ガバナンスの再編・強化を3つの重点戦略とした新たな中期経営計画を着実に実行し、安定的収益基盤の構築を図っている。また、主たる金融機関からは、新たな中期経営計画中の支援継続の同意を得られている。
これにより、資金不足となるリスクを回避するとともに、継続的な支援のもと、新たな中期経営計画の具体的な対応策を推進している。